1.概 要
国土交通省港湾局では、我が国の産業や国民生活に欠かせない資源、エネルギー、食糧等をはじめとするバルク貨物の流動を詳細に把握し、より効果的な海上輸送体制を確立するための基礎資料を得ることを目的とした「バルク貨物流動調査」を平成21年度に初めて実施し、今般、調査結果がまとまりましたので公表します。
2.調査内容
調査範囲:バルク貨物の以下の流動実態
[1]内陸(仕出地)から臨海地域の出荷施設までの輸送
[2]臨海地域の出荷施設から船舶までの輸送
[3]船舶輸送
[4]船舶から臨海地域の入荷施設までの輸送
[5]臨海地域の入荷施設から内陸(仕向地)までの輸送
調査期間:平成22年1月26日(火)~2月24日(水)の30日間
調査対象貨物:上記期間中に国内の港湾を出入港したバルク貨物船を利用したバルク貨物
(※「コンテナ貨物」及び「トラック・トレーラーに積載されRORO船等により輸送される貨物」を除く全ての貨物。すなわち、バラ積みのドライバルク、原油等の液体バルク、完成自動車等が対象。)
3.主な調査結果
・取扱貨物量の構成比は、輸出が6%、輸入が68%、内貿が25%であった。
・品目別貨物量は、以下の表のとおり。
品目別貨物量 |
1位 |
2位 |
3位 |
主要品目の順位 |
輸出 |
完成自動車(48%) |
鋼材(16%) |
石油製品(7%) |
石炭(17位) |
輸入 |
原油(36%) |
石炭(24%) |
鉄鉱石(22%) |
麦(8位)、とうもろこし(13位)、豆類(19位) |
内貿 |
石油製品(23%) |
原油(17%) |
セメント(16%) |
石炭(12位)、麦(23位)、とうもろこし(28位)、 豆類(43位)、鉄鉱石(45位) |
・船舶の寄港地数は、輸出入内貿いずれも、1港積み・1港卸しの寄港パターンが最も多かった。
・国内における貨物の発着地(背後圏)は、輸出入内貿いずれにおいても、港湾所在市町村内である品目が最も多かったが、輸出における完成自動車、輸入における木材チップ等の発着地は、港湾所在市町村内の割合が60%以下であり、港湾所在市町村外を発着地とする割合が40%以上を占めた。
本調査の調査期間は30日間であるため、本調査の結果から貨物の流動実態を分析する場合においては、季節変動や営業日数等の影響を考慮する必要があることにご留意ください。
また、今回の調査について、現実の流動量に対してサンプルがどの程度の比率であったかの算定を試みたところ、4割程度に留まるとの結果でした。調査の結果を用いる場合にはご留意ください。より詳しい調査結果については別添資料をご覧ください。
添付資料