ホーム >> 政策・仕事 >> 国土計画 >> 国会等の移転ホームページ >> 今までの取組 >> 国会等移転審議会 >> 公聴会の議事要旨/議事概要 >> 第5回国会等移転審議会公聴会(仙台)の議事要旨

国会等の移転ホームページ

第5回国会等移転審議会公聴会(仙台)の議事要旨

日時: 平成11年4月14日(水曜日)14時0分〜16時0分
場所: 宮城第一ホテル
審議会委員出席者: 森亘会長、濱中昭一郎委員、井田喜明専門委員
一般参加者: 総計337名

1.意見発表者による意見発表(氏名(敬称略)、性別、年齢(当時))

(1) 氏名:間庭洋 性別:男性 年齢:51

ただいまご紹介いただきました間庭でございます。
本日の公聴会に、抽せんではありましたけれども、ご選考いただきまして、大変光栄に存じます。せっかくの機会ですので、早速、意見を申し上げさせていただきます。
さて、首都機能移転に関する最近の動向を見ておりますと、移転計画そのものが凍結されるというふうなことはまさかないだろうと思うような心配が散見されることは、大変残念でございます。と申しますのは、日本の将来がいかにあるかということについて、今ほど真摯にみんなで考え、国を挙げて実行に取り組む機会は、めったに歴史的にもないと強く思うからです。
このような、内外ともに困難な時代状況にあるからこそ、我々は、志を高く上げて、世界の将来を考え、日本の将来を描くとともに、その実現の象徴として、まず第一に、日本の首都機能移転を行うべきであると考えます。
日本のお家芸の対症療法的な手法では、もはや現在のような閉塞状態の限界、あるいは臨界点に既に達しているこの日本を変革するということはできないというふうに思います。人心の大改革を図り、日本の将来を再び元気にするのには、首都機能移転を起爆剤とするくらいのインパクトのある事業でなければ、日本のグランドデザインは実現できないと思います。
したがいまして、もしも許認可行政から規制緩和へと、中央集権から地方分権へと、中央政府のスリム化、あるいはリスクマネージメント、さまざまな課題が、もしもほどほどに済ませられた場合では、日本の将来に希望を見出すことができないばかりか、アジアを初め、世界に果たすべき日本の役割を十分に発揮していくことができなくなるのではないかという心配もございます。首都機能移転は、これらの課題を横断的に貫く枢軸であるというふうに考えております。
日本は、時代の大きな転換点に既に立たされているということを強く認識した上で、巨大な超過密都市で、災害のおそれを抱え込んだまま東京を改革するという、そういった次元では問題解決は困難であり、何でも東京に集中させてきたシステムは、もう既に歴史的使命をもはや十分果たし終えたというふうに思います。本当にそういった意味では、東京には、ご苦労さまでしたと心から申し上げたいと思います。
これからの東京は、首都機能の移転後も世界都市として、新しく生まれた石原都知事とともに、新たな時代の役割をぜひ担っていただきたいというふうに思います。
首都機能移転は、日本の変革を大胆に促進させるための手段であって、決して目的ではございません。しかし、新時代の到来を象徴する首都機能移転の役割を広く国民各層に示して、国民的運動として機運醸成を図るべきだと思います。皆が新しい時代を築くそれぞれ担い手として、あるべき姿を求めて、関心や議論が大いに盛り上がることを願っております。
そういった意味で、行政関係の図書や、きょう配られている資料もございますが、インターネットでも、政府のホームぺージなど、やや固い分野のチャネルももちろん必要ですが、ソフトなメディアのチャネル、例えばテレビのワイドショーですとか、スポーツ新聞とか、そういったふうなものにも取り上げられるほど、関心や話題が一般的になって、全国の世論が、この首都機能移転を論議し、後押しとなるようなことを願っております。
首都機能移転に反対の論の中の一部には、費用の問題について当然心配の声も聞きますが、国会等移転の資料等拝見しますと、第一段階で、公的負担は約2.3兆円を要するとされておりますが、これは10年間にわたりますと、1年当たり2,300億円で、国家レベルで考えますと、必ずしも懸念されるスケールではないのではないかと思います。首都機能移転論では、多様な意見は当然尊重され、大いに議論されるべきでありますが、あくまでも、国家大事業特有の困難な改革も恐れない積極的な議論をぜひとも展開すべきでありまして、もしもこういったことが政治力ですとか、既得権益ですとか、特定地域の利益で重要課題が語られるとするならば、21世紀以降の新首都像を大きくゆがめることになりかねなく、私どもの後世代の人たちに対する責任を果たすことが我々はできなくなるというふうに懸念しております。
それでは、新しい首都像にはどのような期待を持つかということですが、私どもから見れば、今度の5全総で、21世紀の国土のグランドデザインでも提唱されております「環境重視」、「自然共生型社会のフロンティア」といったものこそが、新しい首都イメージではないかと思います。移転先は、あくまでそういった高い理念に基づいて候補地を選択すべきと思います。
新首都は、日本、そして世界に貢献する大きな発信源を担う役割を持ちますので、そこで働く、あるいは安らぐ、憩う、にぎわうなどの暮らし全体が、心豊かな人生を歩むことが、そこではぐくまれることが必要だと思います。
なおかつ、環境とともに、移転地域の住民の方々との調和、それから融和・共生に十分配慮した都市づくりというものが求められると思います。そのためには、多彩なライフスタイルの選択と展開が可能であって、暮らしやすさを得やすい北東地域、とりわけ東北が移転先に最もふさわしいと思っております。
新首都で重要な役割を担う人々が働き、暮らすためには、ゆとりがあって、豊かな自然の恵みがあって、暮らしのサービスを享受でき、世界のいろいろな国や地域の人々と情報・文化の交流も図られ、魅力ある居住環境があることが求められると思います。
私どもの未来から、そして世界から見て、新しい首都で生きる人々はどんなイメージであるかを想像しますと、それは、働き、憩い、和み、親しみ交わるなどの暮らしについて、有意義な時を、時間ですね、時を過ごせることが大切だと思います。そのような中から、明日の世界に貢献する日本の新しい仕組みを形成していくことができると思います。
米国などいろいろな国の首都は、十分な首都機能を持ちながらも、足元から見た地域としては、非常にローカリティーにもあふれる首都が多いということに気づかされます。尊敬するライシャワー博士、元駐日米国大使ですが、がおっしゃった、東京や大阪とは違うもう一つの日本、私の表現で申し上げますと、ディープジャパン、すなわち、東北がそのようなことからも、日本の中で最もふさわしい首都機能移転先のエリアだと確信します。新首都が、日本らしさを有意義な環境として持つならば、ハートランドであります東北をおいて考えにくいと思います。
以上のように、東北が最もふさわしいとの理由のもとで、首都機能移転先の地域を絞るならば、ほどよく50キロの距離を母都市として持つ仙台地域、そして、福島、山形市ともほどよい距離にあります宮城県と福島県の境に近い、宮城県の南部地域を次の理由によって移転先に挙げます。
すなわち、災害に強く、まとまった用地が、しかも国の資産よりローコストに存在し、一定の人口を支える、東京では味わえないようなおいしい水が確保でき、県民の理解が浸透しており、さらに国内外と広く交流できるポテンシャルが高く、しかも、その手段であります国際空港、国際港湾、複数の高規格幹線道路網、通信ネットワーク等を具備し、なおかつ、さきに述べたコンセプトや首都機能形成の要件を踏まえて推挙できると思います。
終わりに申し上げたいことは、首都機能の移転は「国家百年の大計」というパンフレットにもございましたのですが、私、個人としては、それをはるかに越え、400年から500年ぐらいの歴史的サイクルのスケールで行われてきましたので、新しい時代の胎動が、あたかも新しいブドウ酒が若々しく発酵するときのエネルギーとして躍動するのに合わせて、新しい革袋が必要なように、日本の新しい時代を切り開くためには、それにふさわしい新しい革袋、すなわち、新しい時代の最大の象徴となります新首都が必要であるというふうな結論に至りました。
以上、与えられました時間で、私の意見発表とさせていただきます。
大変ありがとうございました。

