国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
ナンバープレートカバーについて

 

 

 

 



 

参考資料

ナンバープレートカバーについて

自動車交通局技術安全部

  1. ナンバープレートについて
     ナンバープレート(自動車登録番号標)は、自動車の所有権の公証及び行政目的(環境保全、徴税、交通取り締まり、自動車による犯罪の抑止)などのため、外見上から個別の自動車を特定することのできる唯一の標識です。
     自動車の登録・検査について規定している道路運送車両法では、

    道路運送車両法
     第19条
    自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号を見やすいように表示しなければ、運行の用に供してはならない。  
    同法施行規則
     第8条の2
     法第19条の規定による自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号の表示は、自動車の運行中自動車登録番号が判読できるように、自動車登録番号標を自動車の前面及び後面の見やすい位置に確実に取付けることにより行うものとする。(以下省略)

    と規定しており、運行中の自動車のナンバープレートは、常にだれにでも容易に判読できるようにすることを、法令上自動車ユーザーに求めています。
     しかしながら、法令ではナンバープレートを「見やすいように表示」することは求めていますが、ナンバープレートをカバーで覆うことを具体的に禁止する規定は置かれていませんので、以下のようにナンバープレートを覆うカバーが市販される状況となっています。

  2. ナンバープレートカバーの市販状況
     近年、カー用品店などでナンバープレートに装着する樹脂製のカバーが「汚れ防止」「ファッション」などの名目で販売されており、透明に近いものから、可視光線透過率が50%程度の濃い着色がなされたものまで、多種類の製品が市販されています。

  3. ナンバープレートカバーの視認性について
    1. 国土交通省における実験
       ナンバプレートカバーを装着した場合の、ナンバープレートの「見えやすさ」や、偽造、変造プレートの隠匿効果について検証するため、以下のとおり実験(撮影)を行いました。

      • 日時  平成19年6月27日(水)   14:00  19:30
      • 天候  晴れ
      • 場所  国土交通省 駐車場
      • 使用したカバー
         黒色に着色されたカバー   紫外線透過率 約50%
         緑色に着色されたカバー   紫外線透過率 約70%
         クリアのカバー(ほぼ透明に近い)   紫外線透過率 約90% 
        * 使用したナンバープレートは見本プレート。変造プレートは関東運輸局保管のもの(一部の表示を消してあります。)。

    2. 業界団体における試験
       18年2月にナンバープレート交付代行者及びメーカーの団体である(社)全国自動車標板協議会が、カバーを装着したナンバープレートについての視認性の試験を実施したところ、可視光線透過率80%以下の着色カバーで明らかな視認性の低下が見られました。(別紙参照)

  4. 諸外国におけるナンバープレートカバーの規制について

     ナンバープレートカバーの装着を法令で禁止または一部規制している国(アメリカ合衆国、カナダは州単位)があります。

    ナンバープレートを覆うことを禁止している国(州)の例
    コロラド州・コネチカット州・デラウェア州・ニューヨーク州(以上、アメリカ合衆国)、ドイツ

     着色されていないカバーであれば装着可能な国(州)の例
    ハワイ州・ジョージア州・マサチューセッツ州・ニューハンプシャー州(以上、アメリカ合衆国)、オンタリオ州(カナダ)、イギリス

    アメリカ合衆国、カナダ 平成18年調査
    イギリス、ドイツ 平成5年調査
    (社)全国自動車標板協議会調べ


(別紙)

ナンバープレートカバー装着時の視認性試験

  1. 試験概要
    試験主体   (社)全国自動車標板協議会が独立行政法人交通安全環境研究所に委託
    日時   平成18年2月10日 (金) 13:00〜18:30
    場所   交通安全環境研究所 灯火・電波実験棟
    評価実施者   一般募集した運転免許保有者 11名
    試験方法   視認性実験用ボードの高さ1メートルの位置に番号標を保持し、20メートル離れた位置から番号標が識別できるかどうかの評価を行った。試験環境は200ルクス(昼間相当)と10ルクス(夜間相当)および正対する位置と右30度の角度で実施。

    試験方法

    試験用カバー(透過率は簡易測定)

  2. 試験結果(報告書より抜粋)
    (カバーごとの紫外線透過率は、測定機器を用いた計測後の透過率である。)

    カバーの可視光線透過率及び着色有無と視認性の関係として以下のことが明らかになった。

    •  可視光線透過率約80%以下のカバーを装着した場合に、視認性が劣るとする評価が多い。
    •  可視光線透過率約90%(クリア含む)のカバーについては、視認性への影響はないとする評価であったが、暗いときに視認角度をつけて見た場合に地域名表示等の小さな文字の視認距離が短くなっており、視認性劣化の影響が部分的に現われている。
    •  緑などの色がついているカバーについては、背景色の視認性が劣化したとする評価であった。一方、無彩色(黒色)で可視光線透過率約70%以上のカバーについては、背景色の視認性への影響は少ないものの、明るい時に表面反射による視認性劣化の影響があったとする評価であった。

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