国土交通省
 「建設業者の不正行為等に対する新たな監督処分の基準
 案」に関するパブリックコメントの募集の結果について
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平成14年3月28日
<問い合わせ先>
総合政策局建設業課
(内線24754)

電話:03-5253-8111(代表)


 

  国土交通省では、平成14年2月13日から平成14年2月26日までの期間において、「建設業者の不正行為等に対する新たな監督処分の基準案」に関するパブリックコメントの御意見の募集を行いました。その結果、73件の御意見を頂きました。
 頂いた御意見の概要及び国土交通省の考え方を下記のとおりまとめましたので、公表いたします。
 なお、御意見の概要につきましては、本基準案に直接関係する部分に限らせていただきましたが、掲載しなかった御意見についても今後の施策の推進に当たって、参考にさせていただきたいと考えております。


建設業者の不正行為等に対する新たな監督処分の基準案に係る頂いた御意見とそれに対する国土交通省の考え方

意見総数:73件

(頂いた御意見)
 監督処分基準に掲げる営業停止処分基準(例、虚偽申請、一括下請負事故等)について強化・緩和すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 今回の監督処分基準については、それぞれの不正行為等に係る営業停止処分基準等について強化・緩和の両面から様々なご意見を頂きました。今回の監督処分基準のうち、特に、不正行為等に係る営業停止処分の日数等については、不良・不適格業者の排除を徹底するという基本的姿勢のもと、個々の不正行為等の内容、社会的影響等、基準全体における整合性の確保等を勘案して設定したものであり、今回の素案が現状においては、適切であると考えております。

(頂いた御意見)
 監督処分を行う場合は、まず、指示処分を行い、従わない場合等に営業停止処分を行う等、段階的に設定すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 不正行為等が監督処分基準に掲げる営業停止に係る処分事由に該当するときは、原則として営業停止処分の対象になるものと考えておりますが、当該不正行為等が故意又は重過失による悪質な場合であることを前提条件にしております。当該不正行為等が、故意又は重過失でない場合には、原則として指示処分を行うことになるものと考えております。

(頂いた御意見)
 営業停止処分については、適用期間に上限を明示すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 そもそも建設業法上営業停止期間の上限は1年と定められおります。また、建設業法に基づく監督処分は、不正行為等を未然に防止することを目的していることから、営業停止処分の適用期間については下限により設定することが適切であると考えております。

(頂いた御意見)
 地域や業種を限定して監督処分を行う場合として、「必要に応じ」とするのは不適当。
(国土交通省の考え方)
 監督処分は法律上地域や業種を限定して処分をするとはされていないため、地域や業種の限定については、処分権者が、必要に応じ監督処分を行うこととなります。

(頂いた御意見)
 業種限定をする場合の要件として特定の工事の種別(土木、建築等)に係る部分のみで発生したことが明らかな場合としているが、その決定基準を明確にすべき。
(国土交通省の考え方)
 監督処分は、通常、業種を限定して処分することとはしていませんが、例えば、公共工事に特有の道路工事に関し不正行為等が行われた場合には、道路工事を行う業種について限定して行うこととなります。

(頂いた御意見)
 建設工事の請負契約に関する不正行為に対する監督処分について、公共工事に係る不正行為等とそれ以外の工事に係る不正行為等を別々に処分するのではなく、全ての営業を停止する処分とすべき。
(国土交通省の考え方)
 公共工事と公共工事以外の工事とは自ずから性格も異なることから、営業停止処分についても区分してそれぞれ行うこととしたものであります。

(頂いた御意見)
 公共工事の範囲を公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第2条第2項の「公共工事であることを明示すべき。
(国土交通省の考え方)
 入契法の公共工事は、国、特殊法人等又は地方公共団体が発注主体となっていますが、監督処分の対象となる公共工事は、国、地方公共団体、法人税法別表第1に掲げる公共法人、建設業法施行規則第17条の2各号及び第18条に規定する法人です。

(頂いた御意見)
 他法令違反に係る監督処分については、法令違反の事実が確定した時点で行うこととしてほしい。
(国土交通省の考え方)
 他法令違反に係る監督処分については、ご指摘のとおり、法令違反の事実が確定した時点で行うことを原則として、運用していきたいと考えております。

(頂いた御意見)
 同一の不正行為等を繰り返した場合は、より厳しくすべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 同一の不正行為等を繰り返した場合に係る営業停止の期間については、刑法の併合罪の考え方も参考にして、2分の3倍に加重することとしたものです。

