平成28年9月21日
国土交通省では、下水処理場を有効活用し地域から発生するバイオマス資源の有効活用を推進するため、
長井市・秦野市・藤枝市・玉名市の下水処理場を対象として、地域バイオマス受入及びバイオマス利活用事業
の実現可能性調査を実施します。
本調査においては、地域バイオマスの受入による事業採算性・環境性等の評価を行うとともに、事業実施に
係る手続きや関係者との調整等に係る必要事項を整理し、今後マニュアル等としてとりまとめていく予定です。 |
1.背景
「循環型社会形成推進基本計画」(平成25年5月閣議決定)では、バイオマス系循環資源について、肥料化など地域内で循環利用する取組を支援する、とされています。また、「バイオマス活用推進基本計画」(平成28年9月閣議決定)では、平成37年までに下水汚泥の85%(現状約63%)を利用することを目標として掲げるとともに、下水処理場でのバイオマスとの混合利用等を通じたバイオマス活用を推進しています。
国土交通省では、平成26年7月に策定した新下水道ビジョンにおいて、下水処理場を「水・資源・エネルギーの集約・自立・供給拠点化」とすることを目標として掲げたところです。その中でも人口減少等により処理能力に余裕が生じることが見込まれる下水処理場においては、分別回収された生ごみ、剪定枝、刈草等の地域に存在する地域のバイオマス資源を受入れて有効活用し、エネルギーの地産地消や地域経済の活性化に貢献することが重要です。
2.実現可能性調査の実施について
国土交通省では、下水処理場における地域バイオマスの受入について、国内の実施事例等に係る調査を実施するとともに、施設整備等への支援を実施してきたところです。現在、国内で6つの地方公共団体(北広島市、恵庭市、新潟市、黒部市、珠洲市、神戸市)において、生ごみや刈草等のバイオマスの受入が行われています。一方で、より幅広い地方公共団体での取組を促進するためには、事業実施に係る採算性の確保、関連法令や関係者との調整に関する手続き等の明確化が必要といえます。
そこで、国土交通省においては、下水処理場において地域のバイオマスを受入れ下水汚泥と併せて有効活用を図る事業の実施を検討する、以下の地方公共団体の下水処理場を対象として実現可能性調査を実施するとともに、事業採算性、技術的・制度的な課題等を明らかにして、その対応策を検討します。
<FS対象都市>
・山形県長井市
・神奈川県秦野市
・静岡県藤枝市
・熊本県玉名市
本調査の実施にあたっては、学識者、地方公共団体担当者、関係団体等からなる委員会を設置し、その中での議論を踏まえ、結果を今後マニュアル等としてとりまとめていく予定です。