11月6日の参議院国会等の移転に関する特別委員会において、扇千景国土庁長官(首都機能移転担当大臣)に対する質疑が行われました。詳しくは、インターネットホームページ国会会議録検索システム(期間:20001106〜20001106、院名:参議院、会議名:国会等の移転に関する特別委員会で検索してください。)をご覧下さい
高度情報化に関するアンケート調査
国土庁においては、「IT(情報技術)を活用した首都機能都市の在り方に関する検討会」を設置しましたが、その検討の一環として、東証及び大証一部上場企業(1410社)の代表取締役及び全知事・市町村長に対してアンケート調査を実施しましたので、その概要と結果の一部をご紹介いたします。詳細は国会・行政の動きをご覧下さい。
1.調査方法:東証及び大証一部上場企業(1,410社)の代表取締役宛にアンケート票を郵送し回収
2.発送数・回収数:発送数 1,410通 回収数 328通(回収率23.3%)
3.設問
問1 企業中枢部門の立地場所を決める重要な要因
問2 IT化の進展によって分散立地させることが容易な部門、困難な部門
問3 IT化の進展が企業の中枢部門や人材の立地・集積に及ぼす影響
問4 IT化の進展による我が国の国際的な情報発信力の展望
問5 IT化と首都機能移転を有効に連携させることにより考えられる相乗効果の可能性
問6 首都機能移転先都市における企業や機関の立地
4. 調査結果概要(問5)
1. 調査方法:全知事・市町村長宛にアンケート票を郵送し回収
2. 発送数・回収数:発送数 3,281通 回収数 1,535通(回収率46.8%)
3. 設問
問1 地方公共団体におけるIT(情報技術)への取組みとして力を入れる点
問2 地方公共団体において10数年後に完全実施が予想される行政情報化への取組み
問3 国において10数年後に完全実施が予想される“電子政府化”への取組み
問4 「情報の地域格差が存在する」という見方について
問5 今後のIT化の進展による、我が国全体の「情報地域格差」の進む方向
問6 IT化の進展が10数年後企業や人材の立地・集積に及ぼす影響について
問7 自立した魅力ある地域づくりのために必要だと思われる情報に関連した施策
問8 IT化と首都機能移転を有効に連携させることにより考えられる相乗効果の可能性
4. 調査結果概要(問3)
マレーシアでは、マルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)計画の一環として、行政機能を首都クアラルンプールから近郊に移転させ、IT政府の実現を図ることとしています。
今回は、その計画についてご紹介いたします。
本文に掲載した写真、図等は、Putrajaya Holdings社のホームページからの引用です。
マレーシアは、我が国よりやや小さい約33万km2の国土面積を持ち、2,218万人(1998年央)の人口を擁する、13の州からなる連邦国家です。国家開発計画「Vision 2020」を掲げてIT(情報技術)産業の発展に力を入れ、同時に政府や国民生活のIT化及びこのためのITインフラ整備に力を入れています。
プトラジャヤ地区区分
Precinct
首都クアラルンプールへの連邦行政機能、立法機能、司法機能や王宮、企業の本社機能、商業施設の集中に伴い、交通渋滞等の過密の弊害、既存市街地でのITインフラ整備の非効率さ等から、マルチメディア・スーパーコリドー(MSC)計画の一環として、行政機能をクアラルンプールから近郊に移転させ、IT政府の実現を図ることとしています。
具体的には、クアラルンプールの南に南北50km、東西15kmのエリアを開発して、プトラジャヤ(新行政都市)とサイバージャヤ(情報技術都市)を建設し、クアラルンプール市街、新クアラルンプール国際空港、周辺のサイエンスパークとの間を、大容量高速通信ネットワーク、高速道路、高速鉄道で結ぶ計画です。MSC全体を開発・管理する主体としてMultimedia Development Corporation(MDC)が100%政府出資で設立されています。
プトラジャヤは、MSC計画の中で電子政府時代のマレーシアの新行政都市として計画され、4,581haの土地に、連邦政府の行政機関の大半と首相府等がクアラルンプール市内から移転するものです。
首相府/Prime Minister's Office
プトラジャヤは前述のMSCのほぼ中心、クアラルンプール市街から南に約25km、新クアラルンプール国際空港から北に約20kmに位置し、開発前の地目は油ヤシの林及び森林でした。
連邦政府地区(第1地区)
Government Precinct
プトラジャヤの開発スケジュール
フェーズ1 1996〜2000年
インフラ整備、省庁ビル・住宅・商業施設・モスク建設、公園造成等
フェーズ2 2000〜2005年
中央大通り、住宅・モスク・レクリエーション施設建設等
フェーズ3 2006年〜2010年
住宅・モスク・レクリエーション施設等
プトラジャヤの開発は3つのフェーズに分かれています。現在はフェーズ2に入ったところであり、省庁ビルの一部完成を受けて、1998年9月から政府機関の転入が開始され、既に首相官邸、首相府、外務省が移転を完了しています。
開発進捗状況は、2000年8月現在で、省庁ビルの6割、住宅は約2万戸が完成しており、移転完了人口は1,000人(最終想定規模の0.4%)となっています。
今後、2005年に全省庁の移転完了を予定しています。
複合開発地区(第2地区)
Mixed Development Precinct
市民・文化地区(第3地区)
Civic&Cultural Precinct
このコーナーでは、首都機能移転に関して今まで議論されてきた数多くの内容について、分かりやすく説明していきます。
第1回の豆講座では、移転の規模(面積)に着目したいと思います。国会等移転審議会における移転費用のモデル的試算の際に想定した移転先新都市の面積は、以下の通りです。では、国会都市の規模である1,800haとは、どれぐらいの大きさなのでしょうか。
国土庁作成 首都機能移転パンフレットより
移転先新都市の面積
第1段階 1,800ha
1/2ケース 4,800ha
最大ケース 8,500ha
(注) 第1段階は、国会中心に移転(国会都市の規模) 1/2ケースは、行政機関が1/2移転した場合最大ケースは、行政機関全てが移転した場合
1,800haとは東京ディズニーランド約23個分の広さになります。ちなみに、東京都千代田区と中央区を合わせると、おおよそ2,200haになります。