国土交通省国土政策局国土情報課

災害時要援護者情報をどう収集・管理するか

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課題の詳細

・災害時要援護者情報をどのように収集・管理すれば良いのか。

・災害時要援護者情報について、個人上保護のためにどのような配慮が必要か。

 

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解決に向けたポイント(解決策選択の考え方)

 

対応策

期待される効果

1.「災害時要援護者の避難支援ガイドライン(内閣府)」に沿ったかたちで収集・共有

・個人情報保護に留意した上で、地方公共団体の防災関係部局や外部の自主防災組織等を含め平時から共有しておくことにより、災害発生時に要援護者の安否の確認や情報伝達等をスムーズに実施することが期待されている。

・災害時要援護者情報は、GISを利用した収集・管理により、対象者の抽出、避難計画の策定などを効果的に行っていくことが想定される。しかし、個人情報であることから、その収集や取り扱いについては、内閣府で定めたガイドラインが示されている。

・災害時要援護者情報とは、一般に災害時要援護者(高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊婦等安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるために支援を要する人々をいう。以下同じ。)の居住地や生活環境等に関する情報のことで、多くは地方公共団体の福祉部局が台帳として管理している。

・災害時要援護者等に対する、避難支援プランを策定し、避難支援体制の整備を進めていくためには、平常時からの要援護者情報の収集・共有が必要と考えられる。

・「災害時要援護者の避難支援ガイドライン(内閣府)」によると、本件情報の避難支援のための目的外利用、災害時における避難支援に直接携わる民生委員、自主防災組織等の第三者への提供に関し、積極的に取組むことが望まれているとされている。

・地方公共団体ごとに設置されている個人情報の保護に係る諮問機関の役割や位置付け等に留意する必要がある。

・今後、内閣府のガイドライン等についても見直し等の動向に注意すべきと考えられる。

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参考Webサイト(共通)

【1】サイト名「防災情報のページ 災害時要援護者の避難支援ガイドラインについて」(内閣府)

URL:http://www.bousai.go.jp/taisaku/youengo/060328/index.html

・サイトの概要

平成16年に発生した一連の風水害では、犠牲者の半数以上が高齢者であったことから、高齢者等の災害時要援護者の避難支援などについて検討を進め、「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」が取りまとめられた。同ガイドラインでは、災害時要援護者の個人情報を収集する際の複数の方法が示されている。

【2】サイト名「地理空間情報の活用における個人情報の取扱いに関するガイドライン(本文)」(地理空間情報活用推進会議)

URL:http://www.gis.go.jp/contents/linkdata/001894.html

・サイトの概要

地理空間情報活用推進基本法の理念及び地理空間情報活用推基本計画での位置付けを踏まえ、地理空間情報の活用の推進と個人の権利利益保護を両立させるための基本的な指針として、個人情報保護の観点から何らかの措置が必要な地理空間情報かどうかの判断指針、主な地理空間情報の利用・提供推進の考え方、地理空間情報の提供・流通にかんがみた段階別の個人情報保護対策等について具体的な事例を交えて解説。

【3】サイト名「GIS活用人材育成 教材(防災業務に係る地方公共団体向け教材)」(国土交通省)

URL:http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/gis/gis/koudokatuyou/gis_kyoku_h23text.html

・サイトの概要

地方公共団体職員向けのGISに関する研修などで利用するために、国土交通省が「GIS人材活用プログラム」で作成した教材。庁内での勉強会などに利用することも想定して、テキストだけではなく、講師向けのティーチングノートもダウンロードが可能。また、同教材では、防災部門及び防災に関わる部門(福祉、まちづくり、情報部門等)の地方公共団体職員を対象とし、災害時の予防・事前・応急対策について、GISを用いた調査・分析及びそれに関する企画・立案を行うことができる人材を育成することを目的としたプログラムを紹介している。

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課題への対応

    1.災害時要援護者情報の収集・管理の考え方

    対応策の概要

    ・「災害時要援護者の避難支援ガイドライン(内閣府)」に沿ったかたちでの収集・共有。

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    実現すべき対応の具体的内容

    ・災害時要援護者情報については、法令の規定による閲覧、開示等の規定はない。ただし、内閣府「災害時要援護者の避難対策に関する検討会」が平成18年3月に取りまとめた「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」によると、避難支援プランを策定し、避難支援体制の整備を進めていくためには、本件情報の収集・共有が不可欠であるとされている。

    ・災害時要援護者に関する情報の管理・共有は、多くの団体で課題となっている。災害時要援護者の情報は、一般的には市区町村の福祉・防災部門などが中心となり収集・整理し、先進的な団体では、地図に対象者の住所を落とし、民生委員などに渡し、避難計画等の策定を行っている。

