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第1編 - 5章 移転先候補地の新都市のイメージ等

2.移転費用の試算

(1)移転費用のモデル的試算の実施(平成9年10月)

移転に係る費用については、「首都機能移転問題に関する懇談会」とりまとめにおいて、最大で費用総額14兆円と試算された。
しかし、この試算では、
1) 全体事業費のうち、民間投資と公的負担の範囲を示しておらず、
2) また、移転の事業は数十年の長期にわたって段階的に行われるにもかかわらず、第1段階の事業費について検討されていない。
3) さらに、行政改革が行われ、行政機関の移転規模が縮小した場合の移転費用や
4) 新幹線、高速道路、空港等の整備費用についても検討する必要があるため、
国会等移転審議会では、平成9年10月、これらの観点に加え、前提データ等を見直し、具体的な候補地を想定しないモデル的な移転費用の再試算を行った。

モデル的試算の結果
  人口 面積 費用 費用(公的負担) 費用(民間投資・負担)
第1段階 10万人 1,800ha 4.0兆円 2.3兆円 1.7兆円
1/2ケース 30万人 4,800ha 7.5兆円 3.0兆円 4.5兆円
最大ケース 56万人 8,500ha 12.3兆円 4.4兆円 7.9兆円
移転懇試算 60万人 9,000ha 14兆円 - -

(注)第一段階は国会中心に移転、1/2ケースは行政機関が1/2移転、最大ケースは行政機関全てが移転した場合

(2)移転先候補地に係る移転費用の再試算(平成11年12月)

国会等移転審議会では、モデル的試算が具体的な移転先候補地を想定していないことに鑑み、移転先候補地として選定された栃木・福島地域、岐阜・愛知地域及び参考として移転先候補地となる可能性がある三重・畿央地域について、モデル的試算をもとに移転費用の再試算を行った。
モデル的試算は、第一段階、1/2ケース、最大ケースについて行ったが、1/2ケース、最大ケースについては、新都市づくりに長期間を要し、不確定要素が非常に大きくなると考えられるため、再試算は第一段階について行った。

参考:新都市の人口想定(第一段階)について

立法、司法機能については全員、行政機能については内閣・本省庁等のうち、国会審議に係る必要最小限の人数を想定

表:新都市の人口想定(モデル的試算より)
項目 想定値(モデル的試算第一段階) 備考
移転従業者 29,000人  
移転従業者(うち首都機能) 22,000人
  • 立法府、最高裁等従業者は全員
  • 行政府は中央職員の1/3等
移転従業者(準首都機能) 4,000人
  • 政党本部、地方公共団体連絡事務所、大使館等
  • アンケート調査等から整理
移転従業者(民間随伴機能) 3,000人
  • 企業アンケート調査から整理
サービス機能従業者 11,000人
  • 全人口の11%と想定
移転従業者とサービス機能従業者の家族の非就業者 61,000人
  • 就業率、1家族当たりの人数などから想定
合計 100,000人  

1) 各移転先候補地について再試算を行った費用項目とその考え方
移転先候補地の選定を踏まえ、再試算が可能と考えられた費用項目を抽出し検討

【再試算の対象とした項目】
費用項目 再試算の考え方等
(1)用地取得費
(用地費、補償費)
移転先候補地周辺の公共事業における用地取得実績から単価を設定し、取得想定面積(1800ha)を乗じて算出
交通基盤整備費
(注(2)+(3))
(2)広域交通インフラ整備費
(3)特別な基盤整備費
(開発地区外幹線交通施設)
総合評価における国会都市想定位置と周辺地域の交通基盤の整備状況等を勘案し、新たに必要と考えられる交通基盤の整備量を想定し、類似事例の単価等を用いて算出

上記費用をモデル的試算の費用項目の分類に従って、

・主に全国との連絡に供する鉄道、道路及び空港
 →広域交通インフラ整備費
・主要既存都市、空港等との連絡用交通基盤
 →開発地区外幹線交通施設整備費として計上

(4)用地造成費等
[業務地区・住宅地区]

(用地造成費、開発地区内道路、上下水道等)
既存の大規模開発事例と地形等の関係から整備単価の見直しの可能性について検討したが、具体の開発計画が明らかでない現時点では算出が困難であり、モデル的試算と同額の費用を計上
【その他の項目】…モデル的試算と同額の費用を計上
費用項目 内容
施設整備費(上物) 国会、首相官邸、中央省庁等、住宅、公益施設、供給処理施設、情報通信施設、文化施設等
特別な基盤整備費
((3)以外)
開発地区内公共交通機関、交通ターミナル施設、共同溝、ゴミ管路輸送システム、森林公園、河川改修等

(注)費用項目は便宜上設けた「交通基盤整備費」の項目以外はモデル的試算と同じである。
また、新たな交通基盤施設については、別途検討を行った新都市のイメージに係る交通体系を参考とした。

2) 移転費用の再試算結果
モデル的試算と比較すると、用地取得費、交通基盤整備費で各地域の間で若干の差があるが、合計では、どの地域も概ねモデル的試算と同水準の費用となった。
本試算は具体の開発計画が明らかでない現段階における概算であることに十分留意が必要であり、三重・畿央地域において答申中の「新たな高速交通網」の整備に要する費用は含めていない。
なお、再試算は、移転先候補地として選定された栃木・福島地域、岐阜・愛知地域及び参考として移転先候補地となる可能性がある三重・畿央地域について行った。

再試算結果(単位:億円)
費用項目/地域名 (モデル的試算) 栃木・福島 岐阜・愛知 (参考)三重・畿央
(1)用地取得費 2,000 1,000
(-1,000)
3,000
(+1,000)
2,500
(+500)
交通基盤整備費(注)
((2)+(3))
5,000 8,000
(+3,000)
5,000
(−)
6,500
(+1,500)
(2)広域交通インフラ整備費 3,000 4,000
(+1,000)
2,500
(-500)
3,500
(+500)
(3)特別な基盤整備費
(開発地区外幹線交通施設)
2,000 4,000
(+2,000)
3,000
(+1,000)
3,000
(+1,000)
(4)用地造成費等
[業務地区]
3,000 3,000 3,000 3,000
(4)用地造成費等
[住宅地区]
2,000 2,000 2,000 2,000
施設整備費(上物) 25,000 25,000 25,000 25,000
特別な基盤整備費
((3)以外)
3,000 3,000 3,000 3,000
合計 40,000 42,000
(+2,000)
41,000
(+1,000)
42,000
(+2,000)
公的負担 23,000 27,000
(+4,000)
25,000
(+2,000)
26,000
(+3,000)
民間投資・負担 17,000 15,000
(-2,000)
16,000
(-1,000)
16,000
(-1,000)
  1. 端数を処理しているため一部計算が合わない欄がある。
  2. 欄内括弧書きの数値はモデル的試算結果との差である。
  3. 費用項目は便宜上設けた「交通基盤整備費」の項目以外はモデル的試算と同じである。
  4. 公的負担、民間投資・負担の別については、基本的にモデル的試算と同様の比率で按分した。

(注)留意事項
用地造成費については、具体の開発計画が明らかでないため、再試算は行わなかったが、栃木・福島地域は総じて傾斜が小さく地形が平坦であるため、その他の地域に比べて造成工事が行いやすく、ある程度用地造成費が少なくなる可能性がある。

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