ホーム >> 政策・仕事 >> 国土計画 >> 国会等の移転ホームページ >> 今までの取組 >> 国会等移転審議会 >> 公聴会の議事要旨/議事概要 >> 第2回国会等移転審議会公聴会(名古屋)の議事要旨

国会等の移転ホームページ

第2回国会等移転審議会公聴会(名古屋)の議事要旨

日時: 平成11年2月1日(月曜日)14時0分〜16時0分
場所: 名鉄グランドホテル
審議会委員出席者: 野崎幸雄部会長代理、新井明委員、宇野收委員、
池淵周一専門委員、片山恒雄専門委員、鈴木隆介専門委員
一般参加者: 総計218名

1.意見発表者による意見発表(氏名(敬称略)、性別、年齢(当時))

(1) 氏名:河内美代子 性別:女性 年齢:46

発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
私は、岐阜市から参りました河内美代子と申します。職業は、1級建築士で、設計の関係の仕事を行っております。政治・行政に深い知識を持っているわけではありませんので、的外れなことを申し上げるかもしれませんが、私たちの子供、そして、その子供たち、何代にもわたる大切なことだと思って出てまいりましたので、よろしくお願いいたします。
私の住む岐阜県では、「21世紀の新首都は東京から東濃へ」というスローガンが至るところに掲げられております。私が所属しております岐阜県建築士会でも、一昨年に、会員を対象とした新首都像のイメージ図の提案コンペを行いました。昨年の9月には、岐阜市で、「女性が考える首都機能移転」というシンポジウムも開催され、800人ぐらいの女性が集まられ、私も、その1人として聞かさせていただき、そういう機会を通して、いろいろなことを考えさせていただきました。本日は、そういうときに感じたことについて発言したいと思い、申し込みました。
次の3点について話させていただきたいと思います。
まず第1点は、日本の社会を直すために、有効な手段として首都機能移転をすべきであるということ。
第2点は、首都機能移転の目指すものが、単に政治・社会システムの変革だけではなく、国づくりの基本理念にかかわるということ。
そして第3点は、どこに移転すべきかについてお話ししたいと思います。
第1点の首都機能移転については、無条件に賛成というわけではなく、日本の社会がよくなるように進められることを望んでおります。単に、東京に集中し過ぎるから場所を移すというだけでは、意義がないのではないでしょうか。21世紀の国づくりや、日本人の意識変革に、大きなプラスを生むものとして首都機能移転を考える必要があると思います。
日本の現在の政治、経済、社会の状況がうまくいっていると考えている人は少ないと思います。うまくいっているならば、あえて変化を求める必要はないのですが、このまま何もせず問題を先送りしていくならば、日本の活力はますます減退し、国際的な地位も低下し、大変困難な状況になっていくのではないでしょうか。
一昔前、日本を称して、「経済は一流、政治は三流」と言われましたが、現在は経済のほうも行き詰まってしまい、大変な状況になっています。世界一流と言われた官僚機構も何だかおかしくなってきて、厚生省の薬害エイズの問題、大蔵省の接待疑惑、そして最近では、防衛庁の贈収賄汚職など、政・財・官の癒着を原因とした不祥事が霞が関を中心に頻発しており、日本の政治・行政システムを変える必要を感じている人が多いのではないでしょうか。私もそう思います。何とかしてほしいと思っております。首都機能移転を、政・財・官の分離を図るとともに、規制緩和も含め、中央集権型のシステムを変えていく切り札にしていけるとよいと思います。
第2点の、首都機能移転が国づくりの根幹にかかわるということですが、首都の役割として、まず、政治、行政、司法が基本にあるわけですが、そういう機能的役割だけではなく、国の姿を代表したり、国民の気持ちをまとめていくような象徴的な役割も大変重要だと思います。
オウム真理教の事件や、最近では、和歌山の毒物カレー事件、そして、青少年の凶悪犯罪の増加など、みんなが、「日本は一体どうなってしまうのだろう」と不安になるようなことがいっぱい起きております。高度経済成長の中で、いろいろ犠牲にしてきた社会のひずみが大きくなり過ぎ、八方ふさがりの感さえあります。
また、昨年の、岐阜市での、女性が考えるシンポジウムにおいて、新首都の建設に当たっては、自然環境を最大限に尊重する必要があるとか、新首都から排出されるごみは最小限にする必要があるなど、環境を大切にしたいという意見が多数出ました。そして、私たちのライフスタイルも、大量消費、使い捨て型から、シンプルでリサイクル型に転換することが必要であるという意見も強調されました。
また、このシンポジウムの挨拶の中で、岐阜県知事さんが、新首都の役割を、「地球への貢献、人類への貢献、そして地域への貢献」という言葉で提唱されましたが、私も、そういうコンセプトこそ非常に大事だと思います。国の政治・行政システムを変えることも大事ですが、世界における日本の役割、社会と個人との関係、個人の生き方など、基本的な部分で価値観の変換が起きつつある時代にこそ、その方向性が見出せるような、人々が自信を取り戻せるような、そういう国の施策が打ち出されることが大事なのではないでしょうか。新首都の建設が、現在の社会のゆがみを正し、これからの日本の国づくりの根幹部分を形づくっていくようなシンボル的なプロジェクトとして、そういう視点が重要だと思います。
第3点目として、どこに移すのがよいかということですが、首都には、日本人の原点とでもいうか、歴史を感じる部分が大いにあると思います。かつての首都であった京都、奈良に対しては、多くの人が特別な感情を抱いていると思います。そして、現在の首都である東京についても、政治、経済、文化の中心地という意味だけではなく、日本の首都であるという意味において、多くの人が、一度は見ておきたいな、そういう気持ちを持っているのではないでしょうか。
20世紀の日本の近代化の象徴であった東京タワーや、近代の政治の中心であった国会議事堂も、日本人にとっては大切な場所になると思います。でも、欧米へのキャッチアップを目的にした政治が行われた東京は、21世紀以降の日本の政治の中心地としては、少し古ぼけてしまい、余り似つかわしくない、そういうような気がします。
21世紀の日本の政治は、地球や人類に貢献する目標を持って展開される必要があり、それにふさわしい雰囲気と機能を持った新しい都市で展開される必要があると思います。そして、そこを訪れる日本人にとっては、国家の新しい目標に共感することができるものとすることが必要であり、そこを訪れる外国人にとっては、日本の目指している国家像を、新首都を通じて理解していけるようなものにしていかなければならないと思います。
将来の日本を支える学生たちが、京都、奈良で日本の心を学び、東京で日本の近代化の歴史や経済を体感し、新首都で、21世紀の日本が世界に対して果たすべき役割を学び、実感していくようなプログラムができたら、すばらしいなと思います。そういうことを考えると、新首都の位置は、全国から集まりやすい日本の真ん中がよいと思います。
歴史的には、400年に1度、遷都が行われてきました。今度の新しい首都も、少なくとも、これからの数世紀、耐え得るものでないといけないと思います。一番大事なことは、日本人が力を合わせることができるような首都づくりをすることだと思います。そのことを審議会の先生方にお願いして、発言を終了させていただきます。
ありがとうございました。

