建設省道政発第四号
平成七年一月二六日

各地方建設局長・北海道開発局長・沖縄総合事務局長・道路関係四公団総裁等・各都道府県知事・各政令指定市市長あて

道路局長通達


PHS無線基地局の道路占用の取扱いについて


標記については、別紙のとおり取り扱うこととしたので、事務の処理に遺憾のないようにされたい。
なお、パーソナル・ハンディホン・システム(簡易型携帯電話システム。以下「PHS」という。)は、デジタルコードレス電話の子機と同様の携帯電話機から、街中に設置する無線基地局(以下「基地局」という。)を介して一般公衆回線等にアクセスする新しい形態の移動通信システムであり、電気通信事業法第六条第二項に規定する第一種電気通信事業に該当するものである。また、PHSの展開を予定している事業者から、平成七年一月に事業許可、同年七月からサービス開始の予定であり、郵政省の事業許可後直ちに道路占用許可を受けたい旨の希望が出されているところである。
都道府県におかれては、管下道路管理者(地方道路公社を含む。)に対してもこの旨周知願いたい。



(別紙)
1 基地局の占用の基本方針

基地局は、第一種電気通信事業者が設置する第一種電気通信事業の用に供する施設ではあるが、道路法第三二条第一項第一号に規定する「電柱、電線若しくは公衆電話所」には該当せず、いわゆる義務占用物件には当たらない。
しかし、その公益性は高いと考えられるため、道路法第三三条の規定に基づく政令で定める基準に適合するときは、原則として占用許可を与えるものとする。
ただし、電線類地中化が想定される道路においては、「5 基地局の占用許可条件」に従い必要な条件を付する等、将来の電線類地中化事業の推進に支障とならないよう特段の配慮をされたい。

2 基地局の構造等

現在予定されている基地局の構造等は、概ね幅四〇cm、高さ二五cm、奥行き一六cm、重量一〇kg程度以下のものである。(アンテナ部分を除く。)
基地局の構造等は、概ね現在予定されているところによるほか次に掲げるところによらなければならない。
(1) 基地局には、広告物の添加及び塗装は一切行わないこと。
(2) 基地局の色彩は、周囲の環境と調和するものであること。
(3) 基地局の外形寸法は、概ね、現在予定されている大きさ以下とすること。
(4) 基地局の取付け方法は、堅固で落下等のおそれがないようにするほか、その取付けにより添加される工作物の倒壊等の虞れが生じ、若しくは道路の構造又は交通に支障を及ぼすことのないようにすること。

3 基地局の占用の場所

基地局の占用の場所は、次に掲げるところによらなければならない。
(1) 地上に基地局を設置する場合には、既存の電柱、電話柱、電話ボックスなどの工作物及び街灯などの道路附属物への添加を原則とし、基地局のための独自の電柱等の新設は認めないこと。
(2) 複数の事業者の基地局を同一の電柱等へ添架する場合は、一つの箱に収容するなどの共用基地局を原則とするが、やむを得ず共用基地局とならない場合は、一柱につき一基地局とする。

4 基地局の占用許可手続等

基地局の占用許可手続等は、次に掲げるところによらなければならない。
なお、平成七年一月に郵政省の事業許可、同年七月サービス開始の予定であることから、道路占用許可については、予め事前審査を行い、事業許可後遅滞なく占用許可を行うこととされたい。
(1) 基地局は、道路法第三二条第一項第一号の「その他の工作物」として取り扱うこと。
(2) 占用許可申請書の添付書類については、典型的なものについては型式の記載のみにするなど、適宜、簡素化を図ること。

5 基地局の占用許可条件

占用許可に当たっては、一般的な条件の他に次の条件を付するものとする。
「道路に関する工事のためやむを得ない必要が生じた場合及び電線類地中化を行うため基地局が添加されている工作物につき改築、移転、除却、その他の措置を行う必要が生じた場合には、PHSの事業者が自らの費用負担により基地局を改築、移転、除却、その他必要な措置をとらなければならない」

6 基地局の占用料

(1) 基地局の占用料については、道路法施行令別表中「法第三二条第一項第一号に掲げる工作物」の項、「変圧塔その他これに類するもの及び公衆電話所」の項を適用する。
(2) 基地局に附帯するアンテナ、配管及び配線については、基地局の一部であるため占用料は徴収しない。

7 その他

基地局に係る道路の占用のうち、この通達で定めるところにより事務処理を行うことができるものについては、「電気通信設備その他の電気通信事業に係る物件の道路占用の取扱いについて」(昭和六〇年七月一五日付け建設省道政発第五四号道路局長通達)による当局への事前の協議を要しないものとする。


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