国土交通省
 日本住宅性能表示基準・評価方法基準の改正案に関する
 意見募集の結果について
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平成14年3月29日
<連絡先>
住宅局住宅生産課
(内線39426)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省では、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく標記基準について、平成13年5月14日(月)から平成13年5月31日(木)まで、当省のホームページ上にて改正案を公表し、広くご意見を募集したところ、498件のご意見を頂きました。
 今般、その結果として、お寄せいただいたご意見とそれに対する当省の考え方を取りまとめましたので、ここにご報告いたします。
 なお、改正基準については、平成13年8月1日及び8月14日に官報に告示しました。前者については即日、後者については平成14年4月1日からの施行となっております。
 今回ご意見をお寄せ下さった方々には御礼申し上げますとともに、今後とも住宅性能表示制度の推進等にご協力頂きますようお願い申し上げます。


日本住宅性能表示基準・評価方法基準の改正案に関する
ご意見の要旨と国土交通省の考え方

(以下にお示しするものについては、公表の便宜上、
主要なものに限らせて頂いております。)

1-5 地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法について

(頂いた御意見)
 現行通り全ての羅列表示も可とすべきである。または、最低から最高値の表示としてもよいのではないか。
 全ての羅列表示の方が情報開示の点から優れている。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、現行の基準のままとしました。

別表「(い)項の「1−5地盤又は杭の許容支持力等及びその設定方法」に対応する(は)項」は地盤の許容応力度のうち最小の値(・・・)又は杭の許容支持力のうち最小の値

(頂いた御意見)
 (・・・)及び地盤調査の方法その他それらの設定の根拠となった方法を明示する」と示されていますが、当該数値に対し設計上一般的に採用する有効桁数にあわせ次のように改正することを希望します、「地盤の許容応力度のうち最小の値(単位をkN/m3とし、小数点以下第1位整数未満の端数を切り捨てる。)又は杭の許容支持力のうち最小の値(単位をkN/本とし、小数点以下第1位整数未満の端数を切り捨てる。)及び地盤調査の方法その他それらの設定の根拠となった方法を明示する」
(国土交通省の考え方)
 小数点以下第1位までの表示方法を改正し整数値表示としなければならない積極的な理由が不明です。現行の有効数字で特段の支障はないものと考えます。

1-6 基礎の構造方法及び形式等について

(頂いた御意見)
 現行通り全ての羅列表示も可とすべきである。
 杭径の表示を最小値に限定すると補助的に用いる杭が記載され、建物全体を代表した記載とならない。全ての羅列表示の方が情報開示の点から優れている。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、現行の基準のままとしました。

(頂いた御意見)
 特殊構法建物(免震、制震等)に関して、一般建物の評価と整合性のある評価方法を確立してほしい。
 現場の評価方法では、免震・制震等の構法を採用し地震に対して配慮した構造になっているにもかかわらず、低い評価しか得られない結果となるため。
(国土交通省の考え方)
 免震構造については、当面、特別評価方法認定で対応いたしますが、建築基準法の告示の運用状況や認定の実績等を踏まえ、評価方法基準として一般化できるかどうかを今後検討いたします。

感知警報装置設置等級(自住戸火災時)における消防法施行規則第23条から第24条の2の適用について

(頂いた御意見)
 住宅性能表示制度の火災安全に関することの項目で感知警報装置設置等級(自住戸火災時)においてその評価基準の骨格は消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第23条から24条の2(以下同規則という)までに規定された自動火災報知設備となっている。
 しかし、同規則は消防法施行令別表第1に記載された不特定多数の人が利用する劇場・百貨店など非住宅を中心とした防火対象物を対象としており、同規則にしたがって戸建て住宅及び共同住宅の個々の住戸に設置しようとした時、過剰な設置費用がかかったり設置が困難な場合が生じる。また、適用することが不適当な部分や評価基準と矛盾する部分があり、評価を行う際、評価者によって判断が異なる可能性が大きく、円滑な制度運用の妨げとなる。
 したがって、評価基準において同規則の各条文毎に適用又は不適用を明確に記載すべきであるが、次善の方法として「住宅性能表示制度 評価方法基準・技術解説」を改定し、その旨を明確化及び解説をすべきである。
(国土交通省の考え方)
 評価方法基準に規定されること以上の事項は特段要求しません。その旨を解説書にも明記されてます。

