新・全国総合開発計画
「21世紀の国土のグランドデザイン」
−地域の自立の促進と美しい国土の創造−

平成10年3月31日

第2部 分野別施策の基本方向
第1章 国土の保全と管理に関する施策

 自然の恩恵と脅威という二面性を考慮しつつ、安全で自然豊かな国土づくりを進める必要がある。我が国は、多様な動植物が育まれ、変化に富んだ美しい自然環境を有している一方で、地震災害、風水害等の自然災害を受けやすいという条件にあり、このような国土の条件と歴史の中で、人と自然との様々なかかわり方が培われてきた。その中で、環境を持続的に維持しながら、自然を有効に活用する生活の知恵や、平常時は表に出ないが、災害時に避難行動や相互扶助等の形で現れる「災害文化」とも呼び得る地域の潜在的文化が根をおろしてきた。近代化、都市化の過程で自然との接触が減り、生活様式が変化する中で、このような自然認識は希薄化してきており、改めて自然の二面性を念頭に置きつつ、21世紀における人と自然の望ましい関係の構築を目指す。
1) 阪神・淡路大震災にかんがみ、危機管理体制の充実、個人や地域コミュニティの役割の再認識、災害が必ず起こるものであることを前提とした対策等、国土の安全性の向上を目指した対策を推進する。
2) 国土の自然を将来世代や世界と共有する資産として引き継ぐため、野生生物の生息・生育に配慮した国土の形成、開発事業に際しての環境保全措置の実施、地球温暖化対策、廃棄物対策等による自然界の物質循環への負荷の低減等への積極的な取組等を進める。
3) 安全で自然豊かな国土を目指し、自然の系である水系と、これに関連する森林、農用地、都市等により構成される流域圏において、健全な水循環の保全、再生や国土の管理水準の向上に向けて、横断的な組織を軸として地域間や行政機関相互の連携を図りつつ、対策を充実する。
4) 沿岸域の総合的な保全と利用を図るため、自然の系を中心として共通性を有する沿岸域圏において、地域の連携による様々な取組を行う。

第1節 国土の安全性の向上 (略)


第2節 豊かな自然の保全と享受 (略)


第3節 流域圏に着目した国土の保全と管理


 流域圏に着目した国土の総合的な整備

 都市的土地利用の進展、生活様式の変化等にともない、人間社会とのかかわりの中で流域の姿は大きく変貌し、あるべき健全な水循環系の姿が失われつつあるとともに、特に中山間地域等において、過疎化、高齢化が進展する中、森林・農用地の適正な管理が困難となってきている。21世紀において、国土の持続的な利用と健全な水循環系の回復を可能とするため、流域及び関連する水利用地域や氾濫原を流域圏としてとらえ、その歴史的な風土性を認識し、河川、森林、農用地等の国土管理上の各々の役割に留意しつつ、総合的に施策を展開する。

 (1) 流域圏における施策の総合化

 水質保全、治山・治水対策、土砂管理等、水循環を介して流域圏と密接に関連する水や土砂に関する諸問題や、国土の土地利用の大宗を占め、公益的機能の発揮が期待される森林、農用地の適正な管理に関する問題は、行政上の区分を越えて広域的、複層的であり、多分野にわたる課題をかかえている。このため、自然の系である水系と、これに関連する森林、農用地、都市等により構成される流域圏を基本的な単位とし、これらの諸問題に対応する横断的な調整、連携を行うための協議会等の組織化について検討し、その具体化を図る。また、流域の水循環機構の総合的な調査検討を進めるとともに、水循環を介して密接に関連している河川水、地下水等を総合的に管理、保全する方策の必要性及びそのあり方について検討する。

 (2) 健全な水循環の保全・回復

 上流の水源地域の問題は、水源地域だけではなく、受益を享受する下流地域等と一体となって解決すべき問題である。このため、流域の水源かん養機能の保全と回復を目指し森林整備を進めるとともに、両地域の連携により、水源地域保全のための基金の活用、公的主体の水源林保有の推進等、水源地域対策の充実を図ることを通じて水源地域における国土管理を充実する。また、下流域・丘陵地においては、様々な主体により雨水浸透等による地下水のかん養を進めるとともに、下水道高度処理水を河川へ還元するなど、水循環の健全性を回復する方策を検討する。