(2) 氏名:吉田豊 性別:男性 年齢:47

名古屋に住んでいます吉田と言います。
僕は、48年間、県外へ出ることなく、ずっとここの地に住んでいるわけです。住んでいる一国民として、また、一納税者として、首都機能移転そのものに疑問があるので、ここへ立たせていただきました。
東京一極集中で、ほんとうに地域の文化といいますか、個性が失われています。名古屋にいても、東京の文化のコピー、あるいは東京発の文化を受容するばかり、こういう状況です。放送でも、あるいは新聞でも、東京の記事になるところから入ってきたものがコピーをされているというのが実態だというふうに思います。たまに地方色を出した名古屋的なものが出てくるとしても、それも、東京的発想でリフォルムされた、類型化された、いわゆる名古屋物という形で出てきて、ほんとうにもう反発を感じるというのが実際のところです。そういう意味で、東京一極というのは、東京が混雑して、あるいは、東京にいろんなものが集まっちゃって困るということではなくて、地方が衰退するという問題だというふうに考えています。
さて、それでは、それは首都を移転することで解決するのでしょうか。僕は、どこか別のところにそういうセンターをつくっても、問題は同じであると考えています。日本全体が、我が国全体が、それぞれ地方、バランスをとって発展していくというふうには、とても、この一事でもって考えることはできません。
あるいは、首都機能をばらばらに分散することで解決するだろうか。これも、そもそも国家意思を決定し、行政権を執行していくということを考えるならば、ばらばらにするということで、果たして国家として成り立つのかという問題にぶち当たらざるを得ないのではないかと思います。仮に地理的に分散するという方式をとることが可能であったとしても、相変わらず、中央と地方という関係そのものは解決したことにはならないと思います。
僕は、基本的に必要なことは、地方自治の発展であるというふうに考えています。この愛知は、人口においても、経済力においても、ヨーロッパの一国に匹敵するだけの規模を持っています。そういう意味では、この愛知だけでも、一定のことを十分やり得るんだし、中央に統制や管理や指導をされなくても十分であるというふうに考えています。ですから、地方分権、地方自治を発展させるということが、まずもって必要なことだというふうに考えています。
中央には、必要のないものがたくさんあります。とりわけ、今日の段階では、「もうそういうものはなくったっていいよ」と言えるものがあるのではないでしょうか。例えば文部省です。文部省など要らないでしょう。諸外国では、文部省のない国家が幾つもあります。日本でも、幾つかの国立の機関を除けば、文部省の現在持っている権限は、すべて地方に任せればいいわけです。いかに、権限、財政の構造を思い切って地方自治体に手渡していくか、統制をしないでいくか、このことが今一番求められているわけです。
一時期、つい最近までですけれども、「小さな政府」とか、あるいは「財政構造改革」とか「行政改革」とかいうことが声高に叫ばれました。しかし、現実はどうでしょう。長期不況を克服するために、そういうものは全部棚上げにされていくという実態がございます。こういう中で、果たしてほんとうに地方分権、地方自治の発展があり得るのだろうかというふうに、大変疑問に思っています。
現在、この場も含めて行われている首都機能移転の議論は、直接的には、あのバブル末期の発想から生まれたものです。さらに、それに、阪神大震災の問題等がつけ加わっていますけれども、僕は、この首都機能移転ではなくて、まず地方分権をすべきだと思います。移転をしなくても、それはできることだし、また、しなければならないことだというふうに思っています。一度決めたから、行け行けという格好で、ブレーキを効かなくさせてしまうことが、我が国には時々あったのではないでしょうか。そのことが破滅を招いた歴史もございます。ここは、ぜひ、勇気を持って立ちどまる、考え直す、引き返すということも必要だと思います。
僕は、首都機能をどこに移転するのかという議論の前に、やはり地方分権、地方自治の花を咲かせ、各地域にそれぞれの文化と伝統、そして、個性をきちんと生き返らせていく、このことができなければ、首都を移転することの意味はさほどないというふうに思っています。まして、バブル末期の状況とは東京も変わってきています。そのことも踏まえて考える必要があると思います。
最後に、蛇足になりますけれども、やはりこの問題を考えるためには、この社会の2分の1を支えている女性の皆さんや、20代、30代の青年が、この審議会や専門委員に相当な比率を占めていることが必要だと思います。そういう青年や女性を含んでいない今の審議委員会や専門委員会で、未来に対する大きな決定をするのは、これは、余り感心できないことであるということも、多少蛇足ですが、つけ加えて、僕の疑問の表明としたいと思います。
どうもありがとうございます。

(3) 氏名:伊藤喜美 性別:男性 年齢:76

岐阜県経済同友会の筆頭代表幹事を務めております伊藤でございます。
私ども同友会では、首都機能移転を推進するために特別委員会を設置して、積極的な活動を展開しておるところでございます。ただいまより、移転の必要性と首都機能の形成のあり方の2点について申し述べたいと思います。
まず1点目の、移転の必要についてでございますが、その最も重要な論点は、災害対応力の強化であると考えております。先日、慰霊祭の様子が、新聞、テレビなどで報道されておりましたが、阪神・淡路大震災では、6,000名を超える尊い命を失い、また、経済活動でも大混乱を来したところでございます。仮に、現在の過密した東京圏で、阪神・淡路大震災のような直下型の大地震が発生したとすれば、その何倍にも相当する、かけがえのない人命が失われるおそれだけでなく、経済的なパニックは、国内はおろか、アジア、あるいは全世界へも大きな影響を及ぼすおそれがあるわけでございます。「企業は人なり」と言いますが、「国家もまた人なり」でございます。21世紀を担う子供たちが、安心して学び、遊び、憩うことができる安全な国土をつくり上げることが、今後、我が国が繁栄していく上で何よりも重要であると思います。
小渕総理は、通常国会の施政方針演説の中で、現在を、「明治維新、第2次世界大戦後に続く「第3の改革」の時期」と位置づけておられました。まさに同感であり、現在は、行政、財政、経済、教育など、多くの分野で改革が必要な時期でございます。しかし、私は、いかなる改革も、安全な国土があってこそ初めて成就すると考えます。その意味で、国土の改革は、行財政改革などの基礎ともなる改革であると思うわけでございます。
したがいまして、冒頭に述べましたとおり、移転の必要性の論拠といたしましては、まず最初に、災害対応力の強化を挙げるべきであると思います。この災害対応力の強化を出発点として、その実現のためには、分散型の国土を形成しなければならないし、さらに、地方分権などを推進し、分権型の国家を築く必要がある。だから首都機能を移転しなければならないといった道筋が、国民に対して最も説得力のある考え方だと思うわけでございます。
なお、この点に関連して、災害への対応から、首都機能を2段階に分けて移転するといった見解がございますが、これには反対でございます。2段階に分けて移転することは、結局、経済的にも政治的にも、大きな無駄を生じることにつながります。したがって、中央地域にせよ、北東地域にせよ、一旦、移転先を決定したならば、数百年は首都機能をその地域に置くといった確固たる信念を持って移転を行うべきと考えております。
さて、第2点目でございますが、首都機能の形成のあり方について申し述べます。
私ども同友会では、首都機能を1カ所に集中して移転させるのではなく、県境を越えて数カ所に分散させるべきだと考えております。つまり、1つの都市だけに首都機能を集中させるのではなく、県境を越えた複数の都市群が、ネットワークを結びながら首都機能を分担するといった形成のあり方がベストであると思います。この分散型の移転には、集中型の移転に比べて災害に対する危機管理が行いやすいこと、また新たな一極集中を回避できることなど、メリットがございます。また、首都機能を受け入れる地域にとっても、自然環境が大きく破壊されることがなく、古くから地域にある文化や慣習、コミュニティーを残すことが可能でございます。さらに、昨今問題になっているところの、一般廃棄物の処理についても、特定の地域に大きな負担を強いることがありません。
もちろんデメリットもございます。国政の効率が低下するおそれがあることでございます。しかし、この点については、分散の地理的範囲を限定した上で、日進月歩で高度化する情報機能の技術を活用すれば、それほど大きなデメリットではなくなると思います。私どもでは、岐阜東濃地域を中心とした東海地域こそ、分散型の首都機能移転を展開する絶好の圏域であると考えます。
東海地域は、我が国の真ん中に位置するほか、ご存じのとおり、中部国際空港の開港や国際博覧会の開催を迎え、多様な社会基盤が整理されつつあります。したがいまして、東海地域内の公有地を、地盤の調査や、活用できる社会基盤の種類などを基準に、複数リストアップして、それらをつないでいけば、当地域には、低コストで高い機能を備えた、すばらしい首都機能圏域が誕生することと確信しております。
以上、移転の必要性、首都機能の形成のあり方の2点について、私見を交えて、岐阜県経済同友会の考え方を申し述べてまいりましたが、最後に、国土の安全は、我が国の政治、経済、文化活動の礎であり、だからこそ、たとえ経済状況が上向きでなくとも、移転を断行する必要があることを申し上げまして、私の意見発表を終わらさせていただきます。
どうもありがとうございました。

