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III. 新都市の所在地別にみた首都機能移転が文化的側面で与える影響

(4)海外事例からみる既存都市との関係

【新市街地型都市】

キャンベラ、ブラジリアのような新しい人工的な首都は、歴史を持たないために国全体の文化を規定する力は弱い。ただし、ブラジリアはブラジルの近代化を象徴する都市としての評価もあり、また年月が経るに従って、少しずつ都市としての成熟が進み人工的でなくなってきているとのプラスの評価も出てきているという。

【旧市街地+新市街地型都市】

ボンは、中世からの市街地を核としてその周辺に新市街地(住宅地)が広がり、その新市街地の中に首都機能がある。こうした都市は、歴史・伝統・文化の香りのある旧市街地の落ち着いた雰囲気が感じられるというメリットがある。しかし、小規模であるためドイツ全体への影響は殆どないと言われる。それに対してベルリンは、大都市であり、やや集権的なイメージがあるようである。
ワシントンは小さな田舎町をベースに、隣接して人工的な市街地が計画された首都であり、アメリカの歴史や文化を象徴する施設も多いが、ニューヨークのような意味においては、国全体の文化のトレンドを決める都市ではないとされる。

【旧市街地型都市】

パリは、旧市街地から同心円的に拡大してきた都市だが、首都機能は旧市街地の中に比較的散在している。オースマン時代の改造、建物の高さ等の規制等により、街並みは美しく、フランスの他の都市はパリをモデルにして街を作ってはいないとされるが、フランス文化の象徴であると考えられているような都市である。

以上のような事例をみると、その基盤に旧市街地を持つかどうかは、新都市の個性や文化的方向に影響を与えるものと考えられるため、新都市の建設にあたり、なお一層の検討が必要であると考えられる。

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