国土交通省No.135
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22ライフガードをやっていたときに浜辺のゴミを拾ったことはあるのですが、海のゴミはどうなるんだろうということが長年の疑問でした。べいくりんに乗船して、本当に大切な仕事をされているなと感じました。毎年台風の直後は河川から多量のゴミが流れ込み、清掃も忙しいそうですが、乗船時は静かな海で、大きなゴミを数個拾っただけでした。見渡しても浮遊物は見えず、船員さんに「見つけた」と教えられてもすぐにわからないくらい。経験と勘なのでしょうが、目視でゴミを見つけていくのはすごいと思いましたね。東京湾がこれだけきれいになったのは、べいくりんをはじめ皆さんの清掃活動のおかげだと思います。同時に、船と人に費用を掛け、この程度の回収量だと割に合わないのではという疑問も湧きました。でも、例えばたった一つの流木でも、高速で衝突した小型船が動けなくなり、そこに大型船が衝突すると、東京湾全体を閉鎖しなければならない大事故につながる場合もあり得るそうです。こうした事故を未然に防ぐための仕事でもあると聞き、改めて感心しました。東京湾の浮遊ゴミと油を集める船と聞いて、実はタンカーくらいに大きい船を想像していたんです。意外と小さいあの船一隻に、横浜市3個分の広さがあるという東京湾の約6割を任せら立川志の輔一門の落語家として活躍している立川志の彦さんは、かつてはライフガードを務めていたという異色の経歴の持ち主です。東京湾の浮遊ゴミと油を回収して海の美しさと安全を守る清掃兼油回収船「べいくりん」に同乗いただき、その活動を体験してもらいました。清掃兼油回収船“べいくりん”ゲスト 立川志の彦さん(落語家)清掃兼油回収船「べいくりん」は東京湾に浮遊するゴミや油を回収する高機能船。海洋環境整備事業の一環として、東京湾の水質改善と浮遊物の衝突による海難事故を防止する役割を担っている。べいくりんに関する詳細はこちら(見学イベントの情報もあります)http://www.pa.ktr.mlit.go.jp/chiba/横浜の基地港から出発したべいくりん。全長は32.5m、総トン数199t。 船体が2つ並んだような「双胴型」のデザインで、胴体間を抜ける海水からゴミや油を効率的に回収できる。

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