(4) 氏名:高崎裕樹 性別:男性 年齢:38

岐阜市に住んでおります高崎裕樹と申します。
私は、中部圏のビジネスピープル約160名が集います異業種自主勉強会、TMCの代表幹事を務めております。TMCでは、1995年の10月から1年間、首都機能移転に関する市民の勉強会をシリーズで開催してまいりました。それら勉強会を通して1つ感じましたことは、首都機能移転について、多くの市民は、まだまだ東京の機能をそっくり移転する大がかりな遷都だと、そう誤解していると思いました。今後、これについては正しい理解を求め、議論する場づくりが必要だと思います。
さて、21世紀の日本という国づくりを考える上で、首都機能移転は大変重要な課題であります。現在の経済状況からいたしますと、確かに目前の優先課題は、景気であるかもしれませんが、私たちは、より豊かな社会をつくる上で、真剣に21世紀の日本の社会のあり方を考える必要があるのではないでしょうか。首都機能移転はまさに百年の大計であり、日本の社会構造を変革する歴史的プロジェクトとして位置づけてかかる必要があると思います。
そこで、私がこの場において最も主張したいことは、現在の日本における、東京を頂点としたヒエラルキー型社会構造からの変換です。私は、4年間の学生時代と、つい昨年まで、2年間にわたって東京勤務を経験し、みずから合計6年間の東京生活と、それ以外の岐阜、名古屋あるいは静岡といった、東京以外での地方生活を通して痛切に感じましたことは、今の日本社会では、東京こそがエリートであり、東京でなければ決められない、東京経由でないと発信されないということが、余りにも多過ぎるということです。東京が頭脳であり、地方が手足なんでしょうか。
また、地方の出来事は、大事故や災害しか全国ニュースにはなりません。例えば、この地域で開催される予定の2005年日本国際博覧会は、国家プロジェクトであり、その開催意義は大変高いものではありますが、東京ではなかなかニュースになりません。しかし、東京では、ちょっとでも雪が降れば、テレビから流れる東京の姿は、滑った転んだので、そういったローカルニュースに、関係ない地方の人々が長々とつき合わされるではありませんか。東京こそが偉いと思っているから、「地方では有能な人材がいない」とか、「地方では正しい判断ができない」とか、そう感じてしまうのです。
また、東京ばかりに住んでいると、いろいろな矛盾があるのに、それが見えないんです。今の日本社会では、物差しが1つ。東京が唯一の頂点になっています。今まで、日本が経済成長してきた、そういう時代はよかったでしょう。しかし、高度成長はとうに終えて、成熟化し、国際社会の中に生きるこれからの日本社会が、いろいろな頂点あるいは核というものが必要でありまして、日本国民がみんな多様な価値観をそこで認め合うということが重要なのではないでしょうか。
そこで、現代日本の、東京を頂点としたヒエラルキー型社会構造、これを崩して変革するには、国会と官庁を移転するという首都機能移転、これが必要なんです。地方分権の推進とか道州制への移行をすればいいじゃないかということを言われる方がいらっしゃいますが、それだけでは、東京の中枢部にメスを入れることにはなりません。周辺部分を整理整頓するという、そんな易しいやり方では、変革にはなりません。東京の中枢部が引っ越しする、それをみずから行って片づけること、そして、頭を切りかえること。言ってみれば、核分裂とも言うべき、それぐらいのインパクトを与えることが必要なんです。そして、まず、その最初の核分裂である首都機能移転をきっかけに、その後、道州制への移行、地方分権の推進を本格化させていけば、やがて日本に、東京以外の頂点、あるいは核、こういったものが幾つかできて、物差しもいろいろなものとなっていくでしょう。
東京にしても、今のような過度の機能集中によります不健康状態ではなく、ずっと魅力的な文化を持つ1つの地方になっていけるはずです。こうして、我が国は、国土に広がる多様で豊かな資源を大いに活用でき、そこに生きる人々が活躍できる社会をつくることができるでしょう。新たな時代にふさわしい社会を構築することが、21世紀を担う我々の重要な役割なのではないでしょうか。
首都機能移転の必要性を訴えてまいりましたが、もう一つ、新首都をアピールする機会や場という観点から、1つ提言をさせていただきます。
ちょうどこの地域では、2005年に国際博覧会が開催されます。瀬戸市南東部の丘陵地を主会場として、21世紀という新しい時代にふさわしい、環境負荷が少なく、自然と調和したまちをつくろうとしています。首都機能移転によってつくられる新首都も、21世紀型の新しいまちを創造するということになるでしょう。私は、新首都のまちづくりのモデル提示について、21世紀最初の国際博覧会という機会をぜひ活用したらいいと思います。
国際博覧会の主会場跡地が、結果として、新首都の一部機能を担うことになるかもしれませんし、もし仮に新首都が地理的に遠い場所となったといたしましても、国際博覧会開催時において、新首都創造に向けての都市づくりの実験や、そのモデル提示をすることは、首都機能移転プロジェクトにおいて絶好の機会であり、世界各国へアピールする場になり得るのではないでしょうか。
最後に、首都機能移転が、この国の新たな時代を築く歴史的プロジェクトとして成功し、日本人が本当に豊かな心と文化を持ち、世界各国から親しまれ、信頼される国になることを願い、私の意見発表とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。

