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第1回国会等移転審議会議事要旨

1.日時

平成8年12月19日(木曜日)9時40分〜11時0分

2.場所

内閣総理大臣官邸ホール

3.出席者

(審議会委員)

平岩会長、有馬会長代理、新井、石井(進)、石井(威望)、石井(幹子)、石原、宇野、海老沢、堺屋、下河辺、寺田、中村(桂子)、中村(英夫)、野崎、堀江、牧野、溝上、宮島各委員(19名)

橋本内閣総理大臣、梶山内閣官房長官、与謝野内閣官房副長官(政務)、伊藤国土庁長官、井奥国土政務次官他

4.議題

委員の紹介、会長の互選、会長代理の指名、総理大臣挨拶、諮問、運営方針の決定、資料説明、フリートーキング等

5.議事の要旨

今回は、本国会等移転審議会の初会合であったため、「会長互選」や「本審議会の運営方針の決定」などを行い、橋本内閣総理大臣から本審議会への「諮問」が行われた後、各委員からのフリートーキングが行われた。その概要は以下のとおり。

(1)会長互選及び会長代理の指名

本審議会の会長には、平岩外四氏が互選され、会長代理として、有馬朗人氏が指名された。

(2)会長挨拶要旨

「私は、かつて平成4年にとりまとめを行いました「首都機能移転を考える有識者会議」の座長を務めさせていただきましたが、首都機能移転は、とりまとめ以降も、経済・社会構造が変化するなかで様々な論議が行われ、移転先候補地の選定という新たな段階に入りました。
本審議会は、こうした極めて重要な使命を課されたものであり、会長を仰せつかったものとして身の引き締まる思いであります。」
さらに、「委員の皆様より、改めて首都機能移転の意義などについてご意見を伺いながら、会長として審議会の円滑な進行に努めてまいりますので、委員の皆様方のご協力をお願い申し上げる。」

(3)総理挨拶要旨

「国会等の移転は、東京一極集中、国土の防災対応力の強化といった課題に大きく寄与するとともに、国政全般の改革と深く関わる、大変意義深いものであります。国民一人一人が将来に夢と希望を抱くことが出来る社会を実現するために、内閣として極めて重要な課題であると認識しており、なんとしても実現する必要があります。
国会等移転の検討は、移転先候補地の選定という新たな段階に、大きく踏みだしました。国民の関心が以前にも増して高まる中で、委員の皆様に大変大きな任務を負って頂くことになるが、活発な御審議により所期の成果を得られますようお願い申し上げる。」

(4)審議会議事規則及び審議会の運営に関する申し合わせ

審議会議事規則を決定し、さらに、審議会の公開に関して申し合わせを行った。審議会の公開については以下の意見が出された。

  • 土地投機等について特定の者に不当な利益をもたらす恐れがある場合や公正かつ中立な審議に著しい支障があるものについては非公開とすることも分かるが、それ以外の審議については、国民の間にこの問題の理解を深めてもらうため、これを公開してもよいのではないか。
  • 具体的な候補地を特定していく場合など大きな影響を与える場合については要旨のみ公表し、その他については会議の内容に応じて判断する必要がある。
  • 会議の公開について適切な措置が必要だが、自由に発言を行えるよう非公開にしてもらいたい。

審議会の公開については、以下の申し合わせを原則とすることとした。

  • 特定の地域を対象とした議論が行われ、土地投機等を通じて特定のものに著しい利益をもたらすおそれがあること、公正かつ中立的な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあることから、会議および議事録は非公開とする。

他方、審議会の公開に関する閣議決定の趣旨や国民の合意形成の促進の観点から、

  • 毎回、会議後、事務局において速やかに議事要旨を作成し、公表する。
  • 毎回、会議終了後、議事内容について記者団に説明する。
(5)事務局説明及びフリートーキング