(2) 氏名:千坂光雄 性別:男性 年齢:70

私は、候補地の一住民の視点から、首都機能移転に反対の立場を表明させていただきます。
去る4月1日付の毎日新聞は、一面トップに「幕引き首都移転の夢」と題した記事を掲載しました。それによると、国会等移転審議会、経済戦略会議、首相の近辺、経済審議会などのそれぞれに、ニュアンスの違いこそあれ、首都機能移転問題についての問題先送りや、提言からの首都移転外しがあらわれているとして、バブル崩壊による環境の激変を伝えています。
私は、宮城県南の大河原町に住んでおりますが、県でも、周辺自治体でも、その支配的階層には、移転待望論が顕著です。平凡な日常に幻想的な話が舞い込めば、中身はともあれ、変化への期待に浮き立つのも無理はないのかもしれません。しかし、事は、小学生の修学旅行ではありません。国の中枢機能の移動という国政上の大問題なのです。動くお金も公金だけで10兆円余、もろもろ付随して、数十兆とも、100兆以上とも取りざたされる空前の巨大開発事業であります。
外部から、圧倒的な資本と人口が流入するとき、そこの自然と人間の生活は一体どうなるのか。資料には、夢のような計画が満載されているけれど、経験上、あるいは現国政の進行の姿からも、まゆつばではないのか。なぜ、そんなにしてまで、外側からの力を受け入れなければならないのか。時間をかけて検討し、最終的には、住民投票や国民投票によって決めなければならないほどの問題だと言って過言ではないはずです。
さきの東京都知事選挙に立った主要な候補者のほとんどが、首都機能移転に賛成しなかったことに象徴されるように、国民的検討や合意も全く不十分。地域の一般住民レベルでの検討や合意も全く不十分という中での首都移転の推進はぜひやめてほしい、これが私の反対の、いわば消極的理由であります。
次は、積極的な反対理由です。
第1は、冒頭述べた新聞記事でも明らかなように、今日の財政危機、しかも高齢化社会への対応で問題山積の中、不要の浪費は許されないということであります。なぜ不要なのか。
そもそも首都機能移転は、東京一極集中の是正を旗印として提案されてきました。ところが、政府機能の一部移転では、一極集中の是正は困難であることが指摘されるようになると、大震災の心配からの政府機関の脱出論や、首都移転による人心一新論へと提案理由がころころ変わりました。これは、提案根拠のなさ、そして、真の根拠が別に存在する疑いを示すものと言わねばなりません。これは、近年の巨大開発によくあらわれたパターンで、国民がつとにまゆをひそめてきたことではなかったでしょうか。
さらに、表立って掲げられた理由に即して考えてみても、首都機能移転の妥当性には、首をかしげざるを得ないのです。例えば、東京一極集中は、確かに是正すべき課題ですが、一体、こうした国土の発展の不均衡の根本の1つは、国土政策の健全性を放棄した農業つぶしがあり、しかも、その悪政は少しも改めようとされないではありませんか。周知のこの政策のもとで、農山村はどんどん荒廃し、過疎・過密問題を深刻にしています。農林漁業を手厚く援助してその発展を図ること、また、各地域に根差して営まれてきた商店街を含む中小企業の安定と充実を図ること、大資本の無規制的な進出と開発行為を抑えることなどこそが、過密・過疎の問題を解決して、均衡のとれた国土の発展を保障するでしょう。
大都市の震災対策も、均衡のとれた国土政策による人口や産業の適度の分散によってこそ、抜本的に可能となるでしょう。そして、この方向にこそ、地域住民の真の平安と幸福があることを強く確信するものであります。
第2に、ふるさとの破壊は許されないということです。
移転先の狭い地域に、中央の巨大資本が殺到すれば、自然環境はどうしても大きな変形・破壊をこうむります。はぐくんできた歴史や伝統や人間関係の大きな部分が失われるでしょう。多くの住民生活に、バブル時の大都市住民の悲劇が降りかかり、在来産業の大きな部分が中央資本に駆逐されるおそれもあります。既に、地球環境の現状は、新規開発よりも現状改善型の開発、内発育成型の開発、自然の削減でなく、自然の保全・回復を志向した投資計画を全力で追求すべきことを差し示しています。必要のない首都移転は、これに真っ向から対立するものと言わざるを得ません。
地方分権や循環型の社会の創出が強調されてきている今こそ、都市と農村の均衡ある発展を目指し、豊かな自然と田園の中で、経済的基盤もしっかりした自治体が存在できるよう、行財政の重点を移すべきではないでしょうか。金、物、利便性を強く志向し過ぎて、すさんできた人心も、まさにこの方向でこそ一新を図るべきときではないでしょうか。
終わります。

