航空法施行規則の一部を改正する省令(昭和五五年運輸省令第二三号)により、航空障害灯の設置基準等について規定を整備してきたところであるが、その運用にあたっては、左記の要領に従い遺漏なきよう取り計らわれたい。
航空障害灯の設置基準に関する運用(航空法施行規則第一二七条関係)については、次に定めるとおりとする。
I 航空障害灯に関する認定及び指定の基準
(1) 第一二七条第一項第一号関係
1) 同号ハ(三)ただし書中「aからcまでに規定する光度の灯火を設置することが技術的に困難である」と認める場合とは、アンテナその他の物件に設置しなければならない場合であって、その構造がぜい弱なために「航空障害灯仕様書」(平成一二年灯仕第二四三号改五)に規定するOM―六型航空障害灯を設置することが困難な場合とする。
2) 1)の場合において、同号ハ(三)ただし書中「国土交通大臣が定める光度」は原則として実効光度七〇〇カンデラ以上とすること。この場合において、「航空障害灯仕様書」に規定するOM―七型航空障害灯二個をできるだけ接近させて組み合わせたものであって、かつ、同時に明滅させるものは、実効光度七〇〇カンデラ以上を有するものとみなす。
(2) 第一二七条第一項第二号関係
1) 同号柱書中「地形若しくは既存物件との関係又は当該物件の設置状況から高光度航空障害灯を設置することが不適当である」と認める場合とは、次に掲げる場合とする。ただし、bにおいては、試験的に設置する場合を除く。
a 当該物件に設置される高光度航空障害灯が港則法(昭和二三年法律第一七四号)に基づき設置される港内交通信号所若しくは海上交通安全法(昭和四七年法律第一一五号)に基づき設置される航路管制信号所の信号又は航路標識法(昭和二四年法律第九九号)第一条第二項に規定する航路標識の灯火と誤認されるおそれがあると認められる場合
b 住宅密集地等に設置する場合、地形の関係で建築物に航空障害灯の灯光が直射される場合等において当該物件への高光度航空障害灯の設置により居住環境等を損なうおそれがあると認められる場合
c ビルディングの屋上に附属物として設置されるアンテナ、柱等に設置される場合
d 工事用クレーン等の仮設物件に設置される場合
e 当該物件が、石油コンビナート地区における煙突等周囲の他の物件と比較して突出した一群の物件中の物件であって、全体の設置状況から当該物件に高光度航空障害灯を設置する必要がないと認められる場合
2) 1)eに該当する物件として認める場合の認定基準の細目については、別に管制保安部長が定めるものとする。
3) 同号イ中「アンテナその他の物件でその頂上に高光度航空障害灯を設置することが技術的に困難である」と認める場合とは、構造がぜい弱なためにその頂上に「FX―七型閃光装置仕様書」(平成一二年灯仕第二六一号改五)で規定するFX―七―二〇〇K型閃光装置三台を設置することが困難な場合とする。
4) 同号ハ中「橋梁その他の物件でその高さに比しその幅が著しく広いもの」とは、長大橋(つり橋)にあっては、高光度航空障害灯を設置した主塔の間隔が二キロメートル以上の場合とする。
(3) 第一二七条第一項第三号関係
同号ただし書中「中光度白色航空障害灯を設置することが技術的に困難である」と認める場合とは、構造がぜい弱なために「FX―七型閃光装置仕様書」で規定するFX―七―二〇K型閃光装置を設置することが困難な場合とする。
(4) 第一二七条第一項第四号関係
1) 同号柱書中「地形若しくは既存物件との関係又は当該物件の設置状況から中光度白色航空障害灯を設置することが不適当である」と認める場合とは、次に掲げる場合とする。ただし、bにおいては、試験的に設置する場合を除く。
a 当該物件に設置される中光度白色航空障害灯が港則法に基づき設置される港内交通信号所若しくは海上交通安全法に基づき設置される航路管制信号所の信号又は航路標識法第一条第二項に規定する航路標識の灯火と誤認されるおそれがあると認められる場合
b 住宅密集地等に設置する場合、地形の関係で建築物に航空障害灯の灯光が直射される場合等において当該物件への中光度白色航空障害灯の設置により居住環境等を損なうおそれがあると認められる場合
c ビルディングの屋上に附属物として設置されるアンテナ、柱等に設置される場合
d 工事用クレーン等の仮設物件に設置される場合