 (3) 流域意識、上下流意識の醸成

 水の問題に対する国民の意識の高揚、自然への関心の高まり等から、流域サミット、森林、農用地、河川等を活用したイベント、文化・自然の研究、水質保全等への取組等、流域に関して様々な市民活動、自治体活動が行われている。これらの諸活動への支援を通じて、地域の風土性として培われてきた流域意識や上下流意識の再構築を目指す。このため、森林や水辺の交流拠点の整備、都市部の施設の上流域への立地等について、関係機関の連携による支援を行うとともに、市民活動のネットワーク化、川づくりや森づくりへの住民等の参加等を促進する。

 (4) きれいな水、おいしい水の保全と回復

 きれいな水、おいしい水への国民の希求の高い中、汚水処理施設の整備、農業用用排水施設、河川、ダム貯水池等における水質浄化等を推進し、河川、湖沼等の水質保全を図る。また、これらの事業を、流域圏全体で効率的かつ効果的に展開するため、事業間の連携や施策の調整を行う。その際、市街地、農地等の非特定汚染源への対策、地域住民、企業、NPO等の参加と連携について配慮する。また、水道水の供給に当たっては、浄水処理の高度化を重点的に推進するとともに、感染性微生物対策等の水道水質管理を強化する。
 さらに、汚水処理施設の設置だけでは不十分な地域や湖沼等閉鎖性水域等の水質改善のために、自然の浄化能力等を活用した水質浄化技術の開発を促進する。また、水質事故への対応等、水質に関する危機管理の充実を図る。

 安定的な水資源の確保と有効利用

 近年の降雨量の不安定化傾向等により、利水に対する安全度が低下し、渇水が起こりやすくなっていることに加え、工業用水の高度利用、生活様式の変化等により、渇水が及ぼす社会的な影響が増大している。また、水資源の賦存状況の偏在等から依然渇水の生じやすい地域が存在している。これらに対応するために、流域圏での総合的な施策展開を図る。

 (1) 水資源の有効利用

 「節水型社会」を目指し、都市域における雨水、下水処理水等の有効利用を促進するとともに、節水意識の啓発、節水型家庭用品の普及、水道の漏水対策、工業用水の回収率の向上等を推進する。また、地盤沈下等の地下水障害を発生させないよう、地下水の保全と適正な利用を図る。さらに、現行の水利用の実態を明らかにした上で、農業用水、水道用水、工業用水等各種用水の必要量の変化、水環境維持・改善のための新たな水需要等を踏まえ、地域の意向や現代の社会状況に対応した合理的な水利秩序の形成に向けて検討を進め、その実現を図る。

 (2) 渇水対策の強化と水資源開発

 渇水対策の強化のため、渇水調整のための協議会等を活用するとともに、必要な施設整備を推進する。また、異常渇水時の用途間、地域間の水融通を適正かつ円滑にするため、補償等の観点を含め、有効な調整方策の検討を行い、関係者間の調整を図る。
 都市用水需要の増大、水資源開発の遅れ等により、利水に対する安全度が低い水系等において、水資源開発等により利水の安全度を確保する。また、離島、半島等の水資源に恵まれない地域において、生活貯水池、海水淡水化、地下ダム等多様な手段による安定的な水資源の確保を図る。これらの整備を行う上で、既設ダムの再開発、ダム群の連携等、既存の施設を有効に活用する。また、農業水利施設の更新等に併せて農業用水の再編を行い、潜在的余剰水の有効利用を図る。限られた水源を効率的に運用できるよう、河川間を結ぶ調整河川の整備、水道広域化施設の整備等による広域的な水供給システムを整備する。

 水系の総合的な整備

 都市化にともなう洪水量の増大、河川水質の悪化、湧水の枯渇等による河川水量の減少、流出土砂量の変化等、流域の土地利用や水利用の変化にともない顕在化した治水や水環境上の様々な問題に対応するために、流域で連携した総合的な取組を行う。また、ふだんの川の機能に着目した河川整備を推進し、流域における人と川の関係を再構築する。