(3) 氏名:片柳洋 性別:男性 年齢:48

どうも皆さんこんにちは。私、栃木県の西那須野町というところから参りました。よろしくお願いいたします。
国会移転ということなんですが、私は、21世紀にふさわしい政治・行政システムの確立、分散型国土の形成、何よりも、国の災害に対する対応力の強化、全国民がそのことをしっかりと認識して、今まさに実行しなければならない「国家百年の大計」であるというふうに思っております。そして、関東大震災クラスの地震が、いつ起きても不思議ではないと多くの学者方がおっしゃっておりますが、まさに、今、このときだからこそ、国の災害対策、このことは自分の問題として、多くの方が考えていく必要があるんじゃないか。特にその点に気持ちを置きながら、国会等の移転ということを早急に実施していかなければならない。まさに私は、このことが国の最重要点課題であるというふうに思っております。
阪神・淡路の地震でございますが、幸か不幸かという話になりますが、サッカーで言えば、司令塔である東京ではありませんでした。そのことによって、被災地の方には大変お気の毒だったわけですが、多くの国民の方は、多くの災害を免れたと言ってもよろしいかと思います。また、災害のためにおいて、大変非難があったようには聞いておりますが、これも、東京でなかったと、そのことによって早急な対応ができたと言わざるを得ません。
さあ、皆さん、もし関東大震災クラスの地震が、今、東京を中心とする関東地方に起こったらどうなるでしょうか。私は、それを強く、本当に強く懸念するものであります。
このような観点から、私は、国会等移転は、現在の日本の経済状況、そのようなものにとらわれることなく、早急に実施しなければならないというふうに考えております。しかし、本格的な首都機能移転というものが、国民全体の合意が得られていないという現実もあります。そのような現状を考えれば、まずは、安全な地域に、第2の国会議事堂等を建設する、第2首都を建設する、いわゆる重都ということを現実的な問題として考えいく時期に来ているのではないかということを皆さんに提案したいと思います。
今の時点では、東京都民を含め、多くの当事者にない国民の方に理解を得るためには、私は、重都という考え方を積極的に考えていくべきじゃないかというふうに皆さんに提案したいと思います。
移転先でございますが、やはり地震等の危険のあるところは避けなければなりません。東海地震、東南海沖地震の発生の可能性が懸念されております。中央地域、やはり適地とは言えないのではないでしょうか。私の地元であります栃木県の那須地域、本日の会場であります宮城県も含まれております北東地域、私は、この両地域を念頭に置きつつ、国会等の移転というものを重都という方向の中で考えていくということが必要かと思います。
さらに、重都ということを考えますと、東京との連携が大変重要になります。適切な距離が必要になります。近過ぎれば、東京の、いわゆる東京圏という形の中に巻き込まれてしまいます。そして、スプロールという形での問題を進化させることだけになるでしょう。このことから、東京との適切な距離が必要です。私どもは、東北南部という意識でおります。東北南部であります那須地域、近からず、遠からず、東京とのほどよい距離がある那須地域、私は、那須地域が適地ではないかなと皆さんに提案するものであります。
那須地域でございますが、ご案内の方も多いと思うんですが、土地利用密度の低い広大で平坦な地域をたくさん持っております。東北自動車道、西那須野塩原インター付近、ここには約400ヘクタールの国有地、公有地がございます。低コスト、スピーディー、今、まさに必要とされる条件を満たす土地を私どもは保有しております。
最後に、私的な思い入れを含めた意見ということになりますが、私は皆様に次のような意見を述べさせていただきたいと思います。
那須地域、北東地域、人が住む地域としては、大変バランスのいい恵まれた地域だと思います。その私ども恵まれた地域に住んでいる人間が、最も名誉ある、最も誇らしい貢献とは何でしょうか。私は、100年単位の国家事業に貢献できる、そのことこそが、私ども豊かな生活をしている人間が念頭に置かなきゃならない問題じゃないかというふうに思っております。
私は、司法書士をやっております。土地の問題、毎日取り扱っております。私は、そろそろ土地の私的所有権というものの本質的な問題を検討する時期に来ているんじゃないか、そのように思うことがたくさんございます。「土地は、我のものにして我のものにあらず」、そのように思うことが多々あります。
那須は、開拓100年の歴史を今日生きております。私どもの祖先も、入植者として受け入れていただいて、今日を生きております。仮に国会等の移転が決まれば、私どもは、受け入れていただいた者の子孫として、人の道に沿った判断として、国会移転というものを名誉なこととして受け入れていきたいと、かように思っております。
国会等の移転は、いいことばかりじゃないということは百も承知でございます。しかし、それも、先ほど述べたものを含めて、地元で英知を持って前向きに解決していく、そのように思っております。
最後に、いずれにいたしましても、国や審議会の皆様におかれましては、国民的な議論がますます盛り上がりますよう、引き続き、前向きに取り組まれるとともに、ことしの秋には、間違いなく候補地の答申をしていただくよう、強くお願いを申し上げて、私の意見とさせていただきます。
ありがとうございました。

(4) 氏名:小島誠 性別:男性 年齢:37

ただいまご紹介いただきました小島でございます。
本日は、抽せんにより、このような機会を得られましたことを感謝いたします。
先ほどの千坂さんのお話にもありましたように、新聞紙上等では、首都機能が移転することについて、国民的な合意がなされていない、先送りとの意見もございます。しかし、私は、十分な論議を尽くした後に、現在、日本を覆う閉塞感を打破し、国の再生を図るためには、首都機能移転が不可欠であると考えます。その理由をこれから申し述べたいと思います。
首都機能の移転は、現在取り組んでいる行政改革と地方分権を促進する上で、非常に有効な手段であると考えます。明治維新以来、欧米諸国にキャッチアップすることを目標にしていた時代には、確かに東京を中心とする官僚主導型の中央集権体制は有効に機能しておりました。しかし、この体制が余りにも強大になり、硬直化が進み、時代への変化の即応が困難になっているのではないでしょうか。
政治、経済、社会の構造が大きな変革を迫られている現在、遅々として進まない地方分権、行政改革を断行するために、まず、東京というよりも、むしろ、霞が関、永田町という中央集権の象徴である場所から、首都機能を移転し、内外に日本が本気で変わろうとしている姿勢を示すべきであると考えます。
このような問題意識から生まれた国会等移転決議に基づいた議論が、橋本内閣の財政構造改革を優先するということで先送りになりました。しかし、むしろ首都移転の具体案を決断し、実行することこそが、社会全体の構造改革への起爆剤となるのではないでしょうか。移転決議の趣旨は色あせることなく、その重要性はますます高まっていると私は考えます。
過去に首都が移転した歴史を振り返れば、いわば時代の転換期に、新たなパラダイムを構築するための方法であったと言えます。その決断は、超時代的な発想が必要であり、短期的な物差しで議論することは適当ではありません。徳川幕府以来400年にわたる東京、首都を動かすことは、我が国だけでなく、周辺諸国はもちろん、地球的な意義のある事業です。経済大国日本がどのような国に生まれ変わろうとしているのかを示す機会でもあります。ヨーロッパでは、単一通貨ユーロの誕生、EUという国境を越えた枠組みという壮大な実験が始まっています。日本でも、新たな国の形を議論する必要があります。
グローバル化した金融市場では、経営人の刷新や設備廃棄など、思い切ったリストラをした企業が評価される一方で、問題を先送りして変わろうとしない企業が評価を下げています。日本経済全体が、かつてないほどまで信用を失ったのも、バブル崩壊後に、みずから血を流して改革する決断をせず、問題を先送りしたことが原因ではないでしょうか。そして、そのような問題の解決能力の欠如こそ、戦後50年にわたって続いたキャッチアップ型中央集権システムの限界を示しているのではないでしょうか。
今まさに、官民挙げて構造改革を断行すべきときであることは論ずるまでもありませんが、その象徴として首都移転のプロジェクトを具体化することは、非常に大きな意義があると考えます。豊かな活力あふれる21世紀型日本社会の象徴として、数百年先を見据えた首都づくりを議論すべきときではないでしょうか。国の形が見えないと言われる現在、新首都に新たな国の形とその理念を吹き込むべきではないでしょうか。
現在、日本が置かれている状況とは、経済戦略会議の答申を持ち出すまでもなく、まさに、ここ数年で構造改革ができなければ世界の中で地盤沈下し、衰退の一途をたどるという重要な転換期であります。この機会を逃せば、移転事業を遂行する余力を失うことでしょう。これ以上の先送りは最悪のシナリオだと思います。首都移転を速やかに実行することで、官民挙げて改革への決意を新たにすべきときと考えます。
首都機能の移転は、申し上げるまでもなく、災害への対応力の強化という意味でも有効な手段であります。東京一極集中の弊害は、劣悪な住環境、交通渋滞、ヒートアイランド現象のような社会的な非効率、都市問題を引き起こしていると同時に、災害時の危機管理という点からも深刻な問題となっています。
東京で阪神大震災のような災害が起きた場合、日本の政治経済機能が直ちに麻痺し、災害への対応力が著しく低下する懸念があります。地震はどこで起きるとは限りませんが、インフラの破壊や、二次災害等、同じ地震でも、過密な都市であればあるほどダメージは大きくなります。少なくとも、東京と同時被災のない可能性の地域に首都を移転することは、あしたにでも実行すべき課題であります。
財政負担を問題とする意見もあります。移転事業に必要な12兆円のうち、第1段階の10年間の国の負担が約2.2兆円と試算されています。これを平均すると、毎年2,200億の建設コストが発生します。一方、東京という首都があることで発生する公共投資のうち、ほかの都市圏に比べて、約5,000億円ほどコスト高になっているという試算もございます。東京都の投資効率が低いということは、移転候補地との比較考量する際に、特に考慮すべき点であると考えます。
私は、むしろ財政に関しては、需要項目の見直しより、コンパクト化やPFIの活用、リースバックなど、さらなる国家負担を軽減するための知恵を出し合う前向きな議論を期待するものであります。
移転先の選定に当たっては、国家の一大事業でもあり、地盤や水の問題等、さまざまな角度から検討を加えるのはもちろんですが、一言だけ申し上げれば、私は、先ほど述べた改革のシンボルという観点から、20世紀中央集権、一極一軸集中システムの象徴である太平洋ベルト地帯の候補地よりも、北東地域を選定することが適当であると考えます。
過去の遷都を振り返れば、平城京から平安京、京都から鎌倉、江戸へ、人心の一新と新たなフロンティアを求めてきた歴史があります。現在の3候補地の中では、唯一、北東地域だけが、フロンティアとしての要件を兼ね備えているのではないでしょうか。
新しい時代の首都とは、21世紀に切り開くべき新たな社会のコンセプトを具現するような都市づくり、豊かな住環境や自然環境と共生したコンパクトな都市の建設が求められます。官から民へ、中央から地方へと、大きな時代の中で官民挙げて知恵を出し合い、取り組むにはふさわしい課題であります。
日本経済全体が目標を喪失している現在、新たな夢や志を持つことが必要ではないでしょうか。こうした新しい首都像の実現こそ、21世紀の日本が取り組むべきプロジェクトではないでしょうか。
以上で発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。