2−1、2−2 感知警報装置設置等級(自住戸火災時、他住戸等火災時)について

(頂いた御意見)
 1P25等級4に対応可能な自火報等を台所及び階段のみに設置した場合、等級2 となることを明確にしていただきたい。
 設備としての性能が明らかに上回るため。(等級2の現行基準は住警器のみが対象)
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、自動火災報知設備等を設置した場合にも等級2とすることができるよう基準を見直しました。

73.等級2の評価基準について

(頂いた御意見)
 (1)警報を行う部分について、等級4に合せて「c」が追加されたが、削除すべきである。
 等級2の講じられている措置では台所及び1以上の居室で発生した火災を早期に感知して、当該室付近に警報を発するための装置が設置されていることとなっているため。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ削除するとともに、ご指摘に沿うようあわせて基準を見直しました。

(頂いた御意見)
 P25の感知警報装置設置等級(他住戸等火災時)の定義について、他住戸等の定義で、評価対象住戸と一体となった室とは、例えば具体的にどういう室ですか?
(国土交通省の考え方)
 店舗併用小規模住宅など評価対象住戸以外についても一体として使用しているものを指します。

P108の設計内容説明書、およびP116の施工状況報告書について

(頂いた御意見)
 「火災時の安全に関すること」耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部))及び耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))を住棟の評価の項で扱っているが、住棟で延焼対象を決定、各住戸の開口部或いは開口部以外の防火設備で対応しているのであるから、住戸の防火設備を確認するように住戸の評価の項に移してほしい。
(国土交通省の考え方)
 外部からの延焼を評価する項目であるため、住戸ごとの微少な差異を評価する重要性は低いものと考えます。

(頂いた御意見)
 第3劣化の軽減に関すること(構造斜体)、の(3)評価基準、のイ木造住宅、の1等級3、のf床下、の(2)に、基礎断熱工法を用いる場合の使用基準が示されている。この中で、建設地域別に断熱材の熱伝導率と厚さが示されているが、その他の地域として、26地域を同一仕様とするには無理があり、地域別にきめ細かな基準設定が必要と思われる。
 理科年表の日最低気温の月別平年値を見ても、2地域では、-6.0℃以下となる所(軽井沢、盛岡、高山等)があるのに対し、6地域では名瀬で11.3℃、那覇で13.6℃と大きく異なる。(日最低気温の月別平年値では、1地域と2地域との温度差以上の開きがある)また、平成11年度通商産業省・建設省告示第2号(住宅に関わるエネルギーの合理化に関する建築主の判断の基準)および、現在パブリックコメントを募集中の「住宅に関わるエネルギー使用の合理化に関する設計及び施工の指針改定案」の中で、6地域に関しては「土間床等の外周」部に関し、熱貫流率の基準値が設定されていない。また、断熱材の熱抵抗値の規準も同様に示されていない。このことから、少なくとも6地域においては、基礎断熱材を厚さ0oとしても、温熱環境上問題がないと判断できる。今までに出された省エネ規準の中で最も厳しい次世代規準において温熱環境上問題がない(エネルギー・ロスが生じない)ということは、結露は起こらないと判断でき、結露が生じないならば、耐久性に悪影響を与えるとはいえないと考えられるからである。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、地域区分を「1地域」「25地域」「6地域」としました。

(頂いた御意見)
 3−1(3)イ1fにおいて、基礎断熱工法の断熱性能が、断熱材の熱伝導率と厚さで指定されているが、熱貫流率での指定に変更頂きたい。
 厚みが薄く、熱伝導率が低い素材を用いれば同等の性能が得られるが、現状では等級3と評価されないため。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、現行基準と同等の性能を有する断熱材の評価方法として熱抵抗による基準に改めることとしました。

ロ 鉄骨造住宅1a(i)について

(頂いた御意見)
 表の防錆処置又はこれと同等の防錆処置が講じられていることとあるが、防錆システムは同等以上であっても板厚の制限があり、十分な防錆処理を行っても等級3を確保するには必要以上の鋼材を使用する事になる。
 小規模の住宅もしくはある程度の規模の鉄骨造住宅の一部に小型H型鋼、ボックス柱を使用した場合、等級3は不可能ではないか。また、筋交いにアングル材を使用した場合も同じ。
(国土交通省の考え方)
 板厚が2.3mm未満の鋼材を使用する場合は特別評価方法認定により評価することが考えられます。

