第1回ネットワーク・サービス小委員会 議事概要

第1回ネットワーク・サービス小委員会 議事概要

1.日時
 平成19年4月27日(金)10:00~12:00

2.場所
 中央合同庁舎3号館国土交通省11階特別会議室

3.出席者
<委員>(敬称略)
 飯島希、井口典夫、梅﨑壽(代理:大月喜雄)、小谷昌(代理:坂巻武彦)、佐和隆光、清野智(代理:土屋忠己)、竹内健蔵、廻洋子、山内弘隆、横山洋吉(代理:只腰憲久)、山口昌紀
<国土交通省>
 平田鉄道局長ほか
 
4.主な議題
(1)課題の検討[1]
  ・「幹線鉄道・都市鉄道のネットワーク」
  ・「地方鉄道・LRTの維持・整備」、「観光鉄道」
  ・「バリアフリー化」
(2)「社会資本整備重点計画の記載ぶり」の素案について
(3)その他

5.議事概要
・事務局より、資料4のとおり「幹線鉄道・都市鉄道のネットワーク」、「地方鉄道・LRTの維持・整備」、「観光鉄道」、「バリアフリー化」、「社会資本整備重点計画の記載ぶり」の素案についての説明を行った。
・これらの説明について、委員より意見が述べられた。委員の意見の概要は次のとおり。

●「幹線鉄道・都市鉄道のネットワーク」関係
・幹線鉄道の競争力という言葉が出てくるが、鉄道分野の観点のみにとらわれるのではなく、もう少し環境の観点や住民へのサービス向上の観点に重点を置いて議論すべき。 
・近年の混雑率低下について、線増投資の効果と同時に都心居住の進展の効果によるところも大きいことなどを踏まえて、都市政策との整合への配慮を適切に反映させるべき。 
・全体として鉄道の政策を考えるときには、環境問題を大前提としてその中で鉄道をどう活かしていくかという議論をしていくべき。 
・鉄道や高速道路といった交通手段の高速化が従来の観光地図にも影響を及ぼすことを踏まえて、鉄道の高速化は地域振興の施策とかみ合ったものとすることが必要。 
・幹線鉄道の高速化を進めていく際の優先順位の付け方を検討することが必要。 
・混雑率緩和については、例えば、200%の混雑が10分続く状態と、180%の混雑が30分続く状態のいずれを利用者が好ましく思うかわからない面もあるので、利用者の満足を高める観点から利用者の利便性や快適さの受け止め方について調査することが必要。 
・安全性に疑問のあるような体制を前提としたダンピング的な価格設定に対して、国においても何らかの対策をとることが必要。 
・駅周辺施設の整備や乗換え利便性の向上に資する施策への一層の支援をお願いしたい。 
・幹線鉄道・都市鉄道のサービスの高度化を図るに際しては、鉄道単体ではなく、地域政策の中で位置付けることが重要。 

●「地方鉄道・LRTの維持・整備」「観光鉄道」関係
・JRや大手民鉄が運営している地方鉄道について、事業者に運営責任を負わせるのではなく、大手が運営しながらも補助の対象とできる支援措置を検討して欲しい。 
・地方鉄道の災害復旧に対する支援については、壊れた施設の復旧のための補助だけでなく、代替交通機関の整備などに対する補助など、対象を幅広く考えて使いやすい補助にするべき。 
・地方鉄道の再生に際しては、施設整備に対する支援の制度創設後の運営に対する支援も検討して欲しい。 
・住民の意識がLRTを歓迎しない場合もあり、LRT整備については、住民の意識も大きな決定要素であると考えるべき。 
・富山市のLRTについては、中心市街地が空洞化していることなどもあって、ヨーロッパのようにまちづくりと一体化したという感じからは少し遠かったように感じられたことが残念。
・段差の多い駅構内に入らなくて済むなど、高齢者等の移動弱者にとって使いやすいLRTの整備はさらに推進していくべき。 
・鉄道のみに対する支援として様々な補助制度があることは理解したが、持続可能な環境という目的の中で鉄道の位置づけを考えた上での環境関係の補助金の活用や、まちづくりの中での鉄道の位置付けを踏まえたまちづくり関係の補助の鉄道への活用について検討課題に加えるべき。 
・支援措置を弾力的に運用できないかという点と、地方の鉄道の維持について環境やまちづくりなどの総合的な観点から多様な支援措置を求め、地域として鉄道を育てていくときにまちづくりと一体化する視点が重要。 

●「バリアフリー化」関係
・施設をバリアフリー化していくにとどまらず、事業者の人員が減少していることも留意しながらソフト面の施策もセットでサービス向上として考えるべき。 
・例えば「鉄道でエコ キャンペーン」のように、利用者同士の助け合いや思いやりの精神の醸成を図っていくことも重要。 
・バリアフリーの補助は、地方自治体の負担金を伴う協調補助となっているが、地方自治体に財源がないときに国からの補助も連動する現行制度について改善をお願いしたい。 
・既存のホームにホームドアを設置する場合のデメリットについて、国において実態を調査した上で、情報等を提供して欲しい。 
・目や耳の不自由な方のご苦労を取り除くことができるよう、例えば点字ブロックの張り方を正確で統一されたものとするなど、鉄道会社間や地域間で差異が生じているとされるバリアフリー化の進め方を統一すべき。 

●「社会資本整備重点計画の記載ぶり」素案 関係
・「暮らし」分野について、コンパクトシティやまちづくりの観点からの役割を踏まえて、駅をにぎわいやコミュニティの中心としてどのように整備すべきかという点について記載すべき。
・「都市の快適性、利便性の向上」は見方によっては「暮らし」に入る面があり、バランスをよく考えるべき。 
・社会資本整備重点計画の全体構成の項目立てなどを示してもらった上で鉄道の位置づけを考えることが必要。 
・国の財政事情が厳しいのは周知の事実なのであえて強調すべきではない。 
・鉄道会社を特別扱いしているかのような誤解をされないような表現とすべき。

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