(5) 氏名:五十嵐健蔵 性別:男性 年齢:74

ただいまご紹介にあずかりました福島県の五十嵐健蔵です。
私、自己紹介を申し上げますが、福島県会津若松市の北のほうに、小さな、人口1万足らずの塩川町という町があります。そこの兼業農家、残念ながら兼業農家であります。
まず、本日、公聴会で意見を申し述べる機会を与えていただきましたことに対して、主催者に対して、心から謝意を表します。
まず、国会等移転、またの名は首都圏機能移転、またの名は遷都、一番わかりやすい言葉は遷都、もちろん概念は厳しいからおのおの違いますが、話す場合に一番簡単ですから、「遷都」という言葉を使わせていただきます。それで、時間切れになると困りますので、7分ですから、まず前もって結論だけを申し上げます。
まず、総論、私の遷都に対する基本的な認識、それから各論として、地域からの視点、そういった2つの点で結論を申し上げます。
総論的に、今、首都圏というのは2,000万とも3,000万とも言われております。そして、水問題、アクセスの問題、ごみ問題、あらゆる問題で問題がいっぱい詰まっております。それから、特に大きな災害の問題、その問題に対してどうするかという問題、これは、遷都が果たして唯一の選択肢であるかどうか、ベターであるかどうかということが第1点です。
それから各論ですが、私、会津、特に愛する猪苗代湖を持っております。猪苗代湖の水が、不幸にして、あるいは幸いにして、阿武隈に遷都された場合に、絶対量の水が足りません。その場合の水は、流域外導水ということで、猪苗代湖からというふうなことを聞いております。そのことから、ぜひ来ていただきたくはない、どうぞご遠慮してくださいというのが、私の率直な意見でございます。
以上、この2つの点について、時間のある限り説明させていただきます。
実は、前々から、ちょうどいろんな人の意見を聞いて集めておりましたところ、1980年に、『水利カーブ』という機関誌がありまして、そこに、元国立防災研究センターの菅原マサミチさんという方が、東京に安政あるいは大正の大震災みたいな震災が起きた場合、どうするかという問題、それを予測することすら、極めて怖いと。しからば、どうすればいいかというのは、個々の防災対策を立てるべきではないかと。そして、遷都という話があるけれども、遷都は第2の東京をつくるだけであって、全く意味がないということで、彼が一番心配するのは、国権の中枢機能は、東京を捨てて逃げ出すというのは、極めてひきょうではないかと。昔、海軍の伝統は、艦と艦長が運命をともにしたと。少なくとも、国の中枢を担う立法府の方、司法の方、行政の方は、主権者たる国民と行動をともにすべきであるというのが私の考えです。2,000万の人口でありますから、いろいろな問題をたくさん抱えておりますことは十分わかっております。
今の政治の体制、経済の体制で、このままいったら、また第2の東京ができるだけです。司馬さんは、私、非常に好きな作家ですけれども、彼の前提というのは、ご存じのとおり、土地公有論です。『土地と日本人』ということで、お読みになられた方はたくさんあると思います。非常に私は好きな作家ですけれども、どうも歴史の中で、遷都は非常にプラスに動いたと。したがって、震災あるいは災害が生じた場合には、とんでもないことになるからと、こういう彼の発言だと思いますが、どうもそれはいただけないというのが率直な意見です。
しからばどうするかという問題ですが、前の菅原さんの話に言葉をかえますけれども、一番大切なのは、国権の中枢機能でなくて、これからの若い少年ですと。、都市圏は3,000万もおりますから、都市圏の小・中学生はちょっと無理だから、高校生、全寮制の高校を漁村、農村に誘致しなさいと。そして若い人を助けなさいと。それが菅原さん、私、お目にかかったことありませんけれども、私は、非常に感銘を受けたことがあります。私も、それに全く同感です。それが総論です、時間がありませんから。
それで、あと各論になりますが、水は天下の公水、これは河川法第2条です。公共物ですから、どなたが使っても差し支えありませんが、猪苗代湖の水は11億トンから、少ないときで4億トン。これは磐梯、桧原、小野川と、3湖合わせて入ってきますが、非常にコンスタントで10億なら10億、平均9億と言ってますが、そのうち安積疎水が1億1,000万トン。今、今度の水需要で阿武隈に来ますと、現在、生活用水で、県中・県南でプラス・マイナスゼロ。専用水、農業用水、工業用水を含めますと、目標年次が、2010年で1,600万トン不足します。そこに60万都市ですと、県の試算ですと、1人500リッターで1億1,000万トンですが、私の計算ですと、1人1日800リッターで1億7,000万トン必要です。
そうしますと、現在、安積疏水に15年にできましたけれども、1億1,000万トン・プラス1億7,000万トン、そうしたら、福島県5,000ヘクタール、新潟県3万ヘクタールのかんがい用水は絶対不足します。
それから湖沼環境、それから河川環境、これは人のために、これは、私の友人、岩手県の友人ですが、「君は地域エゴか」というようなことを年賀状に書いてきましたけれども、地域エゴではなくて、我々は、例の田中正造は、「文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を荒らさず、そして人を殺さず」と言っております。
そういう意味で、私は、今度の遷都の問題に対しては、十二分に再検討願いたい、白紙に返していただきたいというのが私の総論です。
以上です。

