西欧諸国などにおいては、スポーツは文化を評価するバロメーターとして位置づけられています。日本においてもスポーツの文化としての位置づけは高まってきましたが、ビーチスポーツに関しては、「海辺は危険な場所である」との認識のもと、限定的・局所的な利用にとどまっているのが実状です。
しかし、ビーチスポーツは自然環境の中で行うため、自然のありがたみ・恩恵に感謝する心を育て、生きる力、活力を与えるなど、人を成長させることができるポテンシャルを秘めています。また、海辺の自然環境の良好な保全にも資する海辺の通年的な利用を促進させる効果も期待できます。
ビーチスポーツ研究会では、このようなビーチスポーツの特性を活かし、単にビーチでスポーツを楽しむための仕組みづくりにとどまらず、地域の活性化や環境教育、あるいは生涯教育に資するよう、ビーチクラブの形成を始めとする5つの提言を行なっています。
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ビーチイベントは、いろいろな種目を組み合わせることによって、1年を通して楽しめるイベントとして開催することが可能です。このため、ビーチイベントは、地域の経済的な活性化に寄与することはもちろん、その繰り返しの開催によるメッカ化や練習場所としての定着化を通じて、地域住民のビーチへの関心を高め、ビーチでの活動を地域コミュニティにしっかりと根付かせていく契機となります。
また、各種のスポーツ団体等が協力して実施することにより、団体間相互の連携強化や幅広い層の地域住民の参加も期待されます。
ビーチクラブの形成を促し、ビーチにおける各種活動の有効性をより高めるため、例えば、活動に必要な用具の貸し出しや、施設整備や管理に対する支援などについて、行政とビーチクラブの役割分担や協働のあり方を示す「ビーチークラブサポートプログラム」(仮称)の創設などが望まれます。
また、様々なビーチ活動をバックアップし、ビーチ情報の集約・提供等を行うことを目的とした、ビーチスポーツ総括する組織の設立などについても今後検討が必要です。