新都市が我が国の文化的方向に及ぼす影響について把握するために、北東地域、東海地域、三重・畿央地域のいずれに新都市が位置するかによって、違いが生じるかといった点について、アンケート調査に基づきを検討を行った。
[1] 2区分(北東地域と中央地域)
将来の日本の文化的方向について、大きく東と西でどのようなイメージの違いとなるかを知るために、北東地域と中央地域の2区分でアンケート調査を実施した場合の結果は次のとおりである。
北東地域に移転した場合は、「自然と共生した文化が育つ」という期待が60.9%でかなり多く、「ゆとりのある生活の促進、落ち着きのある文化が育つ」への期待も41.7%と高い。
それに対して中央地域に移転した場合は「自然と共生した文化」「ゆとりのある生活」への期待は20%程度であるが、「国際性の豊かな文化が育つ」への期待が39.7%と大きい等、北東地域との違いが明らかとなっている。
図 将来の日本の文化的方向(2区分)
北東地域に移転した場合
中央地域に移転した場合
[2] 3区分(北東地域、東海地域、三重・畿央地域)
より詳細な情報を得るために、再度3区分として日本の将来の文化的方向性の違いをきいた結果が次のとおりである。
3地域に区分して質問した場合でも、2区分と同様、北東地域に移転した場合では「自然と共生した文化が育つ」が69.3%、「ゆとりのある生活の促進、落ち着きのある文化が育つ」が55.9%と、これらの項目への期待が高い。一方、「最新情報にあふれた先端的な文化が育つ」(17.3%)、「国際性豊かな文化が育つ」(15.0%)の項目は他の2地域に比べて、期待が低くなっている。
一方、東海地域に移転した場合では、「最新情報にあふれた先端的な文化が育つ」が51.2%と期待が高い。一方、北東地域において期待できるとする回答が高かった「自然と共生した文化が育つ」(33.9%)、「ゆとりのある生活の促進、落ち着きのある文化が育つ」(30.7%)項目への期待は低くなっている。
三重・畿央地域に移転した場合では、「伝統や歴史を重んじる文化が育つ」が50.4%と、他の2地域に比べても期待が高くなっている等、3地域による特性の違いが明らかとなっている。
図 日本の将来の文化的方向(3区分)
北東地域に移転した場合
中央地域に移転した場合
三重・畿央地域に移転した場合