 (1) 流域、氾濫原と一体となった治水対策

 洪水・土砂災害に対する安全性を確保するため、総合的な流域対策、洪水に強い社会づくり、施設計画規模を超過する洪水等に対する減災性の確保等、流域圏単位での総合的な取組を推進する。このため、河川が氾濫した場合にも被害を最小限にくいとめるため、河川周辺の樹林帯等の保全、洪水・土砂災害危険区域図、避難図の公表等の氾濫原等における対策を推進する。さらに、洪水・土砂災害にかかわる施設については、適正な土砂管理に配慮した砂防施設の整備、まちづくりと調和し流域の視点に立った河川、下水道、ダム、放水路等の整備、土石流・がけ崩れ・地すべり等に対する施設の整備、市街地に隣接する山麓斜面の樹林帯の保全、整備等を推進する。また、災害対応や河川管理の高度化等を図るため高度な情報通信基盤等を整備する。河川整備等については、長期的な河川整備の目標の下、当面21世紀初頭において、大河川において30年から40年に一度、中小河川及び土砂災害対策については5年から10年に一度の降雨規模を対象とした整備を行う。
 また、大都市域等においては、洪水が生じた場合の被害の可能性が大きく、広域的に被害が波及する恐れのあることから、河川整備の早期完成を目指すとともに、施設整備規模を超過する洪水に対する減災性に考慮し、まちづくりと一体となった高規格堤防の整備、大洪水や地震に対する耐災性を高めるための堤防の構造強化を行うとともに、浸水常襲地域の解消のため、排水機場を整備するなど下水道施設整備や治水施設整備を推進する。
 一方、中山間地域等においては、洪水・土砂災害による地域の孤立の危険性の高いことから、集落の安全を確保する洪水対策、土砂災害対策等を推進する。

 (2) 流域、沿岸域を視野に入れた総合的な土砂管理

 河床低下、海岸線の後退等に対処するため、山腹から海岸に至る一連の土砂の流れについて調査、研究を進め、生態系にも配慮した総合的な土砂管理を目指す。このため、陸域においては、貯水ダムの排砂施設、中小洪水時等に土砂の流れを妨げない砂防ダム等の開発等を行う。沿岸域においては、海岸沿いの砂の流れを確保し、砂浜を維持・回復するための工法等の開発、整備を推進する。また、沿岸域の安全を確保するため、高潮、津波、波浪等の外力条件、海岸侵食及び後背地の状況に応じた海岸保全施設の整備を推進する。

 (3) 河川空間の自然性と水辺の快適性の向上

 自然をいかした川を目指し、河川空間の自然性と水辺の快適性を向上させるため、防災上の配慮や自然になじむ新素材の開発等を行いつつ、自然河岸・河川周辺の樹林帯等の保全、河道の再自然化、多自然型川づくり、魚道の設置等、河川環境の保全、整備を進める。また、高齢者、身障者等にも配慮した人々が親しめる水辺づくりを行うなど、ふだんの川の機能に着目した整備を行う。ダム貯水池等においては、地域にひらかれたダム湖周辺の整備を行うとともに、副ダム等による定常的な水面の確保、湖岸の緑化等により水辺環境の向上を図る。都市部においては、緑地、水路、河川等の整備を連携して行うことにより、水と緑のネットワークを形成し、都市の快適性や防災性の向上に資する。

 森林の管理

 (1) 森林管理の基本方向

 国土の3分の2に及ぶ森林については、国土の保全や水資源のかん養等の公益的機能を確保すると同時に、再生産可能な資源として持続的に利用することが肝要である。
 しかしながら、近年、林業と木材産業の停滞、森林管理の担い手の減少と高齢化、それらにともなう森林の管理水準の低下がみられるなど、旧来の森林管理の仕組みが十分に機能しなくなっている。一方、自然災害や渇水等に対する関心の高まりにつれて上流等の森林にも着目されるようになるとともに、自然環境や生活環境の保全、交流の場としての利用や、保健的、文化的、教育的な利用等への要請、さらには、森林づくりに参加したいという要請が高まっている。
 こうした状況を踏まえ、以下のような基本方向で森林管理に取り組む。