3−1(3)ハ1dコンクリートの品質等について

(頂いた御意見)
 1)「沖縄県その他日平均気温の年間最低値が0℃を下回らない地域以外の地域にあっては、コンクリート中の空気量が4%から6%までであること」とありますが、「日平均気温の年間最低値が0℃を下回らない」の部分を、JASS5の凍結融解作用を受けるコンクリートに適用されている「日最低気温の平滑平年値の年間極値」としてはいかがでしょうか。「日平均気温の年間最低値」の場合、例えば、複数年のデータ平均とした場合においても、沖縄県以外の多くの地域で0℃を下回らない地域となり、その地域は、JASS5に示されている凍害危険地域に該当することもあります。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、「日平均気温の年間最低値」を「日最低気温の平滑平年値の年間極値」と改めました。

補強コンクリートブロック造の住宅の基準について

(頂いた御意見)
 鉄筋コンクリート造に使用したコンクリートブロック帳壁はあてはまらないと考えて良いかどうか明示してもらいたい。
(国土交通省の考え方)
 RC造住宅におけるコンクリートブロック帳壁は評価の対象となりません。「構造躯体等」の定義から明らかであるものと考えます。

(頂いた御意見)
 「排水管の内面が平滑」であることについて、判断のばらつきが生じる恐れがあるため、具体的基準を示してもらいたい。(いわゆるジャバラ管は当該基準に適合するのか。)
(国土交通省の考え方)
 内面が平滑でないいわゆるジャバラ管は当該基準を満たすものではありません。また、当該基準は内面が平滑であれば管の形状を問うものではありません。なお、具体的な考え方については解説書に解説されております。

(頂いた御意見)
 「排水管が清掃に支障を及ぼすようなたわみ、抜けその他変形が生じないように設置されていること」について、判断のばらつきが生じる恐れがあるため、具体的基準を示してもらいたい。(ジャバラ管と防臭キャップによる施工は当該基準に適合するのか。)
(国土交通省の考え方)
 容易に抜ける可能性がある防臭キャップによる施工は当該基準を満たすものではありません。なお、具体的な考え方については解説書等に解説されております。

(頂いた御意見)
 暖房用温水配管は給湯管に含まれるのかどうか明示してもらいたい。
(国土交通省の考え方)
 暖房用温水管は給湯管に含まれません。

(頂いた御意見)
 5-1(3)ロ2b表−2の注記2(2)34及び5地域の緩和措置だけでなく、1及び2地域の当該土間床の緩和措置を記述すべき。
(国土交通省の考え方)
 1及び2地域では計算上必要な断熱性能を確保できないため、原案のままとしました。

(頂いた御意見)
 5−1(3)ロAb表−2の注記2(6)「・・・床根太の相互の間隔が450mm以上である場合は…・」とあるのは、「一般部において」や「標準が」等を追記しないと、間崩れなどの間隔調整で450mm以下となる場合、適合しないこととなる(すべて450mm以上とするのは難しい)。(すべて次世代省エネの告示も同じ)
(国土交通省の考え方)
 ご意見を踏まえ、床端部等において一部450mm以下となる場合が認められるように改めました。

(頂いた御意見)
 5−1(3)において、防湿層に対する規格が明示されていないが、明示すべきである。
 具体的な基準が示されていないので省エネルギー対策等級3の設計や評価ができない。日本工業規格ではすでに住宅用断熱材の防湿フィルムについて規格(JISA6930)を制定している。また、住宅金融公庫の木造住宅工事共通仕様書(平成12年度共通仕様書P83)でも、防湿材が明確に定義されており、規制されている。性能表示制度においても、粗悪な防湿材(層)を排除し、消費者を保護する観点からこれらの規格・規制は遵守されるべきである。
(国土交通省の考え方)
 公庫仕様書の仕様(JISA6930(住宅用プラスチック系防湿フィルム)適合、JISZ1702(包装用ポリエチレンフィルム)適合、JISA6781(農業用ポリエチレンフィルム)適合等)を解説書に例示されております。

