ホーム >> 政策・仕事 >> 国土計画 >> 国会等の移転ホームページ >> 各種情報提供サービス >> ニューズレター「新時代」 >> ニューズレター「新時代」 第56号(平成18年3月)

国会等の移転ホームページ

ニューズレター「新時代」 第56号(平成18年3月) 一緒に考えましょう、国会等の移転

南アフリカ共和国における首都機能の分散立地

南アフリカ共和国(以下「南ア」という。)は、国会がケープタウン、行政府がプレトリア、最高裁判所がブルームフォンテインに分散立地しており、各々数百〜千数百キロ離れています(ケープタウンとプレトリアは約1600キロ(航空機で2時間)の距離)。首都機能が分散立地している海外の事例として、その概要を紹介します。

1.分散立地の歴史的経緯

20世紀初頭、現在の南アは2つの英国植民地(ケープ植民地、ナタル植民地)及び2つの蘭系移民の共和国(トランスバール共和国、オレンジ自由共和国)の4領地に分かれていた。1910年、第二次ボーア戦争の結果、これら4領地は併合され、「英自治領南アフリカ連邦」が発足した。

この際、英系と蘭系の融和政策の一環として、2つの旧共和国の首都に行政府、司法府を置くこととしたのが現在の分散立地の経緯である。

1910年南ア独立当時の4州と1994年憲法改正以降の9州


左図:1910年〜1994年


右図:1994年〜現在


2.南アの統治機構

(1)立法府
国会は二院制で、上院、下院とも議員の任期は5年である。
下院(国民議会)は、国民の代表として国政全般に係わる広範な事務を所掌する。
上院(全国州評議会)は、南アを構成する9つの州の議会から選出され(州知事も含まれる)、州の利益を代表する議会として機能する。

(2)行政府
大統領は国家元首、行政府の長、そして国防軍の最高指揮官でもある。大統領は下院議員の中から選出され、任期は5年である。なお、大統領は、選出に伴い下院議員としての職位を失う。
大統領は、副大統領及び大臣を下院議員の中から任命する(ただし、大臣は2名まで下院議員以外でも可)。

(3)司法府
司法府の最高機関は、憲法に関わる事項を所管する憲法裁判所(ヨハネスブルグに所在)と、憲法事項以外を所管する最高裁判所(ブルームフォンテインに所在)である。

3.首都機能分散立地に伴う業務等実施状況

(1)国会と政府の連絡調整
各省は、国会議事堂に隣接したビル(1棟)内に、各々国会対応連絡事務所(大臣、出張者等の執務室)を設けている。そこには必要最小限の職員が常駐している。
議員からの質問を国会事務局が取りまとめ、ここから各省の連絡事務所に情報が流れる。連絡事務所と本省(プレトリア)とのやり取りは、電子メールやファックス等により行われる。

(2)国会会期中のケープタウンとプレトリア間の移動
大臣、副大臣及び一部の政府幹部は、国会対応のため、ケープタウン(火曜日から木曜日)とプレトリア(月曜日と金曜日)を移動する。
かつて、各省から数百人規模の政府職員が大移動していたが、1994年以降は経費節減のため、移動者数を最小に抑えている。
大統領は施政方針演説及び代表質問が終われば立法府に関与しないため、会期中であっても主たる執務場所はプレトリアである(ケープタウンにおける滞在場所は国会議事堂敷地内の大統領第二官邸)。
副大統領は、会期中ケープタウンに常駐し国会の各種会議に出席するため、移動は少ない。


上院(全国州評議会)


下院(国民議会)


大統領府の“ユニオン・ビル”(Union Building)


国会議事堂に隣接の国会対応連絡事務所ビル


「オンライン講演会」を開催しています

国土交通省の国会等の移転ホームページでは、これまで学界、経済界等各界の有識者を講師にお招きして講演会を開催しています。2月以降、新たに次の講演を追加しましたので、是非ご覧下さい。

