水資源

平成27年度第2回水源地域支援ネットワーク会議

1.日時     平成28年2月9日(火)~10日(水)
2.場所     経済産業省別館11階 114会議室(東京都千代田区霞が関1-3-1)
3.主催     国土交通省
4.参加者(敬称略)
(一社)いわて流域ネットワーキング、NPO法人最上川リバーツーリズムネットワーク、道の駅サシバの里いちかい、NPO法人森、NPO法人エコマラソン・インターナショナル、認定NPO法人JUON NETWORK、NPO法人ジャパンフォレストフォーラム、医療ビジネス観光情報専門学校、(公財)宮ヶ瀬ダム周辺振興財団、あざおね社中、湖西夢ふるさとワイワイ倶楽部、しらやま振興会、長野県木祖村、岐阜県下呂市、福岡県東峰村 ほか

1.概要

 東京で開催した今回の会議では、参加者相互の交流を深めることにより、各々が地域振興の新たな取り組みのヒントを得ることを目指すとともに、活動情報の発信などに役立つ「伝え方」について学びました。
 具体的には、参加者が自らの活動について発表し、各々の経験を活かして互いにアドバイスするワークショップなどを行いました。
 また、地域資源やイベント等に関する効果的な情報発信手法として、受け手(ターゲット)の立場に立った伝え方やテクニックなど、「見せる」コツについてワークショップ(資料づくり)を通して学びました。

2.会議の内容

(1)講演

中庭講師による講演

落合講師による講演

[1]テーマ:「地域の魅力づくりと社会的水循環」
 講 師:中庭光彦氏(多摩大学経営情報学部教授)
 
 全国各地の5つの事例を紹介しながら、地域の魅力づくりのポイントについてご講演いただきました。
 
○日本では、多くの魅力に水循環が関係している。「水」があらゆるコトに、あらゆるモノに関係している。これまでの「水」は農業や工業の資源として重視されてきたが、これからは3次産業の「水」、すなわち観光地の資源として、質の高い食を保証する資源として、ハイグレードな体験を提供する資源として、生態系の資源として、重視されるようになっている。
全国各地の、水文化を活かした多様な地域づくり活動をいろいろと紹介したが、水そのものというよりは、水を利用して何か新しくて面白いことをしようと取り組んでいる人たちが多いと感じている。そうした単なる水循環ではなく、水を資本にした新たな活動、連鎖が「社会的水循環」だ。
水循環の連鎖には、水を資源にした活動で満足したいというエネルギーも必要だ。水は大事なものではあるが、いくつかの地域資源の一つであり、水を供給しているから水源地を大事に、というだけでは説得力をもたない。水を資本に、どのような価値を人々に届けるかが問われている。水資源に価値があると感じる人々によって、水(水文化)は守られるもの。
今後、人口減少に伴う地域課題等をいくら潰していっても根本的な問題の解決は難しい。それよりも全く新しい魅力をつくって、問題を逆手にとって新しい地域づくりをやっているところが参考になるだろう。既存の価値観の中でやらずに、まずは自分たちが「面白い」と思うことをやることが一番大事だ。

 
 
[2]テーマ:「伝わるコミュニケーション」
 講 師:落合直樹氏(国土交通省大臣官房広報課 広報戦略企画官)
 
ひとに何かを「伝える」ということは、仕事を進めるうえで誰にとっても悩ましい課題だろう。コミュニケーションは、よく「キャッチボール」に例えられる。相手は様々であり、その構えている相手にボールを投げるのだが、大事なのは構えているところ(受け手の聞きたいこと)にボールを投げる(イイタイコトを伝える)こと。でないとキャッチボールは成立しない。すなわち、受け手の「関心」や「問題意識」をふまえる(相手の立場に立つ)ことがポイントである。そのうえで、自分らしさを出して伝えなければならない。プレゼンでも企画書でも、そこには送り手の「ひととなり」が表れるものだ。
資料の作り方について、プレゼン資料と説明資料は違う。送り手はできるだけ多くの情報を伝えたいと思うものだが、受け手はパッと内容をつかみたいと思っている。プレゼン資料は「見て」伝わるもの、説明資料は「読んで」理解するものということを意識してほしい。そのためには、伝えたいメッセージを最短距離で伝えて、受け手の脳を活性化し心に訴える(受け手の力を借りる)ことが大事だ。「何を言うか」は、「何を言わないか」を決めること。「言わない=封印」ではなく、不足分は質疑で補うことができる。受け手に「自分ごと」として受け取られるかどうかがポイントになってくるので、興味・関心にあわせてターゲットをしぼることが必要だ。
以下、「見せる」資料を作成するためのテクニックを紹介。
○字数を減らして文節を短く
○箇条書きに
○ポイントは「3つ」に
○気持ちを引きつける見出し・タイトル
○内容を表す、一言「キャッチコピー」

(2)ワークショップ

(1)参加者が互いの地域や活動を知り、共に地域の問題解決や地域振興の新たな取り組みを進めていく関係の構築を目指し、
       活動発表を行い、意見交換しました。プレゼンは以下の9組の方が行いました。

       [1] 一般社団法人いわて流域ネットワーキング
       [2] NPO法人最上川リバーツーリズムネットワーク
       [3] NPO法人エコマラソン・インターナショナル
       [4] 認定NPO法人JUON NETWORK
       [5] NPO法人ジャパンフォレストフォーラム
       [6] あざおね社中
       [7] しらやま振興会
       [8] 下呂市 観光商工部 観光課
       [9] 東峰村ツーリズム協会

  意見交換後、中庭講師からは、どの地域活動でも「物語」をつくっているところが共通している。地域づくりの物語としてはある程度完成されてきており、今後地域ブランドができてリピーターがつき始めるだろう、とのお話がありました。


(2)参加者が4つのグループに分かれ、「伝わるコミュニケーション」で紹介された資料づくりを実践しました。
   国土交通省のプレスリリースの作り方を材料にして、各グループがイベント企画の宣伝資料を創作しました。インパクトが
      あり、明快な見出 し(タイトル)、リリースの核心に触れる(エッセンスを凝縮した)リード、背景や経緯、特徴を紹介した本
  文、の3つが「逆三角形(結、起承転)」になるイメージで作成することを意識して作業に取り組みました。

  • 「伝わるコミュニケーション」の実践

お問い合わせ先

国土交通省水管理・国土保全局水資源部水資源政策課水源地域振興室
電話 :(03)5253-8111(内線31323、31325)
直通 :(03)5253-8392
ファックス :(03)5253-1581

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