国土交通省
 「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物
 の建築の促進に関する法律(ハートビル法)施行令の一部
 を改正する政令案及び告示案」に関するパブリックコメント
 の募集結果について
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平成15年3月6日
<連絡先>
住宅局建築指導課
(内線3953)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省では、平成14年12月11日から平成15年1月10日までの期間において、「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)施行令の一部を改正する政令案及び告示案」に関するパブリックコメントの募集を行いました。その結果、73件の御意見を頂きました(重複を除く)。頂いた御意見の概要及び国土交通省の考え方を(別紙)のとおりまとめましたので、公表いたします。
 なお、本政令案に直接関係する御意見のみ掲載させていただきましたが、掲載しなかった御意見についても今後の施策の推進に当たって、参考にさせていただきたいと考えております。


 

「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に
関する法律(ハートビル法)施行令の一部を改正する政令案及び告示案」
について頂いた主な御意見とそれに対する国土交通省の考え方

(別紙)

【ハートビル法施行令第1条関係】

(頂いた御意見)

 第十五号の「その他これらに類するもの」には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第一号から第四号までの営業許可が必要な用途は含まれるのか。
(国土交通省の考え方)
 同法第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業に係る施設以外は含まれます。

【ハートビル法施行令第2条関係】

(頂いた御意見)

 第八号の「保健所、税務署その他不特定かつ多数の者が利用する官公署」が第1条で定める特定建築物に含まれていないのはなぜか。
(国土交通省の考え方)
 「保健所、税務署その他不特定かつ多数の者が利用する官公署」は第1条第8号に規定する「事務所」に含まれます。

(頂いた御意見)
 第九号にはグループホームや高齢者向け優良賃貸住宅は含まれるのか。
(国土交通省の考え方)
 確認申請上「老人ホーム、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの」に該当するものは含まれますが、「共同住宅」、「寄宿舎」、「下宿」に該当するものは含まれません。

(頂いた御意見)
 第十一号には会員制スポーツクラブは特別特定建築物に含まれるのか。
(国土交通省の考え方)
 一般公共の用に供される体育館、水泳場に該当しない限り含まれません。

【ハートビル法施行令第3条関係】

(頂いた御意見)
 地方公共団体が条例により特定施設を追加できるようにすべき。
(国土交通省の考え方)
 1義務付け対象用途に第2条で定める特別特定建築物に含まれていない特定建築物用途を追加すること、2義務付けの対象となる建築の規模を2,000m2未満に設定すること、3特定施設の構造及び配置に関する基準を付加すること以外は法第3条第2項の規定により条例に委任されておりません。

【ハートビル法施行令第5条関係】

(頂いた御意見)
 複合用途の場合においては床面積をどのように計算するのか。
(国土交通省の考え方)
 特別特定建築物の用に供される部分のうち、2,000m2以上の用途部分について適合義務が発生します。例えば、1,000m2の物販店舗と3,000m2の劇場からなる複合建築物の場合、劇場部分について適合義務が発生します。また、条例で義務付け対象規模の引き下げられた用途については当該用途の用に供する部分が条例で設定された規模以上か否かで判断することになります。

【ハートビル法施行令第7条〜第16条関係(利用円滑化基準全般)】

(頂いた御意見)
 廊下等、階段、便所などにおける照明計画やサイン計画など弱視者等の利用に配慮した基準を追加すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘のような弱視者等の利用に配慮した整備が推進されるよう、「高齢者・身体障害者等の利用を配慮した建築設計標準(平成15年2月)」において、1通路等の照明に関して通行に支障のない明るさとするとともに、適宜足元灯等を設けることが望ましいこと、2案内板等の表示は大きい文字と図を用い、背景色と識別しやすいものとすること、3案内板等の高さは見上げ角度が小さくなるよう設けること等を紹介し、講習会等を通じ広く周知を図ることとしています。

(頂いた御意見)
 災害時の誘導方法(ホテル等における非常放送の音声案内を文字で表示する設備の設置)など、聴覚障害者の利用に配慮した基準を追加すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘のような聴覚障害者にきめ細かく配慮した機器の設置等の措置が推進されるよう、「高齢者・身体障害者等の利用を配慮した建築設計標準(平成15年2月)」において聴覚障害者に配慮した情報提供等の考え方及び具体の配慮事例を紹介し、講習会等を通じ広く周知を図ることとしております。

(頂いた御意見)
 昇降機の乗降ロビーの位置や便所の出入口などの位置を音声により知らせる装置を設けることを求めるべきである。
(国土交通省の考え方)
 利用円滑化基準においては案内設備までの誘導についてはハード上の対応を求めるものの、その後の施設内の案内誘導については施設ごとの特性に応じ個々にソフト・ハードの対応を適切に組み合わせつつ対応していただく主旨となっております。なお、「高齢者・身体障害者等の利用を配慮した建築設計標準(平成15年2月)」において、音による案内を考慮することが望ましい旨を紹介し、講習会等を通じ広く周知を図ることとしています。

