第4回「津波・高潮ハザードマップ研究会(座長:河田 惠昭 京都大学防災研究所 巨大災害研究センター長)」が下記の通り開催された。
- 日時
平成15年6月17日(火) 10:00〜12:00
- 場所
グランドアーク半蔵門 富士の間
- 出席者
河田、磯部、今村、片田、廣井、山田の各委員
- 議事
事務局から資料説明後、ハザードマップを活用した総合的な津波・高潮防災対策、モデル地区における「防災マップ(仮称)」試作結果などについて議論を行った。
- 内容
各委員等からの主な意見は次の通り。
(1)ハザードマップを活用した総合的な津波・高潮防災対策
- 想定外外力に対しても耐えうるような、十分安全な避難施設の整備も必要ではないか。
- ハード面の対策とソフト面の対策の連携について、ハードをソフトで補完するという流れと逆に、ソフト面の対策で対応できない箇所に対してハード整備を行うというフィードバックの流れも示すべきである。
- ハード整備はこれ以上いらないというわけではない。今後の行政の対応として、ソフト、ハードについてどのようにしていくのかを示すべきである。
- ハザードマップ作成の1つの目的として、街づくりに活かしていくことが考えられる。また、現在は住民用、行政用だけの切り口であるが、企業防災上も重要である。
(2)モデル地区における「防災マップ(仮称)」試作結果
- 地域や前提の違いでさまざまなケースが必要である。
- 地域によっては、急傾斜地や避難ビルの情報を載せる必要がある。
- 土砂災害の危険地域を示すことは重要である。ハザードマップに載せておくべきである。
- ハザードマップ作成においては、関連機関との連携が必要である。情報を住民が混乱しないように提供していく必要がある。
- どのような状況下でこのような浸水になるのかついての情報が必要である。例えば、「台風の中心気圧が○○hPaの時」、と示すことで、住民の判断基準となる。
- 津波はまず逃げることが重要であるので、逃げる基準が必要。マップに震度を入れてはどうか。
- 行政用のマップの浸水開始箇所の情報はリアルでイメージしやすい。他のマップにも載せていいのではないか。
- バッファを町丁目で設定しているが、バッファは地形で示して避難のアナウンスは分かりやすく町丁目で、という方法も考えられる。
- 地震が来ると、津波が来る前に家屋が倒壊している可能性がある。倒壊に伴い避難路が使えないケースが出てくる。このように地震・津波の場合、避難の前提が現在のマップと異なる可能性がある。津波の情報だけでなく、地震に関する情報等の関連情報も提供しなければならない。
- 避難場所について、その避難場所が本当に安全なのか、何人避難できるのか等の情報が必要。
- 住民の数に対して避難所が足りない等については、対策を講じる前に、まず住民に危険性を認知してもらうことが重要である。
- 「固定化」の問題がまだ解決していない。住民にうまく伝えられるように考えていく必要がある。どうしても住民はイメージの固定化(具体化)をしてしまいがちである。紙ベースのハザードマップには限界がある。どのように配布するか、どのように周知していくかが重要。
- 「イメージを固定化しないように!」というアナウンスは、一度で理解されなくても、繰り返し繰り返し何度も伝えていくべきである。
(3)その他
- ハード整備にしても、ハザードマップの整備にしても最後には費用の問題が出てくる。現在の法体系では、どのような形で補助ができるのか。それらについて示さないとなかなか市町村まで普及しないのではないか。普及促進のための財政措置について今後の課題に入れるべきである。
- 河川でいうリバーカウンセラーのようなリーダーとなるべき人材の育成が必要である。
- 消防庁でインターネットを通じて教育する試みも始まる。時代に合った施策を実施することが重要である。
- 今後は、これまで審議した内容について、自治体などの意見をさらに収集した後、行政内部において最終的なマニュアル作成に向けた検討を実施し、秋頃を目途に再度この研究会で最終的な審議を行いマニュアルを完成させる。
配付資料
【問い合わせ先】 |
内閣府(防災担当)地震・火山対策担当 |
電話03-5253-2111 |
(内線51414) |
農林水産省農村振興局防災課 |
電話03-3502-8111 |
(内線4978) |
水産庁漁港漁場整備部防災漁村課 |
電話03-3502-8111 |
(内線7293) |
国土交通省河川局砂防部海岸室 |
電話03-5253-8111 |
(内線36322) |
国土交通省港湾局海岸・防災課 |
電話03-5253-8111 |
(内線46735) |
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