国土交通省
 船舶職員法施行規則等の一部を改正する省令案に関する
 パブリックコメントの募集結果について 
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平成15年3月20日
<連絡先>
海事局海技資格課
(内線45314)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省では、平成14年11月22日から平成14年12月20日までの期間において、船舶職員法施行規則等の一部を改正する省令案に関するパブリックコメントの募集を行いました。その結果、14件の御意見を頂きました。頂いた御意見の概要及び国土交通省の考え方を下記のとおりまとめましたので、公表いたします。
 なお、省令案に直接関係する御意見のみ掲載せて頂きましたが、掲載しなかった御意見についても今後の施策の推進に当たって、参考にさせて頂きたいと考えております。


船舶職員法施行規則等の一部を改正する省令案
に係る意見と国土交通省の考え方

  1. 特定操縦免許について
    (頂いた御意見)
     特定操縦免許が講習だけで取得できるのは安全性の観点から問題ではないか。
    (国土交通省の考え方)
     特定操縦免許の取得に必要な小型旅客安全講習課程は、不特定多数の第三者の生命・身体の安全確保を目的とした緊急時における人命救助に必要な実践的な知識・技能を修得させるための実習(人口呼吸等)を内容とするものです。こうした知識・技能は、実習による実体験を通じて効果的に修得できるものであると考えています。

  2. 技能限定について
    (頂いた御意見)
     湖川小馬力限定の免許については、航行区域を沿岸1海里又は平水区域とすべきである。
    (国土交通省の考え方)
     湖川小出力限定(新制度では「湖川小馬力限定」を「湖川小出力限定」と改称します。)の免許については、利用者の状況等に鑑み、引き続き湖川で利用することができる免許とします。実際の海難の多くは陸岸から近い水域で発生しており、湖川小出力限定の免許で航行することができる区域を沿岸1海里というように拡大することは適切ではないと考えています。

  3. 操縦試験について
    (頂いた御意見)
     身体検査について、直接試験機関で受診できるのはよいが、地域によって不公平が生じないか。
    (国土交通省の考え方)
     身体検査については、1事前に予備身体検査を受け、試験当日に試験機関の行う身体検査を証明書の内容の確認及び目視といった簡素なものとすること、2事前に予備身体検査を受けることなく、試験当日に試験機関で直接身体検査を受けること、のいずれかを受験者が選択できるようになるものであり、こうした措置によって地域間に不公平が生じることはないと考えています。

    (頂いた御意見)
     特殊小型船舶操縦士の免許を創設し、水上オートバイを別免許としているが、安全性を確保し、海難を減少させるためには、一般の小型船舶についてもその試験・教習内容を充実すべきである。
    (国土交通省の考え方)
     新制度においては、試験の内容について、海難の未然防止のための知識等、安全に重点を置いた内容とします。また、一般の小型船舶と水上オートバイの試験が別々となることで、それぞれに特有の知識・技能を適確かつ効果的に判定・教育することができると考えています。

  4. 小型船舶操縦者(小型船舶の船長)の遵守事項について
    (1)自己操縦関係

    (頂いた御意見)
     自己操縦の適用範囲について、港則法に規定する港の区域や海上交通安全法に規定する航路内だけでなく、沿岸2海里以内などとすべきである。
    (国土交通省の考え方)
     遵守事項は、これまでマナー・シーマンシップによっていたもののうち必要最小限のものを明確化したものです。こうしたことから、自己操縦の具体的な適用範囲についても、まずは必要最小限のものとして、他の水域に比べ、船舶が輻輳し海難の危険性の特に高い水域をその範囲とすることとします。なお、この範囲については、海難等の状況を踏まえ、必要に応じ、見直していくこととしています。

    (頂いた御意見)
     船舶職員と小型船舶操縦者の分離といった法改正の趣旨から、自己操縦の適用除外として、大型船用の海技士の資格を有する者が操縦する場合を含めるのはおかしいのではないか。
    (国土交通省の考え方)
     他の有資格者の操縦により小型船舶操縦者の自己操縦が除外される場合の有資格者とは、小型船舶操縦士の免許証を受有している者を指し、海技士の海技免状のみを受有する者は含みません。

    (頂いた御意見)
     業務以外の場合であっても、組織的な運航を行っている場合は自己操縦の適用除外とすべきである。
    (国土交通省の考え方)
     業務用小型船舶については、プレジャーボートと異なり、常に同一の乗組み体制で運航されており、小型船舶操縦者と乗組員間の指揮・命令権が明確となっている上、事業者による安全管理体制が確保されていることから、自己操縦を除外します。

    (頂いた御意見)
     帆船は、帆走中以外もすべて自己操縦の適用除外とすべきである。帆船に自己操縦規制を課すことは、ヨット人口の減少をもたらし、振興を阻害するのではないか。
    (国土交通省の考え方)
     帆走中の帆船については、組織操船が前提となっているため、自己操縦を除外するものです。一方で、機関のみを利用し航行している場合は、基本的にはモーターボートと同様であることから、自己操縦にすることが適当であると考えています。
     また、水上オートバイ以外の帆船などの小型船舶についての自己操縦規制は、あくまでも港則法に規定する港の区域や海上交通安全法に規定する航路内といった、船舶が輻輳し海難の危険性の特に高い水域のみで課すものであり、それ以外の水域では、従来どおり小型船舶操縦操縦者の監督の下で何人も操縦することが可能なことから、帆船の振興の妨げとなるものではないと考えています。

    (頂いた御意見)
     民間ボートスクールでの実技講習についても、自己操縦の適用除外とすべきである。また、こうした適用除外を省令上で明確に規定すべきである。
    (国土交通省の考え方)
     適切な指導員の下で、安全性が十分に確保されていると認められる場合は、民間ボートスクールが実技講習を行う場合などにおいて自己操縦の適用を除外します。また、民間ボートスクールでの実技講習の適用除外については、水上オートバイの体験教室などとともに適切な形で省令に規定します。

    (2)危険操縦関係

    (頂いた御意見)
     漁具等が施設してある場所での疾走等も危険操縦とすべきである。
    (国土交通省の考え方)
     遵守事項は、これまでマナー・シーマンシップによっていたもののうち必要最小限のものを明確化したものです。こうしたことから、危険操縦の具体的な適用範囲についても、まずは必要最小限のものとして、人の生命や身体に直接的に危害を加えるおそれのある場合とすることとします。漁具等が施設してある場所での疾走等については、教習等の中で免許取得者に対し、その危険性について十分に指導・啓発を行っていくこととしています。なお、この範囲については、海難等の状況を踏まえ、必要に応じ、見直していくこととしています。

  5. 現行五級免許者について
    (頂いた御意見)
     ・現行五級免許者が受けることとなる新二級の免許に係る技能限定の航行区域を2海里以内にすべきである。
     ・新制度では現行五級に相当する資格がなくなるため、現行五級免許者が上級の資格にステップアップしやすい試験制度が必要である。
    (国土交通省の考え方)
     免許者が修得している知識・技能と安全性に鑑み、現行五級免許者が受けることとなる新二級の免許には航行区域1海里の技能限定を付し、当該免許で航行することができる水域は引き続き現行五級と同様のものとします。なお、こうした1海里の技能限定がなされた新二級免許者が新一級(5トン限定)又は新二級(5トン限定)の免許の試験を受ける場合は、実技試験を免除します。


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