【ハートビル法施行令第7条関係】

(頂いた御意見)
 点状ブロック等の敷設はすべての用途で対応する必要があるのか。
(国土交通省の考え方)
 点状ブロック等の敷設などの措置は不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用する部分に適用を限定しております。(第8条第五号、第9条第四号、第13条第2項第五号リ、第14条第1項、第14条第2項第二号ロも同様。)したがって、特別特定建築物の中でも老人ホーム等においては通常適用されず、自動車教習所など特定の者が利用し、かつ、主として視覚障害者が利用する部分を有しない建築物が条例で義務付け対象用途に追加されたとしても適用されません。

【ハートビル法施行令第10条関係】

(頂いた御意見)
 建築物に便所を設けない場合においても、車いす使用者用便房の設置を求められるのか。(第12条の「車いす使用者用駐車施設」も同様)
(国土交通省の考え方)
 車いす使用者用便房・駐車施設の設置が求められるのは、建築物に不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する便所・駐車場を設ける場合に限られます。

【ハートビル法施行令第13条第1項関係】

(頂いた御意見)
 第一号の適用範囲がよくわからない。(特に居室のあとの括弧書き)
(国土交通省の考え方)
 2階建ての建築物など直接地上へ通ずる出入口のある階(地上階)の直上・直下の階以外に居室を有しない建築物の場合、来訪者は1階分の移動のみで利用居室に到達できますが、このような建築物に階段に代わる昇降機や傾斜路などの大掛かりな設備の設置を一律に求めることは現状では過剰な規制と考えられます。このため、地上階の直上階・直下階以外に居室を有しない建築物については地上階に存する居室のみ利用居室として当該居室に至る経路等のバリアフリー化を求めています。

(頂いた御意見)
 崖地に建つ5階建ての建築物で各階に不特定かつ多数の者が利用する居室があり、地上階が1階と4階の2箇所である場合についても、地上階のみバリアフリー対応を求めることとなるのか。
(国土交通省の考え方)
 例えば車いす使用者用駐車施設が1階のみにある場合には車いす使用者用駐車施設から4階にある利用居室までの経路は利用円滑化基準に適合する必要があるなど施設全体の計画に応じて判断することとなります

【ハートビル法施行令第13条第2項第二号関係】

(頂いた御意見)
 「車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造」とはどのようなものをいうのか。
(国土交通省の考え方)
 車いすによる通過が困難な回り扉等車いす使用者が円滑に通過できない構造の戸を設けないよう求めるものです。

【ハートビル法施行令第13条第2項第三号関係】

(頂いた御意見)
 「車いすの転回に支障がない場所」の具体的な寸法を規定すべき。(第2項第七号も同様)
(国土交通省の考え方)
 具体的には車いすの車輪中央を中心に180°回転が可能となる幅140cm、奥行き170cm程度の空間や360°回転が可能となる150cm角の空間が確保されている場所が考えられますが、十字・T字の交差部でも車いすの転回が可能となりますので、特定の形状・寸法を規定しないこととしています。

【ハートビル法施行令第13条第2項第五号関係】

(頂いた御意見)
 かご内における「かごが停止する予定の階」の表示については、かご内の利用者が行き先を登録した階に限る(行き先階登録ボタンの応答灯のみでよい)旨を明記すべきである。
(国土交通省の考え方)
 当該規定はかご内の者が自らの目的階にかごが停止するようボタンを押す必要があるか確認できるようにすることが目的であり、ご指摘のような対応で利用円滑化基準に適合すると考えられます。

(頂いた御意見)
 共同住宅や寄宿舎などが条例により特別特定建築物に追加された場合においても、チ及びリの基準が係ることとなるのか。
(国土交通省の考え方)
 チの基準は「不特定かつ多数の者が利用する建築物(2,000m2以上)」の場合に限られます。また、リの基準は「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用する昇降機及び乗降ロビー」に限られます。したがって共同住宅や寄宿舎には適用されません。

【ハートビル法施行令第14条関係】

(頂いた御意見)
 「線状ブロック等及び点状ブロック等」と「音声その他の方法により視覚障害者を誘導する設備」は両方求めるべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 どのような誘導方法が適切であるかは施設の用途等により異なるため、一律にブロック等と音声の両方の対応を基準上求めることとしていませんが、「高齢者・身体障害者等の利用を配慮した建築設計標準(平成15年2月)」において必要に応じ線状ブロック等及び点状ブロック等と音や画像・光・振動による情報提供設備を組み合わせて設置することが有効である旨を紹介し、講習会等を通じ広く周知を図ることとしております。

【ハートビル法施行令第16条関係】

(頂いた御意見)
 法第5条第1項に基づく努力義務のみが課せられる建築物(学校など)においては、「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する」特定施設部分はないものと考えられるが、その場合には利用円滑化基準がどのように適用されるのか。
(国土交通省の考え方)
 特別特定建築物以外の特定建築物を建築しようとする場合は、条例で特別特定建築物に追加された場合に適用される基準に適合するよう努める必要があります。そのため、第16条の規定により、「不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、身体障害者等が利用する」とあるのを「多数の者が利用する」と、「特別特定建築物」とあるのを「特定建築物」と読み替えた基準への適合に努めていただくこととなります。


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