(ホームページアドレス:http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/onlinelecture/index.html)

織作 峰子氏 (写真家)

織作 峰子氏の写真石川県生まれ。昭和60、61年全国二科展入選。昭和62年独立。以降、女性の優しい視線で世界各国の美しい風景や人物の瞬間を撮り続けている。日本全国で写真展を多数開催するかたわら、テレビや講演に幅広く活躍中。

テーマ:「ファインダーから見たこれからの首都の姿」

要約

  • 今の東京をビジュアル的な観点から見れば、それほど悪いとは思わない。ただ、東京に機能が一極集中して過密になっているので、少し息苦しくなっている。
  • 私の考える「いい都市」は、人々が憩えるようなイメージのある都市。本当の贅沢というのは、ゆったりと時間を楽しむということだと思う。これからの都市を考えるときは、一人でも多くの方に自然と触れられるチャンスを与えていただきたいと思う。また、自然が豊かなことも大事だが、交通アクセスも重要。
  • 新しい都市は、100年後、あるいはそれ以上先の姿を見越した都市をつくるようにしてほしいと思う。自分の国の象徴として、さすがと思ってもらえるような日本人として誇れるものであってほしい。

鈴木 修氏 (スズキ(株)取締役会長)

鈴木 修氏の写真取締役、常務取締役、専務取締役を経て、昭和53年に取締役社長に就任。平成12年より現職。併せて、(財)スズキ財団及び(財)スズキ教育文化財団理事長。

テーマ:「企業経営における決断の重要性と国会等の移転問題」

要約

  • 私が社長になったとき、会社をどこかの国で一番にしようと考えて悩んだが、答えは意外に簡単なところにあった。しかし、それと実行が簡単かどうかは別問題で、それは決断できるかにかかっている。知恵を働かせて決断してやってきたことが、今日のスズキに結びついている。
  • 真理は1つ、正義は正義という信念を持っていれば、どんなときでも勝てると思う。争いは起こさないほうがいいが、経営をする上で必要なだけでなく、人生においても理に適ったことだと思う。国家についても要求されることではないか。
  • 残念ながら国会等の移転問題は決断ができていない。いろいろな機能を考えたらやはり真中にもってくるのが普通ではないか。
  • 単なる国会移転という捉え方ではなく、道州制のような地方分権も考えるべきである。

トピックス

最近の国会等の移転に関する各地域の主な動き
  • 2月17日から19日、鹿沼市で開催された「とちぎ花フェスタ2006inかぬま」のイベントに、栃木県国会等移転促進県民会議はブースを出展。パネル展示やパンフレットの配布など、国会等移転に関するPR活動を実施。
  • 2月25日、福島県は、都内で実施した「新白川ライフパークWホーム(二地域居住)説明会」において、啓発グッズを配付し首都機能移転をPR。
  • 2月25日、岐阜東濃地域首都機能誘致促進期成同盟会外2協議会は、多治見市において、落語家の桂文珍氏を講師に講演会を実施。首都機能移転の必要性を分かりやすく講演。
  • 3月11日、12日、岐阜県は、「第6回大垣市市民環境フェスティバル」に訪れる方々に首都機能移転の必要性をアピールするため、首都機能移転PRブースを出展。パネル展示やビデオ上映などPR活動を実施。
  • 3月13日から19日、岐阜愛知新首都推進協議会は、首都機能移転をPRするバナー広告をポータルサイトに掲載。期間中、同協議会のホームページに1日約6,000件のアクセス。
  • 3月20日から30日、中部圏知事会首都機能移転問題研究会は、都内JR山手線等の駅に、首都機能移転に関するポスターを掲出。
  • 首都機能移転先候補地である3地域8府県は、共同で首都機能移転をPR(首都機能移転をきっかけに、人が人らしく生きる、真の構造改革を実現すべきであるとの提言)する雑誌広告を掲載予定(3月27日)。

ページの先頭へ