ニューズレター「新時代」 第44号(平成16年1月) 一緒に考えましょう、国会等の移転
国会の動き
国会等の移転に関する政党間両院協議会
平成15年11月26日、12時から、国会等の移転に関する政党間両院協議会(第4回)が開催されました。
この協議会では、改めてメンバーの決定を行い、精力的に議論を進めていくとの話合いが行われました。
韓国における新行政首都の移転についての動向
韓国においては、廬武鉉大統領が大統領選挙の公約に掲げた同国中西部の忠清道への新行政首都建設の取組が進められています。
昨年11月6日には、青瓦台(大統領府)に新行政首都建設を推進するために設置されている「新行政首都建設推進企画団」から、新行政首都の青写真と開発の基本方向を提示する「新行政首都に関する基本構想(試案)」と新行政首都の立地を選定するための「立地選定基準(試案)」が公表されました。これらの試案は、地域別に巡回公聴会及び専門家討論等の手続きを経て、本年中に政府案として確定する予定となっています。
さらに、昨年12月29日には、新行政首都の建設が円滑に計画どおりに推進するための根拠法となる「新行政首都建設のための特別措置法」が、国会本会議において可決されました(新聞報道によると、賛成167名、反対13名、棄権14名)。
これにより、新行政首都移転に関する準備作業が本格化し、本年中に確定される立地選定基準等に基づき、本年下半期に候補地を最終選定することとなっています。
さらに、候補地選定後、2007年上半期までに開発計画を策定し、用地買収に着手するとともに、2007年下半期に新行政首都の建設に着工し、2011年までに都市建設及び庁舎建築を完了し、2012年から中央行政機関が段階的に移転する予定となっています。
このように、韓国においては新行政首都建設への取組が着実に進められており、今後の動きがますます注目されます。
(参考)「新行政首都建設のための特別措置法」の主な内容
(1)新行政首都建設のための推進機構の設置
- 建設予定地域の指定等、新行政首都建設事業に対する主要事項を処理するために、関係長官・民間人等の30名以内の委員で構成される大統領所属の推進委員会を設置
(2)特別会計の設置
- 建設交通部長官が管理・運用する新行政首都建設特別会計を設置
- 歳入は移転庁舎の売却代金、一般会計・特別会計の転入金、借入金等で調整し、庁舎敷地買入及び建築費、基盤施設設置費、周辺地域支援事業費等を支出
(3)移転計画の策定
- 委員会は移転機関、移転方法、移転時期及び所要予算等を含めた移転計画を準備し、大統領承認を経て確定
(4)新行政首都の予定地域の指定
- 予定地域は、忠清圏を対象とした現況調査結果及び建設基本計画をもとに、国土均衡開発効果、環境性・経済性等に対する評価を経て最終選定
(5)乱開発及び不動産投機の防止
・調査過程で乱開発及び不動産投機が憂慮される場合、当該地域に対して開発行為及び建築許可を制限するとともに、投機防止のために必要な場合には投機加熱地区等を指定
(6)事業施行者の指定
(7)その他事業推進の円滑化方策
- 新行政首都の円滑な建設を支援するために、関係行政機関の長は周辺地域支援事業、建設資材、需給安定対策、移転従事者支援対策等を準備
「オンライン講演会」を開催しています
国土交通省の国会等の移転ホームページでは、これまで学界、経済界等各界の有識者を講師にお招きして講演会を開催しています。12月以降、新たに下記の講演を追加しましたので、是非ご覧下さい。
(ホームページアドレス:http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/index.html)
赤星 たみこ氏(漫画家)
テーマ:「日本らしさと環境から考える首都機能移転」
項目
- 「郷土愛」から始まる住みやすいまちづくり
- 地域の特色を活かしたまちづくり
- 「観光」と「環境」をキーワードにした新都市
- 日本らしいまちづくりと木と水のリサイクル
- 子供から大人へと成長する都市を見守ろう
- 国会のIT化と日本の美を表現した議事堂を
- 首都機能は独自のリサイクルが可能な20万人都市に
中村 良夫氏(東京工業大学名誉教授)
テーマ: 「首都機能移転に求められる景観とメッセージ」
項目
- 政治的行為としての首都機能移転
- 分権のメッセージと結びつく首都機能移転
- 首都機能移転が持つ政治的メッセージ
- 景観から考えるエコロジーと文化の関係
- 山水を活用した新都市の景観
- 文化と社交の場を都市計画に
- 江戸に学ぶ自然と社交の融合
- 貯金箱としての文化と都市空間
- 東京を含む大都市がこれからすべきこと
寺田 典城氏(秋田県知事)
テーマ: 「地方分権の推進と秋田から見た首都機能移転」
項目
- これからの国の役割と地方分権
- オーダーメードによる基礎的自治体の自立
- 地方分権で重複する行政コストや人員の整理を
- 東京スタンダード脱却による一極集中の解消
- 首都機能の移転で変わること
- 人生を楽しむ新たな時代への変化
- 閉塞感から広がりを持つ社会へ
- 地方から日本を変える
- 国家観を持つことからはじまる首都機能移転
玉村 豊男氏(エッセイスト・画家・農園主)
テーマ: 「首都機能移転で変わる東京と地方の意識」
項目
- 理想の土地の探訪と「第2のふるさと」
- 東京から軽井沢までの距離感
- 地方の暮らしの変化と東京のローカリズム
- 東京と地方の不幸なすれ違い
- 農業と地域の生活の関係
- 新しい都市から農業基盤の再構成を
- 東京中心主義からの脱却
- 東京の活力が日本を支える
- 東京の人たちにこそ理解されるべき首都機能移転の意義
- 首都機能移転で東京と地方の意識改革を
トピックス
最近の国会等の移転に関する各地域の主な動き
- 移転先候補地三地域が、関係8府県知事名で「国会におかれましては、平成2年の『国会等の移転に関する決議』及び平成4年の『国会等の移転に関する法律』の趣旨を今一度充分に認識され、国会自らがその責任において精力的に検討を進め、国民の期待と信頼に応えるべく、首都機能移転を必ず実現されるよう強く要望いたします。」と求めた要望書を衆参の全国会議員に提出。(平成15年11月25日及び26日)
- 福島県が、21世紀の新都市像「森にしずむ都市」の絵画コンクール(県内小学生から1,520点の応募)の最優秀賞2点、優秀賞18点について、福島市ほか県内3市において、平成15年11月1日から27日までの間、作品展を実施。
- 岐阜県、愛知県では、平成16年1月27日、岐阜東濃地域首都機能誘致促進期成同盟会、東美濃・西三河北部新首都構想推進協議会、西三河首都機能移転推進協議会主催により、セラミックパークMINO(岐阜県多治見市)において、講師に作家の荒俣宏氏を招いて、講演会「遷都と首都機能移転の考え方」を開催。
- 栃木県が、平成15年11月13日から15日、とちぎ産業フェアに国会等移転情報コーナーを設置し、県民に対するPRや情報提供を実施。
- 三重県が、平成15年11月24日、国土交通省広域連携中部会議フォローアップ会議が主催する「国土交通ふれあい広場」の三重県展示コーナーで、「三重・畿央地域」の優位性を紹介するパネル展示とパンフレットの配布を実施。11月29日に「ふれあいモール四日市」において開催された「国土交通ふれあい広場」の三重県展示コーナーにおいても、同様の展示を実施。
国会等の移転ホームページ内の「意見交換スペース」について
国会等の移転ホームページ内の「意見交換スペース」では、皆様から寄せられた国会等の移転に関するご意見を公開しています。どなたでも自由に発言できますので、是非ご利用下さい。
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