(6) 氏名:澤口司 性別:男性 年齢:35

仙台に住んでいます澤口と申します。
このたびは、発表の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。過去4回にわたる公聴会での意見発表、並びに審議会委員の方々の感想をインターネット上で拝見させていただきまして、大変勉強になりました。
私自身、この首都機能移転問題について学び始めたのは3カ月ほど前からでございまして、3カ月間、いろいろな書籍を読みながら勉強しましたが、非常に難しく、きょう、資料でいただきました各候補地の概要を見ましても、どこが本当によいのかは、それだけではつかめないなというのが、正直な感想でございます。
しかしながら、この問題を進めていくのは絶対に重要だと思いますし、私の意見としましては、まずは首都機能移転は、行財政改革を進めるための契機となり、「大きな政府」から「小さな政府」へ、そして地方分権を実現するために必要であるというような意見について賛成でございます。
「ニュースレター」の新時代第2号によりますと、新時代が機能する時代は、ネットジェネレーションが中心とあります。その中心となる世代が、21世紀のための国づくりに、そして政治に無関心なのは問題であるとは思いますが、フリントジェネレーションの先輩方には、その後輩を何とかして関心を持てるように引き込んでいただきたいと思いますし、また引っ張っていっていただきたいと思っております。そして、そのためには夢が必要であると思っております。新しい世代がみずからの夢を首都に託し、そしてつくり上げていけば、意識改革はされていくのではないでしょうか。
東京都の新知事は、「東京から日本を変える」と言っております。その意味の詳しいことは私にはわかりませんが、しかし、東京が日本ではなく、反対に地方から日本を変えていくことが重要だと思っております。そうしなければ、今の東京も変わらないのではないでしょうか。ぜひ、審議会の皆様には、答申として候補地を1つに絞っていただきたいと期待しておりますし、また、その候補地が、これは私見でございますが、私の単純な考え方でございますが、日本を変えるため、東北新時代となるために宮城県を選択していただきたいと思っております。
つたない意見でございましたが、以上でございます。
ありがとうございました。

(7) 氏名:菅野美穂 性別:女性 年齢:56

どうも、こんにちは。私の意見発表をさせていただきます。
私は、今、首都機能移転を推進することには反対です。もう一度、十分な議論を尽くしてみるべきではないかと考えております。
その考え方の基本をなすことは、1つには、今、地方分権が進められようとしているという、そのこととの関連において。それから2番目に、何度かお話が出ました、財政が逼迫しているという時代状況の変化の問題。それから最後に、これはたまたま弁護士という職業の立場ですので、天皇の国事行為との関連等についての議論がどうなっているのかという、その3つの観点からお話をしたいと思います。
まず、私も宮城県仙台に住んでいる者ですので、ここでいろいろなご意見が出て、なおかつ、それでも今、早速に候補地を選定するというのであれば、何人かの方がおっしゃったように、フロンティア地域であるというふうなことや、光は東へという、そういったことに託されている宮城県県南を含む北東地域は、いろいろな諸条件にかなう土地ではないかということを考えていることも初めに申し上げた上で、反対論を展開させていただきたいと思います。
地方分権との関連ですが、今、国会で、地方自治法関連の法律、約470ぐらいと聞いておりますけれども、それが大幅改正をされて、地方分権が推進されようとしています。地方分権が進むということは、その裏返しとして、中央集権体制が見直されていくということでありますし、また、行政改革、あるいは「小さな政府」の必要性ということも叫ばれている今、そこの部分を議論しないままで、首都機能だけを移転していこうとすることには納得ができない思いがあります。
地方分権が進んだ後の首都の機能というのは、一体どういうふうになるのでしょうか。その首都の将来像や規模、あるいは、そのあるべき姿などについて十分吟味をしないままに、あえて首都機能移転を敢行するならば、実際に必要とされる規模やサイズにそぐわない、使い勝手の悪いものができてしまわないでしょうか。後々になって、あれは壮大なむだ遣いだったというふうなことにならないのか、という危惧を強く抱いているものです。
この首都機能の移転なんですが、では、どんな機能を移転するのかというと、まず、国会機能の移転をというお答えが返ってきますけれども、それでは、地方分権が進んでいった場合、日本の国全体のこととして国会で取り決めしなければならないことの範囲というのは、小さく、また数少なくなっていくように思われます。筋としてはそういうふうになるはずだと私には思えます。決めることの範囲が少なくなれば、国会議員の定数、果たして、今ほどに必要なのかといった問題も当然起きてくると思われます。であれば、議事堂あるいは宿舎、議員会館、そうしたものの関連施設などのつくり方もおのずから変わってくるのではないかと思われます。
まず、どこの土地に移転しようかという話の前に、これからの日本の国と各地方、地域のあり方、かかわり、すなわち、国や地方の行政の意思決定とその執行、及び議会制度について十分論議をしていかなければならないと思います。そういった制度について、先に決めてから箱をつくる、どこに移転しようかという話をしても遅くないのではないでしょうか。今、拙速に、とにかく移転しちゃおうというふうに言うことは、中に入れるものを決めないうちから、まず先に入れ物、箱をつくってしまうことに等しいように思えてなりません。
「新しい日本を新しい革袋に」という、大変きれいな標語があります。しかし、この標語も、じゃあ新しい日本というのはどういうものなのか、その新しい日本の姿が見えてこないのに、革袋だけ先に用意してしまうというのは、どうもなじみがいかないというか、心の中に納得のできない思いが残ってしまいます。
このことに関連してなんですが、まあ、お金がかからなければ、それじゃ、新しいものをつくってもいいんじゃないかというふうな実際的な考え方もあるんですが、先ほど来、お話が出ていますように、非常に財政が逼迫している中で莫大な費用がかかります。あわせて、自然破壊のおそれというものも指摘されております。
この莫大な費用の問題なんですけれども、このことは、これまでの議論の中で、推進派の立場からは、費用対効果の問題として、防災の問題、一極集中の問題、人心の一新、国政改革の一環、政経分離というふうな、そういった観点で、そういう効果が上がるんだから、お金がかかってもしようがないのではないかというふうな議論が展開されてきました。自然破壊の問題については、どなたかの意見発表に詳しくありましたので、詳しく私のほうで触れないようにしますけれども、例えば「森に沈む都市」というふうなことで、非常に美しい、ユートピアのような、夢空間のようなパンフレットがありますけれども、しかし、どんな言葉を使おうとも、新たに森を切り開き、森に人の手を入れて自然を変えていくことには違いないわけです。私たちは、もう十分、人間の便利や人間の都合で、動物や植物を片隅に追いやりながら開発を進めてきたのではないでしょうか。自然と人との共生を言うのであれば、これ以上、木を切ったり、森にすむ動物たちのすみかを荒らすことは避けるべきだと私は考えております。
防災の点ですが、確かに防災の問題は大変大切な問題です。これもどなたか触れておられましたが、しかし、日本は火山列島でありますので、極端な言い方で恐縮ですが、地震はどこにでも起こり得る問題だと私は考えております。ですから、地震が起こる可能性の少ないところに移転するというよりは、むしろ、そういったものが起きたときに、どういうふうに被害を食いとめるのかというところに工夫をしたほうが実質的ではないかと考えます。
それから、一極集中の問題ですけれども、東京が経済と文化の中心であり続ける限り、一極集中は続くものと私は考えております。都市が栄えるということは、その反面で、人と金が集まることではないでしょうか。
それから、このことを一番強く言いたいんですけれども、私は、制度の改革、あるいは人心の一新、国政改革の一環に、非常に起爆剤になるというお話を聞くときにこういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。それは、ソフトの問題であって、ハードから先に整えなければ考えられないとか、改革が進められないというのは、私たち、戦後50年間、自分たちの心の中に育ててしまった甘えの構造ではないか。必要であれば、ハードより先に、自分たちの心の変革をなし遂げるべきではないかと考えるものです。
時間になってしまいましたが、済みません。最後に、天皇の国事行為との関連なんですけれども、憲法7条に天皇の国事行為として、国会を召集すること、衆議院を解散すること、国務大臣を任命すること。国会等の機能移転に関して直接関係をする国事行為として、この3つが掲げられておりますが、国会の開会宣言くらいであれば、あるいは皇居を東京に置いたままで、ヘリコプターで天皇に国会においでいただくということは可能かもしれませんが、深夜にわたる組閣などのときの国務大臣の任命等は、どのようにすればよろしいんでしょうか。そういうシーンをテレビで見ることが多いにつけ、そのあたりの議論まできちんやった上で、この問題に取り組まなければならないのではないか。アメリカ合衆国の大統領のように、ヘリコプターで、皇居から、あるいは新首都に飛ぶというふうなことは、技術的に可能ではありましょうが、日本人が天皇に寄せている特別の思い、あるいは警護の問題等を考えますと、こういったことも議論から外すべきではないというふうに考えます。
長くなってしまいましたけれども、以上で意見発表を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。

