ホーム >> 政策・仕事 >> 国土計画 >> 国会等の移転ホームページ >> 各種情報提供サービス >> ニューズレター「新時代」 >> ニューズレター「新時代」 第28号(平成14年2月)

国会等の移転ホームページ

ニューズレター「新時代」 第28号(平成14年2月) 一緒に考えましょう、国会等の移転

国会の動き

衆議院

1月21日の衆議院国会等の移転に関する特別委員会において、石原健太郎(いしはら・けんたろう)委員長が新たに選任されました。

参議院

1月21日の参議院国会等の移転に関する特別委員会において、西川きよし(にしかわ・きよし)委員長が新たに選任されました。

「オンライン講演会」を開催しています

国土交通省の首都機能移転ホームページでは、これまで学界、経済界等各界の有識者34名を講師にお招きして講演会を開催しています。この度新たに下記の講演を追加しましたので、是非ご覧下さい。
http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/index.html

<2月掲載>

中西 輝政 氏 (京都大学教授)
テーマ: 『首都機能移転は文明史的スケールの選択の問題』

村上 陽一郎 氏 (国際基督教大学教授)
テーマ: 『行政機能のバックアップのための新都市建設を』

国会等の移転のパネル展示を全国展開いたします

国土交通省首都機能移転企画課では、首都機能移転を紹介するパネルを制作し、全国の主要駅等様々な場所にて掲示することを予定しております。また、これらを掲示する場所も募集しております。多くの方にご覧頂けるパネル展示にふさわしい場所や機会がございましたら、是非当課までご連絡ください。
同時にポスター掲示を行うことも予定しております。

キャンベラにおける首都機能の移転先の都市づくり

オーストラリアでは、イギリスからの独立に際し、シドニー、メルボルンの2大都市以外の地に連邦統合を象徴する首都を建設することを目的として、キャンベラへの首都機能移転が行われました。今回はキャンベラに詳しい野邊政雄氏に、キャンベラにおける都市づくりの取り組みについて紹介していただきます。

キャンベラの都市づくり


図1 キャンベラの位置図
(キャンベラは、イナー・キャンベラ、ウォーデン&ウェストン・クリーク、ベルコネン、タグラノン、ガンガーランという5つのタウンからできています。ガンガーランは、現在開発中です。)


図2 バーリー・グリフィン湖の周辺


写真1 バーリー・グリフィン湖
(西側から湖を見下ろしています。新連邦議会議事堂、国立図書館、最高裁判所、国立美術館は、写真中央の湖に突き出たところ(橋がかかっている)にあります。)


写真2 新連邦議会議事堂


写真3 国立図書館

オーストラリアでは、イギリスからの独立に際し、シドニー、メルボルンの2大都市以外の地に連邦統合を象徴する首都を建設することを目的として、キャンベラへの首都機能移転が行われました。今回はキャンベラに詳しい野邊政雄氏に、キャンベラにおける都市づくりの取り組みについて紹介していただきます。

(首都となった理由)
1901年にオーストラリア連邦が成立したとき、シドニーとメルボルンのいずれかを首都にするかということで論争が起こりました。しかし、決着がつかず、妥協案として両都市の間にある内陸の地が首都の建設地に選ばれ、ニュー・サウス・ウェールズ州は1911年にその地を連邦政府に割譲しました。こうして生まれた都市がキャンベラです。当時のキャンベラは、石灰岩からなるほとんど何もない大地にすぎませんでした。

(歴史)
キャンベラは1960年ころから本格的に開発された比較的新しい都市です。
1912年 連邦政府はキャンベラの都市デザインを全世界に公募し、ウォルター・バーリー・グリフィンの案を選びました。
1927年 仮設の連邦議会議事堂が建設され、連邦議会がキャンベラで開催されました。大恐慌と第2次世界大戦のために、その後キャンベラの建設はほとんど進展しませんでした。
1958年 首都開発委員会が設置されました。これによって、キャンベラの本格的な開発が始まりました。
1960-1975年ころ 官庁がメルボルンからキャンベラに移転しました。これに伴って、多くの人々がキャンベラに移り住みました。増加した人口を収容するために、タウンが次々に開発されました。
1964年 バーリー・グリフィン湖が完成しました。
1988年 新連邦議会議事堂が完成しました。これによって、キャンベラは首都として一応の完成をみました。