(頂いた御意見)
 営業停止処分を受けた者が再び営業停止処分を受ける場合の取り扱いについて、同種の不正行為等を行った場合を要件としているが、「同種」の定義を明示すべきである。
(国土交通省の考え方)
 例えば、「同種」の不正行為としては不正な手段により契約を締結した場合などが考えられますが、個々の不正行為等の内容により「同種」の内容も異なってくるものと考えています。

(頂いた御意見)
 処分の透明性の向上等の観点から、営業停止処分を受けた者が再び営業停止処分を受ける場合の処分の加重の限度を明示すべき。
(国土交通省の考え方)
 情状の程度等により加重の程度も異なることを考慮すると、あらかじめ、限度を設定することは困難であると考えています。なお、建設業法上営業停止期間の上限は1年と定められています。

(頂いた御意見)
 処分日よりも前の不正行為が営業停止の対象となった不正行為等と同種の場合は、事情によっては必ずしも営業停止処分を行う必要がない場合もあり、そのことを明示すべき。
(国土交通省の考え方)
 処分日よりも前の不正行為が営業停止の対象となった不正行為等と同種の場合であっても、監督処分基準案二 総則1 監督処分の基本的考え方にしたがって、当該不正行為等の内容・程度、社会的影響、情状等を総合的に勘案して監督処分を行うこととなります。

(頂いた御意見)
 監督処分基準の活用に当たって、各地方整備局で運用が異なることのないようにしてほしい。
(国土交通省の考え方)
 各地方整備局とは緊密な連携を図り、統一的な運用が図られるよう、対処していきたいと考えております。

(頂いた御意見)
 監督処分基準について、都道府県への適切な指導及び周知徹底を図ってほしい。
(国土交通省の考え方)
 都道府県における監督処分事務は自治事務であることを踏まえ、今回の基準の対象とはしておりません。ただ、ブロック会議等、様々な機会をとらえて、今回の趣旨等については説明していきたいと考えております。

(頂いた御意見)
 不正行為等について、錯誤や軽微な過失に起因する行為まで含まれる可能性があり、厳しすぎるのではないか。
(国土交通省の考え方)
 監督処分基準案の三 監督処分の基準1(1)にあるとおり、処分事由に該当する不正行為等が、故意又は重過失による悪質なものである場合に、原則として営業停止処分を行うことになります。

(頂いた御意見)
 建設業者の業務に関する談合・贈賄等で、1月、2月、3月とあるが、具体の日数が不明であるので、明確化すべきである。
(国土交通省の考え方)
 ご指摘を踏まえ、1月は30日等に修正します。

(頂いた御意見)
 請負契約に関する不誠実な行為を、下請負人が犯した場合における元請負人の管理責任について不明確である。
(国土交通省の考え方)
 元請負人が不正行為等を故意又は重過失により行った場合でない限り、元請負人が営業停止処分を受けることとはなりません。

(頂いた御意見)
 請負契約に関する不誠実な行為として記載された行為が限定列挙である旨を明示すべき。
(国土交通省の考え方)
 社会通念上建設業者が有すべき誠実性を欠くものと判断されるものが、請負契約に関する不誠実な行為の対象になるものであり、記載されたものに限られるものではありません。ただ、記載されているものが典型的な例です。

(頂いた御意見)
 一括下請負について、元請負人が施工監理等について契約を誠実に履行しない場合等について、下請負人の範囲が不明確である。
(国土交通省の考え方)
 建設業法上、元請負人の定義は「下請契約における注文者で建設業者であるもの」とされており、1次下請負人に限られるものではありません。

(頂いた御意見)
 一括下請負の判断基準が不鮮明であることから、対応にバラツキがみられる。指導方法の統一性を高めてほしい。
(国土交通省の考え方)
 一括下請負の定義及び判断基準については、これまでも通達等により示してきたところでありますが、国及び地方公共団体の各建設業許可行政庁等において整合性のとれた、適切な運用がなされるよう、引き続き判断基準の充実と明確化に努めてまいりたいと考えております。

(頂いた御意見)
 施工体制台帳等の不作成に関し、意図的でなく、かつ軽微なものについては対象とならないようにしてほしい。
(国土交通省の考え方)
 施工体制台帳等については、全く作成しない場合・虚偽の作成を行った場合といった悪質な不正行為を営業停止処分の対象することとします。

