地方航空路線活性化プログラム

地方航空ネットワークの安定的な確保を図るため、地域主体(地方公共団体、観光協会、商工会議所、エアライン等からなる協議会)が航空路線の維持に向けて実施した取組事例について、ご紹介します。

首都圏からの誘客プロジェクトin南紀白浜空港

対象路線と代替交通

実施主体

南紀白浜空港利用促進実行委員会

対象路線

羽田空港-南紀白浜空港

対象路線要件

旅客数

10万人(平成24年度)


運航便数

1日3便(ERJ170(76席)/J-AIR運航)


直行便と乗り継ぎ便の時間差

南紀白浜⇔東京(羽田)約70分
※乗り継ぎ便なし


代替交通機関での実移動時間

5時間40分

  (白浜町役場)→ (白浜駅)→ (新大阪駅)→ (東京駅)
交通機関 8:03→バス→8:18 8:27→JR→10:50 11:10→JR→13:43 合計 5時間40分
所要時間 15分 2時間23分 2時間33分 計 5時間11分
乗換時間   9分 20分 計 29分

実施した取組内容

取組(3ヶ年)の概要

①【新規】世界遺産「熊野古道」をはじめとする観光資源を活かした取組(その1)(PDF:70KB)

目的
近年多くの観光客で賑わう世界遺産「熊野古道」や持続可能な地域の発展に向け平成26年にジオパーク認定を目指している「南紀熊野ジオパーク」構想、ラムサール条約登録の世界最北の大サンゴ群生地「串本沿岸海域」などを活かした観光誘客に取り組み、「羽田-南紀白浜」線の利用者を増やす。
取組内容
取組 具体的内容 実施主体
旅行商品の造成 世界遺産である熊野三山への参詣道「熊野古道」やジオ(大地)とその恵みに親しむジオパーク構想エリアなど、空港を核とした周遊観光を確立するため、世界遺産保全ウォーク(道普請)やジオツアー(円月島、橋杭岩、フェニックス褶曲など)、串本沿岸海域などに、例えば観光タクシーを組込み安心して参加できる旅行商品にするなど、旅行会社と連携し新商品を造成する。 ・和歌山県
・市町村
・観光協会、旅館組合
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・県観光連盟
・旅行会社
モニターツアー等の実施 熊野古道道普請やジオツアーなど特色のある内容でのモニターツアーやファムツアー(旅行会社・メディア)を実施し、白浜イン・アウトのコース設定に加え、高野山を組込み白浜イン関空アウトのルートを設定するなど、新しい旅行形態を提案し、誘客・商品造成・認知度向上、定番化に取り組む。 ・和歌山県
・市町村
・観光協会、旅館組合
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・県観光連盟
・旅行会社
NPO法人「紀州熊野応援団」との連携による「熊野」PR NPO法人紀州熊野応援団と連携して、首都圏で「熊野」を積極的にPRし、認知度向上を図るとともに、会員以外も含めた里帰りツアーの企画等を行う。 ・和歌山県
・市町村
・NPO法人
羽田空港でのプロモーション活動 毎日多くのビジネス・観光客が利用する羽田空港を利用して、「世界遺産」「ジオパーク」「ラムサール」といった観光資源及び「羽田-南紀白浜」線の利便性を前面に出したプロモーションを展開する。 ・和歌山県
・市町村
・観光協会、旅館組合
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・航空会社
発地情報の発信 首都圏で認知度のあるフリーペーパー「メトロガイド」に一定期間継続した掲載、ターゲット層にマッチした媒体を活用し、例えば、女子旅プラン(パワースポット熊野三山、山ガール!熊野古道健康ウォーキングなど)など旅行プランの提案、JAL機内誌「SKYWARD」での特集記事掲載など、観光資源を最大限活用した旅プラン・ほんまもん体験(体験型観光)など、首都圏での集中的な情報発信により認知度向上を図る。 ・和歌山県
・市町村
・観光協会、旅館組合
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・県観光連盟
・航空会社
・PR会社
着地情報の発信 PR会社と連携して紀南地方の自然・歴史・文化等の魅力をまとめた情報誌を作成し、ノープランで来る人や行き先を絞ってくる観光客に対しても、周遊モデルプランやほんまもん体験(体験型観光)の情報発信により満足度を高め、リピーター化や口コミによる認知度アップに繋げる。 ・和歌山県
・市町村
・観光協会、旅館組合
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・空港ビル
・PR会社

