別紙 |
平成13年2月
1. | 背景 |
標準引越運送約款(平成2年運輸省告示第577号)及び標準貨物自動車利用運送(引越)約款(平成2年運輸省告示第580号)(以下「標準引越運送約款等」という。)については、制定より10年を経過しましたが、この間、引越サービスの高度化、利用者ニーズの多様化、新たな輸送品目の出現など、引越を取り巻く環境には大きな変化が見られ、これに伴い、利用者、事業者双方の理解、認識の相違なども発生しております。
国土交通省としては、一般消費者が利用者となる機会の多い引越運送において、利用者保護は極めて重要な課題であることから、今般、諸般の状況を踏まえ標準引越運送約款等を総合的に見直すこととし、@消費者保護に資するための契約内容の明確化、A分かりやすさに配慮した表現の平易化、B標準引越運送約款等制定後の状況変化に合わせた規定の適正化の3点を見直しの視点として改正を行います。 なお、施行時期は、平成13年度前半を予定しています。 |
2. | 改正の概要 | |||||
(1) | 適用範囲の明確化 | |||||
事業所等の移転については,この標準引越運送約款等によらない旨をあらかじめ告知した場合には、適用しないこととします。 | ||||||
(2) | 見積り関係 | |||||
1) | 見積書の記載事項に次の事項を追加します。 | |||||
・ | 主な作業内容(事業者と利用者の作業分担等) | |||||
・ | 事業許可番号 | |||||
・ | 見積り担当者の氏名 | |||||
・ | 運賃等の支払方法 | |||||
2) | 下見料を請求する場合を明記します。 | |||||
見積りについては、原則として無料としますが、発送地又は到達地等において下見を行った場合に限り、下見に要した費用を請求することができることとします。この場合に、事業者は、見積りを行う前にその金額を申込者に通知し、了解を得ることとします。 | ||||||
3) | 内金・手付金等(下見料を除く)の請求をしないことを明確にします。 | |||||
4) | 見積りの際に、事業者が標準引越運送約款等を申込者に提示することとします。 | |||||
5) | 事業者が見積書に記載した荷物の受取日の2日前までに、申込者に対して、見積書の記載内容の変更の有無等について確認することとします。この確認を行わなかった場合は、事業者は解約手数料又は延期手数料の請求はできないこととします。 |
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(3) | 荷物の受取 | |||||
1) | 荷物の受取に時間の概念を導入します。 | |||||
2) | 事業者が運送上特段の注意を要するもの中の「壊れやすいもの」にパソコン等の電子機器を含むことを明示します。 | |||||
(4) | 荷物の引渡し | |||||
事業者が、荷物受取時に引渡日時を荷送人又は荷受人に対して通知することとします。 | ||||||
(5) | 事故時の措置 | |||||
事業者が、荷物の一部の滅失又はき損を発見した場合、荷送人の指図を求めずに運送を続行することになっていますが、その際、その事実を遅滞なく荷送人に通知することとします。 | ||||||
(6) | 運賃等の収受 | |||||
運賃等の収受は、見積書に記載された支払方法によって行うこととします。また、収受した運賃等の割り戻しをしない旨の規定は、法律に規定されているため削除します。 | ||||||
(7) | 解約手数料の明確化 | |||||
解約の原因が荷送人の責任による場合には、解約手数料とは別に、事業者が既に実施又は着手した附帯サービスに要した費用を請求できることとします。ただし、これは見積書に明記したものに限ります。 | ||||||
(8) | 延期手数料の新設 | |||||
荷送人の責任で、荷物の受取日の延期が行われた場合、事業者は、解約手数料の範囲内で延期手数料を請求できることとします。 | ||||||
(9) | 損害賠償の対応 | |||||
事業者は、荷物その他のものの滅失、き損又は遅延につき責任のある時は、速やかに損害賠償することを明確にします。 | ||||||