地域活性化の切り札として、観光に対する期待は大きく、全国各地で地域主体の「観光まちづくり」への取組が進んでおり、行政においてもそのために様々な公的支援が行われている。そのような中で、観光まちづくりに取組む地域の公的支援の活用状況の実態を把握し、課題を抽出・整理することは、今後のより効率的・効果的な公的支援の活用のために意義あることと考えられる。また、公的支援を活用して地域が観光資源を磨き上げるに際しては、地域外の消費者のニーズも意識しておくことが、地域の観光まちづくりのために有用であると考えられる。
　そこで、本調査研究では、観光に取り組む地域等の実態（問題意識等）と公的支援の活用状況について、観光地に対する訪問ヒアリング調査により把握・整理を行うとともに、インターネットアンケートにより、一般消費者の観光地に対する認知度・魅力度に関する調査を行った。
　その結果、地域のヒアリング調査から、地域側が考える公的支援の効果、成功要因、課題等を整理した。また、一般消費者と地域側のアンケート結果から、両者のギャップや消費者にとっての観光地の位置づけ等を明らかにした。さらに、各調査から得られた知見・ノウハウをもとに、「効果的・効率的な公的支援の活用による魅力ある観光まちづくりに向けたチェックポイント」をまとめた。