(8) 氏名:土田凌子 性別:女性 年齢:58

それでは、私は、大賛成の意見を述べさせていただきます。
日本は、首都を移すたびに発展をしてきた歴史を持っています。奈良時代は、奈良に都をつくり、100年もたたず京都に移し、日本文化の出発点にもなったのです。そして、江戸時代には、名実ともに統一国家になりました。明治時代に皇居を江戸城に移し、東京を完全な首都にしたのです。日本はどの時代も、都を移すことで本格的な改革ができたということです。
日本が、これから政治・経済・教育など、あらゆる分野で、本格的な改革をやろうとするならば、首都を東京から移すことによって、内需拡大の契機になり、地方経済が発展する、企業の自由な事業展開など、新たな経済発展が可能となります。首都移転が改革の出発点になると思います。そうした動きは20年も前からあったのです。
国会では、90年に、東京一極集中の弊害を正すため、国会などの政府機関を東京以外の場所に移転するよう努力するという決議をしております。このことはさらに進み、ことしの秋には、首都移転の候補地が発表されることになりました。ドイツも、旧ドイツを統合したことがきっかけで、ボンからベルリンへ移転を、ブラジルがブラジリア、オーストラリアがキャンベラと、新しい首都をつくった例は外国にもあります。日本は、もっと積極的に考えたほうがいいと思います。
ところで、私の住む阿武隈山系に首都移転が実現すれば、陸・海・空三拍子の交通機関が必要となってきます。陸については、東北自動車道、磐越自動車道が整備されており、海については相馬と小名浜の二大国際港がありますが、空のアクセスについては、須賀川にローカル空港があるのみで、最近、二種に格上げして、2,500メートルの滑走路が完成しました。後に、3,000メートルの滑走路を持つ国際空港にしようとのことですが、首都機能移転を本気で受け入れようというのであれば、4,000メートル以上の滑走路を二本以上持つハブ空港、国際拠点空港が必要と思います。
このような大規模空港は、上海、香港、シンガポールやクアラルンプールと、それぞれ4,000メートル級の滑走路を複数持つ壮大な計画で、大規模空港をつくっております。それに対し日本では、3,500メートル以上の滑走路が成田と関空に1本ずつしかない片肺空港です。世界の中心的役割を果たすようになる東北には、羽田と成田を合わせたくらいの空港でなければ、これからの日本は、世界の中で取り残されてしまうのではないでしょうか。現在の福島空港や仙台空港では、狭くて無理と思います。アジアのリーダーとなって国際都市を目指すためにも、国際空港化を考え直すべきではないでしょうか。
日本は、今後、どんどん発展するでしょうが、超過密状態となってしまった東京はパンク寸前で、これ以上、いろいろな機関が東京に入ることができないことと、関東から伊豆一帯にかけた地域が、大地震発生の周期に入っており、大震災の発生が目前に迫ってきた、この2つの事情により、首都移転が急がれているのではないかでしょうか。
1、移転先は、東京から200キロ以内の地。2、堅固な地盤。3、広大な地域。4、陸・海・空の高速交通機関の三拍子そろったところ。5、十分な水資源。6、気候のよいところ。7、日本国土の中心に近い。8、火山噴火、台風など、自然災害の発生が少ない地域の条件を挙げております。
皆さん、コンパスを回してみてください。我が福島県が、200キロ以内で、最も国土の中心に近いところですが、阿武隈山系は広大で、かつ断層もなく、地盤も固く、水資源は猪苗代湖で十分に間に合い、気候も温暖で積雪も少なく、こんな条件のいい場所はほかにはありません。
世界各国の首都を比べても、東京の致命的な問題は、巨大地震の発生地域に立地しているということです。危険この上もありません。東京の役割は終わりました。
21世紀は東北の時代です。福島県は、全国有数の電源地域ですが、この電力も東京へ運ぶ途中で10%以上のロスが出てしまうと言われておりますが、地元で使用すれば、ロスがなく使用できるということです。となれば、効率から考えても、地元の電気料金を割引で安く使うことができるのです。京浜京葉地帯に匹敵する、そうすれば、大規模な産業開発ができると思います。常に世界を視野に入れて、日本全体の将来を考えるべきではないでしょうか。
今、県民が、福島遷都の一大県民運動を起こし、県民の英知を集めて、新首都福島の実現を目指し、すばらしい郷土をつくり上げようではありませんか。福島県に人が来れば、農業も、地場産業も、中小企業も、観光地も、県民の生活も、がらっと変わるでしょう。
今後、国の方針として、首都移転適地が発表になると思いますが、阿武隈地域を国の方針に盛り込まれるよう、行政的な配慮と運動を進めていかなければならないと思います。阿武隈地域の均衡のとれた開発により、東北全体の発展と日本の大躍進につながることと、大確信を持っております。
21世紀の輝く日本は福島県から、皆さん、頑張ろうではありませんか。
以上でございます。ありがとうございました。

