| 検討項目 | 茨城県 | 栃木県 |
|---|---|---|
| 自然地形 | ・茨城県の中北部に位置し、北は阿武隈高地の南側及び八溝山地からなり、南は主要河川沿いを除き全域が丘陵及び段丘で構成される。 ・北部は大部分が丘陵地で谷密度が大きく急傾斜地が多い。中部は、北部地域に比べて谷密度が小さく、丘陵頂部の平坦性が高いが、谷底と尾根頂との比高が50m以上に及ぶ地区が多い。南部は全域が段丘（常総台地）であり、段丘面は広く残存している。 |
・栃木県の北東地域に位置し、北部には那須岳、その南には那須野原の丘陵及び扇状性段丘が広く分布し、東部は八溝山地、南部は宇都宮台地・結城台地によって構成される。 |
| 既存市街地の状況 | ・水戸市にまとまった市街地が存在する他は、小規模な市街地が点在している。DIDは、水戸市の他、笠間市及び友部町に小さいエリアで存在している。 ・水戸市から国道6号50号等の主要幹線道路に沿って、市街化が進行する傾向が見られる。 ・平成2年から7年までの人口増加率は、水戸市が4.8%であるのに加え、美野里町が9.5%であり、南西側の人口が増加している。 |
・市街地は点在しているが、いずれも規模は小さい。DIDは、黒磯市、西那須野町、大田原市及び矢板市に存在しているが、黒羽町や那須町の黒田原にもまとまった集落が見られる。 ・平成2年から7年までの人口増減率は、黒磯市が7.5%、西那須野町が11.4%と増加率が高い。 |
| 交通基盤 | ・JR常磐線、常磐自動車道及び国道6号が南西方向から北東方向に、JR水戸線、北関東自動車道（建設中）及び国道50号が東西方向に、JR水郡線及び国道118号が北西方向に、鹿島臨海鉄道、東関東自動車道及び国道51号が南東方向に通過しており、水戸市を中心に幹線交通機関が放射状に伸びている。 | ・南北方向にJR東北新幹線、東北本線、東北縦貫自動車道及び国道4号が東京方面と福島方面を結んでいる。 |
| 現況土地利用規制 | ・水戸市及び茨城町において、市街化区域・市街化調整区域の線引きが行われている。未線引きの用途地域指定を行っているのは、笠間市、友部町、岩間町及び美野里町の4市町である。 ・北部地域では、農用地区域の指定が広範に分散して行われている。 ・中部地域では、農用地区域のほかに国有林及び保安林の指定のほか、国有林も存在する。 ・南部地域では、茨城町の大部分は市街化調整区域に指定され、かつ農用地区域の指定も広範に行われている。その南西側に隣接する美野里町では、国道6号沿線を除いて大部分が農用地区域に指定されている。 |
・表明地域構成市町村で市街化区域・市街化調整区域の線引きが行われている市町村はなく、那須町、黒磯市、塩原町、西那須野町、大田原市及び矢板市で未線引きの用途地域指定が行われている。 ・農用地区域の指定は広範に分散して行われているが、北部では小さなエリアが分散して指定されているのに比べ、中部の西那須野町及び大田原市では、平地を中心にまとまった大きさで指定されている。また、南部では谷底部に線状に指定されている。 ・那須野原は明治の農場経営拠点として開拓された経緯があり、大規模な土地所有者が存在している。 ・西部の山地には国有林が拡がるほか、保安林及び自然公園特別地域の指定地域が拡がっている。 |
| スプロール抑制の可能性と課題 | ・北部及び中部地域は、地形、既存集落の状況、現況土地利用規制の状況から見て、土地利用誘導の適切な方策を講ずれば、比較的スプロールが生じにくい状況にあると考えられる。 ・南部地域は、水戸市からの市街化の圧力に加え、高速道路の整備進展等による開発ポテンシャルの上昇が予想されることから、スプロールの発生する可能性が高く、新都市建設にあたっては、適切なスプロール抑制方策を講じることが必要と考えられる。 |
・那須野原開拓の歴史と土地所有の形態によって今まではスプロールがある程度抑制されていたと考えられる。しかし、西那須野町と大田原市周辺の農用地区域内に既にまばらに建物が立地していること、人口増加率が高い地域が存在すること、地形的に平坦であること等を踏まえると、今後はスプロールが進行しやすい環境にあるため、クラスター周辺に、無秩序な市街化が進行しないよう適切に計画誘導を図っていく必要がある。 |