(人にやさしい都市)
バーリー・グリフィン湖の周辺には、新連邦議会議事堂、国立図書館、最高裁判所、国立美術館など連邦政府の壮麗な建物が並んでいます。キャンベラを訪れるとこうした建造物に眼がとまりますが、キャンベラのすぐれた点は住民本位の都市であることにあります。

サバーブというのは小学校区に相当し、サバーブが約20集まって先述のタウンができています。それぞれのサバーブには近隣公園があり、タウンの間には広大なオープン・スペース(森林地帯)が設けられています。住宅の大部分は広い庭つきの一戸建てです。ですから、人口密度はとても低くおさえられています。また、キャンベラが首都となってから、多くの樹木が植えられてきました。ですから、その都市を上空から眺めますと、あたかも森の中にある都市のようです。ちなみに、キャンベラはブッシュ・キャピタル(森の中にある首都)とも呼ばれています。そのうえ、景観を向上させる施策が講じられています。電線は地中に埋められていますので、電柱はほとんどありません。さらに、家屋の前庭に高い塀を立てることが許されていません。こうした施策のおかげで、その都市の景観はとても良好です。

くわえて、双方向に分離された自動車道路がきわめて計画的に建設されています。サバーブの周囲に十分な幅員のある幹線道路を建設し、サバーブ内には曲がりくねった道路を設けています。こうすることによって、通過交通は幹線道路を走り、サバーブ内に入り込まないようにしています。歩道を自動車道に沿って設けていますので、人と自動車が完全に分離されています。さらに、サイクリング・ロードや乗馬用の道がキャンベラの中を縦横に走っています。

私がメルボルンやシドニーでオーストラリア人に「5年間キャンベラに住んだことがある」と言うと、「よくあんな人工的なところにそんなに長く暮らせたね」と言われます。キャンベラは計画都市であるということから、キャンベラを知らないオーストラリア人はそうした印象を持つのでしょう。しかし、ある調査によりますと、キャンベラの住民はその居住環境をとても高く評価しています。これは、ひとえに人にやさしい施策のためではないでしょうか。


写真4 最高裁判所


写真5 インナー・キャンベラの住宅地(住宅は多くの木々に囲まれています。)


写真6 サイクリング・ロード


トピックス

いろいろなところで首都機能移転の勉強が行われています

東京大学大学院環境学研究系
1月18日、東京大学大学院環境学研究系において「空間環境形成論演習」の一環として「首都東京プロジェクト」の講義が行われました。講義は、まず、国土交通省職員から「首都機能移転について」の講演をさせていただいた後に、建築家の岡田新一先生から「<東京湾からの発信−国土再生へ向けて>−東京DC2300計画」と題して東京湾を中心とした開発計画について講演をされました。さらに、学生や教官の皆様との意見交換が行われましたが、予定時間を1時間ほど延長するなど熱心な講義となりました。

金沢市職員研修での講演の様子金沢市職員研修
1月25日、金沢市職員を対象とした専門研修に国土交通省職員がお伺いし、首都機能移転についての講演を行いました。聴講者からの新都市のイメージや配慮すべき事項、土地対策の対応、移転先候補地の選定プロセス等についての質問に答えるとともに、意見交換を行い、日頃疑問に思われていたことについての理解を深めていただきました。

首都機能移転シンポジウムの報告

2月13日、東京都内において首都機能移転シンポジウムが開催されました。当日の様子等については、とりまとめ次第、国土交通省ホームページ等に掲載いたします。また、パネルディスカッションについては、NHK教育テレビ「金曜フォーラム」にて、3月15日(金曜日)PM11時から放送される予定ですので、ご覧下さい。

首都機能移転 豆知識「非木材紙と大豆油インキ」

国土交通省首都機能移転企画課においては、首都機能移転についてご紹介するパンフレットを数種類作成しておりますが、それらの多くは非木材紙(ケナフやバガス)と大豆インキを使用しています。これは、木材パルプを使用せず、非木材紙を使用することにより、森林資源の保護に役立つからです。また、昨年末に作成したパンフレットはバガスと呼ばれるさとうきびの搾りかすを原料とした非木材紙を使用していますので、これらの利用が農業廃棄物の二次利用となり、廃棄物の低減にも貢献しています。

また大豆油インキは、通常使用してされている印刷インキと比べVOC(揮発性有機化合物)の発生が低減されることから、環境対策のインキとして今後さらなる普及が期待されています。

環境対策が強く求められる首都機能移転プロジェクトであるからこそ、このような資料においても地球環境に配慮していきたいと考えています。

ページの先頭へ