現在の東京圏のライフスタイル・ワークスタイルのゆとりのなさは、労働時間や通勤時間の長さ、住宅事情の悪さ、核家族化等による地域コミュニティの喪失等様々な要因が絡まりあって生まれている。
日本には現在でもかなりゆとりあるライフスタイル・ワークスタイルをもつ地方があるが、東京圏のライフスタイル・ワークスタイルが日本人全体のものとして海外にも知られ、日本人はウサギ小屋に住む仕事中毒といったようなイメージが全世界に広がっている面がある。
こうした認識のもと、新都市での新たなライフスタイル・ワークスタイルが、日本人全体のイメージを変えていく可能性について、アンケート調査に基づきながら検討を行った。
[1]2区分(北東地域と中央地域)
ライフスタイル・ワークスタイルについて、大きく東と西でどのような違いとなるかを知るために、北東地域と中央地域の2区分できいた結果が下記である。
全体では、首都機能移転の結果、日本人のライフスタイルは「空間的ゆとりのあるライフスタイルになる」という期待が最も多く、次いで「時間のゆとりを重視したライフスタイルになる」という期待が多い。
地域別では北東地域に移転した場合が「空間的」にも「時間的」にもゆとりのあるライフスタイルになるという期待がそれぞれ58.9%、40.5%と多いが、中央地域では「時間的ゆとり」については期待できないという回答の方が多い。
一方、先述したように、将来の日本の文化的方向については、中央地域に移転した場合は、「国際性豊かな文化が育つ」への期待が39.7%、「最新情報に溢れた先端的な文化が育つ」という期待が29.3%と、北東地域に移転したよりも高くなっており、北東地域に移転した場合と比べればやや忙しいライフスタイルというイメージがある。
なお、ワークスタイルについては、ワークスタイルが変化していくとする期待はどちらの地域も高くはなく、両地域における大きな違いは見られなかった。
図 ライフスタイル・ワークスタイルの変化(2区分)
北東地域に移転した場合
中央地域に移転した場合
[2]3区分(北東地域、東海地域、三重・畿央地域)
より詳細な情報を得るために、再度3区分として首都機能所在地のライフスタイル・ワークスタイルの違いをきいた結果が下記である。
2区分の時と同様、北東地域に移転した場合では、他の2地域に比べ、かなり「時間」的にも「空間」的にもゆとりのあるライフスタイルになることが期待されている。
東海地域と三重・畿央地域に移転した場合では、三重・畿央地域へ移転した場合の方が「時間」的なゆとりのあるライフスタイルとなることが期待されている。
なお、ワークスタイルについては、ワークスタイルが変化していくとする期待は3地域ともそれ程高くはなく、大きな違いは見られなかった。
図 ライフスタイル・ワークスタイルの変化(3区分)
北東地域に移転した場合
東海地域に移転した場合
三重・畿央地域に移転した場合