(5) 氏名:山田玉世 性別:女性 年齢:63

私は、首都機能移転に関して、主として2つのことから考えを述べたいと思います。
国民の財政負担の問題、国政全般の改革が促進されるという、その中身、現在進められている規制緩和や地方分権のことについて考えを述べたいと思います。
首都機能移転が平成4年に国会で決まりましたが、果たして国民の暮らしとのかかわりに論議がされたでしょうか。どれだけされたのだろうかと疑問に思っております。現在、国と地方自治体が抱えている財政危機の状況は、これまでの無駄な公共事業によってつくられ、国債、地方債合わせて600兆円にも上ろうというものです。
無駄というのは、例えば日本世論調査会が行った世論調査では、80%の人が、長大な橋の建設を無駄だというふうに答えていますし、21世紀環境委員会が、300の環境保護団体や住民団体に対して、緊急に中止、廃止すべき公共事業100選のアンケートを行ったところ、中部国際空港や静岡空港、びわこ空港などの空港建設と、首都圏中央連絡自動車道や東海環状自動車道など、高規格道路建設が名前を連ねていたということです。
近くでは、長良川河口堰もしかりです。私は津市に住んでおりますが、国民の反対を押し切って建設されて、私たちは、おいしい水を飲んでいるのに、このために、わざわざ高くてまずい水を飲むということになりました。
これら公共事業によってゼネコン型の利益が集中していくわけですが、その影に、政治家と官僚、財界の癒着構造があり、それに対する政治不信が国民の中に大きく広がっています。建設費用全体に占める公共事業費は45%を占め、その中でも、近年、土木費が上昇しています。移転にかかる費用は、国土庁の作成されたパンフレットによると、公的負担として2.3兆円というふうに書かれておりますが、これはかなり内輪に試算されているのではないかと私は思います。
現在のこの財政危機打開策が依然として公共事業に依存する、そういうものになっていて、私たちの暮らしに関係の深い社会保障や教育費を圧迫して、国民生活に犠牲を強いるものになっています。そういうものを見ると、この事業によって今後ますます国民の税負担が強められていくということが明瞭になってくるのではないでしょうか。国や地方の赤字が、子供や、その子供のまた子供の時代にわたって税の負担が強められていく、そういう内容とのかかわりで、首都機能移転の必要性が、ほんとうにもっともっと説明され、その必要性に国民の合意をつくっていく、そういうことがない限り、私は、この計画は非常に慎重になっていただきたいというふうに考えております。
次に、移転によって地方分権や規制緩和など国政全体の改革が進むということを述べられておりますが、地方分権推進委員会が、5次にわたる勧告に基づいて、地方分権推進計画をつくられました。そして、国の機関委任事務が廃止されるなどが盛り込まれておりますが、先ほども発言がありましたように、私も、地方分権がこれによって進んでいくというふうには考えておりません。今の国の形を変えて自治事務に対しての国の権限が強く残っているように思いますし、まだまだ真の地方分権、住民が主権者たる、そういう地方分権にはほど遠いものであるというふうに思っております。
また、地方分権の受け皿として、地方自治体が、市町村合併とか広域連合が進んでいます。今、介護保険の問題で広域連合が必然的に起こってくる面もあるわけですけれども、やはり自治体を補強する受け皿というふうな面が否めないと思いますし、政令指定都市や30万都市などの中核市などに、どうしても大きいところに権限があるというところで、そこに連なりたいということで、必然的にそういう傾向がつくられてくると思います。住民の生活に密着した地方行政にはほど遠いのではないかというふうに思っております。
地方分権推進計画に基づいて、法的にもいろいろな法律が改正されてくるということになるわけですけれども、私が、最近目にした一例を挙げますと、国庫補助金の負担金の整理という課題を受けて、昨年の3月30日に生涯学習審議会が、「社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について」という中間報告を出しました。これによりますと、公民館の運営審議会を、これは必ず設置しなければいけないというふうになっているものを、この必置規制を外して自治体の任意設置にするとか、図書館長の司書の資格要件を廃止するとか、マルチメディアの活用や教育業者との連携を強めるとか、首長部局との連携を強める、そのような規制緩和が示されています。
これは、私は、今、社会教育、生涯学習教育ということが非常に叫ばれているわけですけれども、社会教育の独立性であるとか、そういうものが揺らぎ、そして、中央集権化が強められる、あるいは企業の経済主義的な効率優先の姿が出てくるのではないか、そういうおそれを覚えております。
このようなことで、国民の望む方向なのか、首都機能移転などによって人心を一新し、ということが言われました。国政改革を進めるということを言われましたが、その中身の一端を私が知り得ただけですけれども、そのような方向で地方分権というのが進められていくということでは、ほんとうの意味の、国民が幸せになるということからはほど遠いと思います。地方自治体で働く職員や、行政の受け手である住民の論議をもっともっと積み重ねていただきたい。そういうものが不足していると思います。
最後に、環境問題ですけども、これによって広大な面積の自然破壊が起こるわけで、今、現行の環境アセスメントの持っているいろいろな問題点、事業の計画段階には発動しないとか、巨大開発であっても、1つ1つの事業で環境アセスメントが、調査が行われるとか、それから事業主がその調査をするとか、そういう限界があるわけで、そういう問題点から見ても、その環境の問題は非常に重視しております。
国会の機能、行政、司法の中枢が、人口の少ないところに移転するということと、主権在民の日本の民主主義が、それでほんとうに保障されていくのかなということ、国民のいろいろな政治的な権利が保障されるのか、そういう面からも、もっともっと検討を加えていただきたいというふうに思っております。

