国土交通省 国土交通研究政策所 Policy Research Institute for Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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 国土交通政策研究所は、国土交通省におけるシンクタンクとして、内部部局による企画・立案機能を支援するとともに、 政策研究の場の提供や研究成果の発信を通じ、国土交通分野における政策形成に幅広く寄与することを使命としています。
  

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 ● 報告書概要


 英米におけるNPM最新事情
〜seeからplanへのフィードバックの試み〜

◆要旨

1.イギリス政府における行政マネジメントに関する最新事情

イギリスでは、ブレア政権誕生以来、行政改革の一環としての予算・業績マネジメントシステムの改革が進められ、その重要なツールとして、1998年、3ヵ年にわたる複数年度予算の枠組みである歳出レビュー(Spending Review:SR)体系を導入した。その後、試行錯誤を繰り返し、SR、行政サービス協約(PublicServiceAgreements: PSAs)等のシステムを改良し活用しながら、seeからplanへのフィードバックの努力が進められている。例えば、2002PSAsではアウトカム目標が中心になり、その数も絞られるなど作成コンセプトが大きく変化しているように、策定や運用段階での反省や課題が、次のSR、PSAs等の策定に生かされている。

2.アメリカ連邦政府における行政マネジメントに関する最新事情

アメリカでは、政府業績成果法(GovernmentPerformanceandResultsActof1993:GPRA)の下で、予算と業績の統合、すなわち、seeからplanへのフィードバックの努力が進められている。これは、ブッシュ大統領の大統領アジェンダの中でも目標の一つとして掲げられ、大統領の主導の下で進められている。様々な障害もある中、行政機関管理スコアカード(Executive BranchManagementScorecard)やプログラム査定評価ツール(ProgramAssessmentRatingTool: PART)等の新しい業績測定手法が開発・活用されている。

 また、本研究では、戦略目標と適切な成果尺度を明確に設定することにより、plan−do−seeを効果的・効率的に行うマネジメント・ツールとして、バランス・スコアカード(balanced scorecard:BSC)についての調査も行った。BSCは、アメリカの民間企業や地方自治体・公的機関で広く活用され、日本でも注目され始めている。BSCは、作成のプロセスこそが重要であり、そのプロセスを通じて、組織における価値観や課題、目標等が多様な視点から整理・明確化され、共有化される。さらに、組織における経営感覚を醸成し、業績の向上につながる。
 ただし、こうしたマネジメント・ツールを新たに導入するに当たっては、既存制度の見直しを前提とすべきであり、屋上屋を架すこととならないよう十分留意する必要がある。NPM型行政改革の眼目である成果主義がその効果を発揮するには、執行面での裁量の幅を広げ、事務負担を軽減することが不可欠だからである。


◆キーワード

plan−do−see、マネジメント・サイクル、歳出レビュー(SpendingReview:SR)、業績達成目標、予算と業績の統合、政府業績成果法(Government PerformanceandResultsActof1993:GPRA)、バランス・スコアカード(balancedscorecard:BSC)

◆発行

国土交通政策研究第33号/平成15年12月

◆在庫

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◆詳細

詳細(722KB)

◆事後評価

内部評価シート(PDF:9KB)
有識者評価シート(PDF:5KB)