国会等移転に関する経緯などに関する事務局からの説明、各委員のフリートーキングを行ったが、各委員等からの意見は以下のとおり。

  • これまでに調査会で3年間かけて、かなりしっかり移転候補地の条件などが検討されてきているので、部会などで専門の調査に入って、候補地の選定を積極的に進めてもらいたい。
  • 我が国は政治や経済が閉塞状態にあり、戦後50年かけてきた日本を新しい再出発、展望のある国づくりに持っていく必要があり、人心一新の好機なので、首都機能移転を是非力強く実現する必要がある。
  • 本審議会として最も大事なことは、専門的にしかも中立的な立場で候補地の選定作業を進めることであり、本日、この場においても専門的な検討グループの扱いについての検討を開始されたい。また、前回の調査会で移転の意義について十分議論したが、もう一遍おさらいの意味で確認してもらいたい。
  • 日本人全体が先行き暗い気持ちに覆われているので、21世紀の日本をライトアップするためにも移転により日本を変えていき、明るくしていきたい。日本人は都市づくりが下手だったと思うが、日本の文化をもう一度掘り起こし、自己完結型エコシティというような日本の新しい文化を世界に発信していく絶好の機会ではないか。その際国民のコンセンサスを広げていく、移転の必要を強く訴えていく、プロセスをフェアにし、公正な手続であることを一般に分かってもらうことが必要。
  • 歴史を見ると首都機能の場所が変われば必ず社会が変わってきており、平成の大改革の総仕上げとして移転を実現したい。その場合、100年200年使っていくまちづくりをするため、いろいろなケースを考えて、新しい技術、ノウハウでソフトのシミュレーションを大仕掛けに行ってもらいたい。
  • 首都機能移転という重大な問題が国民の間でまだ十分に議論が尽くされてはいないのではないか。いろいろな意見などを国民にフィードバックさせるなどして、国民の意見の一致を見る方向に持っていくべきではないか。
  • 東京の人は移転に対して、東京がローカルシティになってしまうという感じを持っている人が多く相当アレルギーがあるが、そうではなく東京に空間が生じ都市の閉塞性が変わるのであって、このようなイメージをもってくれていない。一方、候補地として名乗りを上げている地域では、即物的におらが町が東京に代るみたいな感覚がある。このような認識と実際との落差は大きく、本審議会の議論がその落差を埋める大きな役割を果たしてもらいたい。
  • 首都機能移転は21世紀の国家的大事業であり、国民の大多数の納得や合意が必要であるが、半信半疑の国民も多く見られるので、移転議論を多角的に、総合的に深めていかねばならない。
  • 候補地として名乗りを上げている地域は、それぞれ利点や特色を持った地域であり、我々もそういう候補地の方々の考えや意見に対し謙虚に耳を傾ける必要があり、現地をつぶさに見てまわることが我々にとって肝要である。
  • 移転は単に50年というより300年ぐらいの大きな流れの中での変化があるので、どこへということだけではなく、どういうものをつくるのかということを大事にし、これを人々に伝え、みんなで考えることが必要。
  • 東京で暮らしてきたが、外から東京を見るという体験をして、東京の一極集中は環境や交通などの物理的な問題だけではなく、東京にいると物の考え方がある意味で偏ってしまっていることを実感した。外に出るという意味で分散ということは大事だと思う。
  • 地方分権、行政改革等と移転との関連づけについて、もう少し具体的な問題と結び付ける努力が必要ではないか。
  • 14兆円の費用は決して小さいものではないが、これを移転の単なる制約条件としてとられるのではなくて、むしろ予算編成、公共投資のあり方、税制の在り方を変える契機として考えていくことが必要。
  • 21世紀に行われる事業であり、事業者や地域の利害関係者ではなく、もっと若い世代の意見を聞くべき。
  • 鎌倉時代から室町は別にして江戸時代までは、京都、鎌倉、江戸という二元的、あるいは多元的時代であり、一極集中の打破の点で移転は非常に説得力のある議論である。二元的な機能の分担という角度からもう少し議論する必要があるのではないか。
  • 情報やソフトウェアなどのソフトは大変大きな変化をしており、将来の条件、環境の変化を十分取り入れて候補地を検討する必要があるが、情報空間の観点から首都を決めるほか、ハードウェアの観点から位置を決めるというアプローチが適当。
  • 首都機能移転の是非や意義について立ち戻った意見、議論があるが、調査会で長く議論して一定の方向が打ち出されており、戻った議論をすると堂々巡りで、いつまでも答えが出ない。全体のスケジュールの中で、そもそも論や候補地選定の議論など今後の運営の枠組みを決めて審議するのがよい。
  • 候補地の選定を諮問されたことは、選定すること自体の是非まで含めて諮問されたのか。また、選定に関連する事項とは何なのかをはっきり示した方がよいのではないか。
  • 本審議会とは別に専門機関を設け、移転先候補地の選定作業を行うのか。その場合、その専門機関が調査会報告にある専門的かつ中立的な選定機関と理解するのか。
  • 建物や都市というハードは100年とか500年とかの長さで考える必要があり、考えられるソフトに合わせてつくるとすぐに使いづらくなるのではないか。
  • 首都機能移転は、気持ちが新たになる、不要のものを整理するという点で引越しと通ずるものがある。
  • 国民の総意は大事なので、議論の中身を国民の皆さんに分かりやすく伝えたい。また、日本の顔として、恥ずかしくない地域を選びたい。

6.次回以降の会議の開催予定

第2回国会等移転審議会
日時:平成9年1月14日(火曜日)15時0分〜17時0分
場所:東條会館
議題:フリートーキングの続き(本日発言いただけなかった委員を中心に)
審議会の進め方に関する議論

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