(頂いた御意見)
 開放型暖房器具に対する注意を喚起する表示等がない。建物の気密性に応じて使用してはならない暖房器具を明示すべきである。
 省エネルギー対策等級が4、あるいは、コンクリート造住宅の場合には気密な住宅となるので、開放型暖房器具を使用すると、NOxやCOによる空気汚染が予想され、危険であり、人体によくない。しかし、それに対する注意が性能表示全体のどこにも見当たらない。このようなミスマッチを防ぐために、上記の措置は必要である。
(国土交通省の考え方)
 居住者が容易に変更等できる設備機器は原則として性能評価の対象にしていません。また、ご指摘の点は居住者の住まい方の問題と考えますので、手引き書(基準のポイント)等に記載することで対応いたしました。

5−1省エネルギー対策等級について

(頂いた御意見)
 居室以外の開口部の遮光は除外していただきたい。
 浴室、便所等は一般的には冷暖房効率を考慮していない。
(国土交通省の考え方)
 浴室、便所等も断熱構造区画内部であり、冷暖房効率は考慮されるべきと考えます。

(頂いた御意見)
 化学物質の濃度の測定値は安定した性能とは言えず、ある時点での測定データに過ぎないため尚早ではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘のように化学物質の濃度はそれ自体安定的な性能を直接表示するものではありませんが、消費者のニーズの高い重要な情報であることに鑑み、早期に評価・表示の基準を定めるものです。

(頂いた御意見)
 測定対象の化学物質を拡大すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 今回の表示基準の対象として、次の要件に適合する化学物質を選定しました。
 1厚生労働省のシックハウス問題検討会が濃度指針値と標準的な測定方法を確定させているものであって、
 2パッシブ法など簡易で安価な方法により測定が可能であるもので、
 3住宅に使用する建材や施工材から発生することが想定されるもの。
 なお、今後、同様の要件に適合する化学物質があれば、追加する方向で検討します。

(頂いた御意見)
 共同住宅では抽出検査(評価対象住戸の10分の1程度の住戸の測定)を認めるべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 共同住宅においても、各住戸が全く均一の建材、施工材により施工されているとは限らず、また各住戸の条件も異なることから、他住戸の測定結果をもって当該住戸の測定結果と取扱うことは不適当と考えます。

(頂いた御意見)
 測定する居室は検査を行う者が選定するのではなく、施工者が事前に選べるようにしてはどうか。
(国土交通省の考え方)
 意図的に化学物質対策を重点的に講じた特定の室を申請にしたがって濃度測定した場合、測定結果は良好なものとなっても、かえって他の室の対策がおろそかとなることを誘発しかねません。このため、測定室の選定は申請者ではなく、検査する者(評価員など)に委ねることとしました。

(頂いた御意見)
 「特定化学物質」の名称は労働安全衛生法の「特定化学物質等」と類似しており混乱するのではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ修正しました。(特定化学物質→特定測定物質)

(頂いた御意見)
 測定時の温度・湿度条件を限定するか、あるいは温度・湿度の換算を盛り込むべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 温湿度条件の違いは化学物質濃度に大きな影響を与えますが、住宅の竣工の時期や地域による温湿度の違いは大きく、統一することは困難です。仮に冷暖房により室温を調整しても限界があるため、温湿度を限定してはいません。
 なお、測定時の温湿度は、濃度の測定結果と並び重要な要素であることから、濃度とあわせて表示することとしています。
 また、現状において、広範な化学物質を対象として、温湿度の条件が異なる状況で測定された数値を特定の温度・湿度に換算する方法の確立はなされておらず、表示制度に導入することは困難です。

(頂いた御意見)
 評価機関が測定前や測定中の条件確保を厳密に行うことは困難ではないか。
(国土交通省の考え方)
 長時間にわたり測定条件を一定に確保することについて、測定者がこれをすべて厳密に担保することには限界があります。
 このため、実際には、申請者または施工者、工事監理者等の協力のもと、測定条件の維持に努めざるをえないものと考えられます。
 なお、申請者等において明らかな虚偽の報告があったり、評価方法基準に定める方法どおりの測定ができない場合、指定住宅性能評価機関は建設住宅性能評価書を交付できないこととされています。

(頂いた御意見)
 厚生労働省の標準的測定方法では、5時間の密閉中に室内の扉は開放しておくこととされているが、基準案は閉鎖することとしており、矛盾しているのではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ厚生労働省の標準的な測定方法に整合するよう改めました。

