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ニューズレター「新時代」 第33号(平成14年9月) 一緒に考えましょう、国会等の移転

国会の動き

衆議院
  • 6月11日の衆議院国会等の移転に関する特別委員会において、河村たかし(かわむら・たかし)委員長が新たに選任されました。
  • 7月25日の衆議院国会等の移転に関する特別委員会理事会において、以下のとおり申合せがなされました。

委員会のあり方等についての要請に関する申合せ

平成14年7月25日

  1. 現下の厳しい社会経済状況を踏まえ、移転規模、形態や新たな移転手法(PFI、証券化等)などのコンセプトの見直しについての検討を衆議院移転特において早急に行う。
  2. 上記の検討結果を踏まえ、平成15年の通常国会の本会議において、移転を行うか否かにつき決議する。
  3. 上記の検討を円滑に進めるため、移転特の委員構成はなるべく多人数とし、三候補地出身議員が半数程度、その他地域出身議員も半数程度という構成とする。

以上、3項目につき、各党において、その趣旨を御理解頂き、次期国会前に政党間協議の中で合意して頂き、然るべく取り図られることを強く要請する。

衆議院国会等の移転に関する特別委員会委員長・理事一同

  • 7月30日、衆議院国会等の移転に関する特別委員会が開催され、委員長から上記の理事会申合せについて報告が行われました。
    続いて、申合せのうちの1.について衆議院事務局へ予備的調査を行うよう命じることが了解されました。
参議院

7月31日、参議院国会等の移転に関する特別委員会(西川きよし委員長)が開催され、委員長から以下の理事会申合せについて報告が行われました。

本委員会の今後の進め方についての申合せ

(平成14年7月31日
国会等の移転に関する特別委員会理事会申合せ)

国会等の移転について、早急に結論を得るべく、各会派での意見集約に努めることとする。

与党三党

7月29日、通常国会閉幕を迎えるにあたり、与党三党首は、七項目について合意しました。その一つとして「首都機能移転問題については、社会、経済、国民意識等諸事情の変化を重く受け止め、次期通常国会において結論を得るよう努力する。」とされました。

国会等の移転に関する座談会が開催されました

前号、前々号に引き続き、4月10日に開催しました「国会等の移転に関する座談会」の模様をご紹介します。

出席者

  • 作家 堺屋 太一氏
  • 芝浦工業大学工学部教授 大内 浩氏
  • 東京大学先端科学技術研究センター教授 大西 隆氏
  • 三井物産戦略研究所所長 寺島 実郎氏
  • 三菱総合研究所研究理事 平本 一雄氏
<経済情勢の変化と国会等移転促進の関係>
堺屋
まず、経済情勢の何が変わったのかというと、一つは財政事情が更に厳しくなったということ、二番目はITの普及と知価社会化が進んだということ、三番目は高齢化と東京集中が進んだんです。財政事情については、国会等の移転は、財政支出を減らすためのプロジェクトですから、ますます必要性が高まっている。特に移転した後の運営費はかなり下がると思います。
二番目のITと知価社会化ですが、知価社会というのは多様な知恵なわけで、その中から競争でいいものが生まれる。だから知価社会に変えようとすると、当然分散型に変える必要がある。またIT化が進んだということは、実は分散社会に非常に有利になってくる。みんなが集中して顔を合わせる時代でなくなったのだから。
三番目に高齢化の問題です。高齢化がどんどん進みますと、各都市・各地域が健常な高齢者が楽しめる街にならなければいけない。東京のように膨大になりますと、高齢者が働こうと思ったら1時間も2時間も通勤しなければいけない。高齢者が働ける条件というのは、労働が軽減されると同時に、それに付随する通勤・通学・通院が短くなければ絶対駄目なんです。65〜70歳になって、満員電車で2時間かけて通わなければいかんような都市では高齢者は働けない。全国どこでも好きな仕事が好きな場所でできる。国際的な仕事でもデザインの仕事でも地方都市でもできるという、そういう街づくりが絶対必要なんです。そういうことを考えると、96年からの東京一極集中は恐ろしい現象で、高齢者にとって残酷な世の中をつくっていると思います。だから経済と社会の変化というのは、この問題を大いに促進する方向に変わっているのではないかという気がします。
寺島
もう一つ申し上げておきたいのは、国際中核都市ということなんですが、政治家と行政官僚だけがたむろしている無味乾燥な都市では魅力があふれるとは思えない。国際性豊かな国際中核都市という意味で私はジュネーブモデルと言い続けているんですが、新都市に国際機関なんかを誘致してはどうか。リピーターが絶えず訪れたくなるような情報網のある街をつくるために日本が得意とする分野の国際機関のイニシアチブとかアジア太平洋地域の様々な問題を解決していくための中心になるセンターみたいな機関とか担当者、そういうものを引っ張ってきて、そこに非常に国際性豊かないろいろな人が引き寄せられてくる。そういう構想を持ってやらないと、無味乾燥な政治都市になってしまいます。
堺屋
機能の問題としては、やはり国賓が来るために東京中渋滞するというのは大きな損失。だからそういうことが解消されて、常に楽しい街がつくれることは非常にいいことだと思います。現に東京一極集中が進んだ90年代後半には日本の国際的地位がどんどん下がっているんです。例えば91年は先物市場が大阪は世界一だったんです。それが今ではシカゴの十分の一です。東京の現物市場も急激に低下している。これはやはり東京集中で他に楽しみがないから、他にいいところがないからですね。
<具体化に向けて>
大西
移転のゴーサインを、はっきりと決めるということを少なくとも近々やる必要はあるという感じはします。まず移転することをはっきりさせて、それからどこかというのを決めるべきで、それで文化的な効果についてはできるだけ多くの人に知ってもらう必要がある。これは非常に抽象論で難しいんですが、土木建設ではなしに文化事業です。そういう概念を大いに理解してもらわなければいけないのではないかという気がします。
平本
地理的比較ではなくて移転の意義というものを再検討して、東京に残した方がいいか、移転すべきか、といったところに条件を絞って議論するのが一番大事だろうと思います。
大内
日本は明治以降、軍事大国を目指したり、あるいは経済大国を目指したりという時代が20世紀にあったわけですが、そこから日本は大きく方向転換していくんだ、その象徴が新しい都市なんだというようなことをどこかで演出したいということですね。
堺屋
時代が変わったから日本は変わらなければいけない、これがもう最大の前提だと思うんですね。この首都機能の移転は、日本の文化・社会・経済、全てを変える。そして官僚主導一元時代から本当に多様な知恵の時代に変わる。その一つの前提条件であると同時に最大の必要条件だという気がします。だから、日本は変わるんだということを世界にも国民にも言って聞かせるような説得力を持つ、そういったプロジェクトとしてこれを考えていく。決して土木建設公共事業だという発想ではなくて、日本が変わるための一大文化事業として考えていただきたいと思います。

