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交通ネットワーク形成効果に関する研究

〜交通社会資本整備と応用一般均衡分析〜

◆要旨

社会資本整備に先立ち「費用対効果分析」を行うことが一般化しつつあるが、便益の二重計測・地域開発効果の取扱い、等の問題に対する疑問が少なからず発生 している。こうした疑問を解消するため、本研究では、ネットワークを形成する交通社会資本の整備を題材に、プロジェクトによる種々の効果を分類・整理した 上で、それらを分析する手法とその特徴、相互の関係についてまとめた。

1.交通プロジェクトの便益分析手法とその特徴について

交通社会資本の整備は、施設利用者の効用を変化させるのみならず、新たな効果を発生させ、それを含めて他の主体に効果が波及していくという複雑な構造となっており、これらを二重計算することなく計測する必要がある。
交通プロジェクトによる施設効果を整理すると、大きく、「市場財の効果」と「非市場財の効果」に分類できる。「市場財の効果」は、現実に成立している市場 における価格変化として直接観察できるため、効果を受けた市場を直接分析するのが、効率的かつ信頼度が高い方法である(「消費者余剰法」、「応用一般均衡 分析」等)。これに対し、「非市場財の効果」は、効果を市場における価格変化により直接観察できないため、効果を実際の貨幣価値に換算する際に一定の工夫 が必要となる(「ヘドニック法」、「仮想的市場評価法(CVM)」等)。


2.応用一般均衡アプローチについて

社会資本整備を行う場合と行わない場合の経済社会を、それぞれモデルを用いて表現・比較し、社会的な効用水準の差を計測することにより、社会資本整備により経済社会にもたらされた便益を捉えることができる。これが、応用一般均衡分析による便益分析の基本的な考え方である。
応用一般均衡分析は、波及効果を明示的に考慮できる他、地域別・経済主体別の便益配分等の情報を得ることができる。一方、モデルのパラメータ推定に関わる 問題・データの制約等の問題から、総便益の測定精度に関しては、消費者余剰法に比べ、必ずしも高いとは言えない。現在のところ、応用一般均衡分析は、消費 者余剰法にとって代わるものであると考えるよりは、消費者余剰法を使って得られる情報を補完し、主体別・地域別の便益の帰着関係等の問題を検討するために 用いるのが効果的であると考えられる。


 

◆発行

PRCNOTE第28号/平成12年9月

◆在庫

<在庫切>

◆詳細

詳細(PDF:3.1MB)

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