航空

MTSATの機能

通信機能

 現在の航空機と管制機関との通信は、国内空域ではVHF・洋上空域ではHFを使用して音声によって行われています。VHFによる通信では、低高度を飛行する航空機が山 などの地形によって生じるブラインドエリアにより電波が遮断されてしまうことがあります。また、HF通信では、チャンネル数が少なく、電離層の状態によっては通 信が不安定となり、電離層の反射を利用する通信設定そのものが困難な場合もあります。
 これに対して、CNS/ATMシステムでは、MTSATの通信機能を利用して航空機と管制機関が衛星通信で結ばれることになり、山などの地形による影響は皆無となります。 また、HFに比べて通信品質が格段に向上するとともに、データ通信技術により通信容量が増大し、気象データ、NOTAM(航空情報)そしてフライトプランなどを機上の FMS(飛行管理システム)に直接送信することも可能となります。交信した内容は画面で確認することができるので、聞き違いや言い間違いなどの防止にもつながりま す。

 
通信機能


航法機能

 GPSは、測位を行うための衛星システムであり、現在、カーナビをはじめとして、様々な分野で急速に利用が拡大しています。GPSを民間航空で利用するためには、高い 信頼性と精度を満足しなければなりませんが、GPS単独ではこれを満足することができません。従って、次の4つの要素についてGPSを補強するためのシステムが必要となり ます。
 ○ インテグリティー(完全性:提供される情報の正確性)
 ○ 精度
 ○ サービスの継続性
 ○ アベイラビリティー(利用可能性:航法情報を安全に利用できる確率)

【MSASの概要】
 MSAS(MTSAT Satellite-Augmentation System)は、GPSからの測位情報を受信して航行しようとする航空機に対し、GPSの信頼性や精度を向上させるための補強情報を、 MTSATを経由して提供するための地上システムです。従来の航法システムであるVORやNDBとは異なり、洋上から陸域まで広範囲に利用することができるとともに、柔軟な 飛行ルートの設定が可能となります。

航法機能


監視機能

 現在のシステムでは、地上に設置されたレーダーの覆域内であれば航空機の位置をリアルタイムで捕捉することが可能ですが、太平洋上などのレーダー覆域外ではパイ ロットからの音声による位置情報によって航空機の位置を確認しています。これに対して、CNS/ATMシステムでは、測位衛星であるGPS及びMSASを利用して航空機自らの位 置を測定した結果をMTSAT経由で管制機関に送る自動従属監視(ADS:Automatic Dependent Surveillance)により、レーダーの覆域外となる洋上等においても航空機の位置 をより正確に監視することができます。この機能により、航空機監視能力の改善とパイロット・管制官のワークロード軽減が図られ安全性が向上します。交通容量の拡大 や限定した空間・時間の範囲内での最適飛行コースの選択にはこの機能が必要となります。
 
監視機能
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