(6) 氏名:小林慶基 性別:男性 年齢:68

私、今ご紹介をいただきました小林でございます。
私は、愛知県の春日井市で生まれまして、現在は名古屋の市内に住んでおりまして、名古屋の経済・地域の発展を促進する経済団体の役員の仕事をいたしております。
きょう、公聴会が開かれるに当たりまして、発言の機会をいただきまして、大変ありがとうございました。私、日ごろから、この問題について感じておりますことを述べさせていただきたいと思います。
まず第1は、首都機能の移転が必要かどうか。必要であった場合に、どこへ持っていったらいいか、この2つの問題があると存じます。
まず第1の移転の必要性でございますけれども、これは、私は、結論から申し上げますと、必要と考えます。
と申しますのは、戦後50年たちまして、日本の政治、行政、経済社会のシステムというのは、最近の新聞報道等で見られますように、すっかりいわば制度疲労を起こしているということで、新しい社会、国際・国内の情勢変化についていけないという情勢ではないかと思います。これは、やはり目に見えるような形の改革が必要かと存じます。
東京は、江戸のころは別といたしましても、明治あるいは戦後、いわば日本の発展の中枢として、ある意味では、中央集権がよかったという時代もあったかと思いますけれども、日本全体が1つの方向を見るということでは、時代に即していたかもしれませんけれども、今や、全くそういう時代とは違ってしまったということを、まず考えなければいけないと思います。日本全体は、小さな政府を目指して、地方それぞれの独自性を尊重しながらやっていく、こういう時代になってきたと思います。
そういった意味におきまして、現在の閉塞状況を打破しまして、21世紀の新しい政治・経済を構築していくためには、ぜひとも首都機能の移転というのが必要かと存じます。
それから、先ほどもお話に一部出ておりましたけれども、首都機能の移転よりも、地方分権の推進のほうが先だと。あるいは、地方分権が進められれば、必ずしも首都移転は必要がないんじゃないかというご意見もございます。私は、確かに地方分権というものは必要だと思いますけれども、両々相まつことが必要で、制度的な改革だけではなくて、やはり目に見える改革、つまり、これは一番象徴的なものは首都機能を移転するということであるということでございますので、これは両々相またなければいけないというふうに考えております。
そういったことで、首都機能を移転して人心一新を図るということが今の日本に必要で、それを契機に、いろいろな地方分権、行政改革を進めるということが必要だと思います。
それからもう一つ、移転の理由を3つ挙げられましたけれども、第1は、防災面ですけれども、今の東京は過密の限界を超えていると思いまして、こういった防災面からも全面的な再構築が必要かと思います。
それから、首都を移転しても、要するに、現在の日本は余り変わらないじゃないか、コストだけかかるというのがございますけれども、東京は、首都機能を移転しても、やはり国際経済の主要都市等々で大きな役割を担っているということで、ビジネスの拠点としては、これからも十分機能を果たさなければいけない。問題は、役割分担で、政治も経済も文化も、あらゆるものが1つのところに集中しているというのはよくないことだと存じます。
それからもう一つ、最近の国の財政状況が逼迫しているから、12兆円もかけて、首都機能を移転するのはもったいないんじゃないか、無駄だ、こういうようなお話がございますけれども、現在のような、バブルが崩壊してと言っても、まだ地価が高く、過密の東京に、これ以上改造して、21世紀に耐えるような首都を再構築していくというには、どちらが費用が余計にかかるかというようなこともあるかと思います。
それから、首都移転につきましても、やり方によっては、いろいろコストを安くするということもできるのではないかと思います。
それに関連しまして、第2の問題に移らせていただきますけれども、具体的な移転候補地はどこだということですけれども、これは、私は、中央地域が最適であると思います。これは言われておりますように、日本の中央に位置しまして、人口重心でございます。交通の要衝でもある。それから、何よりも大事なことは、日本も国際的な国家になるわけですから、世界各国とのアクセスがすぐれているということが必要かと思います。そういったような面で、この地域が一番効率的で、かつ国民のコンセンサスを得られる場所であるというふうに思います。
それからもう一つは、国の財政状況から見ますと、新しい都市を一からつくり出すということは大変なコストがかかる。世界でも、例えばブラジルでは、ブラジリアというものを、これはもう全く新しいものからつくりました。それから、例えばアメリカとか、オーストラリアとかというのは、例えばオーストラリアで言いますと、シドニーとメルボルンの間に政治都市をつくると。ニューヨークとかフィラデルフィアという大きな町もあるわけですけれども、それと余り遠くないところに、ワシントンというところにつくるということで、そういう意味では、この地域というのは、東京と大阪と両方に挟まれていて、どこからもアクセスがいいということで、もう何にもないところにつくるよりは、はるかに安上がりであると。
こういった首都機能というのは、これによって、また第2のバブルになるんじゃないかというあれもありますけれども、財政状態も十分考えなければいけないわけですけれども、そういうことも防ぐためには、なるべく財政負担が少なくて、しかも効率的で、どこから来ていただくのも便利でということ。
それからもう一つは、この地域というのは、名古屋の産業集積とか、商業とか、いろいろな意味での蓄積もございますので、こういったようなところが近くにあるということは、新しい首都機能をサポートしていけるということであると存じます。そういった意味でも、居住性も非常にこの地域はすぐれているというふうに思うわけでございます。
それからもう一つは、最後に、先ほどもお話がございましたように、2005年に万博が開かれる。国際空港ができます。海外からは大変なじみの深い場所になります。そういったような意味では、日本は、これはもう世界の日本でございますから、日本の中で一番便利でいいというだけでなく、世界各国の方からなじみやすくて、しかもアクセスが便利だということになると、もうこの地域だということになるかと存じます。
いずれにいたしましても、首都機能の移転というのは、21世紀の日本と日本人にとって新しい活力を与えて、大事業でございますので、今私が申し上げました観点、その他も重要なことでございますとともに、後世に引き継げるような立派な首都をぜひこの地域につくっていただきたい。これは、我々の地域のものということよりも、日本全体としても、長期的視野に立って最もふさわしいところだと思います。
どうもありがとうございました。以上でございます。

(7) 氏名:大野章 性別:男性 年齢:62

三重県から参りました大野 章と申します。反対の立場で意見を述べたいと思いますが、その前に、この「首都機能移転」とか「国会等」とか、この言葉のあいまいさについて一言触れておきたいと思います。
昔の天皇主権の遷都じゃないんですね。だから、国会が移転するということは、そこが当然首都になります。国民主権の中で、憲法41条で「国会は、国権の最高機関」ですから、直接民主主義で、大統領を選んでいる国ではないんですから、当然、国会があるところが首都です。だから、その辺をあいまいにすべきではないということをまず申し上げておきます。
3点意見があるのですが、まず、東京の一極集中の解決には全くならない。せいぜい10万人ほどの流出にしかなりませんから、全く解決にはなりません。しかも、そういう過密をそのままにして地震対策というのならば、今ある東京、今の首都圏、この辺の過密の中での地震の安全対策にこそ配慮をすべきだと。しかし、この2つについては、申し上げる時間がございませんので、私は、何よりも巨額の税金を投入することによって、大変大きな無駄遣いだということを申し上げたいと思います。
今、大変な財政危機と、そして未曾有の不況、こういう二重の苦しみに国民が置かれています。そして、国民生活はものすごく圧迫をされています。医療、福祉、年金問題、教育、私は60歳の定年になるまで三重県の公立高校の教員をやっておりましたから、今30人学級の実現こそ、ほんとうに21世紀に向かっての真の架け橋だと思っています。欧米諸国はどこでも25人以下の学級なのに、まだ40人学級なんですね。こういう状況をほうりっぱなしにしておいて、巨大ゼネコン開発の、しかも、それが地方へどんどん押しつけられてきている。
先ほどから意見をお述べになった方が、大変美しいものと描いておられますが、この地域だけで見てみても、あの環境破壊で、そして、ほんとうにゼネコンをもうけさせただけの長良川河口堰があります。海上の森の万博しかり、中部新国際空港、伊勢湾に大きな橋をかけるという伊勢湾口道路、こういうものにお金をかけるのなら、なぜ、もっと教育・福祉、こういうところにお金をかけないのか。
そこで私は、これとの関係で、三重県の問題について触れたいと思います。
三重県では、今、どんどん県債の発行で、借金財政がはね上がって、その中で北川知事が、行政改革システムということで、すべての分野に経済効率を当てはめて、どんどん削っていくんですね。がん検診のカットだとか、交通遺児の奨学金のカットだとか、あるいは、海星高校なんかは今度甲子園へ行きますが、ああいうものの補助金も全部カットしている。その中で、既にこの首都圏移転の問題について、平成8年、平成9年の決算額と、10年の決算見込額を合わせて、1億1,400万3,200円となります。これは、その60兆円とかそういうことから見ると、そんなぐらいの金かということになるんですが、先ほど削られたものと当てはめてみますと、どれを足しても、なかなか1億1,000万に到達しないんです。
それで、私、1つ、一応比較になるものとして、平成9年度に、こういう「三重に新首都を」とか、あるいは調査費、そういうもので使った総額が4,860万9,200円です。これと見合う、県民にとって大変大事なもので削られたのが、それより少し低い金額ですが、がん検診のカットが4,300万です。そういうものがカットされて、こういう呼び込み型のところにお金がどんどん使われている。こういうことで果たしていいんでしょうか。
こういうことが、この間のオリンピックの問題でもそうですけれども、こういう呼び込み型のことにどんどんお金が使われていくと、さらに、そこに官官接待とか、いろんな疑惑もまた生まれてきます。私は、こういう状況を放置しては絶対いけないと思んです。だから、私は、絶対に反対だということを申し上げます。
ただ、やはり将来の都市ビジョンとか、そういうことで賛成の方もたくさんいらっしゃるので、1つの提案をして終わりたいと思います。
私は、反対ですが、賛成の人も含めて、現在の財政危機が解決し、不況を脱却し、何よりも大事な年金、介護、医療、教育の問題が充実し、そして地方には、地方自治の本来の住民の安全と健康、福祉、これが確立されるまで凍結する。少なくとも2010年まで、調査費あるいはそういうこと全部含めて、この問題を凍結して、改めて2010年ごろに、そういうことがきちんと確立した段階で、もう一度、ほんとうの新しい21世紀の都市ビジョンを考える、そういうことにしたらどうでしょうか。今、ほんとうに緊急の問題を忘れてはならないと思っております。
私は、三重県で教員をやって、そして今、定年退職をしてからは、革新懇という市民団体をずっとやらせてもらっておりまして、たまたまこういう問題で公聴会があるということで、ぜひこれだけのことを申し上げたいと思って申し込みました。そしたら、申し込みが当たった、そのことと前後して、別に全然意図したわけではなかったのですが、三重県の「革新三重をつくる県民連合」という、幾つかの労働組合だとか市民団体のほうから、伊勢地方選挙で知事に出てほしいという要請を受けて、全くこれと重なって大変申しわけないのですが、今度の伊勢地方選挙でそういうことになりましたので、こういう無駄を省いて、ほんとうに住民本位の県政を、ということを訴えていこうと、こういうふうに思っております。
ありがとうございました。