(おわり)

人口の社会移動の推移を示した折れ線グラフ。東京圏への一極集中はますます進んでいます。

<東京圏への人口・諸機能の集中状況>

◇国土の3.5%に全国人口の26%が集中。2025年には26〜27%と予測
◇情報・ネット企業(ソフト系IT産業の事業所数) 平成12年 41.6%
◇金融機能(株式売買高) 平成2年 73.3% → 平成11年 80.3%
◇商業機能(卸売販売高) 平成3年 41.2% → 平成11年 44.0%
◇事務所・店舗等床面積  平成2年 27.0% → 平成12年 28.0%

ご意見を募集しています!!

前々号、前号、今号の3回にわたって、有識者の方々の座談会をお届けしてきました。今後の国会等の移転の議論に資するため、皆様からのご感想・ご意見などをどんどんお寄せ下さい。

また、先の国会においては大局的な観点から議論が行われてきましたが、7月末に衆議院・参議院の国会等移転特別委員会の理事会で申し合わせがなされ、衆議院の特別委員会では、移転規模、形態や新たな移転手法(PFI、証券化等)などのコンセプトの見直しについての検討を早急に行うこととされました。このコンセプトの見直しについても、国民の皆様からの積極的なご意見・ご提案などをお待ちしています。ご意見等は下記あて先までお願いします。

トピックス

いろいろなところで国会等の移転の勉強が行われています


東美濃・西三河北部新首都構想推進協議会の皆さん

東美濃・西三河北部新首都構想推進協議会
6月20日、岐阜県多治見市において、東美濃・西三河北部新首都構想推進協議会総会終了後、国土交通省首都機能移転企画課長が国会等の移転に関する最近の動向について講演を行いました。

最近の国会等の移転に関する各地域の主な動き

6月26日
国会等の移転先三候補地が、共同広報の一環として行ったJR東京駅でのイベントの際に併せて実施した「首都機能移転に関するアンケート」の結果を公表。概要は以下のとおり。

  • 回収されたアンケートは1,122件。うち、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の方が77%。
  • 約8割の人が移転について「よく知っている」あるいは「ある程度知っている」と回答。
  • 移転が日本に及ぼす効果のうち最大の効果はとの問いに、約6割の人が「東京一極集中の是正」と回答。
  • 移転を進めるための課題として約5割の人が「国民世論の盛り上げ」と回答。

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