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第21回国会等移転審議会議事要旨

1.日時

平成11年9月9日(木曜日)14時0分〜16時0分

2.場所

中央合同庁舎5号館共用第9会議室

3.出席者

(審議会委員)

森会長、石原会長代理、新井、石井(威望)、石井(幹子)、下河辺、中村(英)、中村(桂)、野崎、濱中、堀江、牧野、溝上、鷲尾、各委員(15名)

谷川政務次官、久保田事務次官、木下国土庁長官官房長、板倉国土庁大都市圏整備局長(事務局次長)、他

4.議題

第2タームの調査結果の総整理、評価項目の構成、総合評価の地域単位、重みづけの際の配慮事項について

5.議事の要旨

第2タームの調査結果の総整理についての事務局の説明が行われた。次に評価項目の構成について中村委員から、総合評価の地域単位について、事務局からそれぞれ説明が行われた後、意見交換が行われた。

(1)第2タームの調査結果の総整理について

調査対象地域の概況、第2タームの各調査の検討結果の概要、表明地域の概況の総整理について事務局から説明があった。

(2)評価項目の構成について

評価項目の構成について、中村英夫委員から説明があった。

評価項目の構成については3つの案があったが、調査部会の方で、首都機能移転が将来にわたり我が国に与える影響、首都機能の所在地の適性に関する条件、新たな都市立地の適性に関する条件の3つに分けた形のものが良いということになった。但し、今後の検討により変更はあり得る

第1番目の大項目の「将来にわたり我が国に与える影響」とは、「国土構造改編の方向」、「文化形成の方向」、「新しい情報ネットワークへの対応容易性」、「大規模災害への対応力」という項目になる。これらは首都移転の理念にかかわるものである。

2つ目の大項目の「首都機能の所在地の適性に関する条件」とは首都機能の存在がどんな意味を持つのかということであり、「外国とのアクセス容易性」、「東京とのアクセス容易性」、「景観の魅力」、「地震災害に対する安全性」、「火山災害に対する安全性」といった項目である。

3つ目の大項目の「新たな都市立地の適性に関する条件」は、どのような都市であっても都市を造るとき考えなければならない項目で、「土地の円滑な取得の可能性」、「地形の良好性」、「水害・土砂災害に対する安全性」、「水供給の安定性」、「既存都市との関係の適切性」、「環境との共生」となっている。

このように大ぐくりとして3つに分け、その3つの中を16項目に分けている。更に一番目の国土構造改編の方向と16番目のの環境との共生の項目を2つに分けているが、ともかく16項目となる。

(3)総合評価の地域単位について

総合評価の地域単位について、事務局から説明があった。

今後重みづけの手法を用いて総合評価を行っていく際に、総合評価の地域単位として具体的な地域を念頭に作業を行いたいと考えている。基本方針として総合評価の地域単位は、関係府県の意向、利用する空港の位置や道路・鉄道の交通体系の計画・整備の状況等から、国会都市を念頭に置きつつ新都市の構想がイメージし得る一体の地域とする。

具体的には、宮城県の南部地域、福島県の阿武隈地域、栃木県の那須地域、福島・栃木両地域を一体と考える場合、茨城県中北部、岐阜県と愛知県西三河北部を一体と考える場合、静岡県と愛知県東三河南部を一体と考える場合、三重県鈴鹿山麓地域、畿央地域、三重県と畿央を一体と考える場合で評価を行っていきたい。

総合評価のイメージとしては、総合評価の地域単位が大前提となるが、国土構造、文化といったような項目については、個々の総合評価の地域単位を超えた少し広い地域で評価していく。「地形の良好性」、「土地の円滑な取得の可能性」、「景観の良好性」等の即地的な検討を行っている項目については、より具体的な「即地性の高い評価項目に係る地域」で検討していく必要があると考えている。