e 当該物件が、石油コンビナート地区における煙突等周囲の他の物件と比較して突出した一群の物件中の物件であって、全体の設置状況から当該物件に中光度白色航空障害灯を設置する必要がないと認められる場合
2) 1)eに該当する物件として認める場合の認定基準の細目については、別に管制保安部長が定めるものとする。
3) 同号イ中「アンテナその他の物件でその頂上に中光度白色航空障害灯を設置することが技術的に困難である」と認める場合とは、構造がぜい弱なためにその頂上に「FX―七型閃光装置仕様書」で規定するFX―七―二〇K型閃光装置を設置することが困難な場合とする。
4) 同号ハ中「橋梁その他の物件でその高さに比しその幅が著しく広いもの」とは、長大橋(つり橋)にあっては、中光度白色航空障害灯を設置した主塔の間隔が二キロメートル以上の場合とする。
(5) 第一二七条第一項第七号関係
同号中「夜間において高光度航空障害灯及び中光度白色航空障害灯を運用することが不適当である」と認める場合とは、高光度航空障害灯及び中光度白色航空障害灯を夜間運用することにより、居住環境を損なう場合とする。
(6) 第一二七条第一項第八号関係
1) 同号イ中「頂上に中光度赤色航空障害灯又は低光度航空障害灯を設置することが技術的に困難である」と認める場合とは、構造がぜい弱なためにその頂上に「航空障害灯仕様書」で規定するOM―六型、OM―七型又はOM―三型航空障害灯を設置することが困難な場合とする。
2) 同号ロの規定により、塔屋その他これに類する物件の屋上に設けるものの頂上に航空障害灯を設置する場合とは、塔屋その他これに類する物件の屋上に設けるものの高さが三m以上のものがある場合とする。ただし、該当するものが複数ある場合にあっては、最も高いものに設置するものとする。
(7) 第一二七条第二項関係
1) 同項中「地形若しくは既存物件との関係又は物件の構造により前項の規定による航空障害灯の設置が不適当である」と認める場合とは、次に掲げる場合とする。
a 第一二七条第一項の規定により設置すべき位置の航空障害灯が地形又は既存物件との関係により効用を有しない場合
b 第一二七条第一項の規定に従い、航空障害灯を設置した場合、物件の構造上の理由により設置又は管理が困難である場合
2) 1)により航空障害灯を省略する場合は、既存物件が除去されたこと、改修されたこと等により1)に該当しなくなったときに航空法施行規則第一二七条の規定に従い航空障害灯を設置する旨を同規則第二三八条に規定する届出に付記させるものとする。
II 高光度航空障害灯及び中光度白色航空障害灯の設置方法
高光度航空障害灯及び中光度白色航空障害灯は、次に定める基準に従って設置させること。
(1) 仰角
灯器は、光軸を光源の中心を含む水平面と一致するよう設置すること。
ただし、必要に応じて次の表に定める角度の範囲内で光軸を上向きに設定することができる。
(単位:度)
|
|
灯器の設置される段数
|
一
|
二
|
三
|
四
|
五
|
六
|
|
灯器の設置される段
|
|
|
|
|
|
|
|
|
頂上
|
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
〇
|
|
上から二段目
|
|
―
|
〇〜二
|
〇〜一
|
〇〜一
|
〇
|
〇
|
|
上から三段目
|
|
―
|
―
|
〇〜二
|
〇〜二
|
〇〜一
|
〇〜一
|
|
上から四段目
|
|
―
|
―
|
―
|
〇〜三
|
〇〜二
|
〇〜二
|
|
上から五段目
|
|
―
|
―
|
―
|
―
|
〇〜三
|
〇〜二
|
|
上から六段目
|
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
〇〜三
|
(2) 灯器数
煙突その他類似の切れ目のない物件に設置する一段当たりの灯器の数は、当該物件の平均外径に従って次の表に定めるとおりとすること。(中光度白色航空障害灯についてはFX―七―二〇K型閃光装置(一二〇度タイプ)を使用する場合に限る。)
物件の平均外径
|
一段当たりの灯器の数
|
|
六メートル未満
|
三
|
|
六メートル以上三〇メートル未満
|
四
|
|
三〇メートル以上六〇メートル未満
|
六
|
|
六〇メートル以上
|
八
|