空航第三九三号
昭和四三年一〇月三一日



制限表面の上に出る障害物件の設置承認の事務処理基準

航空法第五五条の二第二項及び第五六条の四第二項において準用する同法第四九条第一項ただし書の規定による制限表面(水平表面、円錐表面及び外側水平面をいう。)の上に出る障害物件の設置承認の事務処理基準は、次のとおりとする。
一 承認基準

障害物件の設置承認の基準は、次のとおりとする。
(一) 仮設物の場合

建築物の工事のために設置する必要最小限度の仮設物

(二) 避雷設備の場合

建築基準法帯三三条の規定により設けなければならない避雷設備

(三) 地形又は既存物件との関係から航空機の飛行の安全を特に害しない物件の場合

イ 山との関係が、次の表に示す条件に適合する物件。なお、当該物件が着陸帯と山の間にあるか、その外側にあるかの判定は、山頂を通る着陸帯の中心線との平行線を基準として行なう。

飛行場標高からの山の高さを一とした当該物件の高さの比
申請物件の位置
山と申請物件との距離
一以下〇・七以上
着陸帯と山の間にある場合
三〇〇メートル以内
 
山の外側にある場合
三〇〇メートル以内
〇・七未満〇・五以上
着陸帯と山の間にある場合
五〇〇メートル以内
 
山の外側にある場合
八〇〇メートル以内
〇・五未満〇・三以上
着陸帯と山の間にある場合
八〇〇メートル以内
 
山の外側にある場合
一キロメートル以内
〇・三未満
着陸帯と山の間にある場合
一キロメートル以内
 
山の外側にある場合
一・五キロメートル以内

ロ 即存物件との関係が、次の表に示す条件に適合する物件

飛行場標高からの既存物件の高さを一とした当該物件の高さの比
申請物件の位置(別添A図参照)
一以下〇・七以上
実線A―一で囲まれる部分
〇・七未満〇・五以上
実線A―二で囲まれる部分
〇・五未満〇・三以上
実線A―三で囲まれる部分
〇・三未満
実線A―四で囲まれる部分
二 承認の条件

前項の承認基準に従い障害物件の設置の承認をする場合は、次の基準により昼間障害標識及び航空障害燈を設置することを条件として承認するものとする。ただし、航空障害燈については飛行場燈火が設置され、又は設置される予定の飛行場に係る場合に限る。
(一) 昼間障害標識

イ 当該物件が、昼間障害標識が設置されている既存物件より二〇〇メートル以上離れている場合は、昼間障害標識を設置すること。
ロ 既存物件に昼間障害標識が設置されていない場合は、当該物件に昼間障害標識を設置すること。

(二) 航空障害燈

イ 当該物件が、航空障害燈が設置されている山又は既存物件より五〇〇メートル以上離れている場合は、航空障害燈を設置すること。
ロ 山又は既存物件に航空障害燈が設置されていない場合は、当該物件に航空障害燈を設置すること。

三 通報

(一) 設置を承認した物件については、航空路誌に記載する必要があるので、物件の名称、種類、設置場所(緯度、経度)、地表からの高さ、海抜高並びに飛行場標点からの高さ及び距離を本省航務課長へ通知するものとする。
(二) 設置を承認した仮設物については、必要があるときは、空港事務所長又は空港出張所長にNOTAMを発行させるものとする。

四 申請書及び添付図面

承認の申請に必要な申請書の記載事項及び添付図面は、次のとおりとする。
(一) 記載事項

イ 物件の設置者
ロ 物件の種類(煙突、フレアスタツク、ビルデング等)
ハ 設置場所(町名、地番、緯度、経度)
ニ 地表からの高さ及び海抜高
ホ 飛行場標点からの高さ及び距離
ヘ 設置のための工期
ト 仮設物にあつては除去予定期日
チ 制限を超えた高さを必要とする理由

(二) 添付図面

イ 着陸帯及び安全表面区域並びに当該物件の位置を示した五万分の一地図
ロ 飛行場標高を基準として当該物件より高い近接した既存物件又は山のある場合は、その関係位置及び間隔を示した平面図
ハ 物件の立体図

A図

B図 制限表面上にかかわる障害物件の設置承認基準説明図


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