こういったたくさんの項目を、総合評価の地域の単位に集約させて、その単位で最終的な評価をしていくということである。

なお、重みづけによる作業を行った後に、その結果を解釈して、審議会で十分御議論して結論を取りまとめていただくということである。

以下の質疑応答、意見交換が行われた。

  • 府県より少し広い地域で評価する項目というのは、評価項目の構成で、「首都機能移転が将来にわたり我が国に与える影響」の項目になるのか。
    →広い地域で評価する項目というのは、「将来にわたり我が国に与える影響」の項目と必ずしも同じと言うことではない。それらも含めて項目ごとに各検討会でどのような区域で評価するのが適当であるか議論して進めていただくことになると考えている。
  • 一つの地域(総合評価の地域単位)は幾つかの更に小さな地域の集合であるということか。
    →「総合評価の地域単位」には複数の「即地性の高い評価項目に係る地域」が含まれることとなる。ただし「即地性の高い評価項目に係る地域」は、単純に総合評価の地域単位を分割したものではなく、調査対象地域の全域から都市をつくる場合に不適切な地域を除き、抽出したものである。
  • 各検討会では5〜1の点を付けることでよろしいか。
    →各検討会における評価の仕方については、段階評価を基本としながら、場合によっては定量的な評価も行うということになっており、基本的には5段階、場合によっては3段階の検討項目もあろうかと思うが、段階別に評価していく。項目によっては、定量的な評価が結果として出てくるものもあると思う。
  • 横並びでそろえた評価法、少なくとも最終的に出てくる数字は、そろえておいた方がいいのではないか。
    →基本的にはそろえるように各検討会にもお願いしていきたい。
  • 段階評価と定量評価の違いは。
    →段階評価は、5つなら5つのクラスに分て評価を行っていくものである。定量評価は、例えば100を上限として、点数で評価をしていくものである。
  • その場合に、全体の10%は5を付けなければいけないとか、4、3、2はそれぞれ全体の20%とか40%にするというやり方がある。そういうやり方をするのか。それとも、極端な場合、全部に4が付いてもいいという考え方か。
    →後者の方法で作業をお願いする。
  • 広い地域で評価していくものは国土構造なり文化、総合評価の地域単位で検討していくものに水供給など、狭い地域で検討していくものには地形などという話があったが、16項目それぞれについて、どの地域単位が該当するのかを、部会なりで決めている、あるいは考えているものについて教えていただきたい。
  • 調査部会では項目ごとに検討会で採点するようにお願いしている。審議会の委員に項目間の重みづけというのをお願いすると決めたということ。各評価項目をどのような広さで検討を行うかは、各検討会の考え方に任せるべきである。
  • 「即地性の高い評価項目に係る地域」は全部でどのぐらいになるのか。
    →「即地性の高い評価項目に係る地域」は25である。一つの府県にについておおむね2つから4つぐらいずつとなっている。
  • 常識的にいって、各府県ごとぐらいに分かれるべきなのではないか。新都市はコンパクトにまとまって決まるものなのではないか。各府県にまたがってどんな都市ができるのかイメージが出てこないきらいがある。
    →都市として一体の地域としてイメージできる範囲であること、国会の所在というものを念頭に置いた都市であること、この2つから、範囲の限定というものがあるだろう。そこで仮置きであるが鉄道で30分程度が一体性の限界であるということを前提として、地域を設定している。
  • 国会都市というものは30分ぐらいは許されるのか。
    →例えば30分というのは東京−横浜、東京−立川、東京−大宮というような範囲であり、一体性の限界ではないかということである。
  • 総合評価方法による点数ですべて答えが出るわけではなく、地域の一体性を併せて審議会としては議論する必要があると私は思っている。審議会としては総合評価の作業を一刻も早く終え、その後は少し基本的な論争へ戻りたいと思う。審議会としては点数付けを早く出すようお願いするということではないか。
  • ある特定の分布で得点を付けなければならないのか、あるいは実態に即して落第点の地域はあくまで落第とするのか。私の担当している項目では、適当に分布させるということは余り正直なやり方ではないと思う。その辺をお教えいただきたい。
  • これからいよいよ各項目についての採点をお願いするわけだが、その際に共通ルールを決めておいた方がいいと考えている。事務局から各項目についてどういう採点を求めるのか。今の時点で事務局がどういうイメージを持っているのか説明していただくとはっきりするかもしれない。
  • 基本的には「優」「良」「可」「不可」であると思う。不可というのは勿論あり得る。1つの小さな範囲でも何千haという広さであるから場所によって違う。物によっては「良」「良」「良」というものがあっても良いと思う。
  • 一部で使っている言葉で言えば、絶対評価ということでいいかと思う。