(8) 氏名:大畠裕久 性別:男性 年齢:35

今ご紹介いただきました大畠と言います。私の住んでいる場所は、まさしくこの「新首都は東京から東濃へ」の中にあります。岐阜県恵那郡明智町というところに今住んでおります。
私たちの明智という部分で、まず話をさせていただきますと、今までも、この首都機能移転問題が大分前から話に上がっておったという、シンポジウム等いろいろずうっとやってきて、今までやってきた中でも一番思ったことなんですけれど、かなりの方々が、ほんとうに首都機能移転が、果たして来るのであろうか。そして、首都機能が来て、我々の生活がほんとうに豊かになるのであろうか、そういう細かな部分において、いろいろ皆さん悩んでいる部分というのが結構見受けられます。
私たちも、ずうっと今までこの数年間、シンポジウムあるいは東京のほうに行って、いろいろな公聴会を聞かさせていただく中で一番今思っていることですけれども、実は私はほんとうに賛成の立場にあります。その中で、私が一番感じたことをちょっと今から言います。
確かに、この最重要的なポイントとしまして、災害に強い場所であるということです。この東濃地区は、特に大きな地震その他大災害を引き起こされたということは今まで一度も、過去にありません。もしあったとしても、かなり昔のことであって、ないとは言い切れないかもしれませんけれども、恐らくこの新首都が来るという構想の中では、まず当てはまる心配はないと思います。そしてまた、水の供給ですけれども、1級河川が大変多い場所でもあります。そういった中でも、その水供給の部分には全く問題はないと私は考えております。
そしてさらに、丘陵地であり、また緑多い場所です。今までの東京という場所も僕は見ているんですけれど、はっきり言ってコンクリートジャングル。そういう中央省庁なんかがある場所すべて、窓をあければ全部、コンクリート、コンクリート、コンクリート。はっきり言って、こんなところは息が詰まる。見えるところは空しかないと。では、一体どこを見たらいいのかというと、全く見える部分はありません。しかし、この東濃の緑多い場所に、国会等また中央省庁などが戻ってきたとき、ぱっと窓をあけたら、緑が目に入る、こんなすばらしいことはないと思います。緑というのは、人の心をほんとうに和らげる、安らがせる色でもあります。そういうところでも、私は、この東濃都市また中央地域を強く推していきたいと考えております。
それと、移転の可能性について言ったんですけれど、先ほど来言っております財政の圧迫、そして、それぞれ国民1人1人の税収による部分でやっていくということが多いです。確かに、2004年以降というときには、第一陣としまして約4兆円、そして数十年後には、2分の1移転なのか、全部移転するかによっては、10兆円または12兆円といったようなお金がかかるというふうに聞いています。
しかし、このすばらしい大イベントです。また、1つのプロジェクトであります。お金のことは、僕は、さほど問題ではないと思います。ただし、このお金の使い道について一番強くお願いしたいなというのは、今既存している、開拓している例えばゴルフ場なんかだったら、そのゴルフ場を利用して何かをつくれないか。そしてまた、宅地造成したんだけれど、そのままとまってしまっている、そういった部分も広く使って、なるべく自然を壊さないような形で推し進めていく方向であれば、私は、大賛成です。
そしてまた、そこで少しでもお金を落とせる部分であれば、どんどん削っていただければ、これほどありがたいものはないのかなという気がします。
あと、この答申という言葉についてちょっとお聞きしたいんですけれど、ことしの秋に実際に答申という形になっていくわけです。もし、答申がされましたとして、いざ決まりました。この決まったと言っても、これは高校野球に例えれば、ただ地区予選を勝ち抜いて甲子園の切符を手に入れただけ。あとまた甲子園でも、全国一を決める、そういう決戦の場に初めて立たされたという状況だけです。いわゆる、最後は東京との一騎討ち。この東京との一騎討ちの中で、果たして、ほんとうにすんなりと決まっていくのか。それとも、つまらない時間を過ごして、どんどんどんどん引き延ばし、引き延ばし、引き延ばしになっていって、いざ決まったときには、実際に着工をする2004年以降、それよりももっともっと先になってしまうかもしれません。この場合は正直言いまして、財政圧迫、そして介護保険制度、いろいろな問題も絡んでおります。早急にそういった部分も合わせながら、そして、やれる部分を思いきり改革をしていっていただければというふうに私はいつも考えております。
また、この東濃地域、そして愛知県のこの三河の地域、そして静岡県浜松以北ですけれども、このあたりは、非常に歴史的にも、また文化的にも、それぞれすばらしいものを持った地域であります。この地域を壊すことなく存分に生かして、そして全く新しい新首都を建設していただければと、こう思っております。
皆さん、大分お疲れですので、この辺で終わらさせていただきたいと思います。それでは私の発表をかえさせていただきます。
どうもありがとうございました。