  (持続可能な森林経営の推進)

 地球環境問題への対応の一環として、世界の森林を舞台に「持続可能な森林経営」の推進に向けた取組が展開されている中で、我が国においても、海外との技術協力等の推進に加えて、国内の森林は地球全体の森林の一部という認識の下、その推進を図る。この場合、持続可能な森林経営の推進を基本的な理念とした上で、国民の森林に対する要請の高まりを踏まえ、林業経営を通じた管理を基本として、各種の整備事業や保全対策を有機的に組み合わせ、計画的に森林資源の質的充実に取り組む。

  (21世紀型の森林文化の展開)

 我が国では、森林に恵まれた国土条件の下、日常生活、産業、建築、信仰や芸術等の様々な面で森林と深くかかわった「森林文化」を形成してきた。こうした歴史の中で、薪炭や木材等の林産物の確保に加え、水田稲作農業に不可欠な水や肥料の確保等のため、上流の森林や里山林を保全しながらその恩恵を有効に享受していく森林管理の仕組みがこれまで培われ、これが森林文化の根幹をなしてきた。今後は、森林の重要性につき国民意識の一層の向上に努めつつ、都市と山村の交流や連携の推進等による森林とのふれあいや森林づくり等森林管理の仕組みの再構築、再生産可能な木質資源を持続的・安定的に利用するライフスタイルの定着への取組等により、21世紀型の森林文化の育成に取り組む。

  (森林管理の充実への対応)

 森林は、大気、水、土壌、樹木を中心とする植物、動物等からなる森林生態系を形成しており、下流域を含めた国民の生活と生態系の持続性に密接にかかわっている。また、地域から産出される木材の利用促進は、林業の活性化につながり、地域の森林管理が一層充実したものとなる。こうした考え方の下、民有林と国有林、林業と木材産業、上流と下流等の広範な関係者間における合意形成と連携強化を図り、地域の特性を踏まえた森林の流域管理システムの推進を通じて、森林の整備、林業の活性化等に取り組む。また、国民の森林づくりへの参加や森林の公益的機能の維持・増進、さらには、森林管理の充実を進める条件として、山村の活性化に取り組む。
 また、国有林については、国土の保全や原生的な森林生態系の保全等の役割にかんがみ、国有林野の管理経営を木材生産機能重視から公益的機能重視に転換するなど、国有林野事業の健全な運営を通じて、その使命が十全に果たされるよう、国民の要請と時代の変化に対応し、その新たな展開を図る。

 (2) 21世紀に向けた森林管理の推進

  (森林の総合利用の推進と新たな活用)
 森林への理解の醸成を念頭に置きつつ、国民が様々な形で森林に親しみ得る環境の整備を図り、森林の総合利用を推進する。この際、青少年を始めとする国民各層が、人と森林とのかかわり、森林生態系の仕組み、森林の機能等について、身近な森林とのふれあいや、グリーン・ツーリズム等を通じ、体験し、学習できる体制の整備を図る。また、様々な主体が、山村の生活に触れるとともに、自ら参加し森林を育むなど、森林文化を共有し、これを培う機会の充実を図る。さらに、これらの基盤として、森林や、森林の散策等に供する歩道等の森林利用施設の整備に併せて、森林インストラクターの育成、地元の関係者の持つ技術の活用、インターネットの活用等による情報提供等のソフト面の整備も促進する。
 このほか、森林の新たな活用を目指し、森林を生かした居住空間や業務空間の形成に取り組む。

  (森林管理の主体づくり)

