航空

航空管制官 公式

航空管制官公式ホームページ:管制官のQ&A 国土交通省

管制官のQ&A

 このコーナーでは、みなさんからよくいただく疑問・質問にお答えしてゆきます。
 航空管制官の仕事の基本的な内容については「管制官ってなに?」のコーナーをご覧ください。

Q.1 どうして航空機は管制官の指示に従わなければ
    いけないの?
Q.2 管制官は航空会社の社員なの?
Q.3 管制官になるのはどうすればいいの?
Q.4 管制官は土曜日・日曜日が休みなの?
Q.5 管制官のお給料はどれくらい?
Q.6 管制官の仕事には、どんなものを使うの?
Q.7 管制官は英語で仕事をするの?
Q.8 管制官はコードネームを使って仕事をするの?
Q.9 空港の管制官はどのように仕事をしているの?
Q.10 航空交通管制部の管制官はどのように仕事を
     しているの?
Q.11 どうやって航空機に高度を指示するの?
Q.12 どうやって航空機に進む方向を指示するの?
Q.13 国際線の航空機はどの国の標準時を使用して
     いるの?
Q.14 空にも渋滞があるの?
Q.15 管制塔の高さが日本一の空港はどこ?
Q.16 離着陸する航空機の数が日本一多い空港はどこ?
Q.17 滑走路の長さが日本一長い空港はどこ?
Q.18 飛行機が離陸や着陸をする方向がいつも同じでは
     ないのはなぜ?
※ Q.6をJavaScriptを無効のまま閲覧する場合は、こちらからどうぞ。

Q.1 どうして航空機は管制官の指示に従わなければいけないの?


イラスト:飛行機と自動車の比較

飛行機と自動車の速さの比較

飛行機と自動車の大きさの比較

 普段みなさんが乗る飛行機は縦横の長さが20~70メートルととても大きく、時速400~1,000kmという速さで飛びます。新幹線の最高速度が時速約320kmですから、とても速いですね。しかも、飛行機は前に進んでいなければ宙に浮いていられないのでブレーキをかけて止まることもできず、抵抗の少ない空中ではすぐに曲がることもできません。おまけに、もし空港のまわりに霧が出ていたり、空が曇っていたりしたら、周囲の様子が分からず大変危険です。

 航空機はとても便利な乗り物ですが、その安全を守るのはとても大変なことなのです。そこで、操縦をするパイロットとは別に、安全を確かめて飛び方を決める管制官が必要になります。管制官の指示に従って飛ぶ方法を「計器飛行方式(IFR)」といいます。

 一方、ヘリコプター、飛行船や自家用小型機などは通常、まわりに雲がなく十分に遠くまで見渡せるときに限って自由に飛ぶ方式で飛行することが多いです。このように管制官の指示によらずに飛ぶ方法を「有視界飛行方式(VFR)」といいます。


Q.2 管制官は航空会社の社員なの?


イラスト:国土交通省の名刺を持つタワーマン
 いいえ。管制官は国家公務員(国土交通省の職員)です。

 もし航空機事故が起これば、とても多くの人の命と財産に関わります。また、滑走路や航空路はみんなが公平に使えるようにしなければなりません。そのため、航空管制の仕事は国が責任をもって行っています。

 なお、管制官は北海道から沖縄まで全国へ転勤する可能性があります。また、航空会社の社員ではありませんので、飛行機の料金が割引になるようなことはありません。


Q.3 管制官になるのはどうすればいいの?


 航空管制官採用試験に合格し、国土交通省職員として採用されると「航空保安大学校」新規ウィンドウで開きます。という管制官になるための研修施設で、一年間の基礎研修が行われます。

 基礎研修修了後、全国の空港や航空交通管制部へ配属され、引き続き各管制機関の特色を踏まえた専門研修が行われます。専門研修修了後、技能試験に合格すると晴れて航空管制官に任命されます。

 くわしくは、「めざせ!管制官」のコーナーをご覧ください。

Q.4 管制官は土曜日・日曜日が休みなの?


 航空機は土日でも飛びますので、管制官は警察官や消防士、看護師などと同じように、曜日に関係なく交替制で仕事をしています。空港や航空交通管制部ごとに、何人かが集まったチームがいくつかあり、そのチームごとにシフトが決まっています。

 また、定期旅客便の離着陸がないような真夜中でも、貨物便の離着陸や、日本の上空を通過してゆく通過機、空港の地上面を移動する航空機や車両があるので、航空交通管制部や大きな空港では24時間対応しなければなりません。それらの管制機関で働く場合は夜勤もあります。

Q.5 管制官のお給料はどれくらい?


 4年生大学新卒・職歴無しで採用され、航空保安大学校での基礎研修を修了した後、東京空港事務所(羽田空港)の航空管制官として発令された直後の基本的な給与の一例を示します。

 「229,200円」 (専門行政職俸給表1級11号俸、調整数2の俸給の調整額及び地域手当を含む)

 また、このほかにも勤勉手当・期末手当(ボーナス)だけでなく、航空管制手当、夜間特殊勤務手当、夜勤手当、休日給などが支給されます。  

Q.6 管制官の仕事には、どんなものを使うの?