2.出席した各委員の感想等

【濱中委員】

濱中でございます。
きょうは、たくさんの方に集まっていただきまして、本当にありがとうございました。特に、ここは北東地域候補地ということで、そういうこともあってと思いますが、大変熱心なご意見もいただきまして、本当にありがとうございました。
時間もございませんので、本題に入りたいと思いますが、私は、営団地下鉄のいろいろな話を聞く機会がございますので、そこでいつも聞きますのは、東京で地下鉄を1キロつくるのに、今は300億金がかかります。東京というのは、やっぱりそういうところなんですね。ですから、投資効率から言いましても、今の東京の過密の問題、こういうものを解決するということについては、大変な金とそれからいろいろな時間がかかります。ですから、この時間損失ということからしても、東京への投資というのは、大きな問題が伴う。
一方、日本の国は、余りにもいろいろな価値基準の頂点が東京に集中し過ぎている。この問題をやはり解決することが必要ではないだろうか。ただ、国会等の機能を移すという場合に、若干感じたことは、どうも、環境問題なんか議論される方もそうですが、首都機能移転ということは、東京が来るというふうな前提でお考えになっている。首都機能移転というのは、東京が来るわけではないですね、首都機能が移転をするのであって。
したがいまして、人によっては、首都機能移転によって、赤坂が一緒に来てもらっては困るというふうなことを言われる方がおられる。これは、やはり東京が来るという前提でお考えになっている。まあ、結果として、そういうことが若干はあるかもわかりませんが、東京が来るということではございませんので、そういう面で、やはりどういうふうに今の行政を改革し、それから地方分権の仕組みをつくって移転をするかという観点で、いろいろまたご議論を賜ればと思います。
きょうは、いろいろご議論いただいた中で、間庭さんは、日本の将来についてやはり考える契機だというふうにおっしゃいました。そういう意味では、ひとつほどほどの改革ではいかんということなわけですが、これは、私どもも、どうも余り日本の将来について考えるということが少な過ぎるんじゃないかということで、これは大変感銘を受けました。
それから、千坂さんは、これは反対のご意見でございますが、ただ、いろいろお聞きをして、やはりこの問題については、もっと議論を深める必要があるだろうということを感じました。
それから、片柳さん、土地の私的所有権を検討する時期ではないかと。これはもう少し、どういう意味で言われたのかということもあろうと思うのですが、確かに、さっき地下鉄のこともちょっと申し上げましたが、日本の場合、大深度、地下150メートルとか200メートルというところの土地の所有権については制限してもいいんじゃないかという議論もございます。やっぱりそういうのも含めてやらないと、この日本の狭い国土をちゃんとやっていくということはなかなか大変なことでないかということを改めて思いました。
それから、小島さんは、やはり東京都への投資負担で、先ほど私もちょっと申し上げましたが、そういうことに触れていただいたのは、まさに同感でございます。
それから、五十嵐さん、これは何も国会の機能等で国権の中枢が逃げるということではございませんが、これは、いずれまたいろいろ、ここは議論の場ではございませんのであれですが、そういう点はさらに、またみんなで議論する必要があるだろうと。
それから、澤口さん、インターネットの話をされましたが、やはり全体の議論を盛り上げるためにも、国土庁だけであるとか、関係する役所の努力だけではなかなか難しいと思います。そういう面では、やっぱりマスコミにもいろいろ報道してもらわないかんと思います。こういう公聴会は、そのための1つの大きな手段でもあろうと思いますが、そういうことと、インターネットなんか、みんなぜひひとつ見ていただきたいなというふうに思いました。
それから、菅野さんの話の中で「制度が先か、移転が先か」というふうなこと、これはやっぱり、移転を進める場合の基本的なものだろうと思います。
それから、土田さんですが、移すことが出発点だということと、それから、成田と羽田を合わせたぐらいのことを考えろということで、これは私も、とてもこんな大きなことを考えておりませんでしたので、極めて壮大なるそれを聞きまして、どうも私自身の考え方が少し小さ過ぎたかなというふうに思っております。
空港というのは、今の2,800メートルぐらいの滑走路の長さですと、ジャンボ機で乗員を全部乗せて、ガソリンを満タンにした場合には、せいぜいハワイぐらいしか飛べません。ですから、そういう面では、少なくとも4,000メートルぐらいが必要なわけですが、これは、成田と羽田を合わせろということで、私もびっくりいたしましたし、大変ありがとうございました。
それから全体として、この中で、さっきいろいろ会場からもアンケートをいただいた中で、改革だけでなくて、変化の痛みというのも、やっぱりみんなで感じて議論することが必要だろうとうふうに書かれておりました。これも非常に感銘を受けました。
それから、1人、選に漏れたということで、実に詳しく主張をアンケートに書かれておりました。これは名刺もちゃんとついておりまして、国土庁のほうにもひとつよく読んでいただけるんじゃないかと思いました。
以上、大変雑駁で申しわけございませんが、感想で、大変、私自身も、皆様方のそれでいろいろ勉強させていただきました。大変ありがとうございました。

【井田専門委員】

井田でございます。きょうのこの公聴会は大変楽しく聞かせていただきました。いろいろと勉強になりました。
それで、いろいろなポイントがあって、まとめ切れていないので、多分、話は非常に雑駁になってしまうかと思いますけれども、多少、私の個人的な意見、あるいは、私の考えで、補足したらいいかなということを多少加えたいと思います。
首都移転の意義について、いろいろな方々が改めて強調されました。ポイントは、ここでも出てきたのは、1つは危機管理の問題だろうし、もう1つは一極集中化の問題だと思います。それぞれについて、もうここでいろいろ議論があったので、本質的なことについてはつけ加えることはないんですけれども、多少、私が気がついたこととして、まず危機管理ということ。
これは、2つ中央があるということでもって、どっちかがやられても大丈夫だということなんですが、その中で、多分、かなり私自身が非常に重要だと感じているのは、情報の共有ということじゃないかと思うんですね。非常に重要な情報というのは、2カ所で持っていると、今の時代、いろいろなことがあるわけですけれども、一番、何がダメージが大きいかというと、情報がやられてしまうとすると、もうすべての機能がとまってしまうということが怖いですね。それが2カ所に分かれているということで、うまくいくということがあると思います。そのことをどなたも余りおっしゃらなかったので、その点をつけ加えさせていただきたい。そういうことでもって、情報公開というようなことも、事によると進むことがあるんではないかということで、危機管理は情報公開みたいなことにもつながるということを、ちょっとつけ加えさせていただきます。
それから、もっと大きな問題で、一極集中化のことがあります。これも、議論はいろんな立場から言われまして、もう尽きているわけですけれども、私が、多少自分の言葉で言うと、官と民とを分ける。もっと言うならば、新都知事も言われたことですけれども、民の力、活力を使うということがこれからの課題だと思うんですね。明治以来ずっと、行政が主体になって国家を動かしてきて、それでもって、全体を、経済も何もかも、教育もすべての社会が動いてきたわけですね。それで、今までは非常にうまくいった。だけど、それが行き詰まっているということが、今、一番大きなポイントだろうと思いますね。
それはどうしたらいいかというと、やっぱり、行政が主導してやってきたところから、民のほうがどんどん動いていくということが必要だろうと思います。そのためには、なぜ今、一極集中化しているかという1つの理由は、民がみんな行政に忍び寄って集まってしまっている。そういうことが東京一極化の1つの事由だと思うんですね。それをどうするかということは、1つは、荒療法で、官のほうが逃げ出してしまう、例えば新首都に行ってしまうということは、荒療治として、どなたかもおっしゃいましたけど、大きなことをやるときには、かなり思い切ったことをやる必要があるということで、そうすることによって、官と民の分離、あるいは民の活性化ということもできるんじゃないかと。
だから、そういう視点から言うと、私のイメージでは、これはあくまでも私のイメージなんですけれども、官というか、行政は新しい首都に、「東京は役割を終わった」と何人かの方が言われました。それは、私も東京に住んでいましてね、多少遺憾なんで、東京は、今の民の中心になればいい、そういうふうに思っています。だから、東京が民で、新しい首都はそういう行政なり官なり、それが私の抱いているイメージで、賛成いただけるかどうかわかりませんけれども、私はそんなふうに思っています。
それから、それに関して、いろいろな反対意見、問題点も出されました。
1つは、先ほどもちょっと引かれましたけれども、「革袋が先か、中身が先か」いう議論があります。これは、いつでもあるんですよね。だけれども、東北の場合に、中身を何だかんだかいろいろとやっている、それで、国民的にはいろいろ議論しているうちに、ここにも官僚の方がいらっしゃいますけれども、非常に頭のいい官僚の方がうまくいろいろやっているうちに、何となくごまかされてしまって、骨抜きなってしまうということがしばしばあるんですね。だから、何か思い切ったことをやろうとしたら、それこそ何百年に1回のことをやろうとしたら、思い切って形のほうから入ってしまう。もちろん、有無を言わさずやる前に、国民的な合意は絶対必要なんですけど、そうしたら、中身を決めてからなんてやっていると、やっぱり骨抜きになってしまう可能性があるのではないかと。だから、私は、どちらかといったら、もう大体国民が合意したら、やってしまったらどうか、形のほうから入ってしまったらどうかというふうなことを思っています。
それと関係して、例えば地方分権をやっているときに、それとどうかということなんですけれども、地方分権も、今の首都移転がうまくいけば、地方分権を助けることになるわけですね。だから、それとも決して矛盾することではないわけです。
それからもう一つ、例えば別な反対意見として、結局、首都移転をしても、それは大企業がもうけるための開発のえじきにになってしまうんだという、そういう意見。それもおそれはあるんですけれども、それもやりようというか、結局、そういうことでもって、むしろ反対意見を聞かせていただいて私が感じたのは、首都移転をすべきかどうかということもさることながら、非常に重要なのは、やるとして、どうやるかということが非常に重要で、だから、どうやるかということでもって、うまくいくと非常にうまくいく。だけど、どうやるかと言って、まずくやると、反対意見なんかで、懸念された方向に行ってしまう可能性もあるんじゃないか、そういうことを非常に感じました。
だから、やるかやらないかは、まず、こういうところでいろいろ議論して、合意を得ることが大事だけれども、やるとしても、やっぱり、ただ、やるって、ほったらかしているとだめで、どうやるかということに対して、やっぱり全国民が監視して、うまくやる方向に持っていくということが非常に重要なんではないか、そんな感じがいたしました。
いろいろと勉強になりました。どうもありがとうございました。ちょっと雑駁な意見でありましたけれども。