(頂いた御意見)
 測定日時を内装のワックスかけの後に設定しているが、いったんワックスをかけた後に第三者が現場に立ち入ることは事実上困難であることから、評価機関には対応できないのではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえて改めました。

(頂いた御意見)
 室温と相対湿度の測定場所を基準に明記すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえて明記しました。

(頂いた御意見)
 室内空気中の化学物質の測定を行う者には特別な資格を求めるべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 測定機器のなかには、取り扱いが簡易であり、しかも正確性・安定性の高い結果の得られるものもあるため、測定者の特別な資格限定等は行ってません。

(頂いた御意見)
 化学物質の測定器の信頼性をどのように確保するのか。評価機関はどのように測定器を選定するのか。
(国土交通省の考え方)
 測定機器の技術の進展は急速であり、基準中に測定機器の機種を限定することはかえって硬直的となり不適切と考えられます。
 このため、検査する者が、基準に適合していると判断できるものについては使用することを可能とし、基準中で限定しておりません。
 なお、指定住宅性能評価機関が測定機器の情報を入手し選定をしやすくするため、室内空気対策研究会での測定機器の検証実験の成果等について、周知する等の対策を講じております。

(頂いた御意見)
 評価機関で化学物質の分析ができない場合、第三者機関に委託することを許容すべきだ。
(国土交通省の考え方)
 評価機関の判断によることになりますが、申請者や施工者と利害関係のある分析機関への委託等は不適切と考えられます。
 なお、分析機関の名称を表示することは重要と考えられるため、表示事項として追加しました。

(頂いた御意見)
 別途「ホルムアルデヒド対策」において高い等級の評価を受けている住宅で測定した結果、高濃度が検出されることがあるのは矛盾ではないか。
(国土交通省の考え方)
 建材の等級表示は、ホルムアルデヒドを放散する可能性のある木質建材に対象を限定したうえで、実験器具中の放散量に基づき行うものであり、この結果が直接的に実際の測定濃度に結びつくわけではありません。また、測定濃度は、天候や換気等の測定条件など他の要因に左右されるものです。
 したがって、使用している建材の等級が最高であっても、他の要因により実測時の濃度が高くなり、指針値を超える可能性もないとはいえません。

(頂いた御意見)
 測定結果が厚生労働省の濃度指針値を超えていた場合、紛争が起きるのではないか。
(国土交通省の考え方)
 本制度による測定結果は、あくまでも評価(測定)時点での濃度にすぎず、その後の時間経過による濃度の変化がないことを契約上約束するものではなく、また、厚生労働省指針値を超えないことを評価・表示するものではありません。
 したがって、建売住宅の売買契約書に建設住宅性能評価書が添付されるなどによって、表示された濃度が契約内容とみなされている場合であっても、その後の濃度上昇をもって当該契約に反するものとはなりません。

(頂いた御意見)
 厚生労働省の濃度指針値以下に低減する方策があるか。
(国土交通省の考え方)
 化学物質の濃度を低減させるための手段については、
 1 窓の開放や換気設備の継続的運転の実施
 2 養生期間の確保
 3 空気清浄器の活用
 4 吸着、分解、封込め、放散促進等のための諸技術の導入
 等が、効果があるものとして考えられます。
 また、室内空気対策研究会において、濃度の低減に資する改修技術の検証を進めているところであり、その成果を踏まえ、順次、濃度の低減に資する改修技術を公表・周知していきます。

(頂いた御意見)
 有効開口面積は、開口部の両側の圧力差が9.8Paのときの開口部を通過する風量に0.7を乗じたもの又は室内側の実開口面積の4分の1とする、とあるが、単位等はどうなるのか明示すべき。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、単位を明記いたしました。

(頂いた御意見)
 常時の機械換気に係る基準について、機械換気設備の必要換気回数は有効相当隙間面積に関係なく[0.5回/h]とすべき。
(国土交通省の考え方)
 機械換気設備の動作時においても自然換気駆動力が作用し、躯体の隙間量等に応じた自然換気が生じていることは考慮されるべきと考えます。