 これが、仕事をするときの管制官の写真です。それぞれのアイテムをクリックして、解説を見てみましょう。
 ※このQ&Aは、JavaScriptを有効にしてお楽しみください。無効のまま閲覧する場合は、こちらからどうぞ。

ヘッドセット
第5管制業務処理規程
各種規定類
IDカード
水筒
ハート



Q.7 管制官は英語で仕事をするの?


 航空機には国外と国内を行き来する国際線もあるので、管制官とパイロットの通信には英語を使うのが世界的なルールです。また、通常使う用語も世界的なルールで決まっています。ただし、母国語(日本語)を使うこともできます。空港内で航空機をけん引するトーイングカーなどとの通信では、日本語を使います。

 なお、エアバンドという無線機を使うと、誰でも管制官とパイロットの会話を聞くことができます(ただし、スピーカーから大音量で流したり、聞いた内容を誰かに話したり、インターネット上で公開したりしてはいけません)。
 詳しくは、「エアバンドを聞いてみよう!」のコーナーをご覧下さい。


Q.8 管制官はコードネームを使って仕事をするの?


イラスト:「タンゴマイク」に変身するタワーマン
 管制官どうしが仕事中に専用電話で連絡をとったときには、「その連絡をとったのは確かに自分です。」ということをはっきりさせるため、お互いに名前を伝えます。
 管制官には、話すことや聞くことの一言一言に責任があるのです。

 ただし、いつも本名を言っていたのでは長過ぎますし、相手が外国人の場合(アメリカ・韓国・台湾・中国・フィリピン・ロシアなど海外の管制官や、在日アメリカ軍の管制官と連絡をとることもあります)は聞き取るのも大変ですので、管制機関の中でひとりひとりに割り当てられた、アルファベット2文字からなる「イニシャル」という呼び名を使います。

 タワーマンは「TM」を使っているようですね。「TM」は「タンゴ・マイク」と読みます。ほかのアルファベットの読み方は、「エアバンドを聞いてみよう」のコーナーの「フォネティック・コード」の項で解説しています。


Q.9 空港の管制官はどのように仕事をしているの?


 空港での仕事には、管制塔で行うものと、レーダー管制室で空港用レーダーを使って行うものがあります。

 管制塔での仕事には
写真:管制塔の4つの管制席

飛行場管制席

地上管制席

管制承認伝達席

飛行情報席

  • 滑走路を使う順番を決めて離陸や着陸の許可を出す「飛行場管制席」
  • 誘導路の進み方を指示する「地上管制席」
  • 飛行コースや高度を出発前に承認する「管制承認伝達席」
  • レーダー管制室や航空交通管制部にいる管制官などとの連絡や調整をする「飛行情報席」
の4つがあり、それぞれ別の管制官が担当しますが、空港によっては一人の管制官がいくつかまとめて担当している所もあります。

 レーダー管制室での仕事には、
  • パイロットに指示を出す「レーダー対空席」
  • 管制塔や航空交通管制部にいる管制官などとの連絡や調整をする「レーダー調整席」
の2つがあり、空港によっては、出発する航空機や到着する航空機などの種類ごとに別々の管制官が担当している所もあります。その場合も、互いに連携し合って効率的で安全な管制を行っています。

 また、集中力を保つために、それぞれの仕事を30分~1時間程度で交替しながら進めていきます。


Q.10 航空交通管制部の管制官はどのように仕事をしているの?


写真:航空交通管制部の2つの管制席

レーダー
対空席

レーダー
調整席

 航空交通管制部で働く管制官は、地域により一人当たり3つ~8つのセクターを担当します。セクターごとに
  • パイロットに指示を出す「レーダー対空席」
  • 空港にいる管制官などとの連絡や調整をする「レーダー調整席」
の2つの仕事があり、こちらも集中力を保つため、それぞれを30分~1時間程度で交替しながら進めていきます。

航空交通管制部の管制官が使用しているシステム(IECS)の紹介は、「これがレーダーだ」をご覧ください。

Q.11 どうやって航空機に高度を指示するの?


イラスト:垂直間隔の概念

1,000フィート
(約300メートル)
以上

 航空機が飛ぶとき、高度(高さ)の単位には「フィート」(1フィートは約30センチメートル)を使います。

 たとえば、「35,000フィートを保って飛んで下さい」とか「○○地点を1,800フィートで通過してください」というふうに、100フィートの倍数で高度を指定します。

 そして、航空機どうしが交差するときやすれちがうときは、高度の差が1,000フィート以上開くよう、それぞれの航空機に高度を指示します。


Q.12 どうやって航空機に進む方向を指示するの?