2.出席した各委員の感想等

【新井委員】

新井でございます。
感想と言われましても、賛成、反対いろいろですから、あれなんですが、私は、調査会のときから、ここ4、5年になるわけですけれども、やっぱり東京というのは、関東大震災が起こってから、もう70年、80年。そうなりますと、地震学者によりますと、大体、いつ直下型の大震災クラスの地震が起きても不思議ではないと言うんですね。ですから、それが起きたときにどうなるか、非常に混乱するので、前の阪神の大震災のときだって、5時45分か46分に起こって、時の総理が、8時過ぎに出てきて「一体何事だ」と。何事だと言われたってね。そういうことではだめなんですよ。だから、この際、私は、やはり首都は移転すべきではないかと。国権の最高機関である国会と、それから行政府ですね、内閣を中心とした。それから立法、行政、司法の中心はやはり移るべきであると。
それが、首都であるかないかという論議は別として、東京というものは、何と言ったって大都市であるし、現実に1,200万の人が住んでおるわけですから、これがさびれちゃったら、えらいことになる。
要するに、東京は、青島さんも前は、首都移転に賛成のようなことを言っておったんだが、このごろ、知事になってから一言も言わなくなったんですね。ですから、なかなかやっぱり東京というのは賛成できない。だから法律に、今度の審議会のほうに書いてあるように、我々が皆さんの意見を聞いて、こうならいいんじゃないかというようなことを出しても、これはもう東京が、やっぱりこの是非について判断するんだと。判断した上で、これを決定するんだと。国会がこれを決定するんだというふうになっているんですよ。ですから、なかなか段取りが簡単でないと思います。しかし、私は、皆さんの賛否のお話も聞いた上で、これも非常に参考になりましたので、いろいろ審議に参加して、何とか結論を持っていかなければいかんというふうに思っています。
しかし、それは反対の方は、それは反対でしょうが、私は、もう審議会の委員としては、これは何としても、21世紀は首都を移転するんだということで、私自身はやっているということだけ申し上げておきます。
どうも。

【宇野委員】

宇野でございますが、先ほど、皆さんのご意見を拝見し、それからアンケートも拝見いたしましたが、やはり賛成、反対とも、それぞれ共通して皆さんおっしゃっていることは、1つは、今の制度が行き詰まっているという、ここでは1点、皆さん同じ思いだと思うのです。
問題は、やはり賛成される方は、今の制度が行き詰まっているのを、人心を一新しなきゃいけないとようなことも含めておっしゃっているし、反対の方は、そんな金をかけてやったって、大して変わらんではないかとか、あるいは環境破壊をするのではないかとかおっしゃっておられるのですが、私は、委員の立場と申しますよりも、1人の国民の立場で考えているんですけれども、先ほどから言われているように、今の日本の中央集権制度というのは、大変有力な、日本をここまで持ってきた制度でありますから、それはそれなりに大きな機能をしたと思うのですが、よく考えてみると、明治維新以来、この制度は変わっていないわけでありまして、それから数えると130年間、途中で戦争に負けまして、日本の政治のあり方は変わりましたけれども、中央集権システムというのは変わっていない。そのために起こってくるところの弊害というのが、一斉に噴き出しているというのが今の状態だと思います。
したがって、この首都機能移転との関係というのは一体何かと言えば、中央集権体制を分権の体制に切りかえるということをやらないと、今の行き詰まりが変えられないというふうに思って、私は、地方分権の問題で、もう15年余りやかましくやってきたのですが、さて、ずうっと詰めてまいりまして、なかなか地方分権といえども進まない。なぜ進まないのかというのをもう一遍考えてまいりますと、実は、私たちを含めた国民全体の意識が、どうも前のシステムからなかなか抜けていないということであります。
したがって、首都をどこに移転しようとも、そういうものを移転することによって、ハッと気持ちが変わるということが非常に大事であるというふうに思います。
たまたま、この審議会の前の調査会でも、新井さんとご一緒に私やってまいりましたときに、今は亡くなりました司馬遼太郎さんが委員の1人でありまして、非常に熱弁を振るわれたわけです。首都機能移転が大事かどうかという問題を言われたのですが、それは何かというと、歴史的に見て、日本の首都移転というものは、すべて成功していると。どういうことで成功しているかというと、奈良に都があったときに、仏教が非常な勢力を持ったために、どうにも動きがとれなくなった。そこで、政治と宗教というものを分けるために、逃げ出すようにして移っていったのが京都であるということでありましたが、さらに、その京都の首都が、これがまた、当時、武士が力を強くて、あちこちに日本の荘園ができて、武士の所有権をどうするんだという問題が大変広がったときに、鎌倉に中央政権ができて、京都は皇都でありました。それで、日本の武士勢力の時代に入ったという、そういう例を引いたことを言われましたのですが、まさにこの21世紀に入る前に、私どもは、分権国家つくるための人心一新の契機にするということが、先ほど皆様がおっしゃった危険、災害の問題とか、費用の問題とかを超えた、もう少し大きな意味があるのではないかというふうに思います。
そんな意味で、私は候補地を選びまして、あとは国会に任せる以外にありませんが、そういうことを今やっているということを申し上げたいと思います。

【池淵専門委員】

私は専門委員ということでございますので、感想というよりも、きょう皆さん方からいただいた意見を、審議会の中の専門委員として、どのように繁栄さすか、そういった形で考えなりを述べさせていただきたいと思います。
非常にいろいろな意見がある。それから議論を尽くさなあかん、こういうお話もるるお伺いしたわけでございますが、これについては、いろいろな、事務局等のご尽力、きょうの公聴会も1つであるわけでございますけれども、そういった場で、いろいろなチャンスをとらまえて議論を尽くそうとしているというふうにお伺いしておりますし、また、尽くしようの限度として、やはり審議会なり、こういった調査委員、そういったものがある程度そういった意見を集約させながら取りまとめをし、最終的な支援情報として提供する、そういう役割であろうというふうに考えて、私も一員として参加している次第でございます。
きょう、お話を伺った中で、やはりいろいろな分権あるいは分散、こういったことについては、首都機能移転という形をとられている内容そのものでもございますので、そういった言葉のキーワーズを描きながら、いろいろな作業をしているというふうにお考えいただければというふうに思っております。
それから、いろいろなご意見がありましたけれども、この地域は、安全・安心、そういったものに対する国づくり等については、従前から非常なご努力をなされているということでございますから、昨今、いろいろな事業等に対して、いろいろな疑問を呈する場が多い時期でもあるような感じもしておりまして、そういった合意形成をどのように図っていくか、今後参考にさせていただければというふうに思っております。
それから、社会経済情勢の変化というものについては、当然考えるべき代物でございますけれども、非常にショートレンジではないのかもわかりませんけれども、もう少し長いレンジでこの状況を読み、また先取りした、そういう形での議論を十分しておこう、またいくべきだろうというような視点から議論していることも、十分ご理解を賜っていただきたいなというのを、きょう賛否両論を、皆さん方からの意見をお伺いして感じた次第でございます。
以上です。

【片山専門委員】

数点、私がきょうのご意見を聞かせていただいて、感じたところを述べさせていただきたいと思います。
1つは、地方分権の件で、これは宇野委員が述べられたとおりで、私もずうっとそういうことを考えておりましたので、そのとおりだということを申し上げたいと思います。
それから、私は専門委員という立場で、この審議会に関係させていただいておりますが、そういう立場におりますと、どちらかというと、国のパンフレット中心の意見は、ずうっと何回も聞いておりまして、そちらの側からは、余りパンフレット以上の意見は聞けなかったというのが私の感想でございます。
それに対して、よく考えて進めよという意見の側については、そのパンフレットにはそういうことは書かれておりませんので、むしろそちらの側で、なるほどと思わせる意見がございました。両方、どっちもどっちでございますが、私はそういうふうに感じました。
もう一つ、2004年スタートということがパンフレットのあちこちに書いてございますが、これに対して疑問という意見がございまして、これは財政負担ということに結びついて、きちんとした回答を、ある時期にきちんとやはり提示しなければいけないのではないかというふうに感じております。
私は、専門委員という立場から、災害のほうを担当しておりますが、災害時の司令塔としては、どこにつくっても、非常にいい司令塔ができると自信を持って言えることができます。今の技術で、あちこち日本のどこにつくっても、非常に災害に強い司令塔としての新首都はできると、首都かどうかはわかりませんが、できるというふうに考えておりますが、災害とか水の供給とか、環境というようなことに関して、私は専門委員の1人として、科学的に、かつ中立的な立場で、これからも審議、検討を進めていきたいと思っております。
きょうの意見は大変参考になりました。どうもありがとうございました。