    ・災害時要援護者の情報は、個人情報に当たることから、内閣府のガイドラインで、「関係機関共有方式」、「手上げ方式」、「同意方式」の何らかの方式で取り扱うことが示されている。

    ・災害時要援護者情報は、個人情報に該当すると判断される場合があるので、その取扱いについては、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、また各団体における個人情報保護条例や個人情報の保護に係る諮問機関での判断等との調整を行う必要がある。

    ①関係機関共有方式
    ・地方公共団体の個人情報保護条例において保有個人情報の目的外利用・第三者提供が可能とされている規定を活用して、要援護者本人から同意を得ずに、平常時から福祉関係部局等が保有する本件情報等を防災関係部局、自主防災組織、民生委員などの関係機関等の間で共有する方式。

    ②手上げ方式
    ・要援護者登録制度の創設について広報・周知した後、自ら要援護者名簿等への登録を希望した者の情報を収集する方式。実施主体の負担は少ないものの、要援護者への直接的な働きかけをせず、要援護者本人の自発的な意思に委ねているため、支援を要することを自覚していない者や障害等を有することを他人に知られたくない者も多く、十分に情報収集できていない傾向がある。

    ③同意方式
    ・防災関係部局、福祉関係部局、自主防災組織、福祉関係者等が要援護者本人に直接働きかけ、必要な情報を収集する方式。
    要援護者一人ひとりと直接接することから、必要な支援内容等をきめ細かく把握できる反面、対象者が多いため、効率的かつ迅速な情報収集が困難。このため、福祉関係部局や民生委員等が要援護者情報の収集・共有等を福祉施策の一環として位置付け、その保有情報を基に要援護者と接すること、または、関係機関共有方式との組合せを積極的に活用することが望ましい。

    ※詳細は、上記参考Webサイト「災害時要援護者の避難支援ガイドラインについて(内閣府)」を参照。
    また、各団体における「災害時要援護者避難支援ガイドライン」などを参照し、検討を行うことが望まれる。

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    期待される効果及び留意点

    【期待される効果】
    ・災害時要援護者情報については、特定の個人に係る機微な情報が含まれている性格から、基本的には当該部局内部における利用を主眼としているが、これらの情報を地方公共団体の防災関係部局や外部の自主防災組織等を含め平時から共有しておくことにより、災害発生時に要援護者の安否の確認や情報伝達、避難の誘導・援護をスムーズに実施することが可能となることが期待されている。

    【留意点】
    ・「関係機関共有方式」については、行政機関個人情報保護法第8条第2項第4号に規定する「本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき」に相当する個人情報保護条例上の規定に該当する場合があることを参考にしつつ、市町村において、保有個人情報の目的外利用・第三者への提供のために個人情報保護に係る諮問機関の審議を経る等積極的に取組むこととされている。

    ・「手上げ方式」及び「同意方式」については、行政機関個人情報保護法第8条第2項第1号に規定する「本人の同意があるとき」に相当する個人情報保護条例上の規定に該当するため、必要と認められる限りにおいて利用目的以外の利用・提供が制限されることはない。

    ・なお、内閣府「災害時要援護者の避難支援に関する検討会 報告書」(平成25年3月)では、「名簿の作成・共有にあたり、現行のガイドラインにおいて推奨している関係機関共有方式による要援護者情報を収集・共有が進まなかった現状を踏まえ、解決策として法的な手当ての必要性を明記すべき」との提言がなされた。

    ・上記の提言を受け、平成25年6月に災害対策基本法が改正され、同法第49条の10(避難行動要支援者名簿の作成)、同11(名簿情報の利用及び提供)、同12(名簿情報を提供する場合における配慮)、同13(秘密保持義務)の項が追加された。これにより市町村長は、「避難行動要支援者名簿」の作成が義務づけられるとともに、消防・警察・民生委員などの関係者に提供できることなどが明記された。

    ・今後、内閣府のガイドライン等についても見直し等の動向に注意すべきと考えられる。

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    参考事例

    【1】災害時要援護者情報に関するGISの活用:避難支援マップ(石川県輪島市)

    石石川県輪島市では、防災訓練などに際して、同意が得られた災害時要援護者についてGISで管理するとともに、防災部門が保有する津波ハザードマップと建設部門が保有する道路ネットワークデータを活用して、被災時の避難ルートについて、GISで避難所までの最短経路検索を行い、その印刷物を担当する民生委員に配布するなど、GISを利用した防災対策の検討を行っている。

    事例団体情報:石川県輪島市

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