 航空の世界では、距離の単位には「海里(ノーティカル・マイル)」(1海里は約1.85キロメートル)を使います。

 ある航空機どうしの高度の差が1,000フィート未満の場合、5海里(場合によっては3海里)よりも近づかないように、それぞれの航空機に進む方向を指示します。
イラスト:磁針路とレーダー間隔の概念

060°
の方向へ

5海里(約9km)以上

右へ35°

 では、進む方向を具体的にどうやって指示するかというと、北を0として、時計回りに大きくなる角度の大きさで表します。つまり、東は90°、南は180°、西は270°、北は360°というわけです。たとえば、「60°の方向へ進んで下さい」とか「右へ35°曲がって下さい」というふうに、5°の倍数で指示を出します。

 ところで、滑走路の端には数字が書いてありますが、もしこれが「13」であれば、その滑走路が向いている方向は130°という意味です。130°は南東の方向です。このとき、反対側の端には「31」(130°+180°=310°)と書かれています。


Q.13 国際線の航空機はどの国の標準時を使用しているの?


 世界の国々の間には時差があるので、国際線の航空機に「○○時に△△の地点を通過してください」というような指示をした場合、それがどこの国の標準時をもとにした時刻なのか分からなくなってしまいます。

 そこで、国際線、国内線に限らず、管制官とパイロットは「協定世界時」という全世界で共通の時間をもとに仕事をしています。日本時間からみると協定世界時は9時間遅れていますので、たとえば日本標準時の午後10時は協定世界時では午後1時となります。

Q.14 空にも渋滞があるの?


 羽田空港などの大きな空港には日本中から多くの航空機が集まってきますが、ほとんどの空港では滑走路は多くて2本しかありません。出発する航空機も滑走路を使いますので、着陸するための順番待ちの渋滞が起こります。これは、高速道路の料金所のゲートが2ヶ所しかないところに、たくさんの自動車が集まってきて渋滞が起こるのに似ています。

 飛行機は自動車とちがって止まることができませんので、回り道をするよう指示したりスピードを落とすよう指示したりして、すべての飛行機が、安全に着陸できる一定の距離を保って一列に並ぶようにします。これを「スペーシング」と呼びます。

 ただし、距離があまり空きすぎると後ろの航空機にとってはむだに長い距離を飛ぶことになってしまいますから、その加減がむずかしく、管制官の腕の見せどころになります。


※動画を再生できない場合は、wmvファイル(2.6MB)をダウンロードしてご覧ください。


Q.15 管制塔の高さが日本一の空港はどこ?


写真:羽田空港の管制塔

羽田空港の管制塔

 東京国際空港(羽田空港)の管制塔で、その高さは115.7メートルです。
 そこからは、富士山はもちろん、長野県と群馬県の県境にある浅間山も見えることがあります。また、東京ディズニーリゾートの花火をはじめ、東京、横浜の花火大会も見ることができます。

 2位は成田国際空港で87.3メートル、3位は中部国際空港で86.8メートルの順となっています。

 ちなみに世界で見ると、タイのスワンナプーム国際空港(132.2メートル)、マレーシアのクアラルンプール国際空港(130メートル)、アメリカのハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(121.3メートル)についで、管制塔としては4番目の高さです。


Q.16 離着陸する航空機の数が日本一多い空港はどこ?


 これも東京国際空港(羽田空港)です。平成26年4月現在、1年間に最大約44.7万回、1日あたり約1,200回の航空機の離陸または着陸が行われています。最も忙しい時には離陸、着陸ともに1時間あたりそれぞれ最大40回を基本に、あわせて最大80回の離着陸を行うことができます。約45秒に1回の離着陸が行われていることになりますが、航空管制官が、4本の滑走路に航空機を的確に誘導することにより安全に離着陸が行われています。

Q.17 滑走路の長さが日本一の空港はどこ?


写真:成田空港の滑走路

成田空港の滑走路

 成田国際空港と関西国際空港で、その長さは4,000メートルもあります。もし端から端まで歩くとしたら50分以上もかかります。

 ほかにも国際線がある空港は2,500~3,000メートル、国内線だけの空港だと1,500~2,000メートルのところが多いです。

 飛行機は、大きく、重たくなるほど離陸のときに長く滑走しなければならないので、燃料をたくさん積む国際線の飛行機が飛ぶためには長い滑走路が必要になるのです。


Q.18 飛行機が離陸や着陸をする方向がいつも同じではないのはなぜ?


イラスト:風向きによって使用滑走路が変わる
 離陸のとき、飛行機が浮き上がるための力(揚力)は、向かい風のときの方が大きく働きます。また着陸のときに、速度を落として安全に着陸するためには、下から支える力(つまり浮き上がるための力)が大きい方がよいのです。

 ですので、風向と風速を考慮のうえ、離陸や着陸をする方向も変える必要があります。離着陸の方向を変えることは、それまでの航空交通の流れを大きく変えることになるため、管制官、パイロットをはじめとして皆のチームワークが求められる場面になります。






ページの先頭に戻る