(頂いた御意見)
 「無許可業者」については、定義を明確化してほしい。
(国土交通省の考え方)
 趣旨の明確化の観点から、「無許可業者」を「建設業法第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者」とします。

(頂いた御意見)
 建設業者が、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が政令で定める金額以上となる下請契約を締結した場合には、当該建設業者が営業停止処分の対象になるが、特定建設業の許可がなく一般建設業の許可しかない元請業者についても営業停止処分の対象とすべきでないか。
(国土交通省の考え方)
 特定建設業の許可がなく一般建設業の許可しかない元請業者についても、営業停止処分を行う点について、監督処分基準に明記することとします。

(頂いた御意見)
 公衆危害、工事関係者事故については、基本的に不可抗力等の原因によるものが多く、監督処分が安易に行われないよう、他の不正行為とは区別すべきである。
(国土交通省の考え方)
 事故関係については、死亡者又は3人以上の負傷者を生じさせたことに加え、公衆危害の場合は業務上過失致死傷罪、工事関係者事故の場合は労働安全衛生法違反及び業務上過失致死傷罪といった重大な法令違反があり事故に係る責任が明確である場合に、営業停止処分を行うこととします。

(頂いた御意見)
 工事関係者事故について、「工事関係者に死亡者又は3人以上の負傷者」を「工事関係者に死傷者」と、「業務上過失致死傷罪等の刑に処せられた場合等」を「・・・場合で、」に書き換えるべきである。
(国土交通省の考え方)
 基準を明確化・客観化させる観点から、死亡者又は3人以上の負傷者という要件にしたところですが、「等」については、極めて例外的なケースになるものであり、削除することとします。

(頂いた御意見)
 公道上の交通事故と認められる場合は、施工業者にペナルティを課すべきではない。
(国土交通省の考え方)
 交通事故の場合は、その役職員が建設工事の施工の過程において、業務上過失致死傷罪等の刑に処せられた場合についてのみは、営業停止処分の対象になり得るものと考えております。

(頂いた御意見)
 公衆危害、工事関係者事故については、地域・業種を限定した処分としてほしい。
(国土交通省の考え方)
 監督処分基準案二 総則2(1)(2)に掲げる要件に該当する場合には、必要に応じ、地域・業種を限定して処分を行うことになります。

(頂いた御意見)
 役員については、商法における取締役に限定されるのか等内容が不明確である。
(国土交通省の考え方)
 役員とは、建設業法第7条に規定するとおり、「業務を執行する社員(合名会社の社員、合資会社の無限責任社員)、取締役又はこれらに準ずる者」をいいます。

(頂いた御意見)
 施工者が共同企業体の場合の監督処分を明記すべきではないか。
(国土交通省の考え方)
 共同企業体については、各構成員の責任関係等、個々の施工の実態に即して監督処分基準の適用を判断することとなります。なお、事故の場合は、その役職員が業務上過失致死傷等の刑に処せられ、当該事故に係る責任が明確である建設業者のみが処分されることとなります。

(頂いた御意見)
 不正行為、違反行為の防止のためには、公表も必要ではないか。
(国土交通省の考え方)
 公共工事に係る贈賄罪、談合罪等公共工事に対する国民の信頼を大きく損ないかねない不正行為を抑止するとともに、発注者が不正行為により営業停止処分等を受けている建設業者を誤って指名し損害を被ることのないよう、許可取消し、営業停止処分の公表について、現在検討しているところです。

(頂いた御意見)
 別表二の5「大災害時における」の大を削除していただきたい。
(国土交通省の考え方)
 別表は営業停止の期間中でも行える行為の例について掲げたものでありますが、趣旨の明確化を図る観点から、大災害の「大」については削除します。

(頂いた御意見)
 別表一に「営業停止処分が公共工事ないし公共工事以外の工事に係るものに限定が付されている場合にあっては、公共工事ないし公共工事以外の工事に係る前各号の行為」を追加すべき。
(国土交通省の考え方)
 別表は営業停止の期間中でも行える行為の例について掲げたものでありますが、趣旨の明確を図る観点から、御指摘の趣旨の行為を追加します。

(頂いた御意見)
 今回の監督処分基準については、新基準の施行日以前の事実に遡って適用されないよう明記してほしい。
(国土交通省の考え方)
 今回の監督処分基準はその施行後に実行行為が行われたものから適用する点について、明記します。


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