建設省道企発第二二号・道交発第三九号
平成一〇年三月三一日

道路局道路交通管理課長・道路局企画課長通達



海上コンテナ用セミトレーラ連結車の橋梁照査式適合車両の取扱いについて


海上コンテナ(輸出入貨物を積載するコンテナで国内で積替えを行わず輸出入時と同じ状態で積載されるものをいう。以下同じ。)用セミトレーラ連結車の橋梁照査式適合車両(以下「適合車両」という。)に係る特殊車両通行許可に関する事務については、昭和五三年四月二四日付け建設省道交発第三三号「海上コンテナ用セミトレーラ連結車両の橋梁照査式適合車両の取扱について」により実施してきたところであるが、平成一〇年四月一日から一定の路線においてフル積載した海上コンテナ用セミトレーラ連結車を特殊車両通行許可の対象とすることに伴い、その運用について左記のとおり定めたので、遺憾のないよう取り計らい願いたい。

1 適合車両について

(1) 別紙「海上コンテナ用セミトレーラ連結車使用適性の照査実施要領」(以下「橋梁照査要領」という。)は、海上コンテナ用セミトレーラ連結車が橋梁上を通行する際、橋梁の各部材に生ずる応力が高速自動車国道及び指定道路(車両制限令第三条第一項第二号イの規定に基づき道路管理者が指定した道路をいう。以下同じ。)の耐荷力に相当する荷重並びに昭和三一年制定の鋼道路橋設計示方書による一等橋の設計荷重(以下「TL―20設計荷重」という。)による各々の応力度と対比しても同等又はそれ以下となる車両の重量及び軸間距離との関係の適性を照査するものであるが、この橋梁照査要領に適合するように製造された車両が適合車両であり、適合車両が特殊車両通行許可の対象となること。
(2) 「海上コンテナ用セミトレーラ連結車の橋梁照査適合車両の簡易算定表」は、車両の組合わせの増大を背景として、事務の簡素化を図る観点から、従来の橋梁照査式適合車両組合わせ一覧表に代替するものとして、当該連結車両の重量及び軸間距離との関係の適性を簡易に判定するため、策定されたものであること。

したがって、橋梁照査要領に定めるところにより、必要に応じ、海上コンテナ用セミトレーラ連結車の橋梁照査適合車両算定式に基づく照査を行うこと。

2 適合車両の特殊車両通行許可申請の審査における留意点

(1) 申請経路が高速自動車国道又は指定道路のみである場合

1) 高速自動車国道又は指定道路に対する適合車両に橋梁照査要領に基づく積載量の最大値以下の重量のコンテナを積載して通行する場合に限り、特殊車両通行許可の対象となるものであること。申請経路にこれらの道路以外の道路が含まれる場合においては、(2)によること。
2) 申請経路が高速自動車国道又は指定道路のみである場合にあっては、指定道路においては、「特殊車両通行許可限度算定要領」(昭和五三年一二月一日付け建設省道交発第九九号、同道企発第五七号「特殊車両通行許可限度算定要領について」に基づき定められた要領をいう。以下「算定要領」という。)にかかわらずB条件で通行を認めるものであること。

また、高速自動車国道にあっては、算定要領にかかわらず同要領に適合するものとみなすこと。

(2) 申請経路に高速自動車国道又は指定道路のいずれでもない道路が含まれる場合

1) 設計荷重がTL―20設計荷重以上である道路に対する適合車両に橋梁照査要領に基づく積載量の最大値以下の重量のコンテナを積載して通行する場合に限り、特殊車両通行許可の対象となるものであること。
2) 申請経路上のすべての橋梁の設計荷重がTL―20設計荷重以上である場合にあっては、算定要領にかかわらずB条件で通行を認めるものであること。

また、高速自動車国道にあっては、算定要領にかかわらず同要領に適合するものとみなすこと。

3) 申請経路上に設計荷重がTL―20設計荷重未満の橋梁があり、かつ、算定要領に基づく審査の結果B条件よりも厳しい条件でなければ通行が認められないものは、B条件まで積載物を軽減させて申請させること。

(3) 適合車両は重量に関する照査検討を行っているものであって、寸法に関して規定していないので、寸法については、別の規定に従って審査を行うこと。
(4) 長さ二〇フィートの海上コンテナ用トレーラについては、高さ八フィート六インチのコンテナを積載する場合、適合車両であっても車両全高三・八mを超える組合せは、通行が認められないものであること。

3 既通達の取扱いについて

昭和五三年四月二四日付け建設省道交発第三三号道路交通管理課長通達「海上コンテナ用セミトレーラ連結車両の橋梁照査式適合車両の取扱について」については、廃止する。


附 則

1 この通達は、平成一〇年四月一日から施行する。
2 現行タイプ(車軸が二軸であるもの。以下同じ。)の車両に海上コンテナをフル積載(長さ二〇フィートの海上コンテナにあっては、コンテナ自重を含め積載重量が二四トン、長さ四〇フィートの海上コンテナにあっては、コンテナ自重を含め積載重量が三〇・四八トンである状態をいう。以下同じ。)する場合の特殊車両通行許可の取扱いについては、適合車両への買換えの円滑化を図る観点から、経過措置として、記1及び2にかかわらず、以下のとおりとする。

(1) 経過措置の対象となる車両(以下「経過措置車両」という。)