評価項目の構成、総合評価の地域単位については審議会の結論とすることが了承され、各項目の作業を進めていくことになった。

(4)重みづけの際の配慮事項について

重みづけの際の配慮事項について中村英夫委員から説明があった。

各検討会で、専門家が各項目の評価を実施していくことになっており、重みづけは審議会で行うということになっている。

重みづけが一人歩きして、これが全てのように思われている節があるが、決してそうではないことをもう一度確認しておきたい。評価方法を専門家で検討した結果、この方法が最善の方法だろうということになった。ただ、それだけですべてを決めるのがいいということでは決してない。それはあくまでも資料であって、その資料を基に、この審議会で検討していただいて、決めていくということが良いと思う。資料も何も無いことには決められないから、重みをつけて評価を行い、重みづけの評価でどこがいいのかということを明らかにした上で、更にそこで必ずしも評価されていないもの項目もあるかもしれないので、それを付け加えていただいて最終的に決めいただくということである。

したがって重みづけのやり方は委員の方々の意見を聞きながら行う。

大事な点を2つばかり言わせていただきたい。

1つは、それぞれの検討会で評価した結果を見ながら審議会で重みを付けていくのか、それともその結果は完全に伏せておいて重みづけを行うのか、という問題がある。そのどちらかの選択をしなければいけない。これはここで是非検討して決めいただきたい。

検討会の評価結果を全然見せずに行うことになると、点数の評価と重みづけとは分離されているから、公正ですっきりとしているが、一方、結果を見て思っていたことと違うというようなことが出てきたりするので、各評価結果を見ながら重みをつけた方がいいということもある。この2つの方法のどちらがいいかを考えていただきたい。

もう一つは、北東、東海、三重・畿央というように大ぐくりになっている文化的な方向性、国土構造の改編などについては審議会がやらなければいけないことなのではないか。この審議会の立場として、文化は東の方を大事にする、もしくは西の方を大事にする、ということをここで決めるという立場をとっていただければと思っている。それもこの場で決めていただければと思う。

以下の質疑応答、意見交換が行われた。

  • 国土構造と文化は専門家に任せないということに少し抵抗を感じる。文化、国土構造について専門家に任せないという結論でいいのだろうか。
  • 私の理解は専門家の方々が既に作業しているが、それを参考にするかしないかは別にして、みんなで少しディスカッションして判断しようということであり、その際に当然専門家の方々が考えているようなことが重要な資料になると受け取っていた。
    →検討会で評価結果を出すのが難しいなら、審議会で決めざるを得ないと理解している。
  • 専門家にできないことが審議会でできるというところは理解しかねる。国土構造と文化だけが特別扱いされているが、16項目全て審議会で議論しなければならないのではないか。部会でできないから審議会で議論するというのは期待できないという気がする。
  • 私の理解では、16項目ごとに専門家の先生方に検討していただいており、項目によっては検討会でも差がつけにくいようなものも出てくるのではなかろうか。それについてはもう一度審議会の場で議論する余地も残すという扱いがいいのではないかと思う。これは専門の先生方の検討を白紙にして審議会でもう一回議論するということではなく、それぞれの専門の先生方の検討結果を尊重して、それを踏まえて最終的な候補地選定の作業に進んでいくということではないかと思う。たまたま国土構造と文化が話題になったが、これを含めて専門家の報告を頂いて、もう一度、各審議会の先生方の意見も聞いた上で答えを出さなければいけないものも出てくるかもれしない。それはそのときの状況によって扱いを決めたらいいのではないか。
  • 16項目について、定量的な評価と段階的な評価を行うと言うことであるが、それを統合するときに、それぞれ換算する基本的な仕組みがあるのだろうと思う。16項目について統合して点数化をするときには同じ基準で行われないと問題が生じてこないか。16項目の評点は同じ出し方でないと。異なるものを審議会がそのままいただいていいのかという気がする。
  • 16項目をそれぞれ専門の方々に評価していただくということは必要なプロセスである。これに対して国土構造改編の方向、文化形成の方向等は、それぞれの人の主観によって左右されることがある。地形の良好性、水供給の安定性等については議論があるとしても、それはかなり限られた議論になるが、国土構造改編の方向や文化形成の方向というのは根本的な立場の差から全然違う結果を言う人が出てくることがある。最後に意見を分かつことになるのは、この2つかなと思う。その意味では、専門委員の方々が結果とは別に、審議会の委員にそれぞれの立場から大いに議論していただき、個人的な差が出るところをはっきり出していただくことが必要だろうと思う。
  • 景観の魅力といった項目も非常に点数が付けにくいと思う。また、自然環境との共生の可能性ということも、将来的な技術の進歩いったような問題もあり、極めて付けにくい。土地の円滑な取得の可能性も絶対的な評価ということは非常に難しい。現時点の評価であるということを踏まえながら、それを見た上での重みづけということが審議会の指向性、または哲学といったものになるのではないかと思う。
    →これですべてが決まるなどということはあり得ない。このようなにある程度の資料を出さないことには、年内に決められない。したがってここでは、専門家の出した結果を使って行うということだと思う。
  • 16項目について評価をして、重みづけを行い機械的に出てきたものについては意外な結果が出てくると思うが、その意外な結果について審議会で議論すればいいと思う。そこまでは極力機械的にやらないと、外に資料として出した場合の理解という面で少し弱くなるのではないか。
  • 今までで各項目についての評価結果ができているのかできていないのか。あるいは、評価が検討会ではできないといったものになったものがあるのか。そこが分からないと重みづけの議論をしても先に進まないのではないか。
    →これから9月28日、10月初旬の審議会に各検討会の座長から方針を説明いただいて、それから作業に入る。
  • 各専門家の方々による今の時点での結果を尊重するのは当然であるが、特に複雑な問題に関しては事務局と専門家の方々と相談の上、その間を取り持っていただいて、この審議会で直接取り上げた方が良いだろうと思うものはここで取り上げる。