【鈴木専門委員】

専門委員の鈴木でございます。
私が主として担当しておりますのは、地形とか地盤条件についてでございますが、それとはちょっと離れまして、きょう皆さん、地方分権とかいろいろな理由をおっしゃっておりますが、私も東京の大学に入ったとき以来、昭和30年からでございますけれども、大学へ入ったころは、みんな都電で東京のどこまでも行けたんですね。貧乏学生にとって大変よかった。
ところが、30年代から、先ほどもご報告ございましたように、東京の過密の速度というのは大変なものでございまして、今、私、一番新しくできた地下鉄に乗っているんですけれども、実は、余りにも超過密になって、非常に不便な町になっています。つまり、地下鉄が何層にもなっているわけですね。最新の地下鉄、南北線でございますけれども、地下7階までぐらい潜っていって、また7階ぐらい上がってくるわけです。ですから、遠いルートを行ったほうが、時間距離としては早くなってしまっている。つまり、あの超過密さを維持して、しかも災害等を考えた上で、これをずっとあのまま生かすということになりますと、莫大なお金がかかるのではないかと思います。その莫大なお金をかけて、何層にもなった街を維持するよりも、新しいところへ移ったほうが、私はいいと前から思っております。
それで、しからば、そういう超過密の中から何を持っていけば、超過密がこれ以上進まないか、あるいは軽減されるかということになりますと、その超過密の根源である原因を取らなければいけないと思います。それは、日本の中央集権の構造から言いましても、やはり国会等、今回問題になっている国家の機能であろうと思います。
一例を挙げますと、霞が関に国家の機能が集中しているわけですけれども、あの面積は、せいぜい1キロ×1キロぐらいのところにほとんど集中しております。そこに何と、今、手帳で再確認しましたけれども、東京にある12本の地下鉄のうちの何と7本がそこに集中しているわけです。7本がですよ、あの狭い範囲内に。それがみんな駅と駅の間のコネクション悪い。あそこにすべてが集中している。あれをとにかく外していかない限りは、東京の過密というものは避けられないと思います。とにかく、私は、東京から国会等を移転させる最大の論拠はそれだと思っております。
簡単でございますが、以上でございます。

【野崎調査部会長代理】

どうもありがとうございました。
最後に、私も少し感想を述べさせていただきたいと思うんですけれども、その前に、きょうの意見発表者をどうして選んだかということについて疑問を呈されている方がおられますので、ご説明をしておきたいと思います。
この公聴会を開くに当たりまして、意見発表者を募集しましたところ、15名の応募がございました。当然のことながら、応募者は男性と女性にまず分かれます。それから、賛成、反対、中立という色分けになります。それで、その数を8人にするためにパーセンテージで出しまして、番号を振って、そして国土庁の方々が、それぞれくじを引いて決めたものでありまして、私どもは、非常に厳正、中立に選定を行ったと考えております。
発表者の方々、いろいろな団体に属された方がおられましたけれども、そういったことを一切考えずに、ただいま申し上げたような方法で選定したものであることを、ぜひご理解いただきたいと思います。
次に、私の感想を申し上げます。
私は、現在、神奈川県の藤沢市という、江の島のすぐ近所に住んでおります。ここは関東大震災の大変な被害を受けたところであります。
関東大震災といいますと、何か東京だけが大被害を受けたようなことを考えられる方もあるんですけれども、実は東京から小田原にかけては、もう大変な災害を及ぼしたのでありまして、私は、数年前、横浜の裁判所に勤務したことがあるんですけれども、横浜の裁判所は関東大震災で全壊いたしまして、所長以下五十数人、60人ぐらいの人が崩壊で亡くなっております。それから、私のおります藤沢の江の島海岸の片瀬というところなんでが、そこの神社に行きますと、関東大震災で亡くなった、恐らく当時の村だと思うんですが、その方々の碑がございまして、その数が非常に多いのに驚かされています。
冒頭のごあいさつでも申し上げましたけれども、阪神・淡路の大震災は、どちらかといいますと、点と線を結んだような被害を持ってきた、活断層を中心とする地震であったことはご記憶なさっていると思いますけれども、あれが、もし関東大震災のように、広い面で起きたときを考えますと、その災害復旧などに中枢となる司令塔が、同時に被災をしていたということになると、大変な結果になるのではないかということを私は痛感しておるところであります。
この首都圏の移転につきましても、阪神・淡路の大震災があって、法律の改正で、地震の災害というものをよく考えるようにという条項が入ったいうことはご説明申し上げましたけれども、私どもの審議でも、その点が非常にウエートを占めてきておるということをまずご理解いただきたいと思います。
もう一つは、公共投資に関するご意見がいろいろございました。確かに、公共投資のあり方については、いろいろ批判があることは、私どももよく承知しておりますし、また現在の財政事情についても、大変な時期にあるということは、当然、私どもも十分理解をしておるつもりでおります。
しかし、この首都機能の移転という問題は、今年度の予算でやるとか、来年度の予算でやるという問題ではないわけでありまして、これからいよいよどこに移転するか、あるいは東京にやるのかということを決めた上で、移転するとなれば、さらにどんなものにするのかという、かなりの準備期間を置いてスタートするものであり、その中では、当然、財政事情というものも考えられるものであると思います。
のみならず、公共投資を全くなくしてしまうような国家はないわけでありまして、問題になるのは、公共投資の質の問題だろうと思います。その点で考えてみますると、最近、インテリジェント・ビルというのがあります。いわゆる通信機能を備えないようなビルというものは、なかなか買い手がなくなってきているということが言われるのでありまして、例えば霞が関ビルは、そのために大改装をしたわけですが、その費用は、建てるときの建築コストと同じぐらいかかったと言われております。もし、これから新しい都市をつくるということになりますと、そこは首都でありますから、当然そういったものも考えた、今までにない、例えて言えば、インテリジェント・シティーというものがつくられていくわけでありまして、それに対する投資というものは、非常に密度の濃い、そして波及効の多い、非常に質の高い投資になるのではないかと考えます。そういった点もぜひご理解をいただければと思います。
本日は、ご多忙のところ、貴重なご意見をお聞かせいただきまして、ほんとうにありがとうございました。また、ご参加の皆様方には、議事の円滑な進行に格別のご協力を賜りましたことを心から御礼を申し上げます。今後、ここでお述べいただきました意見につきましては、審議会の席に上げまして、今後の審議に大いに活用させていただきたいと考えております。
今後とも、この首都移転の問題については、格別のご理解を賜りたいということを申し上げまして、第2回の国会等移転審議会公聴会を閉会とさせていただきます。
どうもありがとうございました。

以上

ページの先頭へ