国土交通省 国土交通研究政策所 Policy Research Institute for Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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 国土交通政策研究所は、国土交通省におけるシンクタンクとして、内部部局による企画・立案機能を支援するとともに、 政策研究の場の提供や研究成果の発信を通じ、国土交通分野における政策形成に幅広く寄与することを使命としています。
  

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 ● 報告書概要


 社会資本運営における金融手法を用いた自然災害リスク平準化に関する研究

◆要旨

 社会資本運営における自然災害リスクとしては、構造部の破損等直接的な損害のほか、維持管理費の増大や有料道路等における収入の減少等が挙げられる。自然災害は規則的に発生するものではないため、期間毎にばらつきがあるこれらのリスクを平準化する必要がある。
 本研究では、これらの自然災害リスクを平準化する手法として、民間において活用されつつある代替的リスク移転(Alternative Risk Transfer:ART)と呼ばれる金融手法について整理した。

 第1章では、わが国の自然災害の特徴、近年発生した自然災害による被害状況及び災害復旧関係事業や保険といった現在主に活用されている仕組みについて概観した。ここで、社会資本運営における自然災害リスクを、自然災害との因果関係により分類するとともに、現行の仕組みがどの程度カバーしているかについて整理した。自然災害との因果関係が明確でない損害については、現行の仕組みの対象となっておらず、第2章で取り上げるARTを活用する余地があると考えられる。

 第2章では、金融工学を活用して自然災害リスクを平準化する手法であるARTの主な手法について整理した。ARTでは、自然災害リスクを保険会社ではなく資本市場が引き受けるため、大規模な損害に対しても補償が可能である等のメリットがある。具体的には、リスクの証券化(大規模災害債券(Catastrophe Bond:CatBond))、天候デリバティブ、キャプティブの3手法について、基本的なスキーム、民間における活用状況及びメリット・デメリットを整理した。主なデメリットとして、CatBond及び天候デリバティブにおけるベーシスリスク(実際の損害額と補償額が乖離するリスク)が挙げられ、商品設計に当たっては精度の高いリスク分析が求められる。



◆キーワード

自然災害、リスク平準化、大規模災害債券、天候デリバティブ、キャプティブ

◆発行

国土交通政策研究第62号/平成18年2月

◆在庫

在庫有(重量:280g 厚さ:6mm) 報告書を郵送希望の方はこちら

◆詳細

詳細(PDF:544KB)

◆事後評価

内部評価シート(PDF:11KB)
有識者評価シート(PDF:12KB)