(頂いた御意見)
 現在、全般換気対策には「イ.常時の機械換気」「ロ.常時の自然換気」「ハ.その他」が定められていますが、常時の機械換気と常時の自然換気を組み合わせ併用する場合についても評価基準を定めていただきたい。
(国土交通省の考え方)
 機械換気と自然換気をいたずらに組み合わせると両者の効果が十分に発揮されないことも考えられるため、特別評価方法認定により「常時の機械換気」又は「常時の自然換気」として評価することが考えられます。

7−2方位別開口比について

(頂いた御意見)
 窓が大きくなった等の軽微な変更を許容するため、方位別開口比を○%以上との表現にするとあるが、全開口面積との比では、他の開口比が小さくなるケースがあるので問題ではないか。
 理由は基準の明確化。
(国土交通省の考え方)
 この基準の趣旨は方位別の開口比のプロポーションを明らかにするものであり、多少の値のずれは差し支えないものと考えています。 

(頂いた御意見)
7−1単純開口率
 開口率○%以上という表示の場合、設計評価の値以下の場合のみ変更手続き等を行うのか?
7−2方位別開口比
 方位別開口比の場合、1つの方位開口比が変われば、他の方位別開口比が変わってくるため、○%以上という表示は、適してないのではないか?
(国土交通省の考え方)
 前者は現場で容易に判断できるため、変更手続きは不要です。後者は42と同じ見解です。

7.光・視環境に関することについて

(頂いた御意見)
 7−1(3)イにおいて、「W(=A/S×100)を超えない整数値」とは「最大の整数値」又は、「整数未満切り捨て」のことと思われますが、定義の明確化をお願いいたします。7−2(3)イ「Riを超えない整数値」も同様。
(国土交通省の考え方)
 微少な差異の発生に伴う表示結果の変動による無用のトラブルを避けるという趣旨にかんがみ、超えない整数値の範囲内であれば差し支えないものと考えます。

7−2方位別開口比について

(頂いた御意見)
 各方位について、方位別開口比(○○%以上。・・が明示されていること。とあるが評価対象住戸の各方位毎に、開口部の面積の総和を、○○u以上と明記する方がよいのではないか。
 居住者にとって、例えば他の住戸と比較する場合、○○u以上と表示した方がわかりやすいのではないか。
(国土交通省の考え方)
 方位別の開口比プロポーションの表示に主眼を置いており、開口部の面積の総和は趣旨が異なるものです。また、開口部の総和は、必要なら7−1の値から容易に逆算可能です。よって、原案のままとしました。

8−1重量床衝撃音対策について

(頂いた御意見)
 (3)ロ 相当スラブ厚(重量床衝撃音)2においてALCも追加していただきたい。
 評価の汎用性を高めるため。(改正案では従来通り特認が必要)
(国土交通省の考え方)
 技術的知見が蓄積されれば、将来的に告示への追加も考えられますが、現状では特別評価方法認定による対応となると考えています。

(頂いた御意見)
 8−1(3)イ(1)(イ)「受音室の内側(4辺のうち平行な2辺が拘束となる場合にあっては、受音室の内側で、受音室の壁から直交する方向に1m以内の位置)」となっていますが平行な2辺には壁位置のみなし規程によって新たに拘束辺になるものと、すでに存在する拘束辺の両方が含まれるのですか?
 また、2辺以上が拘束辺となる場合も対象となるのでしょうか?
 いずれにしても解釈が難しいので例示をお願いいたします。
(国土交通省の考え方)
 内容がわかりやすくなるよう、基準の表現を修正しました。また、解説書には、図を用いて具体的に解説されております。

部屋の配置 ただし、ホームエレベーター(出入口の有効な幅員が〜)のものに限る。)、について

(頂いた御意見)
 ただし、ホームエレベーター(出入口の有効な幅員が〜)のもので、かつ、介助用車いすの使用が可能であるものに限る。)、とすべき。
 ホームエレベーターに幅員は確保されているが、奥行きが小さいため、車いすの使用が出来ないタイプがあるため(4,3等級も同様)
 P94 (2) ロ 評価事項2の表(ろ)項 b「介助式車いす使用者が基本生活行為を行うことを容易にすることに特に配慮した措置が講じられていること」とある。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、介助用車いすの使用が可能であることが必要である旨基準を改めました。