1) 長さ二〇フィートの海上コンテナ用トレーラ
長さ二〇フィートの海上コンテナをフル積載しようとする現行タイプ(車軸が二軸であって、現行タイプのトラクタ(車軸が二軸であるもの。以下同じ。)と連結した状態における最遠軸距が一一・五メートル以下のもの)のトレーラについては、平成一〇年三月三一日までに、道路運送車両法に基づく初度登録(以下「初度登録」という。)を受け、かつ、安全上必要な措置を講じたもの
2) 海上コンテナ用トレーラをけん引するトラクタ
フル積載した海上コンテナ用トレーラをけん引しようとする現行タイプのトラクタについては、次のいずれかに該当するもの
1) 海上コンテナのフル積載に対応するため、安全上必要な措置を施す必要があるものについては、平成一〇年九月末までに初度登録されたもの
2) 海上コンテナのフル積載への対応を設計段階で考慮して製造されるものについては、その駆動軸重が一一・五トン以下であって、かつ、平成一五年三月末までに初度登録を受けたもの

(2) 経過措置車両の特殊車両通行許可申請の審査における留意点

1) 申請経路が高速自動車国道又は指定道路のみである場合
1) 経過措置車両にフル積載した場合における積載重量以下の重量のコンテナを積載して通行する場合に限り、特殊車両通行許可の対象となるものであること。申請経路にこれらの道路以外の道路が含まれる場合においては、2)によること。
2) 申請経路が高速自動車国道又は指定道路のみである場合にあっては、指定道路においては、算定要領にかかわらずB条件で通行を認めるものであること。

また、高速自動車国道にあっては、算定要領にかかわらず同要領に適合するものとみなすこと。

2) 申請経路に高速自動車国道又は指定道路のいずれでもない道路が含まれる場合
1) 経過措置車両に、長さ二〇フィートの海上コンテナにあっては、コンテナ自重を含め積載重量が二〇・三二トン以下の重量のコンテナを、長さ四〇フィートの海上コンテナにあっては、コンテナ自重を含め積載重量が二四トン以下の重量のコンテナを積載して通行する場合に限り、特殊車両通行許可の対象となるものであること。
2) 申請経路上のすべての橋梁の設計荷重がTL―20設計荷重以上である場合にあっては、算定要領にかかわらずB条件で通行を認めるものであること。

また、高速自動車国道にあっては、算定要領にかかわらず同要領に適合するものとみなすこと。

3) 申請経路上に設計荷重がTL―20設計荷重未満の橋梁があり、かつ、算定要領に基づく審査の結果B条件よりも厳しい条件でなければ通行が認められないものは、B条件まで積載物を軽減させて申請させること。
3) 経過措置は重量に関する措置であって、寸法に関しての措置ではないので、寸法については、別の規定に従って審査を行うこと。
4) 長さ二〇フィートの海上コンテナ用トレーラについては、高さ八フィート六インチのコンテナを積載する場合、経過措置車両であっても車両全高三・八mを超える組合せは、通行が認められないものであること。

(3) 経過措置を認める期間

経過措置車両を特殊車両通行許可の対象とする期間は、平成一〇年四月一日から平成二〇年三月三一日までとする。

3〜5 〔略〕



(別紙) 海上コンテナ用セミトレーラ連結車使用適性の照査実施要領
1 照査の方法

以下に示す要領で行う。
(1) 照査一(軸重と軸距の関係)

道路の別に応じ、車両の各軸重は、図一及び図二に定める一軸当たりの軸重の値を超えてはならない。

(2) 照査二(軸重群と軸距の関係)

道路の別に応じ、車両の最遠軸距は、簡易算定表の表一及び表二に定める積載量の最大値に対応する最遠軸距の最小値を下回ってはならない。
ただし、簡易算定表に適合しない車両については、海上コンテナ用セミトレーラ連結車の橋梁照査適合車両算定式(以下「適合算定式」という。)により照査することとする。
また、下記の条件を満たさない車両については、適合算定式により照査することとする。
1) 高速自動車国道及び指定道路に対する四〇フィートコンテナ用の車両については、車両総重量は四四トン以下とする。
2) 高速自動車国道及び指定道路に対する二〇フィートコンテナ用の車両については、車両総重量は四一・五トン以下とする。
3) 設計荷重がTL―20の設計荷重以上である道路に対する四〇フィートコンテナ用及び二〇フィートタンクコンテナ用の車両については、車両総重量は三六トン以下とする。
4) 設計荷重がTL―20の設計荷重以上である道路に対する二〇フィートコンテナ用の車両については、車両総重量は三四トン以下とする。

軸重と軸距の関係

図1 高速自動車国道及び指定道路
<別添資料>
図2 設計荷重がTL―20設計荷重以上である道路
<別添資料>
海上コンテナ用セミトレーラ連結車の橋梁照査適合車両の簡易算定表
表1 高速自動車国道及び指定道路
<別添資料>
表2 設計荷重がTL―20設計荷重以上である道路
<別添資料>
海上コンテナ用セミトレーラ連結車の橋梁照査適合車両算定式
1 車両の諸元を表す記号の定義

車両の諸元を表す記号を以下のとおりとする。
P1 P2 P3 P4 P5 P6:軸重(t)
a2 a3 a4 a5 a6 :P1軸から各車軸までの距離(m)
d1 d2 :P1軸から車体後端及び車体前端までの距離(m)

2 照査の内容(軸重群と軸距の関係:照査2)

a) 高速自動車国道及び指定道路
<別添資料>
b) 設計荷重がTL―20設計荷重以上である道路
<別添資料>


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