国土交通省No.135
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20三朝温泉かじか蛙保存研究会 温泉街のあちこちで蛙かえるの置物を目にする。これは三朝町を流れる三みとくがわ徳川にすむかじか蛙。清流にしか生息しておらず、鹿しかのような軽やかな声で鳴くことからその名が付いた。 その美しい鳴き声を聞く「かじか蛙の声を聞く会(現三朝温泉かじか蛙保存研究会)」を昭和54年に発足して以来、かじか蛙を守るため、森に木を植え、清流を次世代に引き継ぐさまざまな活動に取り組んできた。「かじか蛙の声が聞こえる範囲が広がってきている」とうれしそうに笑う門もんぎ木さん。 それら功績が認められ、平成27年4月に緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰(国土交通省関係)を受賞。しかし、森・川・海を未来につなぐ壮大な活動はまだまだスタートしたばかりだ。門木さんは「この活動をこれからも続けていき、自然の大切さを子どもたちに伝え、次の世代に引き継いでいきたい」と力強く語ってくれた。世界屈指のラジウム温泉三徳山と共に日本遺産第一号として平成27年に認定された三みささおんせん朝温泉。「三たび朝を迎えると元気になる」といわれる世界屈指のラジウム温泉。〝浸かる・吸う・飲む〞の三つの方法で体に取り込むと、新陳代謝が活発になり、免疫力や自然治癒力が高まるといわれる。観・聴・味・香・触・心が喜ぶ〝六ろっかんちゆ感治癒〞だ。三朝温泉のはじまりは今から850年も昔。源みなもとのよしとも義朝の家来である大おおくぼ久保左さまの馬之祐すけが、三徳山参さんけい詣の途中に大きな楠くすのきの根元で白い狼おおかみを見つけ弓で射ようとしたが、「神仏にお参りした後に殺せっしょう生はならん」と思い直し見逃してやった。するとその夜、夢に妙みょうけんぼさつ見菩薩が現れ、使いである白はくろう狼を助けてくれた御礼として「あの楠の根元から湯が湧き出ている」と告げた。あくる日、左馬之祐が楠の根元を掘ってみると、熱い湯がみるみるうちに湧き出てきたのが起源だといわれている。それにしても三徳山参拝登山後の三朝温泉は格別だった。鉄板の組み合わせである。▲三徳川にかかる三朝橋のたもとにある河原風呂は公共の露天風呂。三朝温泉のシンボルともいえ、解放感は何よりだ。▲“ラヂムリエ”でもある木屋旅館の御舩(みふね)さんが温泉の効能や入浴方法をアドバイスしてくれる。さらさらっと描く絵もとってもすてき!▲会長の門木光明さん(左)と事務局長の塩谷俊樹さん(右)▲三朝の町の木でもある栃の実で作った三朝名物の“とちもち”は独特な風味がとても美味。▲温泉街の神様「お薬師さん」を祀る広場にある薬師の湯では足湯・飲泉ができる。他にも温泉街には気軽に楽しめる足湯があちこちにある。▲レトロなインテリアが並ぶモダンな梶川理髪館。梶川さんが世界中から集めた数々のバーバーグッズにはすっかり夢中になる。▲藤井酒造の藤井さんこだわりの古酒は国際ワインコンテストで2年連続金メダル受賞。無料で試飲もできる。

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