海辺づくりの課題と取り組み
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 海辺は、多様な生物が生息・生育する空間であるとともに、人々の生活の場でもあります。人は、この貴重な空間を利用・保全し、自然と共生することで我が国の文化・歴史・風土を形成してきました。
 一方で、海辺は、人為的な諸活動により、その環境が影響を受けやすい空間でもあります。このため、経済の発展等により人の活動が活発になるにつれて海辺の環境は悪化し、また、海辺と生活との結びつきも希薄になってきています。
 「自然と共生する社会」の実現が大きな課題となっている中、港湾・海岸行政においても、平成11年に海岸法を改正し、法的に「環境の保全」「適正な利用」を加えるとともに、平成12年に港湾法の法目的に「環境の保全」を加えるなど、環境と共生する海辺づくりを目指してきました。
 しかし、実際の海辺づくりによりでき上がったものについては、審美眼や価値観の違いにより、評価は分かれますが、普通の人が見て違和感を覚えるものも散見されます。その原因の根本には、自然と共生する海辺づくりに関係する人々や考慮すべきことが多岐にわたること、それゆえシステマティックな海辺づくりの進め方が未確立であることが考えられます。
 この貴重な海辺の空間を良好な状態で次世代に継承していくためには、これらの困難をこえて多様な主体の協働により海辺を保全・再生していくことが必要です。

 昔からのつながり
 課題の事例
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 海辺づくりの課題に対応するため、人と海辺の関り方を再検討し、人と自然が共生した新たな海辺の文化を創造していくことを目的として、「新たな海辺の文化の創造研究会」を設置しました。
 本研究会では、新たな海辺の文化創造の必要性、実現すべき「海辺の文化」の内容などについて検討しています。
 さらに、これらについて理念だけで終わることなく、その理念を実現する方策を検討するために、全体研究会の下に「里浜づくり研究会」、「海辺の自然学校研究会」、「ビーチスポーツ研究会」の3つの部会を設置し、検討を進めています。




  研究会構成