ホーム >> 政策・仕事 >> 国土計画 >> 国会等の移転ホームページ >> 今までの取組 >> 国会等移転審議会 >> 首都機能移転に関する調査項目一覧 >> 自然的環境に係る検討について >> IV .自然的環境に係る特性把握の方法(その2)

国会等の移転ホームページ

自然的環境に係る検討について

(2)植生回復力・土壌生産力
降水量が多く、比較的温暖な本州においては、降水量や温度条件よりも、土壌の肥沃度や地形条件が植生回復力に強く影響する。本調査では、土地の土壌肥沃度と傾斜度の組み合わせをランク分けし、「植生回復力・土壌生産力」として示す。すなわち土壌が肥沃で傾斜が小さい場所は植生回復力・土壌生産力が高く、その逆の場所では低くなる。

1)土壌分類データと最大傾斜度データを用い、それぞれ、土壌については肥沃度の観点から5カテゴリーに、最大傾斜度は土壌の流出のしやすさなどの観点から3カテゴリーに分け、それらの組み合わせでランク分けする。

2)植生回復力・土壌生産力は、土壌を保全し、地形に大きな改変を加えない場合の、除去した植生の回復の容易性や農林産物の生産力を示すものである。

<特性把握の方法>
(1) 面積的に多い植生回復力・土壌生産力区分の把握
(2) 植生回復力・土壌生産力が特に高いメッシュ、および低いメッシュがまとまってみられる場所の把握
(3) 優占する植生回復力・土壌生産力区分と現存植生・土地利用との関連の整理

3)例えば、植生回復力・土壌生産力の高い地域は、優良な農地や林地として保全の重要性が高いとともに、土壌を保全して植生を改変した場合の植生の回復が容易であるという意味で、このような開発に対して相対的に対応力が大きいことも示している。

4)特に、現存植生・土地利用との組み合わせを考慮すると、植生回復力・土壌生産力が低くかつ植生自然度が高い場所では、植生を破壊すべきでない、また、回復力が低く、植生自然度も低い場所では、良好な森林環境等の形成は相対的に困難であるということになる。

資料: 国土数値情報 JK-126-1 3次メッシュ平均傾斜、高度 国土地理院 1983
国土数値情報 KS-156-1 表層地形、地形分類、土壌 国土地理院 1979
第4回 自然環境保全基礎調査:植生調査結果 環境庁自然保護局 1993

<特性把握の手順>

手順の図。土壌分類データ→肥沃度による区分、最大傾斜度データ→傾斜度による区分→組み合わせによる「植生回復力・土壌生産力」のランク区分と分布図の作成→植生回復力が特に高い場所・低い場所の把握、→優占する植生回復力区分と現存植生・土地利用との関係を把握。

前ページ

目次へ

ページの先頭へ