ホーム >> 政策・仕事 >> 国土計画 >> 国会等の移転ホームページ >> 今までの取組 >> 国会等移転審議会 >> 首都機能移転に関する調査項目一覧 >> 環境負荷に係る検討について >> 5.環境負荷面から見た新都市像に対する提言(その2)

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環境負荷に係る検討について

5−2 新都市に導入すべきシステムの特徴

次に、このコンセプト実現のために、新都市において導入すべきシステムについて下記のとおり整理した。

(1) 実験性・モデル性を持つシステム〜環境面における先進モデル都市〜
現時点では様々な制約から導入が難しい最先端の環境負荷低減技術あるいは環境負荷低減のための新たな措置を率先して実験的に導入し、その効果を適切にモニタリングしながら改良すること等により、他都市のモデルとなる都市づくりを行う。
既成の都市システムからの制約がなく、制度上も新しいものを導入しやすいと考えられる新都市においては、大規模な負荷削減技術を実験的に導入することや域内交通に関する新たな施策を試行するのに適している。

(2) 最適な方策を組み合わせたシステム〜バランスのよい方策のベストミックス〜
最新のハイテクノロジー設備による負荷の削減だけでなく、昔からの工夫であるローテクノロジーや負荷の少ないライフスタイルの導入等、最適なソフト、ハードの方策の組み合わせを目指す。
具体的には、国会都市を高度な環境技術(ハイテクノロジー)の粋を集めた設備を導入した高密度でコンパクトな地区として整備し、一方で、風の道の活用など、周辺都市を地域の自然環境を活用したローテクノロジーを利用しつつ、ライフスタイルによる削減方策を取り入れやすい仕組みを導入した低密度地区として整備することなどが考えられる。

(3) 自然と共生し、循環を基調とするシステム〜周辺の自然環境を含めた循環系の形成〜
周辺の二次的な自然環境の特性を活かし、未利用の資源や機能を有効に活用すること等で、周辺自然環境を含めた循環系を形成し、併せて住民の自然との共生を実現する。
具体的には、新都市で生じる生ゴミの堆肥化と周辺農地での活用や、二次林の間伐材等のバイオマス資源の新都市での利用等を行う。

(4) すべての主体が参加するシステム〜全ての主体とともに発展する都市〜
行政や企業だけが負荷の低減に取り組むのではなく、従来からの周辺地域住民等も含む新都市住民やNGOを含めた都市に関わる全ての主体が負荷削減施策に関して計画段階から参加し、負荷削減施策の実行に積極的に協力できる仕組みを構築する。また、住民活動、NGO活動の拠点となる設備を整備し、環境教育プログラムを展開する等、関係者の環境意識が高まり、それに応じて都市システムも発展していくといった相互作用を持った都市を創造する。

(5) 「環境情報都市」〜各主体相互の情報活用による環境問題の解決〜
地方自治体や国に存在する先進的な技術やノウハウが、発展途上国や他の国内の他地域における環境問題の解決に対して役立つことは多い。また、新都市において上記(1)〜(4)の視点で導入されたシステムを運営する上で得られる情報が他地域で役立つ事も考えられる。
政府関連機能、各国や地方自治体の関係機関が立地する首都機能都市の特性を活用して、各種の環境関連事例や負荷削減技術に関する情報を集積し、多くの主体が活用可能な形で提供する「情報面での環境負荷低減の仕組みづくり」を行う。
情報面で新都市と他地域・他主体との連携が確立することにより、物質面における循環系が地域スケール、国内スケール、地球スケールといった様々なスケールで形成されることが期待され、地球全体でのゼロ・エミッションに資する。

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