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第1編 地震災害に係る検討

2.地震現象と地域の特徴

日本周辺で発生する被害地震は、プレートの境界部やプレート内部で発生する地震(海溝型地震)と内陸の活断層を震源として発生する地震(内陸活断層に伴う地震)【活断層:現在活動中の断層のこと】に大別される。
静岡から四国の沖合で発生する海溝型地震と近畿周辺の内陸部で発生する内陸活断層に伴う地震は互いに連動して発生することがある。

(1)地震発生のメカニズム


図1 日本列島周辺のプレート配置
(力武常次著「日本の危険地帯」より)

地球の表面は、あたかも敷石を敷きつめたように、十数枚のプレートと呼ばれる、厚さ100km程度の固い岩石の層で覆われている。プレートはその各々が異なる方向に進むので、その境界ではひずみが蓄積され、それが限界に達するとずれが生じ、地震が発生する。
日本付近では、海と陸のプレートが互いに近づく方向に進んでおり、海溝やトラフ【プレートの沈み込み帯に当たる深海底の溝状の地形。両側の斜面が比較的急で、水深は通常6,000m以上のものを海溝と呼び、海溝に比べ浅く幅が広いものをトラフと呼ぶ】から、海のプレートが陸のプレートの下へ沈み込むことによって、地震が発生する。このタイプの地震を、海溝型地震という。
一方、プレートの内部では、プレート間の運動の二次的影響によりひずみが蓄積され、地震が発生する。このタイプの地震を内陸地震という。大きな内陸地震は、活断層の運動により、何千年に一回といった頻度で、繰り返し発生する。


図2 地震発生メカニズムの模式図
(京大防災研究所編「巨大地震の予知と防災」より)

  • (1):海溝やトラフでは海のプレートが陸のプレートの下に沈み込んでいる。
  • (2):両プレートの間に摩擦が働くと、陸のプレートは海のプレートの沈み込みに伴って、下方に引きずり込まれる。
  • (3):陸のプレートが海のプレートとの境界面に沿って大きくはね返り、地震が発生する。

(2)海溝型地震

海溝ではマグニチュード(M)8クラスの巨大地震が比較的多く発生し、その断層の長さは100~200kmに達する。そのため、被害は広範囲で生じる傾向にある。
以下では、調査対象地域周辺のプレートの状況と過去に発生した主な地震についてその概要をまとめる。

1)北東地域周辺
北東地域は大陸性の北米プレート(陸のプレート)上に位置するとされ、東側から太平洋プレート(海のプレート)が沈み込んでいる。この沈み込みのはじまる位置は日本海溝として知られている。
茨城県から宮城県にかけての太平洋沖では、他地域に比べてマグニチュード7〜7.5程度の地震の発生頻度が高いが、この地域ではマグニチュード8クラスの地震が発生することは非常にまれである。また、震源が陸地から離れていること、他地域に比べて地盤の良好な地域が広いこと等の理由により、地震動により大きな災害がもたらされることは少ない。ただし、この地域は地震動に比べて大きな津波が襲うことがある。プレート境界の地震による津波としては、1896年明治三陸地震津波があり、プレート内部の地震による津波としては1933年昭和三陸地震津波がある。
この地域で発生した主な海溝型地震には1896年明治三陸地震(M8.1)、1978年宮城県沖地震(M7.4)などがあげられる。宮城県沖では1978年(M7.4)のほか、下表に示すような地震が発生しており、ほぼ40年間隔で同程度の規模の地震が発生してきた。一方、茨城県沖や福島県沖では、宮城県沖のように、明瞭な地震発生の繰り返しは見られない。

表1 宮城県沖で発生したM7以上の地震

2)中央地域周辺
中央地域は大陸性のユーラシアプレート上に位置するとされ、南東側から海洋性のフィリピン海プレートが沈み込んでいる。この沈み込み位置は、遠州灘から熊野灘、四国の沖合に位置し、東部から順に駿河トラフ、南海トラフと呼ばれている。
この地域では、100〜200年程度の繰り返し間隔で大きな津波を伴ったM8クラスの巨大地震が発生することが知られている。

図3 東海−南海沖における大地震の震源域

表2 東海−南海沖の巨大地震発生年

A〜Fは左図の区間に対応
(?:断層が動いたかどうかは不明)
(宇津徳治著「地震学」に加筆)


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