②【新規】欧米からの観光客誘致に向けた取組(PDF:122KB)

目的
「熊野」は「ミシュラングリーンガイド」や「ロンリープラネット」などで高い評価を受けており、世界遺産登録を契機に外国人観光客の関心が大変高まっている。アジア圏からの来訪者は主に関西空港の路線を利用するが、欧米からの来訪者は首都圏空港経由が多いことから「熊野」の積極的なPRにより、欧米からの誘客をさらに進め「羽田-南紀白浜」線の利用者を増やす。
取組内容
取組 具体的内容 実施主体
現地プロモーション 「熊野古道」世界遺産登録10周年を契機に、スペイン「サンティアゴ巡礼道」を有するサンティアゴ・デ・コンポステーラ市と「熊野古道」を有する田辺市が観光交流協定を締結(H26.5.13)したことから、スペインからのさらなる誘客に向け、現地を訪問して田辺市及び田辺市熊野ツーリズムビューローと連携したプロモーションを実施する。 ・和歌山県
・田辺市
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・県観光連盟
・PR会社
・JNTO
ファムツアーの実施 世界遺産「熊野」の知名度を向上させるため、田辺市熊野ツーリズムビューロー等と連携し、スペインをはじめ海外からメディアや旅行会社を招請し、欧米に向けての情報発信に取り組む。 ・和歌山県
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・県観光連盟
・JNTO
PR活動 欧米からの旅行者は個人旅行が主流であることから、インターネット広告(CNNINTERNATIONAL)を活用し、一層のPRに取り組む。 ・和歌山県
・田辺市
・田辺市熊野ツーリズムビューロー
・県観光連盟
・PR会社

③【新規】二次交通対策の取組(PDF:119KB)

目的
空港から熊野古道をはじめとする主要観光地へのバス接続が少なく、二次アクセスが課題となっている。熊野古道ウォークへの対応や中高年齢層をターゲットに観光タクシーを活用した二次アクセスの充実とレンタカーの更なる利用拡大に取り組む。さらに利用者ニーズの把握と、観光客目線での利便性向上に向け取り組む。
取組内容
取組 具体的内容 実施主体
二次アクセスの改善(定額観光タクシーの活用) 「定額観光タクシー」の利用が低迷しており、アンケート回答を条件に助成(※)を行い、利用者ニーズを把握するとともに、一層の周知と内容充実を図るなど今後の二次交通対策に役立てる。

(※)現行制度は、タクシー事業者によりメーター換算で3割引に設定されているものを、2割相当分の助成を行い料金を半額に設定し、利用者増を図り支援終了後は事業者による継続を目指す。
・和歌山県
・市町村
・空港ビル
・タクシー会社
・旅行会社
二次アクセスの改善(レンタカーの活用) レンタカー利用者に対しアンケート回答を条件に助成(ガソリン30L券配布)を行い、利用実態を把握し、活用方法の提案により、旅行商品への組込み等、利用拡大を図る。 ・和歌山県
・市町村
・空港ビル
・レンタカー会社
・旅行会社

④【新規】少子高齢化・人口減少に対応した取組(PDF:163KB)

目的
少子高齢化を背景に今後増大する介護帰省に対し飛行機利用への誘導と、65歳以上が利用対象の運賃制度について、地域住民へ制度の周知を図り「羽田-南紀白浜」線の利用者数を増やす。
取組内容
取組 具体的内容 実施主体
介護帰省者へのインセンティブ提供 介護帰省の利用に対し、片道3千円キャッシュバックによるJR運賃との格差解消策で、飛行機利用へ誘導し、利便性を体験してもらうことで定着に繋げる。 ・和歌山県
・市町村
・観光協会、旅館組合
・商工会議所、商工会
・空港ビル
啓発活動の実施 地元での利用促進の新たな手法として、地元FM局とタイアップした番組製作を行い、「介護帰省運賃」や電車より割安な「シルバー割引運賃」についての制度周知を行うことで、少子高齢化に対応した利用促進に取り組み、飛行機の利用者数を増やす。 ・和歌山県
・市町村
・観光協会、旅館組合
・商工会議所、商工会
・航空会社
・FM局
モニターツアーの実施 JALと連携してモニターツアーを実施し、乗継利用による旅行を提案するなど、新しい旅行形態や飛行機の利便性を積極的にPRし需要喚起に取り組む。 ・和歌山県
・市町村
・商工会議所、商工会
・航空会社
・旅行会社