国土交通省
 「旅行業法施行規則の一部を改正する省令案」及び「旅行業者
 営業保証金規則及び旅行業協会弁済業務保証金規則の一部
 を改正する省令案」についてのパブリックコメントの募集に寄せ
 られたご意見について
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平成16年10月28日
<連絡先>
総合政策局旅行振興課
(内線27313、27302)

電話:03-5253-8111(代表)


 

 国土交通省では、平成16年9月21日から平成16年10月5日まで、「旅行業法施行規則の一部を改正する省令案」及び「旅行業者営業保証金規則及び旅行業協会弁済業務保証金規則の一部を改正する省令案」について、ホ−ムペ−ジを通じて御意見を募集したところ、6件のご意見が寄せられました。
 お寄せ頂いたご意見とそれに対する国土交通省の考え方について、以下のとおり公表をいたします。
 また、今回の募集にあたり、ご協力頂きました方々へ厚くお礼申し上げます。
 なお、省令案に直接関係するご意見のみ掲載させて頂きましたが、掲載しなかったご意見についても今後の施策の推進に当って、参考にさせて頂きたいと考えております。


頂いたご意見の概要と国土交通省の考え方

1.営業保証金の額の見直し
 現在の営業保証金の還付状況に鑑みると、十分になされているとは言えず、今般検討中の50万円の営業保証金の引き上げでは旅行者保護を図るには実効性が低いのではないか。

 現行制度では、旅行者からの営業保証金の還付請求について、申請時期の前後にかかわらず旅行者間の平等を図れるよう措置されています。
 また、営業保証金の額については、旅行業者の業務範囲、旅行業務に関する取引額に応じ、旅行者に対する債務の額(前受金)と旅行業者が倒産した場合の債務返済能力の実情を勘案して段階的に算定されています(法第8条第1項)。
 旅行者保護の充実の観点からは、額の引き上げ幅を大きくすることが望ましいと考えますが、その一方で、昨今の厳しい経営状況における額の引き上げは、旅行業者に過大な負担を負わせ、倒産や旅行代金の値上げ等につながりかねません。特に、今般、額を引き上げを検討している、前事業年度取引額2億円未満の第3種旅行業者は、中小規模であることが多いことから、一層の配慮が必要になります。
 そこで、過去5年間の還付実績等から、必要最低限とされる額の引き上げを行うことが適当であると考えています。 

2.旅行業者等の取引条件説明等の内容の充実

  1. パンフレットに、伝染病等の流行状況、予防法等衛生情報を併せて記載すべき。

     旅行目的地における衛生情報については、現地の状況によって日々変更があり得るものであるため、パンフレット等への記載を一律に詳しく義務付けることは難しいのが実態です。
     そこで、今般の省令改正では、旅行目的地における衛生状況等の情報とその取得方法について、取引条件の説明、契約書面等交付事項として規定するとともに、旅行者の必要とする情報を具体的に、かつ、確実に提供できるよう、運用面でも旅行業界に対して促してまいります。

  2. パンフレット等に、旅行中のトラブルは、発生した現地において最大限解決を図ることをあらかじめ明記し、旅行業者と旅行者にその旨周知徹底すべき。

     ご指摘の点については、現在改正を検討中の標準旅行業約款において、旅行中のトラブルの解決の促進を図るため、旅行者が、旅行中に本来受領すべき旅行サービスと異なる旅行サービスが提供されたと認識した際には、旅行地において、その旨を旅行業者や手配代行者等に申し出るよう、明記することを検討しています。

  3. 取引安全の観点から、営業保証金額など旅行業者等の財務情報について、情報公開を進めるべき。

     旅行業者が供託する営業保証金(旅行業者等が旅行業協会の保証会員である場合は弁済業務保証金額)の額については、旅行業法により、旅行業者等の各営業所において必ず掲示又は備え置いてある旅行業約款に記載することとされています。
     また、会社名、代表者名、事務所の所在地、取り扱う業務範囲等の会社概要については、旅行業者等登録簿に記載されており、登録行政庁において、閲覧することが可能です。

3.旅程管理研修

  1. 研修内容の自由化等、申請条件を緩和すべき。研修のレベルについては、第三者機関による試験の実施により確保すべき。教材等は、公的機関が一定の基準となるべきものを作成すべき。

     各登録研修機関が行う研修の自主性、多様性を確保し、自由競争を阻害することがないようにするため、講義時間や教材等の研修内容については、旅程管理主任者の一定レベル以上の資質を確保する観点から必要最低限となる基準を規定するのにとどめることとしています。
     このうち、修了試験については、各登録研修機関で実施していただくことを考えていますが、修了試験の実施基準を明示し、これらを適切に運用することで、研修レベルは一定以上に担保されるものと考えています。
     また、どのような教材等を作成、使用して研修を実施するかについては、各機関の自由裁量による部分ですが、現在の指定研修機関で使用している教材を参考にし、又は使用することを妨げるものではありません。

  2. 旅行会社に一定割合の研修修了者の受入義務を課す、実務経験に匹敵する実習により実務経験を免除する等、実務経験の機会を確保するための措置を講ずるべき。

     現行制度においても、実務経験の機会を確保するための措置として、旅程管理業務に相当する実務研修(法定要件に適合する者の指導による模擬実地研修等)を受けた場合は、当該研修を受けた地域を目的地とする旅行に係る旅程管理業務に従事した経験とみなすこととしているところです。

  3. 旅程管理研修協議会を公開で実施し、新制度の透明性を確保すべき。また、協議会に意見を述べることのできる制度を創設すべき。

     旅程管理研修協議会は、研修レベルの維持・向上のため、修了試験のモデル問題の作成等に取り組んでいる、現行の指定研修機関による任意団体です。
     新たに研修機関として登録された場合には、原則的には、同協議会に参加していただくこととしており、今後も、透明性を高める制度になるよう努めてまいります。

  4. 旅程管理研修の受講資格について、従来のように旅行業界の者に限定すべきでない。

     近年のテロやSARS等の発生により、安全な旅行の実施に対する社会的要請が一層高まっている中、旅行地における臨機応変な措置を管理・監督する旅程管理業務主任者の重要性が増しています。このような主任者の一定の質を確保するため、現行の制度を見直し、旅程管理研修において専門的かつ実務に直結した内容を盛り込むとともに、研修と密接性を確保できる期間における一定の実務経験を資格要件としています。
     さらに、研修と実務経験で習得した能力について、継続的な日常業務の実施を通じて刻々と変わる旅行業界を取り巻く状況に柔軟に適応し、主任者としての資質を維持・向上させていくことが重要であると考えています。
     以上により、研修の受講資格については、旅行業に日常的に携わり、また携わる可能性のある、旅行業に従事している者とすることを検討しています。

4.旅行業者等の禁止行為の明確化
 土産物屋への立ち寄りは希望する旅行者とそうでない者がいる等旅行者はさまざまなニーズを持っている。ツアー商品の内容については、旅行者への事前の説明を尽くすべき。

 現行制度においても、旅行の日程や旅行サービスの内容については、取引条件説明、契約書面等交付事項として、旅行業者の義務として規定しているところですが、今後とも、旅行日程やサービス内容について、旅行者に対し、可能な限り、具体的に、かつ、明確に説明を行うよう、運用面でも旅行業界に対して促してまいります。


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