国土交通No.133
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04中央環状線全線開通により首都高都心部における交通量5%減・渋滞5割減今年3月に中央環状線の「環」が完成したことで、首都高ネットワーク全体がバランス良く使われるようになりました。その結果、所要時間が短くなったり、時間が読めるようになったり、経済活動の効率化にも役立つなどさまざまなストック効果が現れています。都心に集中する交通の分散が図られ渋滞損失時間が大幅に減少首都圏では、東京都心を中心に円を描くように高速道路の整備が進められています。「首都圏3環状道路」と呼ばれるこの高速道路の整備は、都心から各方面へと放射線状に伸びる高速道路をリング状につなぐネットワークを構築し、各地へのアクセスを高めつつ、都心での交通渋滞の緩和を図ることを目的としています。首都圏3環状道路には、内側から「中央環状線」「外環道(東京外かく環状道路)」「圏央道(首都圏中央連絡自動車道)」があります。このうち、中央環状線では、平成27年3月7日に大橋と大井の両ジャンクションを結ぶ山手トンネルが完成し、全線開通となりました。建設を進めてきた首都高速道路株式会社の計画・環境部計画調整課長の加藤浩樹さんは中央環状線の直接的な効果についてこう説明します。「まずは、都心での渋滞緩和です。全線開通してから1カ月後の調査では、中央環状線内側において、利用交通量が約5%減少し、交通渋滞による損失時間が約5割減少したという結果が出ました。この減少時間は約1万2000人分の労働力に値するものと推計され、生産性の大幅な向上が見込まれています」輸送や交通のメリットまた、渋滞が緩和されたことによって、中央環状線を利用しながら人や物を運ぶ交通や物流の事業者にメリット今年3月に全線開通した中央環状線で、3号渋谷線との接続部である大橋ジャンクションの空撮写真。中央環状線の「環」が完成したことで、中央環状線の利便性は大きく向上。また写真のように、高速道路施設の屋上エリアを公園として公共空間にするなど数々の新しい試みも注目されている。大橋JCT山手トンネル大井JCT

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