【森会長】

どうもありがとうございました。
それでは、私、森からも、最後に一言、まとめのようなことを申し上げさせていただきましょう。
繰り返しになりますけれども、きょうは大勢の方にお出かけいただいて、それからまた8名の方から、大変有意義なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
また、大変数多くの方々から、メモ的な、あるいは先ほどご紹介ありましたように、大変詳しいご意見を寄せていただきまして、これもまた、心からお礼申し上げる次第でございます。いずれも、私といたしましては、感銘深く伺いました。
個々のご発表について、一言申し上げるとすれば、これは、先ほどの濱中委員の言葉と若干重なるかもしれませんけれども、ある方は、こうした閉塞状態を解決するために、あるいは、新しい構造の起爆剤となるために、ぜひ、こういうことは必要だということをおっしゃった方もいます。しかし、ある方は、まだとは言うものの、合意が不十分ではないかと。それから、こういう財政困難の折、解決すべき問題は山ほどあるのに、何でこういうことをしなくてはならないのかという、どちらかというと反対の意見を述べられた方もおられました。
また、賛成ということではあるけれども、まだ合意が十分ではないし、とりあえず第2首都といいますか、「重都」という言葉をお使いになったと思いますけれども、そういった方策を考えるべきではないかという、かなり具体的な示唆をされた方もあったと存じます。
あるいはまた、本当に、こういうことが地方分権にとって有効な手段であると自分は考えるから、過去を振り返ってみても、時代を転換する、あるいは時代によって物事を転換する際には、こういった思い切ったことが行われてきたし、殊に最近では、災害に対する対応ということも重要であるからといったようなことを述べられて、むしろ賛成の意見を述べられた。また、ある方は、将来、水不足を来すおそれがある、それからまた、解決しなくてはならない問題はたくさんあるけれども、こういう首都機能移転ということが、果たして唯一の手段であろうか、もう少し、ほかにいろいろな模索を続けたほうがいいのではないかという、どちらといえば慎重論をお述べになった方もおられました。
あるいはまた、「大きな政府」から「小さな政府」に移るために、あるいは、現在目指している行政改革をどうしても進行していくためには、こういった思い切った首都機能を移転するということがどうしても必要であると、そういったところを強調された方もおられましたし、あるいはまた、法律というお立場から、地方分権というものが今後どんどん進んでいった場合に、それでは、首都というものは一体どういうものとして残るのか、あるいは、場合によっては、天皇の国事行為といったようなこととの関係はどうなるんであろうか、その辺も、もう少し詰めて考える必要があるのではないかという、かなり具体的なご示唆をいただいたこともあります。あるいは、歴史に鑑みて、どうしても必要である。それからまた、経済を活気づけるために、その地域の経済を活気づける上で、こういったことは有用であろうと。まあ、種々さまざまなご意見をちょうだいいたしましたが、実は、私にとっては、そのおのおのがそれぞれにもっともな理屈もございますし、また大変有意義なこととして感じた次第でございます。
世の中では一般に、殊に、時としてはマスコミの方たちなどは、あの人はハト派であるとかタカ派であるとか、あるいは、黒であるとか白であるとか、あるいは、賛成側であるとか反対側であるとか、そういう非常に簡単な割り切りをすることが今日の日本では、しばしば行われているように思いますけれども、私自身は、あまりそういう簡単な割り切りというものには賛成ではございませんで、賛成の側に立っておられる方にもいろいろな理由があり、反対の側に立っておられる方にもそれぞれの理由があり、むしろ私は、そういう賛成とか反対とかという結論でなしに、そういう結論に至った、そのおのおのの方々の心の中にある理由というものを大事にしたいと、そういうふうに考え、また、そういう気持ちで、きょうお話を伺った次第であります。
きょうのお話の内容は、事務局でよく記録しておりますし、それからまた、紙面でちょうだいしたご意見はもちろんそのまま残っておりますから、今後とも、私どもの審議会で、十分そしゃく、よくかみ砕きまして参考にさせていただきたい、そのように考えております。
そろそろお約束した時間になりましたので、このあたりで閉会の言葉を述べさせていただきたいと存じます。
きょうは、本当に皆様方、例えば時間を守るといった意味でもご協力いただきまして、ありがとうございました。おかげさまで、大変、議事を円滑に進めることができた。そしてまた、決められた時間の中にいろいろと貴重なご意見をちょうだいいたしまして、私個人の印象としては、非常に有意義な数時間であったと考えております。
繰り返しになりますが、本日ちょうだいいたしましたご意見は、今後の国会等移転審議会の審議に十分に参考にさせていただき、反映させていただく所存でございます。
きょうは、私の印象といたしましても、意見陳述をなさった方が、比較的若い方もおられましたし、また、お年を召した方もおられましたし、それからまた、女性の方も交えて、いろいろなバラエティーに富んだご発言でありました。重ねて心からお礼を申し上げます。
どうもありがとうございました。

以上

ページの先頭へ