2A(2)式台について

(頂いた御意見)
 設置する式台は可動式(簡易的)なものでもよいと捉えてよいのか。
 設計評価及び型式申請時でのチェックや検査時のチェックがしにくい。
 式台の昇降時の安全性や耐久性上問題があると思われる。
(国土交通省の考え方)
 据え付けられていないものは不適切であるものと考えます。また、その旨解説書に解説されております。

2A(2)式台について

(頂いた御意見)
 式台の奥行き300o以上のみであるが、幅についても最低限の長さ、600o以上を規定すべき。
 式台昇降時における安全性を確保するため。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、幅の基準を追加しました。

2A(2)玄関の上がりかまちの段差(奥行き300mm以上の式台を設ける場合の土間と式台との段差及び式台と上がりかまちの段差を含む。)について

(頂いた御意見)
 玄関の上がりかまちの段差(奥行き300mm以上幅600mm以上の式台を1段設ける場合の土間と式台との段差及び式台と上がりかまちの段差を含む。)とすべき。
 式台の段数を1段と限定するため。
(国土交通省の考え方)
 改正案では、1段までを許容していることが表現されてるものと考えますので、原案のままとしました。

2A(4) 面積が3平方メートル以上9平方メートル(当該居室の面積が18u以下の場合にあっては、当該面積の1/2)未満、について

(頂いた御意見)
 この表現では例外がかなりある。
 面積と部屋に対する割合は規定されるが、形状や個数はどうするのか。
 キャスター付き畳台といったものも想定される。
(国土交通省の考え方)
 個数については、その一つ一つが3〜9平方メートルであり、かつ、その面積の合計が、当該居室の面積の1/2未満である場合に認められるよう基準を修正しました。また、据付られていないものは不適切である旨解説書に解説されております。

3階段 ただし、〜、ハ3のaからdまでに掲げる基準に適合している場合にあっては、この限りでない。について

(頂いた御意見)
 ホームエレベーターの設置によって、階段の形状や勾配などが緩和されるのであれば、階段の手すりについても緩和されるべき。
 ホームエレベーターの設置によって緩和されるのは3階段の規定のみで、4手すりについては範囲外となっている。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、修正しました。

5通路及び出入口の幅員 日常生活空間内の(バルコニーの出入口及び勝手口等の出入口を除く。以下同じ)の幅員について

(頂いた御意見)
 バルコニーの出入口を除くのは好ましくない
 (2)ロ2「各等級に要求される水準は、次の表の(い)項に掲げる等級に応じ、評価対象住戸の内部及びバルコニーにおける移動等の安全性及び介助行為の容易性への配慮のために講じられた対策が、(ろ)項に掲げる水準にあること。」とある。
 バルコニーに要求されている性能は何か明確にする必要がある。
(国土交通省の考え方)
 本基準ではバルコニーへ車いすで移動することは求めていないため、原案のままでよいものと考えます。
 ただし、評価事項がバルコニーを対象としているように捉えられかねないので、基準の表現を修正しました。

6寝室、便所及び浴室 日常生活空間内の便所の短辺(工事を伴わない撤去等により確保できる部分の長さを含む。)が内法寸法で1,300mm又は便器後方の壁から便器の先端までの距離に500mmを加えた値以上であり、かつ、当該便所の便器が腰掛け式であること。について

(頂いた御意見)
 日常生活空間内の便所は、便器と壁の距離(工事を伴わない撤去等により確保できる部分の長さを含む。)が、前方800mm及び側方500mmであり、かつ、当該便所の便器が腰掛け式であること。とすべき。
 便器前方の500mmの介助スペースは、便器に座った場合、足先があるため介助スペースとしては小さく、かがめるような介助姿勢がとれない。介助のことを考えると800mmが望ましい。
 介助を考えたときには内法寸法よりも便器まわりのスペースが確保されている方がわかりやすく、確実であるため。
(国土交通省の考え方)
 前方に500mmのスペースがあれば、最低限、介助が行えるものと考えます。
 また、大幅な基準の強化となるもので、改正基準案の公表の際に提示できなかったものについては、広くご意見を伺う機会がないため、修正は困難であり、継続的な検討課題としたいと思います。

1共用廊下 手すりが、共用廊下(次の(1)及び(2)に掲げるものを除く。)の少なくとも片側に、かつ、床面からの高さが700mmから900mmの位置に設けられていること。ただし、住戸その他の室の出入口その他やむを得ず手すりを設置できない部分にあっては、この限りでない。
 (
1) 交差する動線がある場合その他やむを得ず当該共用廊下の少なくとも片側に連続して手すりを設けることのできないもの。
 (
2) エントランスホールその他の手すりに沿って通行することが動線を著しく延長させるもの。について

