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2009/ 5/13 第155号
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◇目 次◇
1新着情報
・本日の報道発表
・大臣会見要旨(5月8日付)
2現場レポート
津波災害対策にも活用 ~太平洋側GPS波浪計配備完了~
◆現場レポート
○津波災害対策にも活用 ~太平洋側GPS波浪計配備完了~
(東北地方整備局小名浜港湾事務所)
当小名浜港湾事務所は、福島県内の2つの重要港湾である小名浜港と相馬
港の整備を行っています。事務所の歴史は古く、昭和4年旧内務省仙台土木
出張所小名浜港修築事務所として誕生して以来、一貫して港の整備に取り組
んで来ました。最近では、観光の拠点や市民の憩いの場といった港を核とし
た地域振興の取り組みも進めています。
今回は、みなさんもご存じの「GPS(全地球測位システム)」の技術を使
った「GPS波浪計」についてご紹介します。
GPS波浪計とは、カーナビや測量など私たちの身近なところで使われて
いる、衛星を用いた測位システムであるGPSを活用し、GPSアンテナを
海上に浮かべたブイに搭載して、1秒毎のブイの動きをとらえることで海面
変化を計測できる「波浪観測装置」です。
港湾整備に必要な波浪情報を取得することで、港湾施設の設計精度の向上
を図ることが主な目的ですが、同時に、災害を引き起こすような大きな津波
発生時には、沖合において潮位の変動を観測することが可能になります。
去る3月8日の日曜日、福島県内で唯一のGPS波浪計が、いわき市塩屋
埼灯台沖合約18km、水深約140mの海上に設置されました。
作業は7日早朝、小名浜港藤原ふ頭においてGPS波浪計を着水、沖防波
堤付近に仮置きした後、翌8日朝5時に設置予定位置へ向け曳航を開始しま
した。前もって海中に吊り下げていた重さ31tのアンカーに係留チェーン
を取り付ける作業などが行われ、開始から8時間経過した13時30分頃、
無事設置が完了し、その後、塩屋埼灯台に設置した陸上基地局とシステムの
動作確認を行い、正常に機能していることが確認されました。
今回、福島県沖に設置されたGPS波浪計は、今後1年程度の試験運用を
経て本格的な運用を開始する予定です。東北地方整備局では、平成18年度
から太平洋側に7基のGPS波浪計の設置を進めてきましたが、これで太平
洋側の配備が完了したことになります。
今後は日本海側に3基設置することで、10基体制の沖合波浪観測網配置
計画が完成する予定です。波浪情報と併せて津波の観測情報を気象庁等関係
機関と連携することで、観測データの防災業務への活用を図ることが期待さ
れています。