 国民参加の森林づくりを推進するとともに、上流と下流の協力を促し、分収林、森林整備のための基金等の活用を推進するなど、森林管理の多様な展開を図る。また、林業経営体や林業事業体の自助努力を基本としつつ、これらに対する適切な支援のほか、森林管理を行う第三セクターの一層の活用等、関係者の連携の下、新規参入を含めた担い手に対する総合的支援を図る。さらに、森林づくりへの参加意欲を実際の森林管理の力に育てるといった観点から、都市と山村の交流や連携を促進する。このほか、森林所有者の地域外への移転等により管理がなされなくなった森林の管理は重要な課題であり、林業経営体、森林組合等による施業受託に加えて、公的機関による森林管理を促進するなど、的確な対応を図る。

  (計画的な森林整備の推進)

 多様な主体の参加と連携を促進しつつ、現状の森林構成や森林への要請を把握した上で、以下のような森林整備を長期的な視点を持って計画的に推進する。1)荒廃地等への植栽、間伐や保育、複層状態の森林の整備、保全施設の整備等を推進し、水土保全機能の高い森林を整備する。2)生物多様性の保全、人と森林とのふれあいの促進のため、多様な生態系の保全とそのネットワーク化、混交林化、都市近郊林や里山林の保全、森林景観の整備、広葉樹の保全・育成、保健休養施設の整備等により、美しく健全で親しみのある森林を整備する。3)再生産可能な森林資源の持続的利用のため、二酸化炭素の吸収機能も考慮しつつ、高度な循環利用が可能な森林を整備する。
 また、森林の管理等に欠かせない林道等路網の整備を推進するとともに、保安林については、治山施設の整備等により、その機能維持及び機能強化を図る。さらに、持続可能な森林経営の推進に関する調査、研究、普及を推進する。加えて、森林の適切な管理に不可欠な森林の資源内容等の情報整備の充実を図る。また、高齢化等が進展する地域では、今後の森林管理の展開を踏まえつつ、必要に応じて所有や境界等の明確化を図る。

 農用地等の管理

 農用地は、国土の約14%に広がりそこに農業用用排水路やため池が網状に張り巡らされ、食料生産の基盤として豊かな国民生活を支えている。また、その適切な維持管理は、棚田等水田の雨水貯留・土砂流出防止、平地水田の遊水機能や、休養や休息等レクリエーション、農業用用排水路、ため池等によるうるおいある水辺環境の創出等美しい景観や豊かな自然環境の提供、子供の情操や社会教育の場の提供等公益的な効果の発揮にも寄与しうるものであるが、近年、中山間地域等において耕作放棄地が増加するなど農用地等の適正な管理が困難になってきている。
 こうした状況を踏まえ、以下の施策を推進する。

 (1) 農用地等の管理の総合化

 農業の健全な発展と優良農地の維持及び確保が行い得るよう総合的な施策の展開を推進する。特に、農用地等の基盤整備や農道の整備、農用地等の防災対策の実施は、農用地等が適切に保全管理されるための基礎的条件であり、中山間地域等において地域の条件に応じた整備を推進する。さらに、地域住民等による農用地等の管理システムの整備、地域住民等と地方公共団体や企業とのパートナーシップの向上による地域の環境改善への支援強化を推進する。また、過疎化等が進行し棚田が残る地域等農用地等の荒廃が懸念される中山間地域等では、1)農山村と都市や消費者との交流、連携の推進、2)地域の状況に応じて国民の理解を得つつ、公的支援を図るとともに、関係する市町村、農業協同組合、土地改良区、第三セクター等の一層の活用を推進し、農用地等の適切な管理及び担い手の育成を行う。

 (2) 農用地等の利活用

 全国各地で展開される農用地等の適切な管理に向けての地域活動を支援するとともに、国民が広く農用地等と触れあえるよう、グリーン・ツーリズムや美しいむらづくりを推進する。このため、耕作放棄地等を樹林帯や花畑等に転換、豊かな自然環境の保全、回復のためのビオトープ・ネットワーク等の整備、都市住民に農作業の場等を提供する市民農園の活用、さらに農作業を通じてレクリエーションや体験学習を行うための施設整備と支援システムの充実を図る。その際、農業の活動、農用地等の利活用等不断の適切な管理は、水質の保全等流域圏の水環境の保全、水辺環境の整備によるアメニティの向上等にも寄与しうるものである。

第4節 海洋・沿岸域の保全と利用 (略)



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