もう一つ決めたいこととして、重みづけの作業をする際に、各専門家グループで行った結果をどの程度知った方がいいか、ということがある。恐らく一長一短ではないか。

  • 原案では重み付けを2回行うようになっている。この案で行くのであれば、まず第1回目は結果を見ないで重みづけを行い、その上で第2回目は結果を見て行う。その際、第2回目以降の作業でしっかりといろいろな意見を聞かれた上で取りまとめていくというのが一番妥当な線ではないかと感じる。
  • もう一つの案として、オリンピックのように一番いい成績と一番悪い成績は除いていてしまう。これが一番機械的で作業としてはやりやすいのだろうと思う。
  • 私も結果として異常値というようなものが出てきた場合はそれを議論するなり、除いてもいいと思うが、ある程度機械的にやっていかないと、審議会としても説明がつかないと思う。
  • 重みづけをするに当たって各項目ごとの状況をある程度予備知識として持っていないと重みづけができないという意見と、各項目ごとの結果を見てから重みづけすると不純なものを感じさせるおそれがあると、両方の意見があったと思うが、項目ごとの結果を聞いた上でないと重みづけができないという立場については、各項目の議論を全く聞いていない場合はそういうこともあり得ると思うが、この審議会ではずっと各部会の報告はその都度ちょうだいしており、審議会の委員の皆さんはそれぞれの項目について、どういう検討がなされたかについてはある程度予備知識を持っていると思う。
  • 例えば、専門家はA地区を非常に優秀と認め、B地区は全然だめだと思っているということと、だからこれを3倍の重みにしなくてはいけない、いや半分の軽さでいいということはどのようににかかわってくるのか。
    →それは余り関係づける必要ないのではないか。無関係でいいのだろうと思う。
  • この点数付け等を行った途中経過はどこまでオープンになるのか。例えば国土構造や文化形成の方向というようなことで議論した結果、異なる方向に行くということがあるとする。点数というのは経過はどうあろうと外に出たときには非常に客観的なものとして受け取られてしまう。途中の点数というようなものが、どこまで出ていくのかということが少し気になる。
    →審議会でやっていただく重みづけ、あるいは検討会での地域での比較であるが、これについては、少なくとも答申が出るまでは公表を差し控えさせていただきたいと思っている。ただし、審議会の先生方にはその節目、節目で作業の経過を見ていただく必要があるので、それは工夫して、見ていただくことを考えさせていただきたい。その重みづけ作業を若干フィードバックしていただくとか、そういうことがあり得るかと思う。
  • 作業をしているということは国民に知らされる。そのときに情報公開というような要求が出てこないとも限らないのではないか。
  • これは非常に地域利害に絡む話であり、結論を出すまでの情報管理については理解をいただけると思っている。

重みづけの作業は、一回目は各項目の評価結果を見ずに、2回目は評価結果を見て行うことが決定された。

次回、第22回の審議会について、9月28日9時30分から調査部会と合同で行われることが、事務局から提示された。

以上
(文責 国会等移転審議会事務局)

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