計画推進部会(第4回)議事要旨

計画推進部会(第4回)議事要旨

1.日時
令和元年5月21日(火)10:00~12:00

2.場所
中央合同庁舎第3号館11階特別会議室

3.出席委員
奥野部会長、家田委員、岡部委員、小田切委員、垣内委員、柏木委員、坂田委員、杉元委員、津谷委員、中出委員、増田委員、宮本委員

4.議事
(1)各専門委員会の審議状況に係る報告について
(2)国土の長期展望について
(3)その他

主な発言内容(委員発言順)
(1)新任委員の紹介
(2)議題
 「企画・モニタリング専門委員会」、「稼げる国土専門委員会」、「住み続けられる国土専門委員会」、「国土管理専門委員会」、「スーパー・メガリージョン構想検討会」からこれまでの審議状況についての報告。続いて、「国土の長期展望」について事務局から説明。その後、意見交換が行われた。各委員から出た意見は以下の通り。

<専門委員会全般について>
○女性・外国人が今後の国土の在り方を考えるうえで鍵となることが明確になってきている。20歳~24歳の女性や外国人が東京に一極集中している中、あえて地方を選択している人もいる。そのような人たちが地方の知的対流拠点で中心的な存在となり、関係人口に影響を与えてくるのではないか。彼らがそのような生活をあえて選択した理由を詳しく把握していくべき。
○現在の計画は、人口減少や一極集中は織り込み済みであり、これらを「コントロールする」のでなく、「対流」によって「和らげよう」という意図によるものだが、その効果が見えないという問題がある。
○「ソーシャルリターン」や「ソーシャルインパクト」といった、市場では見えないものを測る手法に着目すべきではないか。
○対流について、交通や物流等の動態的なものにフォーカスする必要がある。
○対流について所得水準等の地域格差、地域の魅力、出生率の3つに注目しており、国土計画である以上、長期的な視点で考えていかなければならない。
○電力の自由化等で多くの企業ができ、そこから得られるビックデータを活用することで稼げる国土を形成することが出来るのではないか。
○都市から農山村地域への対流を促進することでエネルギーの地産地消へとつなげ、そのエネルギーを用いた産業振興により経済の自立化を持続していくことが重要である。そのためには、他省庁や各基本計画等との連携も必要である。
○つながりをサポートする人たちが善意によるサポートだけでなく、自立して生活していけるような環境が必要であり、この点で「稼げる国土専門委員会」とも関係してくると思う。
○放置された土地は、やがて植物が生えるが、必ずしも自然度の高い森林に戻るわけではない。森林を伐採する際はアセスメントを行うが、放棄が確実な土地にも必要ではないか。また、きれいな水や土が得られる等、生態系サービスに資する方向への管理も必要である。
○一極集中は、国際的にも見られるものであり、「多様性」にもつながるもの。悪いものではなく、そのエネルギーを他地域とどう交流させるか。その意味でSMRとのシナジー効果を考えるのはいい。
○これまでの議論で課題は把握できていることから、今後は、従来とどのように変わっていくかを考えるべき。例えば、これまで困難であったアフリカにおける電力供給は、電線等を使わない新たな仕組みにより可能になりつつある等、新しい可能性が出てきている。
○兼業、副業、ジョブ型雇用など、働き方改革が進展する中、SMRの活用を含めた知的対流は、ライフスタイルに大きなインパクト与えると思う。
○「時間軸」を考えると、3委員会の中で、まず「稼げる国土専門委員会」が先行すべきだと思う(「住み続ける国土専門委員会」、「国土管理専門委員会」は「稼げる土専門委員会」より長いスパンを視野に入れている)。
○エネルギーを地産地消化することが3委員会のいずれにも資することになる。

<スーパー・メガリージョン構想検討会について>
○リニア中央新幹線そのものはスーパー・メガリージョン(SMR)のために建設されるものではない。民間主導であるがそのインパクトが極めて大きいため、チャンスとして活用すべくSMR構想はつくられたという点が共通認識として大事。
○バーチャルネットワークが発展すると、人と人とが顔を合わせることが価値のあるものに変わるため、時間の短縮だけでなくSMR域外からSMR域内への移動コストが高く、その検討も必要。
○とりまとめタイトルの「うちかつ」という言葉に驚かされた。説明を聞いて、人口減少社会に「調和する」という意味だと感じた。

<国土の長期展望について>
○3委員会の報告は、ローカル地域でのヒトがつながる「場」づくりに力点があるように感じた。長期展望では、地域教育や福祉等、「くらし」に関する視点が不可欠だろう。
○長期展望では日本をもっと俯瞰してみる必要がある。例えば、日本は先進国でありながら非欧米の先進国であり「他の先進国との橋渡し」をしていかなければならないなど。
○長期展望では、3つの専門委員会の報告書のトレード・オフな部分を「先鋭化」するぐらいのことをしてみてはどうか。
○人口の動きには3つのベクトル(東京一極滞留、東京一極集中、田園回帰)があって、トレード・オフの関係ではなく、それが並存していることが特徴。この事実と「対流」の関係を考えてみて欲しい。
○ライフスタイルの複線化が予想を超えるスピードで変化しており、二地域居住から多地域居住へ、そしてアドレスフリーということも出てきている。こういうことを視野に入れて長期展望をしていきたい。
○国土計画の最終的なものは、地域が内発的発展をすることであると思う。国土計画は次に何を検討すべきかをしっかりと議論する必要がある。
○人口減少下で長期的な国土管理を県や市町村が担っていくものであるならば、財源が少なくなったときに自前で何とかすることや低コストで管理するなど、国民が自ら土地を管理し、運営していくことを考えていかなければならない。
○ヒト・モノ・カネ・情報というように国土の概念が多様化、多元的になってきている。長期展望を検討する際に国土の定義、範囲、分類等をクリアにする必要があるのでは。
○新技術や災害、外国人等のこれまでなかった新たなファクターにも目を向けるべきである。
○エネルギー・環境問題は今や脱炭素に向かっている。活用すべき地域資源として、再生可能エネルギーを考えていくべき。
○東京一極集中に伴う大規模災害リスクの分散とあるが、地方からすると東京のリスクは解消されるが、地方に分散することによって地方では災害リスクが増加するのではないかという点に留意する必要がある。
○85歳~89歳の人口が最も増加するといった異次元の高齢化の中で健康やコンピュータリテラシーが鍵となっていく。「ネット・プロデューサー」から「ネット・コンシューマー」へ代わるタイミングがある。2015年の高齢者と2050年の高齢者は明らかに違うということも意識すべき。これからは、利用する側の視点を忘れずに。
○人口を考えるときに世帯数(近居も含む)は消費の単位であり重要であるため視野に入れるべきである。

(3)閉会挨拶
・審議会閉会にあたり、国土政策局長よりあいさつ

以上

※ 速報のため、事後修正の可能性があります。(文責 事務局)

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