水資源

水を大切に使う社会とは?

¶背景
   2008年は、四国地方の水がめ早明浦ダムにおいて、20日間にわたり利水の貯水容量がゼロになるなど、一部地域において深刻な渇水に見舞われました。その一方で、関東や中部、関西、南九州地方では、集中豪雨による被害が多発するなど、最近雨の降り方が以前に比べて変化してきたことを私たちも実感するようになってきました。
  
 このような現象は、気候変動による影響も大きいと考えられます。2007年2月以降に順次公表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次評価報告書によると、気候変動の影響として、極端な降水の発生頻度が引き続き増加すること、流域によっては融雪の早期化が干ばつのリスクを増加させることの可能性が指摘されています。
                                   こちらをクリック♪←図1(出典:平成20年版日本の水資源)
  
 また、国土交通省水資源部が、石狩川及び利根川、筑後川の3流域を例に、50年後・100年後の水資源需給状況の試算を行ったところ、表1のような結果が得られました。この試算においては、社会や水利用の変化により将来の水使用量が現在より減少するという仮定をおいていますが、その場合においても、地域によっては渇水が発生するリスクが高まるおそれがあることがわかりました。
                                
              こちらをクリック♪←表1(出典:平成20年度版日本の水資源)
 
 今後、渇水などのリスクに対応するためには、計画的に水資源の開発や合理的な水利用を進めるとともに、私たちの暮らしを水の有効利用が進んだ「水を大切に使う社会」にしていくことが重要です。
 
¶水を大切に使う社会
 水を大切に使う社会とは、私たち一人ひとりが水を大切にする意識を共有しつつ、普段から雨水や風呂の残り湯などの利用や、無理のない節水を進め、必要なところでは水を使い、水をはぐくむ環境を守るといった、水に関するメリハリのあるライフスタイルのことです。
 
 具体的には、普段においては、無理のないところで水の利用を節減し、渇水時のための水源の温存や、地下水利用の適正な管理を図る一方で、雨水・再生水の利用や、ドライミストや加湿型空気清浄機、環境用水といった環境改善のための水利用を進めるなど、水の有効利用を進めます。
 
 渇水時においては、環境改善のための水利用を一時的に中止し、地下水の利用量をモニタリングしながら適正な範囲で活用するなどにより、使用する水の総量を減らす必要が出てきた場合でも、市民生活や産業活動に支障をきたさない程度に収めるといった、柔軟な対応ができるようになります。
 
 また、水源や地下水をかん養している森林や田畑、都市内緑地の保全を進めることにより、豊かで、安全、おいしい水を持続的に入手することにもつながります。
 
 ゆえに、水を大切に使う社会とは、水を最大限に有効活用しながら、渇水などのリスクを最小限に抑え、私たちが安心で快適に暮らし続けることを目指すものです。

ページの先頭に戻る