(頂いた御意見)
 手すりが、少なくとも片側に、かつ、床面からの高さが700mmから900mmの位置に設けられていること。ただし、住戸その他の室の出入口その他やむを得ず手すりを設置できない部分又はエントランスホールその他の手すりに沿って通行することが動線を著しく延長させるものにあっては、この限りでない。とすべき。
 内容が難解でわかりにくい。
 技術解説書での説明をお願いしたい。
 (1)については前文の但し書きで読めるので不要。
(国土交通省の考え方)
 基準を整理し、基準の表現を修正しました。

1共用廊下 直接外気部に開放されている共用廊下(1階に存するものを除く。)、について

(頂いた御意見)
 直接外気部に開放されている共用廊下(1階(廊下床面が外部の地面から1m以内の高さの場合)に存するものを除く。)、とすべき。
 転落する恐れのある高さに1階廊下がある場合がある。
(国土交通省の考え方)
 大幅な基準の強化となるもので、改正基準案の公表の際に提示できなかったものについては、広くご意見を伺う機会がないため、修正は困難と考えますので、継続的な検討課題としたいと思います。

(頂いた御意見)
 9高齢者等への配慮において、等級5の段差の基準(イ−2A−a−(4))における居室部分の床段差(畳コーナー等)において、建具等がある場合の間口の定義は、建具等を撤去した場合の壁枠間等の有効寸法として頂きたい。(等級4.3.2も同じ)
 車椅子が通過することが無い。また、車椅子からの移乗が日常的となった場合は、建具等の撤去は容易である。
(国土交通省の考え方)
 建具等の撤去による対応が可能となるよう、基準を修正しました。

(頂いた御意見)
 2.建設住宅性能評価申請時における確認済証の写しの添付の廃止。
 建築基準法においては確認済証の交付をもって着工ができます。一方、建設性能評価では第1回目の基礎配筋検査が着工後すぐ行わなければなりませんので検査工程の調整に苦慮しております。検査をスムースに運用するためにも確認済証の交付前に建設住宅性能評価申請を行えるよう要望する次第です。
(国土交通省の考え方)
 建築基準法令に適合するかしないか不明なものについて建設評価を行うことは、かえって手戻りを招きかねず、また、制度の信頼性を損なうことにつながるので、確認済証の添付を廃止することは不適当と考えます。

(頂いた御意見)
 旧基準による住宅型式認定で評価可能な為、改正により現行より基準が緩くなる項目(劣化対策等級等)に対して、取得済の住宅型式認定は改正後も有効であることを明記していただきたいのですが。
(国土交通省の考え方)
 そもそも型式認定に有効期間はないので、取り消しの対象にならない限り継続して有効となります。

(頂いた御意見)
 基準が変わったことによる経過処置として6ヶ月程度の移行期間を取って頂きたい。
 現在契約をしようとしている住宅が、実際建築される時期は半年ほど後になるケースがあるため。
(国土交通省の考え方)
 改正基準の一部については、その施行を平成14年4月1日とし周知期間を設けるとともに、新基準施行後は、施行日に評価中の案件等について引き続き旧基準による評価ができる旨の経過措置規定を設けております。

(頂いた御意見)
 旧基準で建設された住宅と、新基準で建設された住宅を判別する方法を示して頂きたい。
 万一、クレームになった場合、新旧の区別をつける必要があるため。
(国土交通省の考え方)
 表示基準に基づき、いつ付けの基準によったのか表示することになっていますので、判別は可能と考えます。また、評価申請の際も、それが判断できる情報を明示していただくことになります。

3.評価方法基準別記第1号様式[記入要領]6.について

(頂いた御意見)
 「指定評価機関における評価の場合にあっては評価を行った評価員の氏名、それ以外の場合にあっては」を削除する。
 設計内容説明書は、申請者が作成するものであり、評価機関の評価員氏名を記入するのは不適当ではないか。
(国土交通省の考え方)
 誰が評価をしたのかといった責任の所在を明確にするためにその記名が必要と考えられますので、原案のままとしました。


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